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ムダンVSスカール
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老婆の機工士、デカイが鉄傀儡を操って飛行させ、戦場についた頃には、既にサイクロップスが砦の壁を幾らか破壊して、絶命していた。
「おや、今年の戦は負け濃厚かね? となると樹族は結界を広げて、ゴブリン谷の連中が文句を言うだろうねぇ。・・・なんだい? あの変わった魔法傀儡は。レッサー・オーガにそっくりじゃないか」
操縦席上部にあるアーム付きスコープを下ろして、デカイは魔傀儡をよく観察する。透視兼サーモグラフィモードで見ると核融合炉の心臓部分と、各関節部にいくらかの熱を帯びており、驚愕して奇声を上げ鳥肌を立てた。
「アイヤイヤ! ありゃ、魔法傀儡なんかじゃないよ! マナを一切使ってないからね! どうやってんだい?」
何本か抜けた歯がある口を大きく開き、数秒間驚いて固まってから、視線をサイクロップスに向ける。
「こめかみに大矢が刺さってるって事は、味方にやられたね? どうせ、間抜けのオデがやらかしたんだろうさ」
今しばらく戦場を俯瞰して見ていると、スカールがオデに大矢と大弓を投げつけて、即座に魔傀儡を挑発していた。
「無理するねぇ、スカールの坊やは。・・・いや、無理してないね、ありゃ。ギャーギャー喚きながら、回避に専念している。となると誰かが作戦を出した。アホの貴族様はそんな事しないから、ベンゾウの指示だね。あのガリ勉オーガに魔力があれば、チャールズの家庭教師をしてほしかったのに、残念だねぇ」
ベンゾウの作戦は見事だった。魔傀儡がスカールに手間取っている間に、ぞろぞろと陰に潜んだ暗殺者たちが、サイクロップスの体を橋にして、砦に侵入していく。樹族国のスカウトやアーチャーが次々に、倒されていくのを見て、デカイは大きな目を細めて喜んだ。
「いいよ、いいよー」
「おい! ババァ!!」
スカールが、ヒィヒィ言いながら、シズクの攻撃を避け、空に浮かぶ鉄傀儡に叫んだ。
「なんだい、スカールの坊や」
「そんなとこで、ぼーっと見てねぇで、俺を助けろ!!」
「男だろう? もう少し踏ん張りなよ。がーんばれ、がーんばれ」
近距離でアイビームを放たれたにも関わらず、スカールは上体を反らして、それを避けた。デカイの応援以上の活躍を見せている。だが、そろそろ泣き言の一つも言いたくなってくる頃だった。
「シャーマンとドルイドがマナ切れだつって、帰っていったんだよ! だから、俺はこれ以上援護が受けられねぇ。、、もう体力の限界が近いんだ! 参戦してくれ!」
「我々闇側の信条を忘れたかい? 力こそ全て、だろう? 魔傀儡に負けたら、それまでの事さ、オーガちゃん」
「頼むよ、ババ・・・。いや、デカイさん! チャールズが赤ん坊の頃、あの汚ねぇドブ川に落ちた時、助けてやったのは一体誰だ?」
「あぁ、そういや、アンタだったねぇ。で?」
「で? じゃねぇよ! 借りを返せつってんだよ! このままだと、俺がどうなっても知らんぞーーーッ!」
「煩い子だねぇ。まぁスカール程の戦士をむざむざ死なすのは惜しい。サブの格闘家の力だけで、魔傀儡とやりあってんだからね。ちょいと待ちな!」
デカイは口端から舌を出して、スコープを覗いたまま、シズクをロックオンし、レバーに付いた数あるボタンのうちの一つを押した。
すると、シズクの周囲にフォースフィールドが発生し囲んでしまった。と同時に電磁パルスが襲う。
シズクは無表情のまま、気味の悪い動きでガクガクと震えた後、地面に崩れ落ちた。
「ヒャッハー! 助かったぜ、ババァ!」
助かった途端、ババァ呼びに戻ったスカールに苦笑し、デカイは他の戦士たちに警告する。
