【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち

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異世界転移したら即魔王に手籠めにされた話

9話「夏祭り」

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「夏祭り?」

「そう!丁度、我も時間取れるタイミングにある催しがあってな、一緒に行ってはみぬか」

「魔界にもお祭りあるんだね」

「無論!魔族もお祭り大好きじゃよ!」

「それって浴衣とか着れる?」

「ユカタとな?」

「俺の世界──というか国では夏祭りに着ていくんだけど、そうこんな感じに羽織って、帯するやつ」

肌掛けを使って浴衣を知らない魔王に身振り手振りで少年は説明してみる。

「ほう。ローブみたいなものかの。フィアンセ殿の国の衣装となれば我も見たい。仕立て屋に頼んでみよう」

「ほんと!?」

「うむ、あとで係の者を呼ぼう。詳しく説明しておくとよい」

「ありがとう、楽しみにしてるね」

嬉しそうに返す少年を見て、魔王も頬を緩め、当日を楽しみにするのだった。


*******


「魔王、見て!浴衣!いい感じ」

特注で作ってもらった浴衣を魔王にお披露目する少年。日本の物とは少しデザインの方向が違うが、異文化の土地で作って貰ったには上出来だ。
魔王は少年を真顔で見つめたまま何か思案している。

「魔王どうかした?」
「フィアンセ殿、祭り行くのやめんか?」
「え!なんで……ってコラ!」

真面目な顔で腰に手を回して引き寄せてきた。

「いや~~~こんな素敵なフィアンセ殿は我の独り占めにしたいな~~~」
「夏祭りの為に作ったんだから絶対行くってば!」

回した手を引きはがされ明らかに拒絶されてしまい、魔王はしょぼんとしながら渋々行く支度をする。


***


少年の国───日本の祭りと言えば屋台だ。そして終わりには空に上がる花火も楽しむ。
屋台には射的、金魚すくい、水風船、輪投げなどなど。そういったお遊びから、そこだから食べたくなるりんご飴、チョコバナナ、たこ焼き、お好み焼きなどなど。そういうのを目的に楽しむ。

そして異国どころか異世界の地、そういった自分の常識では測れないものがあると予め予想していた少年だったが、実際に拡がる景色に圧巻されたのだった。
祭りである事は間違いないものではあったが、自分の感覚でいう夏祭りというものではなかった。

会場に近づくと歓声のようなものが響き渡ってくる。敷地内に入ると、剣のつばぜり合いの音、魔法の音、馬が走り回る音でひめき合っていた。
驚いた様子の少年に魔王が祭りの補足する。

「平和だと戦う機会が少ないからの。祭りでは己の技量を競い合う機会を設けておってな、これがメインイベントじゃ」
「この騒音で魔王の声がすごくクリアに聞こえるよ!?」

「ふふ、テレパシーを応用した補聴魔法よ。我とフィアンセ殿お互いの声だけよく聞こえるようにした」
「またなんか凄い魔法を勝手に掛けられてる!?」

「それよりもほれ、剣闘士部門でウォレルがおるぞ」
「えっほんと!?」

魔王の指を刺した方向に目をやると、そこは確かにウォレルが戦っていた。
ウォレルは先日、警護役として来てくれていた魔王の優秀な近衛師団兵だ。

一瞬の出来事だった。相手の剣が弾き飛ばされたことで勝敗が決し、ウォレルが勝ったようだ。相手側の応援席は悔しがっている者もいれば拍手をしている者もいる。
少年は手を振ると、ウォレルは気づいたのか肩を跳ねさせた後、照れくさそうに小さく振り返してくれた。

「うむ。あやつもまだまだ伸びそうじゃな。ちなみに祭り限定で賭け事もやっとるけど、賭けてみるかの?」
「えっ、い、いいよそういうの…」
「そうじゃな。賭け事は我も立場上の公平性で深入りはできぬ。出店を見てみるかの」
「うん」

出店を見て回ると、これもまた自分の常識とは違う店の数々だった。
キャンプファイヤーのような大きな焚火が所々に置かれ、店は花などの植物を冠などに加工した品、あやしい魔法薬、食べ物は肉の丸焼きなど、魔族らしい豪快なものが目白押しだ。

「丸焼き多くない…?どうやって食べれば」
「言えば切り分けてくれるぞ、どれあの鳥の丸焼きを貰おうかの」

そういうと魔王が二人分に小皿に分けてもらった鳥の丸焼きを少年に持ってくる。香ばしくて、ジューシーだ。
他にも木の実、野菜など、それを丸ごと使った品が多く、少年の現世で見慣れた加工品は見当たらない。

「魔界──というかこの世界ってお菓子類ってメジャーではないの?」
「ん?そうじゃな、庶民は作る習慣がないかもしれん。おぬしの世界ではメジャーなのかの」
「うん、誰でも食べれるよう沢山あるよ」
「それは興味深い。我の作り上げた平和もまだまだ発展し甲斐があるんじゃな」

