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「このまま放っておいたら、噂はどんどん広まってしまうわ。だから私、覚悟を決めようと思うの」
王宮の隠し通路でリリーナの密談を聞いてから数日後、私はロザリーにそう告げた。リリーナが私を陥れるために動き出しているのは明らか。ライネルを奪うだけでなく、公爵家の権力を掌握するような計画さえ見え隠れする。
「でも、どうやって対処するの? 彼女たちの動きは裏で進んでいて、証拠を簡単には押さえられない。私たちが証言したところで、相手は『そんなもの虚言よ』と一蹴するかもしれないわ」
ロザリーは心配そうに言う。確かに、私たちだけでリリーナの策略を暴くのは難しい。それでも今は、婚約破棄の理由をはっきりさせないと、私までが悪役扱いされてしまう。自分の名誉と未来を守るためには、立ち止まるわけにはいかないのだ。
「エリオット殿下の協力があるのは心強いわ。だけど、あまり殿下に頼りすぎるのも危険。リリーナはかなり狡猾に動いているし、殿下の介入が表立てば、ますます相手を警戒させるだけかもしれない」
考えた末、私たちは二つの方法を進めることにした。一つは“私自身を悪役令嬢と思わせない”ための証拠集め。もう一つは“ライネルの本当の思惑”に近づくための接触だ。
「まずは周囲にきちんと話を聞いて、私が束縛女なんかじゃないと証明してみせる。それに、ライネルが以前にどんな言動をしていたかを周囲に尋ねれば、少なくとも私たちがごく普通の婚約者同士だったことは立証できるはず」
そう、これは地道な作業になる。けれど、私がリリーナの嘘を覆すためには必須だ。ロザリーも「手伝うよ」と笑顔を見せる。まずはそこから始めなければ。
しばらくして、私は使用人たちに頼んで、ライネルと私がともに訪れた商会やサロンの関係者へ手紙を出した。返事が届くまでには時間がかかるだろう。その合間に、王宮や公爵家に少しでも通じている人を探してみる。噂が広がった原因を突き止めるのも重要だからだ。
すると運よく、王宮で働く侍女の一人が「リリーナと話したことがある」という情報を教えてくれた。彼女曰く、リリーナはときどき侍女たちにも気さくに声をかけるが、その中身は貴族の醜聞や権力者の動向など“よく知っているはずのない”話題ばかりだという。
「つまり、誰かがリリーナに情報を流しているのかもしれない。公爵家の人間か、それとも別の貴族が裏で糸を引いているのか」
そう推測すると、ますますリリーナへの不信感は募るばかり。ライネルが私を遠ざけている背景には、これらの裏事情があるのだろうか。もしも彼が公爵家の圧力に屈する形で婚約破棄を宣言しているのなら、早く真相を知りたい。
そしてもう一つの軸、“ライネルとの接触”。これについては、いまだにうまくいっていない。彼に手紙を出しても返事が来ないし、公の場でも姿を見せない。公爵家の屋敷へ行くにも、勝手に押し掛けるわけにはいかない。私はもどかしさを抱えながらも、タイミングを待つしかなかった。
「焦っても仕方ないね」
ロザリーがそう言ってくれるが、気持ちはなかなか晴れない。今もどこかでライネルは苦しんでいるのではないかと思うと、じっとしていられない気分だ。それでも、私一人では限界がある。だからこそ、ロザリーをはじめ、家の者やエリオット殿下の力も借りながら進めるしかないのだ。
「まだまだ道は長そうだけど、がんばるしかないわね」
声に出すと少しだけ気持ちが軽くなる。私の戦いは、本格的に始まったばかり。自分を守るだけでなく、ライネルが巻き込まれている陰謀からも救い出せるのなら――それが私にとっての逆襲の第一歩になるはずだ。
王宮の隠し通路でリリーナの密談を聞いてから数日後、私はロザリーにそう告げた。リリーナが私を陥れるために動き出しているのは明らか。ライネルを奪うだけでなく、公爵家の権力を掌握するような計画さえ見え隠れする。
「でも、どうやって対処するの? 彼女たちの動きは裏で進んでいて、証拠を簡単には押さえられない。私たちが証言したところで、相手は『そんなもの虚言よ』と一蹴するかもしれないわ」
ロザリーは心配そうに言う。確かに、私たちだけでリリーナの策略を暴くのは難しい。それでも今は、婚約破棄の理由をはっきりさせないと、私までが悪役扱いされてしまう。自分の名誉と未来を守るためには、立ち止まるわけにはいかないのだ。
「エリオット殿下の協力があるのは心強いわ。だけど、あまり殿下に頼りすぎるのも危険。リリーナはかなり狡猾に動いているし、殿下の介入が表立てば、ますます相手を警戒させるだけかもしれない」
考えた末、私たちは二つの方法を進めることにした。一つは“私自身を悪役令嬢と思わせない”ための証拠集め。もう一つは“ライネルの本当の思惑”に近づくための接触だ。
「まずは周囲にきちんと話を聞いて、私が束縛女なんかじゃないと証明してみせる。それに、ライネルが以前にどんな言動をしていたかを周囲に尋ねれば、少なくとも私たちがごく普通の婚約者同士だったことは立証できるはず」
そう、これは地道な作業になる。けれど、私がリリーナの嘘を覆すためには必須だ。ロザリーも「手伝うよ」と笑顔を見せる。まずはそこから始めなければ。
しばらくして、私は使用人たちに頼んで、ライネルと私がともに訪れた商会やサロンの関係者へ手紙を出した。返事が届くまでには時間がかかるだろう。その合間に、王宮や公爵家に少しでも通じている人を探してみる。噂が広がった原因を突き止めるのも重要だからだ。
すると運よく、王宮で働く侍女の一人が「リリーナと話したことがある」という情報を教えてくれた。彼女曰く、リリーナはときどき侍女たちにも気さくに声をかけるが、その中身は貴族の醜聞や権力者の動向など“よく知っているはずのない”話題ばかりだという。
「つまり、誰かがリリーナに情報を流しているのかもしれない。公爵家の人間か、それとも別の貴族が裏で糸を引いているのか」
そう推測すると、ますますリリーナへの不信感は募るばかり。ライネルが私を遠ざけている背景には、これらの裏事情があるのだろうか。もしも彼が公爵家の圧力に屈する形で婚約破棄を宣言しているのなら、早く真相を知りたい。
そしてもう一つの軸、“ライネルとの接触”。これについては、いまだにうまくいっていない。彼に手紙を出しても返事が来ないし、公の場でも姿を見せない。公爵家の屋敷へ行くにも、勝手に押し掛けるわけにはいかない。私はもどかしさを抱えながらも、タイミングを待つしかなかった。
「焦っても仕方ないね」
ロザリーがそう言ってくれるが、気持ちはなかなか晴れない。今もどこかでライネルは苦しんでいるのではないかと思うと、じっとしていられない気分だ。それでも、私一人では限界がある。だからこそ、ロザリーをはじめ、家の者やエリオット殿下の力も借りながら進めるしかないのだ。
「まだまだ道は長そうだけど、がんばるしかないわね」
声に出すと少しだけ気持ちが軽くなる。私の戦いは、本格的に始まったばかり。自分を守るだけでなく、ライネルが巻き込まれている陰謀からも救い出せるのなら――それが私にとっての逆襲の第一歩になるはずだ。
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