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【オメガバース】α嫌いのΩとオメガ嫌いのαが番になった話
1話 明けた夜【受け視点】
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ガチャンと玄関の開け閉めの音に気付き、微睡む意識が浮上する。
カーテン越しから透けて見える光で、もう昼なのだと気づく。
いつもなら出勤している時間だ。しかし身体が鉛のように未だ重く、昨日同様ベットから起き上がる事すらできない。
客人はまっすぐにこちらへ足音を向けると、すぐに寝室のドアに手を掛けた。
「起きてた?おはよ」
ガチャリと寝室のドアが開かれるとベットでうずくまり、朝になっても動けずにいるこちらへ声を掛けてくる。
その声の様子は、仕事場で会うよりも優しめで、気遣ってくれている事は伝わる。
「会社に連絡して、体調不良でって事で有給で取っといた。大家さんにもそれで話つけておいたから、大丈夫」
そう話しながら、数日まともに片付ける事ができず、散らかり放題だったものを相手は少しずつ片付けてくれる。
「倒れる大分前からまともに家の事できてなかったんだろ?」
ざっくりと物拾いしたものをゴミ箱に捨てる音が聞こえると、今度はザーと水道が流れる音がする。カチャカチャと食器が擦れ、スポンジに含んだ洗剤が泡になって滑る音が聞こえる。
「会社のデスクは人より整理されすぎてて使用感を逆に感じないお前がさ~こんなに家荒れてて。昨日の夜来た時は事件だと思ってマジ焦ったんだぜ?」
一通り食器を洗い終えたのか、キュッと水道が閉じられ、カシャンカシャンと洗い置き場に食器が並べられる音がする。
「俺も有給取ってきたし」
とんとんとんと、再びこちらへ向かってくる足音。
「ヒートが収まるまで、世話できるから安心して」
部屋に入ってくるなり、ベッドのサイドテーブルへ歩みを進めた。
「ん、ちゃんとピル飲めたんだね。よかった」
それを確認すると、こちらの様子を伺っているのか、ゆっくりとベットに腰を掛けると──
「じゃあ、昨日の続き。しようか」
耳元で囁かれた言葉は甘い毒が含まれていて、身体の奥がまた、疼くようだった。
「また……するのか」
「上川」
「こんな……こんなの……いやなのに、気持ち悪いのに……!」
肌掛けを頭からかぶり、全身を覆うようにしたそれを握りしめる手がわなわなと震えだす。
「お前がこのカラダのこと、嫌なのはよくわかる。俺も"そうだから"」
「………みな、もと…」
「けど、さ」
「っ!」
肌掛け越しに触れられるだけで、身体がビクリと跳ねる。
「辛いだろ?」
「ひっ……!」
上川は布団の隙間から、その手を差し込み、こちらへ触れてきた。自分の中の熱が渦巻くせいで、肌が少し触れただけで、身体が甘く痺れ、力が抜けていく。
「大丈夫、今の波が収まれば、もうここまで酷いヒートはなくなるさ」
力が抜けたせいで、あっさりと肌掛けが取り払われ、自分の情けない姿が露になる。
「あ……みる、な」
「ん……汗だくじゃん。でも身体引っ掻き回してないの、偉いね」
寝間着の隙間から、つつ、と肌に指を這わせられるだけでとろけそうに甘い吐息が出てしまう。
するすると寝間着をズラされると、だらしないそこに触れられる。
「や…ッあ……」
「もうこんなになってるね、辛かったろ」
くちゅくちゅと音を立てるそこは、触れられると益々蜜を零し、意思に関係なく、欲しがるように腰が揺れてしまう。
「いやだ……こんなの……っ」
「昨日シたのにヒートがここまで収まり悪いの、今まで抑制剤で抑えてた反動かな。昨日よりは顔色いい気がするから明日には良くなるって」
「うあ゛……あ!みな、もと……!」
蜜が溢れるそこに指を挿れられるだけで身体を弓なりにしならせてしまう。心も身体もぐちゃぐちゃで、目じりからもポロポロと涙が溢れて止まらない。