「聞きな! 雑魚ども! その魔傀儡に手出しするんじゃないよ。下手に触ると起き上がるかもしれないからねぇ!!」
ビコノカミ・プロトタイプのどこに、拡声器が付いているのかわからないが、それを聞いたオークやゴブリンたちは、魔傀儡に群がるのを止めた。
シズクが倒れた途端、砦の門が開き、傭兵ギルドの獣人たちが、一気に雪崩出ってきたので、グランデモニウム王国軍は、そちらに向かって応戦を開始する。
今回は聞き分けの良かった無法者たちと、タイミング良く表れた獣人に、デカイは気を緩め、物欲しそうな顔で、シズクを見つめた。
「私もあれを持ち帰って、研究したいところだけどさ。電磁パルスのダメージから回復するのも時間の問題。触らぬ神に祟りなし、だわさ。さてと」
太陽の光を反射させる青いアダマンタイトの装甲に、砦から一斉に魔法が飛んできた。
「頼りの傀儡を倒された仕返しかい? 馬鹿だねぇ。アタシのビコノカミちゃんに、魔法は効かないよ」
尖塔のような肩が、体から離れ、ビットとなって、樹族の騎士やメイジたちにレーザーを放つ。だが、威力はそれほどでもなく、敵を射止めると思っていたレーザーは、火傷を負わせて一時的に戦闘不能にするだけだった。
すぐに僧侶たちが回復してしまうが、火傷を回復させても、ケロイド状態までは治せない。
「なんだい、ビットのビームには拍子抜けだねぇ。まぁ、いいさ。樹族の奇麗な肌に一生残る火傷を負わせたのだからね」
ゴブリンは総じて、樹族が憎い。それは遺伝子に組み込まれているレベルである。神話の時代に、ゴブリンたちは樹族に酷い目に遭わされているからだ。ハイヤット・ダイクタ・サカモト博士の目の届かないところでの、人体実験や差別などの記憶が、未だに刷り込まれているからだろう。
「一気に樹族の武将どもを叩きたいところだが、情けない事に我が軍は獣人どもに押され気味だぁね。暫くは獣人退治の仕事か」
デカイは操縦かんを握りしめて、身体能力の高い獣人たちを次々とロックオンして、ビームガンを構えた。
「【閃光】!」
カズンの放つ光魔法が、円卓のある野営地までやって来た暗殺者を陰から弾き出す。弾き出したとて、生まれながらの暗殺者である、バートラのゴブリンたちは強い。単体では左程でもないが、前後に挟まれた瞬間、それは即死を意味するのだ。それほどバックスタッブは脅威なのだ。なので、カズンは背後をスカンに任せている。
「陛下を守れ!」
ムダンがそう叫ぶと、アルケディア王のいる天幕を武将たちが囲んで構えた。
「今年はどうなっているのですかねぇ。狂王が帝国の傭兵を借りるなんて。我々も、ブラッド卿から傭兵を借りるべきでしたねぇ」
天幕を背にブライトリーフがのんびりと呟くのを聞いて、隣にいたワンドリッターは彼の無知さを鼻で笑う。
「ツィガル帝国と仲の悪い狂王の依頼であっても、バートラのゴブリンは、金さえ貰えれば、どんな汚れ仕事でもするが、辺境伯の傭兵はそうはいかん。常に自領土に発生する霧の魔物を最優先するからな。辺境伯が霧の魔物を抑えていないと、アルケディア城と城下町は既に廃墟と化しているだろう」
「はぁ」
なんとも気のない返事が返ってきた。
金以外に興味はないのか、と心の中でブライトリーフを罵り、ワンドリッターは無謀にも、前に出て奮闘するギャン・ムダンを見て、その脳筋ぶりに呆れる。
「我が家宝、魔法の鉄球を受けてみよ!」
大胆なる鉄球だったか、そんな名前の鎖のついたトゲ鉄球を振り回すワンドリッターの周りで、迂闊に陰から飛び出たゴブリンが、肉塊と化す。
「ほう。もう一人、脳筋がいるな」
黒騎士ワンドリッターは、顎の先で若い騎士を指したので、ブライトリーフがそちらを見る。
背中に炎と壁の紋章のついた大盾を背負い、バックスタッブを無効化する騎士が、獣人傭兵の隙をついて侵入してきたオーガたちを、金棒で殴り倒していく、
