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【名有】なかなか一線超えられなかった弱気攻めが暴走しちゃう話
1話
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これから甘いひとときを過ごすはずだった二人は、なぜか元の生活のまま時は過ぎていく。
その原因は───
「なぜ手を出してこない、ハルヤ」
「う……」
痺れを切らしたコウがハルヤを問い詰める。
多少なり変わったはずの関係に不安を覚えつつも期待したりするものだ。
だが現実は、ハルヤはいつも通りだった。むしろよそよそしさすら感じ、突き放されたようにも感じる。告白はなんだったのかと思えるほど。
「だって、その、アレしたら、コウも俺から離れちゃうかもしれないし、そうしたらコウと一緒に居られなくなるし」
ハルヤは俯いたままぼそぼそと言葉を紡ぐ。
「………そんな事で離れるならそもそも了承しない」
努めて優しく声をかけたつもりのコウだったが、それでも臆病風に吹かれたハルヤに失望を感じざるを得なく、少し声色に棘が出てしまう。
「だって……君を傷つけるような事したくないし……」
どうやらハルヤは本来なら入れる場所でもない所を使う事に抵抗があるようだ。
しかしそれなのにキスすらもしてこない、手も握ってくれないのは、さすがにしびれが切れる。
「ん……じゃあ本番まではいかなくてもいい。触って欲しい」
ハルヤが飛び上がるように肩をビクつかせ、ぎょっとした顔でコウを見る。
「………お前の気持ちを知ってしまった今は、何もない方が辛い」
色々ハルヤの為を思って言葉を探したが、率直に自分の気持ちをぶつける方が一番お互いの為になると思い、コウは素直に自分の気持ちを告げた。
「コ、コ…ウ……」
「ね、俺からは触らないから」
息が上がり真っ赤になっているハルヤとの距離を縮める。お互いの息遣いがわかるほど詰め寄ったが、コウは触れないギリギリの場所までにとどまっている。
「どこでもいいから、触りたいところ触って」
コウは心から慈しむ微笑みを向けれた。本心をぶつけてみてよかったと思う、もし上辺だけ気遣った言葉だけを告げるだけだと、こんな微笑みを相手に向けれなかったかもしれない。
ハルヤは意を決したのか、震える手がゆっくりと伸びてくる。
最初は頬に触れた。相手を壊さないだろうかと怯えたその手に、コウは猫のようにそっと擦り寄る。
その仕草に安心したのか、妙な緊張感が抜けた手が次は首筋。肩。そして鎖骨。胸元へと降りていき、臍をなぞる様にして下半身へ……。
「あっ……」
コウが僅かに震えた吐息のような声を漏らすと、ビクリとハルヤの手が止まる。その様子にくすりと笑うと、コウはハルヤの首に腕を回し抱き寄せてキスをした。
「ん……」
「……っ」
「ふ……大丈夫。怖くない」
そう言うコウの声が甘く掠れていて、それが余計に興奮する材料にしかならずハルヤは思わず唇を離す。
それを見て優しく笑ったコウが、今度は少し乱暴に口づけるとハルヤはそれを受け入れる様におずおずと舌を伸ばし絡めてきた。そのまま貪るように激しくなっていくのを受け入れつつ背中に手を伸ばしていく。
「ん……はぁ……あ……ハルヤ……」
「……コウ……好きだ」
「ん……俺も……好き」
その一言を聞いて、ハルヤは嬉しさと不安が入り混じった表情を浮かべる。
「……本当に、だいじょぶ?」
「……ん」
コウは照れて顔を逸らしながらもコクリと頭を縦に振る。その隙に、ハルヤは少し大胆になってきた。
シャツの中に手を入れ、背骨に沿って指先を下ろせばぴくりと身体が跳ねる。
「っ……!」
コウの反応に満足したハルヤはそのまま腰を撫でる様に手を滑らせ、ズボンの隙間から下着の内側に手を侵入させる。
そこは既に反応しており、ぬるついた液体が零れ出していた。
「もう濡らしているのか?コウ」
「あ、う、ごめん……」
羞恥に染まるコウを眺めながら、ゆっくりと指先で先端を円を描くように弄ると甘い声を上げ始めた。それに気分をよくしたハルヤはコウ自身を握ると緩急をつけながら扱いて行く。
「ひゃう……!あ、あ、だ、だめぇ……」