「だって俺たちはもう"番"になったんだ」
源は愛しげに首元の"証"を指でなぞりながら、「俺以外にもう発情期(ヒート)なんて起きないから」と囁くと二人の影が重なった。
カーテン越しから透けて見える光で、もう昼なのだと気づく。
いつもなら出勤している時間だ。しかし身体が鉛のように未だ重く、昨日同様ベットから起き上がる事すらできない。
客人はまっすぐにこちらへ足音を向けると、すぐに寝室のドアに手を掛けた。
「起きてた?おはよ」
ガチャリと寝室のドアが開かれるとベットでうずくまり、朝になっても動けずにいるこちらへ声を掛けてくる。
その声の様子は、仕事場で会うよりも優しめで、気遣ってくれている事は伝わる。
「会社に連絡して、体調不良でって事で有給で取っといた。大家さんにもそれで話つけておいたから、大丈夫」
そう話しながら、数日まともに片付ける事ができず、散らかり放題だったものを相手は少しずつ片付けてくれる。
「倒れる大分前からまともに家の事できてなかったんだろ?」
ざっくりと物拾いしたものをゴミ箱に捨てる音が聞こえると、今度はザーと水道が流れる音がする。カチャカチャと食器が擦れ、スポンジに含んだ洗剤が泡になって滑る音が聞こえる。
「会社のデスクは人より整理されすぎてて使用感を逆に感じないお前がさ~こんなに家荒れてて。昨日の夜来た時は事件だと思ってマジ焦ったんだぜ?」
一通り食器を洗い終えたのか、キュッと水道が閉じられ、カシャンカシャンと洗い置き場に食器が並べられる音がする。
「俺も有給取ってきたし」
とんとんとんと、再びこちらへ向かってくる足音。
「ヒートが収まるまで、世話できるから安心して」
部屋に入ってくるなり、ベッドのサイドテーブルへ歩みを進めた。
「ん、ちゃんとピル飲めたんだね。よかった」
それを確認すると、こちらの様子を伺っているのか、ゆっくりとベットに腰を掛けると──
「じゃあ、昨日の続き。しようか」
耳元で囁かれた言葉は甘い毒が含まれていて、身体の奥がまた、疼くようだった。
「また……するのか」
「上川」
「こんな……こんなの……いやなのに、気持ち悪いのに……!」
肌掛けを頭からかぶり、全身を覆うようにしたそれを握りしめる手がわなわなと震えだす。
「お前がこのカラダのこと、嫌なのはよくわかる。俺も"そうだから"」
「………みな、もと…」
「けど、さ」
「っ!」
肌掛け越しに触れられるだけで、身体がビクリと跳ねる。
「辛いだろ?」
「ひっ……!」
上川は布団の隙間から、その手を差し込み、こちらへ触れてきた。自分の中の熱が渦巻くせいで、肌が少し触れただけで、身体が甘く痺れ、力が抜けていく。
「大丈夫、今の波が収まれば、もうここまで酷いヒートはなくなるさ」
力が抜けたせいで、あっさりと肌掛けが取り払われ、自分の情けない姿が露になる。
「あ……みる、な」
「ん……汗だくじゃん。でも身体引っ掻き回してないの、偉いね」
寝間着の隙間から、つつ、と肌に指を這わせられるだけでとろけそうに甘い吐息が出てしまう。
するすると寝間着をズラされると、だらしないそこに触れられる。
「や…ッあ……」
「もうこんなになってるね、辛かったろ」
くちゅくちゅと音を立てるそこは、触れられると益々蜜を零し、意思に関係なく、欲しがるように腰が揺れてしまう。
「いやだ……こんなの……っ」
「昨日シたのにヒートがここまで収まり悪いの、今まで抑制剤で抑えてた反動かな。昨日よりは顔色いい気がするから明日には良くなるって」
「うあ゛……あ!みな、もと……!」
蜜が溢れるそこに指を挿れられるだけで身体を弓なりにしならせてしまう。心も身体もぐちゃぐちゃで、目じりからもポロポロと涙が溢れて止まらない。
「だって俺たちはもう"番"になったんだ」
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