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精霊の加護006 回想:旅立ちと冒険者登録
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精霊の加護
Zu-Y
№6 回想:旅立ちと冒険者登録
村長の家の納屋を潰して3日後、行商人が来たので、運賃を払って東府まで乗せて行ってもらった。行商しながら数日掛けて東府に着いた。
神父さんからの紹介状を持って、東府教会の大司教様を訪ねて、それから東府魔法学院に行くことになる。しばらく東府に滞在するから、東府の冒険者ギルドには挨拶をしとこう。
いや、冒険者ギルドというより受付嬢のリーゼさんだな。俺の初恋の人だ。俺は15歳で冒険者になり、16歳までの1年間を東府の冒険者ギルドで活動した。
東府で最初に加わったパーティのゲオルギウスは本当にいいパーティだった。ゲオルギウスのメンバーとしての東府での活動期間が、俺の冒険者としての基礎になっている。
ゲオルギウスのメンバーは、初めての仲間だったな。いったん別れてから再合流できず、そのまま消息は分からない。ジョルジュ、マイク、ルナ、みんな元気でやっているだろうか?
~~回想・ゲオルク15歳~~
15歳になった。ラスプ村を出て冒険者になりに東府へ行く。俺は森の奥にいる木の特大精霊のツリの元に来た。
「ツリ、15歳になったから冒険者になりに東府へ行くよ。」
『ツリも、一緒に、行く。』
この頃、ツリは5歳くらいの小さな女の子の人型を安定して取れるようになっていた。だがまだ実体化が不十分で、触れるときもあればすり抜けるときもある。
「よし、じゃぁまた契約できるかやってみよう。」
『うん。』
ツリは寄って来て両手で俺の頬を押さえ、顔を寄せて来た。キスするつもりなのだが、顔をすり抜けてしまう。
『うーん、実体化が、足りない。もう少し、なんだけど。』
「あとどれくらい掛かるの?」
『1年か、2年?』
「そっか、じゃぁ先に行くよ。1年したらツリと契約しに戻って来るね。」
『うん。それまで、実体化の、練習、しとく。』
「分かった。しばらくお別れだから今夜はここに野宿して、ツリと一緒にいるよ。」
『うん。』
野宿用に焚火をして、俺とツリはいろいろ話をした。見た目は小さな女の子だし、話し方もたどたどしいが、話す内容はしっかりしている。
ちなみに精霊だから裸なのだが、さすがに長い付き合いで見慣れているし、見た目が幼女で、しかも緑色にぼうっと光っているので、変な気はまったく起きない。起きる訳もない。笑
そのまま焚火の前で寝入ってしまったが、森の奥のこの場所は、何度も野宿しているお気に入りの場所である。特大精霊のツリの縄張りだから、獣も来ないので、いわゆる安全地帯だ。
翌朝、ツリにしばしの別れを告げると、俺は家に帰った。両親にも出発の挨拶をして、気持ちよく送り出してもらった。
今日は行商の小父さんがラスプ村に来る日だ。
行商の小父さんは週1の割合でラスプ村に来る。行商の小父さんには、10歳のときに俺に桁外れの魔力量があることが分かって、東府まで魔力量をしっかり調べに行ったときにも、乗せて行ってもらったので、今回もお願いした。
10歳のときと同じように、東都までの村々で行商をするのだが、俺はそれを手伝う。飛ぶように売れるのが面白い。
「前もそうだったが、ゲオルクは行商を手伝ってくれるよな。」
「うん、面白いからね。」
「たまに客を乗せるがな、行商を手伝ってくれるのはゲオルクだけだよ。」
「そうなんだ。」
「冒険者にならずに俺に弟子入りするか?行商人もいいぞ。」
「うーん、それも面白そうだけど、やっぱり今は冒険者かな。」
「そう言うと思ったよ。」
数日で東府に付き、俺は行商の小父さんと別れて冒険者ギルドへと向かった。初めて入る冒険者ギルドだ。若干緊張している。入口の前で深呼吸していると、声を掛けられた。
「お前、冒険者になりに来たな?」
「えっ?」
振り向くと見るかに冒険者っぽい男が3人いた。
3人とも俺より少し上の10代後半だろうか。話し掛けて来た奴は剣士かな。中肉中背で軽鎧に大剣を背負ってる。大柄なのは重鎧に大盾と槍を背負っててごっつい。小柄でほっそりしたのは、ローブに杖と小盾で神官っぽい。
「得物は弓矢か。射手だな。」
「はい。」
「俺は剣士のジョルジュ、こいつは重歩兵のマイク、で、こっちが神官のルナ。」
「俺はゲオルクです。」
「なんだ、同じ名前か。ゲオルクってことは東部だな。」
「ジョルジュ、そりゃそうだろ。ここは東部だぜ。」重歩兵が笑った。
「そうね。ゲオルクは中部言葉だとジョルジュだものね。」あ、この人は女…かな?それともオネェ?ちらっと胸を見たが、ローブでよく分からん。