ワンドリッターは彼の名を、情報通(知っている情報に偏りはあるが)のブライトリーフに聞いてみた。
「あぁ、彼ですか。えぇ~っと。ナントカ・ウォールでしたかな? 名前は失念しました、失礼。最近、騎士の位を金で買った成金ですよ。紛い物」
ブライトリーフもその紛い物であるが、ワンドリッターは敢えて、そのことについて言及はしなかった。彼は自覚しており、自虐的にそう言ったのだ。
「中々の美男子だな」
その騎士は燃えるような赤い髪に赤い瞳。そして赤い鎧。
物語の主人公のような整った顔に、樹族にしては珍しく背丈は高く、筋骨隆々の体を持つ彼は、全く息切れを起こしておらず、無尽蔵に動き回り、オーガやオークたちを一撃で倒していく。
「なんだ、あ奴は。体力が無限なのか?」
ワンドリッターの問いに、ブライトリーフは周囲を警戒し、ワンドを構えながらも、のんびりと頭を掻いて記憶を探っている。
「あの金棒が魔法の武器なんですよ。確か永久機関とかいう名前でしたかな?」
「そんな武器もあるのか・・・。魔法の護符や指輪でも精々、スタミナを少し増やすだけだぞ。恐ろしい武器だな」
「いくら無限に動けると言っても、体の筋肉はそのうち悲鳴をあげますからねぇ。そろそろ・・・。ほら」
突然、ウォールは地面に大の字で倒れた。彼の顔は苦痛で満ちている。それもそのはず。体中の筋肉が予想以上に悲鳴を上げていた。
「愚かなり。武功を焦り、後先考えずに動くからこうなるのだ、小僧。魔法の武器に頼り過ぎたな」
ムダンは、若い騎士ウォールを見て、助けるべきか迷ったが、後悔しつつも見捨てる事にした。なぜなら、助ける余裕がなかったからだ。
眼前にトゲ付き鉄球を見事に受け止めたオーガがいる。しかも、トゲの隙間を器用に狙って掴んでいる。
「ほう。やるな、貴様、名はなんという? ワシの真の名はギャン。ムダン領の領主であり、アルケディア王国、光の武将が一人」
「俺はただの戦士、スカールだ。さっきまで魔傀儡を相手にしてたからよ、ヘトヘトなんだわ。手加減してくれよな。おっさん。フッハッハ!!」
「敵陣のど真ん中で笑いよるのか。久々に気骨ある戦士が現れた。いいか! これはワシの獲物だ。誰も手を出すなよ!」
この武将の集まる野営地に難なく現れたという事は、余程の実力者だろう。首にはこれまで殺してきた敵の頭蓋骨の首飾りを下げ、粗末な袖なしの皮鎧。獲物はというと、背中に大剣を一つ背負っているだけだ。
(大剣一つが頼りか。盾を持たないという事は、回避型の戦士と見た)
黄色い髪のスカールから目が離せないムダンの視界の端で、動く人影が複数。
そう、一斉にオーガやゴブリンが、ウォールに群がったのだ。若い騎士の死は確実だろう。
「むう」
ギャンは、有能な騎士の無残な死に姿を予想して呻く。
ところが―――。
瀕死に見えるオーガやオーク、ゴブリンたちは彼を担ぐと、持ち場を一掃したカズンとスカンのいる場所へと運びだしたのだ。
「うん? どういうことだ?」
ムダンはその異様な光景に、肩眉を上げて手を止める。何人かの敵を魔法で倒し、一時の間が開いた野営地で、樹族国近衛兵騎士団やブライトリーフも同様だ。
頭の回転が速いワンドリッターだけは、この状況を理解していた。
「カズンの奴隷の仕業だな。ウォールの成金騎士に将来性を見出したという事か。八方美人のカズンめ。食えん奴だ。とはいえ、何か私と通ずるものがあるな」
ムダン専用の天幕から、顔を覗かせ、心配そうに戦場を見守るレッサー・オーガを見て、ワンドリッターはニヤリと笑った。勿論、カズンにそんな意図はない。ウォールの活躍ぶりに武将だと勘違いしたモズクが、勝手に助けたのだ。
そんなモズクにカズンは悪態をつく。無駄に悪目立ちをしてしまったからだ。