それから他の物も一通り見ては舌鼓を打ち、白熱する対決の結果を見て二人は帰路に着いた。

「……のう、フィアンセ殿」

魔王が神妙な顔をして少年に声をかけてきた。大体魔王が妙に真面目な顔をして改めて切り出す事にはろくなことがない気がする。

「今日はちょっと趣を変えてみんかの」
「わ、ちょ……!」

肩を抱かれうっそうと茂った茂みに連れ込まれる。
すると腰を抱かれて身体のラインを探るように触れられる。

「こ、こら!誰かに見られたら…」
「うーん、それでは幻視魔法で我らが見えなくしよう」
「そこまでしてする事!?」
「うむ!したい」

魔王は好奇心に目を輝かせて、てこでも譲らないつもりで身体をまさぐられていく。

「このユカタ、というもの。首筋が強調されていて、艶めかしく実にけしからん」
「やっ……ちょっ……」

そういうと魔王は首筋に舌を這わせ始める。

「声聞こえちゃ……」
「大丈夫じゃ。この魔法、防音もばっちり」
「だからってこんな場所で……ッ」
「こんな場所だから興奮するんじゃろ?」
「~~~~~~~~~~~」

魔王はいつもそうだ。ムードとか関係なしにすぐに手を出してくる。
だけど最近、自分も魔王に触られるのが嫌じゃない事に気づく。というより最近は触れてほしいと思っている自分にも気づいていた。
そんな事を考えていると、浴衣の隙間から手が入り込んでくる。
胸の突起に触れると摘まんだり引っ張ったりしてくる。そしてその度に漏れそうになる声を必死に抑える。

「ん……ふぅ……あぁ……ん……ッ」
「……なんと色っぽい反応じゃ。我慢せんでもよいぞ、もっと聞かせてくれ」
「そ、それが嫌なんだってば……!」
羞恥で真っ赤になりながら少年が魔王の手を払いのける。しかし、少年が魔王の手を退けようとした瞬間、魔王は両手で少年の突起をつまんでくりくりとしだす。

帯を緩めないまま浴衣を肩からはだけさせて胸元を露にせると魔王は少年の敏感になった突起を舐める。

「ゃあっ!?」

思わず甲高い悲鳴をあげてしまう。

「ふふ、感度良好じゃな」

魔王は構わずに少年の乳首を吸い上げ甘噛みをする。片方の乳首は手で摘まんで捻る。

「やめっ、ああっ、くっ、ふあぁ……!」
「そうじゃ、素直に感じておればいい」

すると魔王は浴衣の裾から下肢に直接触れ、先走りで濡れそぼった少年自身をやわやわと刺激しながら、一方の手で秘部の入り口に触れる。

「ここもひくついておる。もう待ちきれんのか?」
「や、やめろ、っ、てっ、あっ、あんっ」

少年は抵抗しようと身じろいだが、前と後ろを同時に刺激され腰の力が抜けていく。秘部は本来濡れない箇所だが、魔王が触れているとそこは解れ、濡れそぼっていく。
この魔王、己の欲望に魔法使いすぎである。

「頃合いかの」

魔王はそう言うと少年の浴衣を捲り己のそそり立ったものを秘部に擦り付けていく。

「このユカタというのは実にけしからん。隙間から浮き出る白い肌が実に官能的すぎる」
「いやだ、恥ずかし……んんっ」
「うむ、わかるぞ。だからその恥ずかしい姿は我だけに見せるんじゃよ」

「ん、ちゅっ、んむ……っ」

性急に少年の唇を塞ぎ、舌を絡め、角度を変えては口内を味わうと、少年の両手を木に着かせ、自身の先端を少年のナカへと押し進めていく。

「んっ、あ、ああ、あ、や、んんんんっ!!」

魔王が少年の背中に覆いかぶさるように密着し、耳元で囁く。

「フィアンセ殿、愛しておる」

少年は突然投げかけられた睦言に咄嗟に返事ができないまま魔王の抽挿が始まってしまう。

「ん、んんっ、ゃあっ!あ、あっああ!」

激しく突かれ、木にしがみつく。
魔王のモノは大きく、太く、熱い。
何度も奥まで貫かれて、身体の奥底から熱くなる。

「どうした?気持ちいいか?」
「ん、ぁっ、や、聞くなばかっ……ああッ」
「ふふ、威勢のいい事はよきかな」

抽挿が大きさと主に肌がぶつかり合う音も激しくなってき、ひと際奥へと打ち付けられた時、少年の身体が大きく跳ねたのと同時にお互いに果てたのだった───。


***


「フィアンセ殿、そう機嫌を損ねるでない。さみしい」
「………だって、いくらなんでも……外で……なんて……」

帰ってきてから少年は魔王にそっぽを向いて、むすっとしてすっかりへそを曲げている。
流石に最近羞恥プレイを押し付けすぎただろうか、と魔王はちょっと反省する。

「そうじゃ、全部我が悪いのう」

へそを曲げている少年だが、魔王が抱きしめる事には拒絶はしなかった。

「うーん耳たぶと紅潮」
「!」
「愛いのう……」

魔王は少年をあやすように抱きしめながら、耳を優しく弄んでいる。
少年はくすぐったい、と思いながら、せめて顔は見られないようにと、魔王の腕の中に埋もれて少年はそのまま睡魔に誘われるまま意識を手放した。
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