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56話。レインボーシャイニングクラッシュトドメを刺すトドメを刺す
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「い、いつまでも、ふざけてんじゃねえぞ!」
ゴロツキたちがついにキレた。
今までは村人の前に出るのが恥ずかしかったのか、少し離れた位置で大人しくしていたけど、ついに、ずいずいって前に出てきた。
棍棒を振り回しながら、俺の方に来る。
さて。村人の満足度は高そうだし、芝居はそろそろ潮時か。
「待った!」
俺はゴロツキAの顔に手のひらを向ける。
手のひらにはゴロツキAにだけ見えるよう、ステータスウインドウを表示した。
名前:アーサー
職業:無職
年齢:15
レベル:72
HP:22000
MP:1500
攻撃力:2400
防御力:1800
すばやさ:980
スキル:レベル1固定 / 対象のレベルを1に固定する
累積経験値:252893 / 次のレベルまで:62834
ガクガクブルブル……。
ゴロツキAが震えだす。
俺は小声で言う。
「返事するな。頷くな。聞け。殺しはしない。次の一撃で死んだふりをしろ。理解できたら、瞬きを繰り返せ」
俺が言い終えるのを待たずに、ゴロツキAは初めて目薬をさした子供のように何度も瞬きする。
「おい、なにやってんだ!」
ゴロツキBが迫ってくる。
「待った!」
俺は同じようにゴロツキBの顔にもステータスウインドウを突きつける。
ゴロツキCにも同様だ。
こうして俺はゴロツキ3人の動きを封じた。
にらみあう俺とゴロツキ3人。
すると、倒れていたジャロンさんが村人を煽りだす。
「さあ、みんな、アーサーさんに声援を! 村にすくう悪者をやっつけるんだ! みんなの声援が力になる! アーサー! アーサー!」
「アーサー! アーサー!」 × ちびっこを中心に、そこそこの人数
「いいぞ君たち! でもまだ足りない! もっと大きい声で!」
「アーサー! アーサー!」 × かなりの人数
「足りない足りない! そんなんじゃアーサーさんにパワーが届かない! アーサー! アーサー!」
「アーサー! アーサー!」 × たくさん
みんなが叫ぶように俺の名を連呼する。
大声を出すのって気持ちいいしな。かといって、大声を出す機会ってなかなかないしまわりに迷惑をかける。
だけど、ひとから求められて一斉に叫べる状況になれば、こうさ!
「アーサー! アーサー!」 × たくさん
「うおおおおおおおおおおおっ! みんなの声援が俺にパワーをくれるぞ!」
俺は右腕を空に掲げて、レインボーステータスウインドウを拳の中に作る。
光を少しずつ強くしていく。
「アーサー! アーサー!」 × 村民全員
「うおおおおおおおおっ! レインボーシャイニングクラーッシュ!」
俺はレインボーステータスウインドウの発光を最大限にして広場を包んだ。
「……ほら。上手に叫んで倒れろ。そのまま死んだフリしたら命は助ける」
俺はぼそりと言った。
「ぎゃああああああああっ!」
「うわああああああああっ!」
「ぐわああああああああっ!」
ドサッ…… × 3
ゴロツキたちはその場に倒れた。
光が収まり村人達が一斉に拍手をする。
「うおおおおおおおおおおおおっ! アーサー! アーサー!」
「かっけー! 兄ちゃんかっけー!」
「アーサー! アーサー!」
「素敵ーっ!」
「格好良いー!」
「きゃあああっ! 素敵ーっ!」
俺は拍手を聞きながら、深々とお辞儀をする。
ジャロンさんも隣に来て、お辞儀をする。
「今日限りの旅芝居、これにて閉幕! ありがとうございました! ありがとうございました!」
さて。ここでちょっとだけ誤算。
俺としてはすぐにでも屋敷の中にあるモンスターホールの調査に行きたいんだが、村人たちが拍手をしながら、余韻に浸っている。
というか、ひとりまたひとりと近づいてくる。
盛り上げすぎた。心をつかみすぎた。
このままでは囲まれてしまう。
みんな、憧れのスターに会ったかのように目をキラキラさせている。
握手会か?
トークイベントか?
ファンサしている時間はないぞ。
仕方ない。
「ジャロンさん。村人のことは任せた。俺は屋敷の中を調査してくる」
「分かり、の、真下。んころ~」
……?
謎の返事だが、まあ、いい。
ジャロンさんが良い感じに村人を広場から遠ざけてくれるだろう。
俺はゴロツキ3人のところへ移動。
「ほら。立って。屋敷の方へ戻れ。ボコらないから、大人しくしてろ。とりあえず、村人から死角になるところに移動だ」
「は、はい」
いったん、村人から離れるために広場を出た。内緒話をしたいから、屋敷からもちょっと離れる。
俺たちは、デカくて退かせなかったから村の中に残ったって感じの木の陰に落ち着く。
すぐにシャルロットとサフィと、馬たちがやってきた。
さっき助けた獣人の子供はサフィにがっしりとしがみついている。
子供はサフィよりも幼く、背が小さい。
その結果、胸に顔を押しつける位置になっている。
……男だったらぶちのめすが。
さわっ……。
お尻を触った感じ柔らかい。女の子か?