(チッ! 活躍したとはいえ、新米の騎士を助けたところで、何の得になるというのだ、モズクめ)
敵を操るカズンを、スパイではないかと訝しむ者だらけの野営地で、彼は咄嗟に虚勢を張って、大仰なポーズで声を上げた。
「疑いに心揺れる騎士の皆様がた。どうぞ、お聞きください。我がカズン家の名誉に誓って! 私はスパイなどではありません。奴隷に、召喚士兼死霊術士がおるのです。このボロボロのオーガやゴブリンたちは、奴隷の術によって操られた死体なのでご安心を。さぁ、我が妻、シズク。未来の英雄殿に回復の祈りを」
スカンがウォールを回復する間、味方の中には、ネクロマンサーを嫌悪する者、没落樹族が誓う名誉を嘲笑う者、奮戦したウォールを助けたカズンを称賛する者と様々だった。
その中で、ムダンとスカールの決闘は続く。
視線を敵から離さず、助けられなかった騎士を助けたカズンをムダンは褒めた。
「流石は、ワシが見込んだ男、カズン・カズン! やりおるわい、ガッハッハ! 陛下の天幕の前でワンドを構えるだけの、どこぞの黒騎士とはえらい違いだ!」
その安い挑発に、ワンドリッターは鼻を鳴らしただけだった。
「おいおい! 味方の皮肉を言っている暇があるのか? 闇墜ちのおっさんよぉ!」
スカールはムダンの髪と髭が黒い事を揶揄したのだ。闇墜ちした樹族は、瞳が赤くなり、肌が浅黒くもなる。そして一番特徴的なのが、髪が黒くなる事だ。肌の色は時々変わらない者もいるが、黒髪と赤い瞳だけは確実なのだ。
勿論、ギャン・ムダンは闇墜ちなどしていない。生まれながらの特徴であり、良く見ると黒髪は青みがかっている。
「子供の頃に、よくそうやってからかわれたものよ。で、どう仕掛けてくる?」
「こうすんだよ! 黒髭のおっさん! いくぜぇぇぇ!! うぉぉぉぉ!!」
スカールが熱血野球漫画の投手のような動きで、片足を垂直に上げ、トゲ付き鉄球をムダンに投げ返す。
筋力値18の強肩から投げられた魔法の武器―――、大胆なる鉄球は凄まじい勢いと速度で轟音を立て、ムダンの顔面へと向かった。
「おや、今年の戦は負け濃厚かね? となると樹族は結界を広げて、ゴブリン谷の連中が文句を言うだろうねぇ。・・・なんだい? あの変わった魔法傀儡は。レッサー・オーガにそっくりじゃないか」
操縦席上部にあるアーム付きスコープを下ろして、デカイは魔傀儡をよく観察する。透視兼サーモグラフィモードで見ると核融合炉の心臓部分と、各関節部にいくらかの熱を帯びており、驚愕して奇声を上げ鳥肌を立てた。
「アイヤイヤ! ありゃ、魔法傀儡なんかじゃないよ! マナを一切使ってないからね! どうやってんだい?」
何本か抜けた歯がある口を大きく開き、数秒間驚いて固まってから、視線をサイクロップスに向ける。
「こめかみに大矢が刺さってるって事は、味方にやられたね? どうせ、間抜けのオデがやらかしたんだろうさ」
今しばらく戦場を俯瞰して見ていると、スカールがオデに大矢と大弓を投げつけて、即座に魔傀儡を挑発していた。
「無理するねぇ、スカールの坊やは。・・・いや、無理してないね、ありゃ。ギャーギャー喚きながら、回避に専念している。となると誰かが作戦を出した。アホの貴族様はそんな事しないから、ベンゾウの指示だね。あのガリ勉オーガに魔力があれば、チャールズの家庭教師をしてほしかったのに、残念だねぇ」
ベンゾウの作戦は見事だった。魔傀儡がスカールに手間取っている間に、ぞろぞろと陰に潜んだ暗殺者たちが、サイクロップスの体を橋にして、砦に侵入していく。樹族国のスカウトやアーチャーが次々に、倒されていくのを見て、デカイは大きな目を細めて喜んだ。
「いいよ、いいよー」
「おい! ババァ!!」
スカールが、ヒィヒィ言いながら、シズクの攻撃を避け、空に浮かぶ鉄傀儡に叫んだ。
「なんだい、スカールの坊や」