「何がダメ?」
意地悪に囁き耳を舐めるとそれだけでも感じているのかビクビクと身体を震わせ、快感を堪えようとハルヤにしがみついてくる。
その可愛らしい姿に耐えられずハルヤは更に攻め立てる。裏筋や先端を中心に擦るとコウが切なげに声を上げた。
「ねえ、コウ、教えて。言ってもらえないとわからない」
ハルヤの声色にはもう臆したものはなく、ただコウを煽り、手を動かし続け追い詰める。その度にコウは身を捩り耐えようとしたが限界が近づいてきたようだ。
「ああ、や、んぅ……!も、イっちゃ……!!」
その言葉を聞いた瞬間、ハルヤの脳髄に痺れるような愉悦が走り抜ける。同時に目の前の存在が自分のモノであると認識してしまい、無意識に喉がゴクリと音を立てた。
そして絶頂を迎えるその寸前で、突然手の動きを止めてしまう。
あと一歩で到達できると思ったのに急に与えられた生殺しの苦しみと物足りなさで、達することができなかったコウの目じりには雫が光っている。
「え……な、なんで……?」
「はあ……はあ……コウ……かわいい……!」
「ハル……あうっ」
性急にハルヤはコウを押し倒すと、コウの下肢を露にし、閉じた股の間に自身の猛ったものを差し込んだ。
「コウ…コウ…コウ!!」
「や……ハル、ヤ…!」
するとハルヤはそのまま交わうかのように、腰を前後させていく。お互いの自身が擦りあい、先走りが滑りになってぬちゅぬちゅとした刺激がお互いの興奮を高めていき──
「あっ……はああ……ッ!!」
「っっ……コ、ウ……!」
コウの腹にお互いの劣情が解き放たれる。
「……ごめん、もう、こうしないとおかしくなりそうだった……」
「ん……いいよ、だいじょうぶ……」
お互い息絶え絶えに抱き合う。コウはここまで進めればハルヤにしては上出来だと思い、彼の頭を撫でた。
「はあ…はあ…じゃあ、こっち…するね…」
「あ、う、うん…」
最後までは至らないだろうと思っていたコウだったが、ハルヤはこのまま最後までするつもりのようだ。一度出してもハルヤは完全に火が付いたまま。
コウの脚の間に入り込む。コウは恥ずかしさで思わず足を閉じそうになるが、それを許さず押さえつけ、そして秘部を先ほどの体液を滑りにして入口を指先で解していく。
始めは指先でその筋を拡げるように、ゆっくりとナカを押し広げていくが、どうにもまだ潤滑油が足りず、進ませるにはひっかかりが強い。
「ハルヤ、これ……」
「コウ……!?」
コウはそういうと、人肌ローションを取り出す。今回の話し合いを決めた時はどう転がるかはわからなかったが、念のため用意していた甲斐はあったようだ。
「用意していてくれたんだ」
「ん……そりゃ、うん」
コウは恥ずかしいのか歯切れが悪い。
「コウが、コウが俺の、俺の為に……コウ……!」
「んむ!?…うんっ…んあむっ…!」
興奮したハルヤは性急に唇を押し付け、舌割り入れ咥内の舌を絡ませていく。口元がべちゃべちゃになる頃やっと解放された。
「はあ…じゃあ使うね…」
「ん……」
ローションボトルを受け取り、ローションを手に取るとコウの秘部を潤し、そこを改めて拡げていく。
ハルヤはコウの様子を注意深く気にしながら、慎重に解していった。
◆
十分に解したあと、ハルヤは自身を宛がいつつも、額同士を合わせて「大丈夫?」と聞きいた。顔を真っ赤させ恥ずかしさでいっぱいっぱいのコウはこくこくと頭を傾けるばかりだった。
その様子にハルヤは微笑むと、ゆっくりと腰を進めていく。コウは圧迫感に一瞬苦しそうな表情を浮かべるが直ぐにそれも快感に変わるようで、頬は朱に染まり、瞳は潤み、口からは吐息とともに甘い声が上がるようになる。
そしてとうとう奥までたどり着くと一呼吸置いた後動き出す。その度に出る声を手で塞ぐがその度にハルヤの手によって引き剥がされてしまう。その声を聞きたい、聞かせて欲しいと言う様に、激しく打ち付けていく。その快感に、コウの身体が震えた。
「ああ、や、んぅ……!あぁ、ああぅ……!ひぅうう……!!あっ、あん、あああっ、ああぅ、やああ……!!」
コウが快感に耐えきれずに絶頂を迎えたその締めつけで、ハルヤも達した。
ぐったりと力尽き、息絶え絶えに二人とも余韻に浸る。
