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23 リバーサイドの街
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森を抜けると、整備された街道に出た。
街道の先を見ると、大きな外壁が見える。
どうやらあの中が、目指している街らしい。
「街の出入りには、身分証が必要になる。門についたら、鞄の中から取り出してね。」
「身分証?」
「そう。君たちの世界でいう免許証とか保険証みたいなもの。最近はマイナンバーカードを使う人も多いのかな?」
俗世に詳しいやつだ。
そう思いつつ、鞄のリストを確認すると「身分証」という表示を見つけた。
「この世界では、子どもが7歳になったら教会で洗礼を受けることになっている。そのときに発行されるのが、その身分証だよ。」
「7歳未満の場合は?」
「この世界では、昔の日本のように子どもは7歳まで神様のものだと考えられている。だから7歳未満の子どもは無条件で街の出入りが可能なんだ。」
「ちなみにハンターギルドや商業ギルドなんかに加入してたら、そっちのカードでも身分を証明できるよ。ま、加入のときに身分証の提示が義務化されてるけど。」
つまりその身分証がなければ、街に入ることもキルドに加入することもできないということか。
俺は「ギルド」という異世界らしいワードに内心ドキドキしつつ考えていた。
「そんな大事なカード、もしも紛失したらどうするんだ?」
「そのときは教会で再発行してもらえるよ。寄付って形でお金を払わなきゃいけないけど。街の外でなくしたときは、門兵に依頼すると教会関係者を連れてきてもらえる。」
「よく考えられているんだな。」
「犯罪も厄災も多い世界だからね。身分証を通して犯罪歴なんかも確認できる。街に危険人物を引き込まないためには必要ことだよ。」
「ところで俺たちはその洗礼を受けていないと思うが……。」
「そうだね。だからそのカードは偽装だよ。」
ノアが朗らかに笑う。
「でも大丈夫。僕お手製だから、人間には絶対にバレないよ。ただ教会で再発行はできないから、なくしたときは僕に言うようにね。教会では、魔法を通して神の力を借り、カードを作る。だから再発行を依頼すると、この世界の神に僕らが侵入していることがバレる可能性が高い。」
「……気をつける。」
この世界へ俺たちが渡航したことは、異世界の神には知られてはいないらしい。
それはそうだろう。
なぜならこの世界の神も、日本から人を連れ去っている。
そんな日本から、ノアのような存在とともに追手が来るというのは、相手にとって都合が悪いはずだ。
もしも見つかれば、命の保証はないかもしれない。
改めて危ない橋を渡っているのだと自覚する。
「認識阻害の魔法をかけてあるし、普通にしていれば問題ないよ。君も足元に蟻の行列ができていたとして、一匹一匹の行動が気になったりはしないだろう?行列から逸れたり、攻撃してきたりしない限り、見分けすらつかないかもしれないね。それといっしょだよ。」
「安心させようとしてくれるのはありがたいが、蟻扱いはちょっと複雑な心境だな。」
苦笑いしながら俺が答えると「そういうもの?」とノアが不思議そうな顔をした。
どうやらノアにとっては、人間も蟻も変わらない小さな存在らしい。
そうこう会話をしているうちに、立派な門が見えてきた。
門の前には鎧を身にまとった兵士らしき男が2人立っていて、俺たちに気づいたのか視線を投げかけてくる。
「中に入るのか?」
威圧的に尋ねられて怯んだ俺に代わり、ノアが「うん。」と短く答えた。
「滞在目的は?」
「物資の調達と休養。」
「身分証の提示を。」
そう促され、さっきノアに言われたように鞄から身分証を取り出し、兵士に差し出す。
妻とノアも同様に、兵士に身分証を手渡した。
兵士は受け取った身分証を板のようなものにかざす。
何も見えないが、あれはカードリーダーのようなものなのだろうか?