「そんなとこで、ぼーっと見てねぇで、俺を助けろ!!」
「男だろう? もう少し踏ん張りなよ。がーんばれ、がーんばれ」
近距離でアイビームを放たれたにも関わらず、スカールは上体を反らして、それを避けた。デカイの応援以上の活躍を見せている。だが、そろそろ泣き言の一つも言いたくなってくる頃だった。
「シャーマンとドルイドがマナ切れだつって、帰っていったんだよ! だから、俺はこれ以上援護が受けられねぇ。、、もう体力の限界が近いんだ! 参戦してくれ!」
「我々闇側の信条を忘れたかい? 力こそ全て、だろう? 魔傀儡に負けたら、それまでの事さ、オーガちゃん」
「頼むよ、ババ・・・。いや、デカイさん! チャールズが赤ん坊の頃、あの汚ねぇドブ川に落ちた時、助けてやったのは一体誰だ?」
「あぁ、そういや、アンタだったねぇ。で?」
「で? じゃねぇよ! 借りを返せつってんだよ! このままだと、俺がどうなっても知らんぞーーーッ!」
「煩い子だねぇ。まぁスカール程の戦士をむざむざ死なすのは惜しい。サブの格闘家の力だけで、魔傀儡とやりあってんだからね。ちょいと待ちな!」
デカイは口端から舌を出して、スコープを覗いたまま、シズクをロックオンし、レバーに付いた数あるボタンのうちの一つを押した。
すると、シズクの周囲にフォースフィールドが発生し囲んでしまった。と同時に電磁パルスが襲う。
シズクは無表情のまま、気味の悪い動きでガクガクと震えた後、地面に崩れ落ちた。
「ヒャッハー! 助かったぜ、ババァ!」
助かった途端、ババァ呼びに戻ったスカールに苦笑し、デカイは他の戦士たちに警告する。
「聞きな! 雑魚ども! その魔傀儡に手出しするんじゃないよ。下手に触ると起き上がるかもしれないからねぇ!!」
ビコノカミ・プロトタイプのどこに、拡声器が付いているのかわからないが、それを聞いたオークやゴブリンたちは、魔傀儡に群がるのを止めた。
シズクが倒れた途端、砦の門が開き、傭兵ギルドの獣人たちが、一気に雪崩出ってきたので、グランデモニウム王国軍は、そちらに向かって応戦を開始する。
今回は聞き分けの良かった無法者たちと、タイミング良く表れた獣人に、デカイは気を緩め、物欲しそうな顔で、シズクを見つめた。
「私もあれを持ち帰って、研究したいところだけどさ。電磁パルスのダメージから回復するのも時間の問題。触らぬ神に祟りなし、だわさ。さてと」
太陽の光を反射させる青いアダマンタイトの装甲に、砦から一斉に魔法が飛んできた。
「頼りの傀儡を倒された仕返しかい? 馬鹿だねぇ。アタシのビコノカミちゃんに、魔法は効かないよ」
尖塔のような肩が、体から離れ、ビットとなって、樹族の騎士やメイジたちにレーザーを放つ。だが、威力はそれほどでもなく、敵を射止めると思っていたレーザーは、火傷を負わせて一時的に戦闘不能にするだけだった。
すぐに僧侶たちが回復してしまうが、火傷を回復させても、ケロイド状態までは治せない。
「なんだい、ビットのビームには拍子抜けだねぇ。まぁ、いいさ。樹族の奇麗な肌に一生残る火傷を負わせたのだからね」
ゴブリンは総じて、樹族が憎い。それは遺伝子に組み込まれているレベルである。神話の時代に、ゴブリンたちは樹族に酷い目に遭わされているからだ。ハイヤット・ダイクタ・サカモト博士の目の届かないところでの、人体実験や差別などの記憶が、未だに刷り込まれているからだろう。
「一気に樹族の武将どもを叩きたいところだが、情けない事に我が軍は獣人どもに押され気味だぁね。暫くは獣人退治の仕事か」
デカイは操縦かんを握りしめて、身体能力の高い獣人たちを次々とロックオンして、ビームガンを構えた。
「【閃光】!」