(ハルヤ…ハルヤ…ちゃんと抱いてくれた…)
コウはどこか、もう自分に興味が薄れているのではないかと不安もあった。しっかりと情熱を返してくれた事に心も満たされ、ぎゅ、とハルヤに抱き着いた。すると
「ごめん……ごめん、コウ……」
「ん…ハルヤ?」
「ずっと…ごめん…俺、気付いてやれなくて」
自分が寂しがっていた事だろうか?とコウは「いいよ…もう、気にしなくて」と返すが、それでもハルヤの呼吸が荒くなってくる。
「ローション用意するほど…えっちな事考えてたのに、ごめん」
「ハル──……やあああ!?♡」
改めて奥へと突き立てられ、達した後の敏感な身には強すぎる刺激としてコウを痺れさせる。
「ごめん、ごめんねッ!こんなに俺が欲しかったんでしょ…これが欲しかったんでしょ…!」
「やあっ♡まっ待っハルヤッ♡はげしっ…!!♡♡」
ばちゅんばちゅんと結合部の音が響き渡るほど激しく、先ほどとは打って変わって荒々しい抽挿にビクビクと身体が小刻みに跳ねてしまう。
「君が、こんなにっ!えっちだったなんて!」
「あっあんっ!やあッッ♡あああっあっ♡」
「もっと!早く!犯してあげれば!」
「あああん!♡アアああァアアアあっ!!♡」
ズンズンと上から覆いかぶさるようにピストンを繰り返し、最奥に届くように突き刺す深い一撃で、二人同時に果て、劣情が解き放たれた。
「これからは沢山……あげるよ……コウ……」
「あ……♡はあ……♡」
短い時間で二度も果てたせいでコウは目に光を失い、快楽の毒に支配されてピクピクと小さい痙攣を繰り返し、ハルヤはそんなコウにぺろぺろと唇を貪り、小休憩を挟んで行為は一晩中続いた。
その次の日も、その次の次の日も。ハルヤはうわ言のようにコウの名前を呼びながら一晩中身体を貪る事が続いた。
そしてそれから一週間。やっとハルヤは落ち着つく様子を見せた。
「ごめんねコウ……あまりも君が可愛くて、いじらしくて、いやらしくて──しだしたら止まらなかったんだ」
「ん……だいじょうぶだよ……はるやぁ……」
「これからは沢山愛して、大事にするからね」
「はあ…はる、やあ……はああ♡あんっあ♡こんな、いっぱい、こわれひゃ♡うううう♡」
ハルヤの一方的なうわ言はなくなったが、まだまだ一晩中夢中に貪り続けられることは終わらなかった。
その原因は───
「なぜ手を出してこない、ハルヤ」
「う……」
痺れを切らしたコウがハルヤを問い詰める。
多少なり変わったはずの関係に不安を覚えつつも期待したりするものだ。
だが現実は、ハルヤはいつも通りだった。むしろよそよそしさすら感じ、突き放されたようにも感じる。告白はなんだったのかと思えるほど。
「だって、その、アレしたら、コウも俺から離れちゃうかもしれないし、そうしたらコウと一緒に居られなくなるし」
ハルヤは俯いたままぼそぼそと言葉を紡ぐ。
「………そんな事で離れるならそもそも了承しない」
努めて優しく声をかけたつもりのコウだったが、それでも臆病風に吹かれたハルヤに失望を感じざるを得なく、少し声色に棘が出てしまう。
「だって……君を傷つけるような事したくないし……」
どうやらハルヤは本来なら入れる場所でもない所を使う事に抵抗があるようだ。
しかしそれなのにキスすらもしてこない、手も握ってくれないのは、さすがにしびれが切れる。
「ん……じゃあ本番まではいかなくてもいい。触って欲しい」
ハルヤが飛び上がるように肩をビクつかせ、ぎょっとした顔でコウを見る。
「………お前の気持ちを知ってしまった今は、何もない方が辛い」
色々ハルヤの為を思って言葉を探したが、率直に自分の気持ちをぶつける方が一番お互いの為になると思い、コウは素直に自分の気持ちを告げた。
「コ、コ…ウ……」
「ね、俺からは触らないから」
息が上がり真っ赤になっているハルヤとの距離を縮める。お互いの息遣いがわかるほど詰め寄ったが、コウは触れないギリギリの場所までにとどまっている。
「どこでもいいから、触りたいところ触って」
コウは心から慈しむ微笑みを向けれた。本心をぶつけてみてよかったと思う、もし上辺だけ気遣った言葉だけを告げるだけだと、こんな微笑みを相手に向けれなかったかもしれない。