でも、男の子だって幼かったらお尻は柔らかいよな?
ゴロツキたちがついにキレた。
今までは村人の前に出るのが恥ずかしかったのか、少し離れた位置で大人しくしていたけど、ついに、ずいずいって前に出てきた。
棍棒を振り回しながら、俺の方に来る。
さて。村人の満足度は高そうだし、芝居はそろそろ潮時か。
「待った!」
俺はゴロツキAの顔に手のひらを向ける。
手のひらにはゴロツキAにだけ見えるよう、ステータスウインドウを表示した。
名前:アーサー
職業:無職
年齢:15
レベル:72
HP:22000
MP:1500
攻撃力:2400
防御力:1800
すばやさ:980
スキル:レベル1固定 / 対象のレベルを1に固定する
累積経験値:252893 / 次のレベルまで:62834
ガクガクブルブル……。
ゴロツキAが震えだす。
俺は小声で言う。
「返事するな。頷くな。聞け。殺しはしない。次の一撃で死んだふりをしろ。理解できたら、瞬きを繰り返せ」
俺が言い終えるのを待たずに、ゴロツキAは初めて目薬をさした子供のように何度も瞬きする。
「おい、なにやってんだ!」
ゴロツキBが迫ってくる。
「待った!」
俺は同じようにゴロツキBの顔にもステータスウインドウを突きつける。
ゴロツキCにも同様だ。
こうして俺はゴロツキ3人の動きを封じた。
にらみあう俺とゴロツキ3人。
すると、倒れていたジャロンさんが村人を煽りだす。
「さあ、みんな、アーサーさんに声援を! 村にすくう悪者をやっつけるんだ! みんなの声援が力になる! アーサー! アーサー!」
「アーサー! アーサー!」 × ちびっこを中心に、そこそこの人数
「いいぞ君たち! でもまだ足りない! もっと大きい声で!」
「アーサー! アーサー!」 × かなりの人数
「足りない足りない! そんなんじゃアーサーさんにパワーが届かない! アーサー! アーサー!」
「アーサー! アーサー!」 × たくさん
みんなが叫ぶように俺の名を連呼する。
大声を出すのって気持ちいいしな。かといって、大声を出す機会ってなかなかないしまわりに迷惑をかける。
だけど、ひとから求められて一斉に叫べる状況になれば、こうさ!
「アーサー! アーサー!」 × たくさん
「うおおおおおおおおおおおっ! みんなの声援が俺にパワーをくれるぞ!」
俺は右腕を空に掲げて、レインボーステータスウインドウを拳の中に作る。
光を少しずつ強くしていく。
「アーサー! アーサー!」 × 村民全員
「うおおおおおおおおっ! レインボーシャイニングクラーッシュ!」
俺はレインボーステータスウインドウの発光を最大限にして広場を包んだ。
「……ほら。上手に叫んで倒れろ。そのまま死んだフリしたら命は助ける」
俺はぼそりと言った。
「ぎゃああああああああっ!」
「うわああああああああっ!」
「ぐわああああああああっ!」
ドサッ…… × 3
ゴロツキたちはその場に倒れた。
光が収まり村人達が一斉に拍手をする。
「うおおおおおおおおおおおおっ! アーサー! アーサー!」
「かっけー! 兄ちゃんかっけー!」
「アーサー! アーサー!」
「素敵ーっ!」
「格好良いー!」
「きゃあああっ! 素敵ーっ!」
俺は拍手を聞きながら、深々とお辞儀をする。
ジャロンさんも隣に来て、お辞儀をする。
「今日限りの旅芝居、これにて閉幕! ありがとうございました! ありがとうございました!」
さて。ここでちょっとだけ誤算。
俺としてはすぐにでも屋敷の中にあるモンスターホールの調査に行きたいんだが、村人たちが拍手をしながら、余韻に浸っている。
というか、ひとりまたひとりと近づいてくる。
盛り上げすぎた。心をつかみすぎた。
このままでは囲まれてしまう。
みんな、憧れのスターに会ったかのように目をキラキラさせている。
握手会か?
トークイベントか?
ファンサしている時間はないぞ。
仕方ない。
「ジャロンさん。村人のことは任せた。俺は屋敷の中を調査してくる」
「分かり、の、真下。んころ~」
……?
謎の返事だが、まあ、いい。
ジャロンさんが良い感じに村人を広場から遠ざけてくれるだろう。
俺はゴロツキ3人のところへ移動。
「ほら。立って。屋敷の方へ戻れ。ボコらないから、大人しくしてろ。とりあえず、村人から死角になるところに移動だ」
「は、はい」
いったん、村人から離れるために広場を出た。内緒話をしたいから、屋敷からもちょっと離れる。
俺たちは、デカくて退かせなかったから村の中に残ったって感じの木の陰に落ち着く。
すぐにシャルロットとサフィと、馬たちがやってきた。
さっき助けた獣人の子供はサフィにがっしりとしがみついている。
子供はサフィよりも幼く、背が小さい。
その結果、胸に顔を押しつける位置になっている。
……男だったらぶちのめすが。
さわっ……。
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