カズンの放つ光魔法が、円卓のある野営地までやって来た暗殺者を陰から弾き出す。弾き出したとて、生まれながらの暗殺者である、バートラのゴブリンたちは強い。単体では左程でもないが、前後に挟まれた瞬間、それは即死を意味するのだ。それほどバックスタッブは脅威なのだ。なので、カズンは背後をスカンに任せている。
「陛下を守れ!」
ムダンがそう叫ぶと、アルケディア王のいる天幕を武将たちが囲んで構えた。
「今年はどうなっているのですかねぇ。狂王が帝国の傭兵を借りるなんて。我々も、ブラッド卿から傭兵を借りるべきでしたねぇ」
天幕を背にブライトリーフがのんびりと呟くのを聞いて、隣にいたワンドリッターは彼の無知さを鼻で笑う。
「ツィガル帝国と仲の悪い狂王の依頼であっても、バートラのゴブリンは、金さえ貰えれば、どんな汚れ仕事でもするが、辺境伯の傭兵はそうはいかん。常に自領土に発生する霧の魔物を最優先するからな。辺境伯が霧の魔物を抑えていないと、アルケディア城と城下町は既に廃墟と化しているだろう」
「はぁ」
なんとも気のない返事が返ってきた。
金以外に興味はないのか、と心の中でブライトリーフを罵り、ワンドリッターは無謀にも、前に出て奮闘するギャン・ムダンを見て、その脳筋ぶりに呆れる。
「我が家宝、魔法の鉄球を受けてみよ!」
大胆なる鉄球だったか、そんな名前の鎖のついたトゲ鉄球を振り回すワンドリッターの周りで、迂闊に陰から飛び出たゴブリンが、肉塊と化す。
「ほう。もう一人、脳筋がいるな」
黒騎士ワンドリッターは、顎の先で若い騎士を指したので、ブライトリーフがそちらを見る。
背中に炎と壁の紋章のついた大盾を背負い、バックスタッブを無効化する騎士が、獣人傭兵の隙をついて侵入してきたオーガたちを、金棒で殴り倒していく、
ワンドリッターは彼の名を、情報通(知っている情報に偏りはあるが)のブライトリーフに聞いてみた。
「あぁ、彼ですか。えぇ~っと。ナントカ・ウォールでしたかな? 名前は失念しました、失礼。最近、騎士の位を金で買った成金ですよ。紛い物」
ブライトリーフもその紛い物であるが、ワンドリッターは敢えて、そのことについて言及はしなかった。彼は自覚しており、自虐的にそう言ったのだ。
「中々の美男子だな」
その騎士は燃えるような赤い髪に赤い瞳。そして赤い鎧。
物語の主人公のような整った顔に、樹族にしては珍しく背丈は高く、筋骨隆々の体を持つ彼は、全く息切れを起こしておらず、無尽蔵に動き回り、オーガやオークたちを一撃で倒していく。
「なんだ、あ奴は。体力が無限なのか?」
ワンドリッターの問いに、ブライトリーフは周囲を警戒し、ワンドを構えながらも、のんびりと頭を掻いて記憶を探っている。
「あの金棒が魔法の武器なんですよ。確か永久機関とかいう名前でしたかな?」
「そんな武器もあるのか・・・。魔法の護符や指輪でも精々、スタミナを少し増やすだけだぞ。恐ろしい武器だな」
「いくら無限に動けると言っても、体の筋肉はそのうち悲鳴をあげますからねぇ。そろそろ・・・。ほら」
突然、ウォールは地面に大の字で倒れた。彼の顔は苦痛で満ちている。それもそのはず。体中の筋肉が予想以上に悲鳴を上げていた。
「愚かなり。武功を焦り、後先考えずに動くからこうなるのだ、小僧。魔法の武器に頼り過ぎたな」
ムダンは、若い騎士ウォールを見て、助けるべきか迷ったが、後悔しつつも見捨てる事にした。なぜなら、助ける余裕がなかったからだ。
眼前にトゲ付き鉄球を見事に受け止めたオーガがいる。しかも、トゲの隙間を器用に狙って掴んでいる。
「ほう。やるな、貴様、名はなんという? ワシの真の名はギャン。ムダン領の領主であり、アルケディア王国、光の武将が一人」
「俺はただの戦士、スカールだ。さっきまで魔傀儡を相手にしてたからよ、ヘトヘトなんだわ。手加減してくれよな。おっさん。フッハッハ!!」