ハルヤは意を決したのか、震える手がゆっくりと伸びてくる。
最初は頬に触れた。相手を壊さないだろうかと怯えたその手に、コウは猫のようにそっと擦り寄る。
その仕草に安心したのか、妙な緊張感が抜けた手が次は首筋。肩。そして鎖骨。胸元へと降りていき、臍をなぞる様にして下半身へ……。
「あっ……」
コウが僅かに震えた吐息のような声を漏らすと、ビクリとハルヤの手が止まる。その様子にくすりと笑うと、コウはハルヤの首に腕を回し抱き寄せてキスをした。
「ん……」
「……っ」
「ふ……大丈夫。怖くない」
そう言うコウの声が甘く掠れていて、それが余計に興奮する材料にしかならずハルヤは思わず唇を離す。
それを見て優しく笑ったコウが、今度は少し乱暴に口づけるとハルヤはそれを受け入れる様におずおずと舌を伸ばし絡めてきた。そのまま貪るように激しくなっていくのを受け入れつつ背中に手を伸ばしていく。
「ん……はぁ……あ……ハルヤ……」
「……コウ……好きだ」
「ん……俺も……好き」
その一言を聞いて、ハルヤは嬉しさと不安が入り混じった表情を浮かべる。
「……本当に、だいじょぶ?」
「……ん」
コウは照れて顔を逸らしながらもコクリと頭を縦に振る。その隙に、ハルヤは少し大胆になってきた。
シャツの中に手を入れ、背骨に沿って指先を下ろせばぴくりと身体が跳ねる。
「っ……!」
コウの反応に満足したハルヤはそのまま腰を撫でる様に手を滑らせ、ズボンの隙間から下着の内側に手を侵入させる。
そこは既に反応しており、ぬるついた液体が零れ出していた。
「もう濡らしているのか?コウ」
「あ、う、ごめん……」
羞恥に染まるコウを眺めながら、ゆっくりと指先で先端を円を描くように弄ると甘い声を上げ始めた。それに気分をよくしたハルヤはコウ自身を握ると緩急をつけながら扱いて行く。
「ひゃう……!あ、あ、だ、だめぇ……」
「何がダメ?」
意地悪に囁き耳を舐めるとそれだけでも感じているのかビクビクと身体を震わせ、快感を堪えようとハルヤにしがみついてくる。
その可愛らしい姿に耐えられずハルヤは更に攻め立てる。裏筋や先端を中心に擦るとコウが切なげに声を上げた。
「ねえ、コウ、教えて。言ってもらえないとわからない」
ハルヤの声色にはもう臆したものはなく、ただコウを煽り、手を動かし続け追い詰める。その度にコウは身を捩り耐えようとしたが限界が近づいてきたようだ。
「ああ、や、んぅ……!も、イっちゃ……!!」
その言葉を聞いた瞬間、ハルヤの脳髄に痺れるような愉悦が走り抜ける。同時に目の前の存在が自分のモノであると認識してしまい、無意識に喉がゴクリと音を立てた。
そして絶頂を迎えるその寸前で、突然手の動きを止めてしまう。
あと一歩で到達できると思ったのに急に与えられた生殺しの苦しみと物足りなさで、達することができなかったコウの目じりには雫が光っている。
「え……な、なんで……?」
「はあ……はあ……コウ……かわいい……!」
「ハル……あうっ」
性急にハルヤはコウを押し倒すと、コウの下肢を露にし、閉じた股の間に自身の猛ったものを差し込んだ。
「コウ…コウ…コウ!!」
「や……ハル、ヤ…!」
するとハルヤはそのまま交わうかのように、腰を前後させていく。お互いの自身が擦りあい、先走りが滑りになってぬちゅぬちゅとした刺激がお互いの興奮を高めていき──
「あっ……はああ……ッ!!」
「っっ……コ、ウ……!」
コウの腹にお互いの劣情が解き放たれる。
「……ごめん、もう、こうしないとおかしくなりそうだった……」
「ん……いいよ、だいじょうぶ……」
お互い息絶え絶えに抱き合う。コウはここまで進めればハルヤにしては上出来だと思い、彼の頭を撫でた。
「はあ…はあ…じゃあ、こっち…するね…」
「あ、う、うん…」
最後までは至らないだろうと思っていたコウだったが、ハルヤはこのまま最後までするつもりのようだ。一度出してもハルヤは完全に火が付いたまま。
コウの脚の間に入り込む。コウは恥ずかしさで思わず足を閉じそうになるが、それを許さず押さえつけ、そして秘部を先ほどの体液を滑りにして入口を指先で解していく。
