LOVE marriage

鳴宮鶉子

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比べたらいけないけど……

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沙也加ちゃんの結婚披露宴から1ヶ月半たった。
GWに入る前で、少し無理をして、仕事を片付けてる。
結城課長には早く帰るように言われても、納期はまだ先でも、休み前には全ての仕事を片付けて起きたかった。

仕事が多忙でも、近場の隠れ家的な店にランチタイムをずらして連れて行ってくれる結城課長に、いつも感謝をしてる。

「GW、予定はあるか?」

「特には、久しぶりに実家に帰ろうと思ってます」

「実家って、どこ?」

「神戸です」

美味しい手打ちそばとお寿司のセットに舌鼓を打ちながら、テンポよく会話をする。

「結城さんの実家はどちらなんですか?」

「俺、東京。GW、神戸に帰るんだ。神戸の街並み綺麗だもんな。観光で行きたいから、案内してくれない?」

「いいですよ」

GWに、結城課長は神戸に観光しに来るらしい。


GWがスタートし、最初の日は溜まりに溜まった家事に勤しむことにした。

高層マンションの下層階もベランダがサンルームになっていて、窓は全開にはできない作りになってる。

家の中の空気を入れ替えるために、窓を開けて洗濯物と布団を干す。

掃除機をかけて、フローリングを拭いて、家事に明け暮れた。

明日から1週間、家を空ける予定だから、冷蔵庫の中を整理する。

基本的に、果物と生野菜とヨーグルトぐらいしか入ってない。

夜ご飯はまとめにとらない生活をしてるわたし、時計の針を見たら午後2時。

お腹が空いたから、お財布とiPhoneとエコバッグを持って、1階にあるスーパーに早めの夕ご飯を買いに行く事にした。

スーパーに着き、お刺身を食べたいなっと鮮魚コーナーを見て、サーモンとイクラ、甘エビがたくさんのった海鮮丼を手に取った。
そして、惣菜コーナーでマカロニサラダにも手が伸びる。

今日は朝から、家の中の掃除を頑張ったから、少しぐらい食べ過ぎても大丈夫だよねっと、思いながらレジに向かおうとしたら、

「香坂」

と、呼ばれて振り向くと結城課長がいた。
課長も、わたしと同じで夕ご飯を買いに来てたらしい。
手には、おつまみとビール缶の6本セットを持っていた。

「結城課長、こんにちは」

結城課長と一緒にレジに並ぶ、結城課長が当たり前のように、わたしの分も支払ってくれた。

支払いに使ったカードに驚く。
うちのマンションの最上階のカードキーにクレジット機能がついたもので、思わず呆気にとられた。

結城課長と同じマンションに住んでると知らなかった。

結城課長が、

「香坂も今からご飯だろ、俺ん家に来いよ」

と声をかけてくれた。
わたしが1人で食事をするのが苦手なのを知っていての誘いだと思う。

エレベーターに乗り込む。

踏み入れたことが無い、21階より上の最上階へ向かう。

まさかの最上階の25階で、挙動不審になるわたし。
3億円物件に、わたし以外の人もたじろぐはず……。

6LDKでリビングが広い家の中に招かれ、わたしはとてつもなく緊張した。

センスがいい設計士だから、インテリアも凝っていて、モデルハウスみたいだった。


「明日、10時15分の便だから、9時50分に待ち合わせをして一緒に行こうか」

ビールを飲みながら、つまみをつまむ結城課長。
わたしは、海鮮丼とサラダを口に運びながら、結城課長が出してくれたミネラルウオーターを飲む。

「はい」

結城課長は、神戸駅前のシティーホテルを2泊3日とった。
神戸の有名な建造物を一緒に回る計画を立ててる。

わたし、結翔と別れてからこうやって誰かと一緒に行動を共にする事がなかった気がする。

大学の同性の友達とも、個人的に会って遊びに出かけた事は無かった。

結城課長と行動を共にする時、結城課長はスマートにエスコートしてくれる。
でも、わたしの意見を必ず聞いてくれる。

結翔とは、どうだったかな……。
友達の延長のように、たまにぶつかり合いながら、一緒の時間を楽しんでた。

イコールの関係

結城課長のエスコートしてくれる感じとは違った。

結城課長のわたしを守って大切に扱ってくれるのが、嬉しいけれど、戸惑いを感じてた。


食事を終えて、布団と洗濯物を干してるのと明日からの地元への帰省の準備がまだなのを理由に、自分の家に戻った。

バタバタと片付けと、明日からの帰省の準備をする。

そして、わたしは疲れ果てて早めに就寝をした。



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