ああしてかざすことで、身分証の情報を確認しているのかもしれない。
ノアの言葉を信じないわけではないが、偽装した身分証を使ったことなどないから心臓がバクバクと大きな音を立てていた。
緊張感から、変な汗も出る。
実際には数分程度だろうが、俺にとっては数十分に感じられる時間が経過し、身分証を返却された。
厳しい顔をしていた兵士はニカッと豪快に笑い、
「ようこそ、リバーサイドの街へ!」
と言って扉を開けてくれた。
街道の先を見ると、大きな外壁が見える。
どうやらあの中が、目指している街らしい。
「街の出入りには、身分証が必要になる。門についたら、鞄の中から取り出してね。」
「身分証?」
「そう。君たちの世界でいう免許証とか保険証みたいなもの。最近はマイナンバーカードを使う人も多いのかな?」
俗世に詳しいやつだ。
そう思いつつ、鞄のリストを確認すると「身分証」という表示を見つけた。
「この世界では、子どもが7歳になったら教会で洗礼を受けることになっている。そのときに発行されるのが、その身分証だよ。」
「7歳未満の場合は?」
「この世界では、昔の日本のように子どもは7歳まで神様のものだと考えられている。だから7歳未満の子どもは無条件で街の出入りが可能なんだ。」
「ちなみにハンターギルドや商業ギルドなんかに加入してたら、そっちのカードでも身分を証明できるよ。ま、加入のときに身分証の提示が義務化されてるけど。」
つまりその身分証がなければ、街に入ることもキルドに加入することもできないということか。
俺は「ギルド」という異世界らしいワードに内心ドキドキしつつ考えていた。
「そんな大事なカード、もしも紛失したらどうするんだ?」
「そのときは教会で再発行してもらえるよ。寄付って形でお金を払わなきゃいけないけど。街の外でなくしたときは、門兵に依頼すると教会関係者を連れてきてもらえる。」
「よく考えられているんだな。」
「犯罪も厄災も多い世界だからね。身分証を通して犯罪歴なんかも確認できる。街に危険人物を引き込まないためには必要ことだよ。」
「ところで俺たちはその洗礼を受けていないと思うが……。」
「そうだね。だからそのカードは偽装だよ。」
ノアが朗らかに笑う。
「でも大丈夫。僕お手製だから、人間には絶対にバレないよ。ただ教会で再発行はできないから、なくしたときは僕に言うようにね。教会では、魔法を通して神の力を借り、カードを作る。だから再発行を依頼すると、この世界の神に僕らが侵入していることがバレる可能性が高い。」
「……気をつける。」
この世界へ俺たちが渡航したことは、異世界の神には知られてはいないらしい。
それはそうだろう。
なぜならこの世界の神も、日本から人を連れ去っている。
そんな日本から、ノアのような存在とともに追手が来るというのは、相手にとって都合が悪いはずだ。
もしも見つかれば、命の保証はないかもしれない。
改めて危ない橋を渡っているのだと自覚する。
「認識阻害の魔法をかけてあるし、普通にしていれば問題ないよ。君も足元に蟻の行列ができていたとして、一匹一匹の行動が気になったりはしないだろう?行列から逸れたり、攻撃してきたりしない限り、見分けすらつかないかもしれないね。それといっしょだよ。」
「安心させようとしてくれるのはありがたいが、蟻扱いはちょっと複雑な心境だな。」
苦笑いしながら俺が答えると「そういうもの?」とノアが不思議そうな顔をした。
どうやらノアにとっては、人間も蟻も変わらない小さな存在らしい。
そうこう会話をしているうちに、立派な門が見えてきた。
門の前には鎧を身にまとった兵士らしき男が2人立っていて、俺たちに気づいたのか視線を投げかけてくる。
「中に入るのか?」
威圧的に尋ねられて怯んだ俺に代わり、ノアが「うん。」と短く答えた。
「滞在目的は?」
「物資の調達と休養。」
「身分証の提示を。」
そう促され、さっきノアに言われたように鞄から身分証を取り出し、兵士に差し出す。
妻とノアも同様に、兵士に身分証を手渡した。
兵士は受け取った身分証を板のようなものにかざす。
何も見えないが、あれはカードリーダーのようなものなのだろうか?
ああしてかざすことで、身分証の情報を確認しているのかもしれない。
ノアの言葉を信じないわけではないが、偽装した身分証を使ったことなどないから心臓がバクバクと大きな音を立てていた。
緊張感から、変な汗も出る。
実際には数分程度だろうが、俺にとっては数十分に感じられる時間が経過し、身分証を返却された。
厳しい顔をしていた兵士はニカッと豪快に笑い、
「ようこそ、リバーサイドの街へ!」
と言って扉を開けてくれた。
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