始めは指先でその筋を拡げるように、ゆっくりとナカを押し広げていくが、どうにもまだ潤滑油が足りず、進ませるにはひっかかりが強い。
「ハルヤ、これ……」
「コウ……!?」
コウはそういうと、人肌ローションを取り出す。今回の話し合いを決めた時はどう転がるかはわからなかったが、念のため用意していた甲斐はあったようだ。
「用意していてくれたんだ」
「ん……そりゃ、うん」
コウは恥ずかしいのか歯切れが悪い。
「コウが、コウが俺の、俺の為に……コウ……!」
「んむ!?…うんっ…んあむっ…!」
興奮したハルヤは性急に唇を押し付け、舌割り入れ咥内の舌を絡ませていく。口元がべちゃべちゃになる頃やっと解放された。
「はあ…じゃあ使うね…」
「ん……」
ローションボトルを受け取り、ローションを手に取るとコウの秘部を潤し、そこを改めて拡げていく。
ハルヤはコウの様子を注意深く気にしながら、慎重に解していった。
◆
十分に解したあと、ハルヤは自身を宛がいつつも、額同士を合わせて「大丈夫?」と聞きいた。顔を真っ赤させ恥ずかしさでいっぱいっぱいのコウはこくこくと頭を傾けるばかりだった。
その様子にハルヤは微笑むと、ゆっくりと腰を進めていく。コウは圧迫感に一瞬苦しそうな表情を浮かべるが直ぐにそれも快感に変わるようで、頬は朱に染まり、瞳は潤み、口からは吐息とともに甘い声が上がるようになる。
そしてとうとう奥までたどり着くと一呼吸置いた後動き出す。その度に出る声を手で塞ぐがその度にハルヤの手によって引き剥がされてしまう。その声を聞きたい、聞かせて欲しいと言う様に、激しく打ち付けていく。その快感に、コウの身体が震えた。
「ああ、や、んぅ……!あぁ、ああぅ……!ひぅうう……!!あっ、あん、あああっ、ああぅ、やああ……!!」
コウが快感に耐えきれずに絶頂を迎えたその締めつけで、ハルヤも達した。
ぐったりと力尽き、息絶え絶えに二人とも余韻に浸る。
(ハルヤ…ハルヤ…ちゃんと抱いてくれた…)
コウはどこか、もう自分に興味が薄れているのではないかと不安もあった。しっかりと情熱を返してくれた事に心も満たされ、ぎゅ、とハルヤに抱き着いた。すると
「ごめん……ごめん、コウ……」
「ん…ハルヤ?」
「ずっと…ごめん…俺、気付いてやれなくて」
自分が寂しがっていた事だろうか?とコウは「いいよ…もう、気にしなくて」と返すが、それでもハルヤの呼吸が荒くなってくる。
「ローション用意するほど…えっちな事考えてたのに、ごめん」
「ハル──……やあああ!?♡」
改めて奥へと突き立てられ、達した後の敏感な身には強すぎる刺激としてコウを痺れさせる。
「ごめん、ごめんねッ!こんなに俺が欲しかったんでしょ…これが欲しかったんでしょ…!」
「やあっ♡まっ待っハルヤッ♡はげしっ…!!♡♡」
ばちゅんばちゅんと結合部の音が響き渡るほど激しく、先ほどとは打って変わって荒々しい抽挿にビクビクと身体が小刻みに跳ねてしまう。
「君が、こんなにっ!えっちだったなんて!」
「あっあんっ!やあッッ♡あああっあっ♡」
「もっと!早く!犯してあげれば!」
「あああん!♡アアああァアアアあっ!!♡」
ズンズンと上から覆いかぶさるようにピストンを繰り返し、最奥に届くように突き刺す深い一撃で、二人同時に果て、劣情が解き放たれた。
「これからは沢山……あげるよ……コウ……」
「あ……♡はあ……♡」
短い時間で二度も果てたせいでコウは目に光を失い、快楽の毒に支配されてピクピクと小さい痙攣を繰り返し、ハルヤはそんなコウにぺろぺろと唇を貪り、小休憩を挟んで行為は一晩中続いた。
その次の日も、その次の次の日も。ハルヤはうわ言のようにコウの名前を呼びながら一晩中身体を貪る事が続いた。
そしてそれから一週間。やっとハルヤは落ち着つく様子を見せた。
「ごめんねコウ……あまりも君が可愛くて、いじらしくて、いやらしくて──しだしたら止まらなかったんだ」
「ん……だいじょうぶだよ……はるやぁ……」
「これからは沢山愛して、大事にするからね」
「はあ…はる、やあ……はああ♡あんっあ♡こんな、いっぱい、こわれひゃ♡うううう♡」
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