「敵陣のど真ん中で笑いよるのか。久々に気骨ある戦士が現れた。いいか! これはワシの獲物だ。誰も手を出すなよ!」
この武将の集まる野営地に難なく現れたという事は、余程の実力者だろう。首にはこれまで殺してきた敵の頭蓋骨の首飾りを下げ、粗末な袖なしの皮鎧。獲物はというと、背中に大剣を一つ背負っているだけだ。
(大剣一つが頼りか。盾を持たないという事は、回避型の戦士と見た)
黄色い髪のスカールから目が離せないムダンの視界の端で、動く人影が複数。
そう、一斉にオーガやゴブリンが、ウォールに群がったのだ。若い騎士の死は確実だろう。
「むう」
ギャンは、有能な騎士の無残な死に姿を予想して呻く。
ところが―――。
瀕死に見えるオーガやオーク、ゴブリンたちは彼を担ぐと、持ち場を一掃したカズンとスカンのいる場所へと運びだしたのだ。
「うん? どういうことだ?」
ムダンはその異様な光景に、肩眉を上げて手を止める。何人かの敵を魔法で倒し、一時の間が開いた野営地で、樹族国近衛兵騎士団やブライトリーフも同様だ。
頭の回転が速いワンドリッターだけは、この状況を理解していた。
「カズンの奴隷の仕業だな。ウォールの成金騎士に将来性を見出したという事か。八方美人のカズンめ。食えん奴だ。とはいえ、何か私と通ずるものがあるな」
ムダン専用の天幕から、顔を覗かせ、心配そうに戦場を見守るレッサー・オーガを見て、ワンドリッターはニヤリと笑った。勿論、カズンにそんな意図はない。ウォールの活躍ぶりに武将だと勘違いしたモズクが、勝手に助けたのだ。
そんなモズクにカズンは悪態をつく。無駄に悪目立ちをしてしまったからだ。
(チッ! 活躍したとはいえ、新米の騎士を助けたところで、何の得になるというのだ、モズクめ)
敵を操るカズンを、スパイではないかと訝しむ者だらけの野営地で、彼は咄嗟に虚勢を張って、大仰なポーズで声を上げた。
「疑いに心揺れる騎士の皆様がた。どうぞ、お聞きください。我がカズン家の名誉に誓って! 私はスパイなどではありません。奴隷に、召喚士兼死霊術士がおるのです。このボロボロのオーガやゴブリンたちは、奴隷の術によって操られた死体なのでご安心を。さぁ、我が妻、シズク。未来の英雄殿に回復の祈りを」
スカンがウォールを回復する間、味方の中には、ネクロマンサーを嫌悪する者、没落樹族が誓う名誉を嘲笑う者、奮戦したウォールを助けたカズンを称賛する者と様々だった。
その中で、ムダンとスカールの決闘は続く。
視線を敵から離さず、助けられなかった騎士を助けたカズンをムダンは褒めた。
「流石は、ワシが見込んだ男、カズン・カズン! やりおるわい、ガッハッハ! 陛下の天幕の前でワンドを構えるだけの、どこぞの黒騎士とはえらい違いだ!」
その安い挑発に、ワンドリッターは鼻を鳴らしただけだった。
「おいおい! 味方の皮肉を言っている暇があるのか? 闇墜ちのおっさんよぉ!」
スカールはムダンの髪と髭が黒い事を揶揄したのだ。闇墜ちした樹族は、瞳が赤くなり、肌が浅黒くもなる。そして一番特徴的なのが、髪が黒くなる事だ。肌の色は時々変わらない者もいるが、黒髪と赤い瞳だけは確実なのだ。
勿論、ギャン・ムダンは闇墜ちなどしていない。生まれながらの特徴であり、良く見ると黒髪は青みがかっている。
「子供の頃に、よくそうやってからかわれたものよ。で、どう仕掛けてくる?」
「こうすんだよ! 黒髭のおっさん! いくぜぇぇぇ!! うぉぉぉぉ!!」
スカールが熱血野球漫画の投手のような動きで、片足を垂直に上げ、トゲ付き鉄球をムダンに投げ返す。
筋力値18の強肩から投げられた魔法の武器―――、大胆なる鉄球は凄まじい勢いと速度で轟音を立て、ムダンの顔面へと向かった。
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