「あんた今、失礼なこと考えたでしょ。私は女よ。」
「あ、いや、ごめんなさい。」
「素直に謝ったら認めたのと同じだぞ。」ジョルジュが笑った。
「ルナは中性的だからな。ゲオルクが迷うのも仕方ねぇだろ。」マイクも笑う。
「こいつ、胸をチラ見して、首を傾げたのよ!そこで迷うってのがムカつくわ。ふん。そのうちナイスバディに育ってやるわよ。」
「まぁまぁ、そのくらいにして。ゲオルク入ろうぜ。冒険者登録が分からなかったら教えてやるよ。」
「ジョルジュさん、ありがとうございます。それからルナさん、ごめんなさい。」
「まぁいいわ。行きましょ。」
俺はジョルジュ達と一緒に冒険者ギルドに入った。カウンターへ行くジョルジュ達と別れて、冒険者登録をするために受付に向かった。受付のお姉さんは美人で巨乳だったので、思わず目が釘付けになってしまった。男の本能だ。
「あのー、ご用件は?」お姉さんは微笑んでいる。きっと慣れているのだな。
「冒険者登録をしたいんです。」
「ではこの申請用紙に記入してください。」
氏名:ゲオルク、
年齢:15、
出身:東部ラスプ村、
職業:射手、
パーティ:空欄、
とまぁ、こんな感じかな。受付のお姉さんに出しに行ったのだが、やっぱ美人で見惚れてしまう。
「はい。あら私の顔になんかついてるのかしら?」
「あ、ごめんなさい。あまりに美人なのでつい見惚れました。」俯くと巨乳が眼に入ってまた釘付けになってしまった。
「まぁありがと。嬉しいわ。あら、今度は胸をガン見?さっきもよね。」このツッコミには焦った。さっきのもバレテーラ!
「あんまり凄いんで、つい。ほんとごめんなさい。」
「ふふふ。君は正直ねぇ。私は受付のリーゼロッテよ。よろしくね。リーゼと呼んで。」
「俺はゲオルクです。よろしくお願いします。」
「では魔力量も測りましょうね。」リーゼさんは小型の水晶玉を出した。
「俺、魔力量だけは8万あるんで、これだと粉砕しちゃいます。」
「え?」愕然とするリーゼさん。
「あ、でも放出する能力がないんで魔術師は無理なんですけどね。」
「え?それって…。ひょっとしてゲオルク君、短い間、東府の魔法学院にいたことない?」
「5年前に1週間だけですけどね。魔力量が凄かったんで大司教様のお計らいで教会から通わせて頂いたんですけど、魔力が放出できないことが分かってすぐに除籍になりました。俺は魔術師になりたかったので、まさに天国から地獄でしたね。」
「やっぱりあのときの子ね。私もそのとき、魔法学院の生徒だったのよ。」
「そうだったんですか。その節はご迷惑をお掛けしました。」
「いえ、それはお気の毒だわ。お姉さん、ゲオルク君のこと気に入ったから、これから力になるわ。困ったことがあったら相談してね。」
「リーゼさん、ありがとうございます。」
それから冒険者カードが発行された。スチールカードで、Gランクからのスタートだ。魔力量は空欄で、教会に過去の測定記録を照会してから記載されるそうだ。
「パーティとかは決めたの?」
「いえ、まだぜんぜん。さっき東府に着いたばかりなんです。あと、今夜の宿もまだなので、お勧めとかあったら教えてください。高いところは無理ですが。」
「分かったわ。では射手の技能テストをしましょう。それから泊まるところは任せてちょうだい。」
「はい。よろしくお願いします。」
それから射手の能力テストがあったのだが、父さんと一緒に森で狩りをしていただけあって、精密狙い、速射、遠矢、動き的、いずれも高得点で、狩人級の実力認定をされた。
リーゼさんが、ちょうど紹介したいパーティがあると言うのでお願いした。何でもL(ロングレンジ)アタッカーを探しているパーティがあるんだそうだ。Lアタッカーは射手か魔術師である。
すぐにそのパーティと面接と言うので緊張して待っていたら、何のことはない、ジョルジュ達がやって来た。
「え?ジョルジュさん?」
「あら、ジョルジュ君とゲオルク君は知り合い?」
「ついさっきギルドの入口でね。こいつ、いきなりルナに喧嘩を売ったんだよ。」
「そんな!違いますよ!」
「ゲオルク、ありゃ喧嘩を売ったのと同じだぜ。お前、ルナが男か女か迷ったろ?」ジョルジュがニマニマしてる。
「だって髪はショートだし、マイクさんもルナさんは中性的だって言ってたじゃないですか。冒険者だから何となく男かと思ったけど、声は女性の優しい響きだし、迷いますよ。」
「で、ルナの胸をチラ見してさらに迷っ…ぐへっ。」横にいたルナのクリーンヒットがジョルジュを襲う。もろに入ってジョルジュは吹っ飛んだ。そのまま動かないので伸びたっぽい。
「今のはジョルジュ君が一方的に悪いわ。ルナちゃん、大丈夫、これからよ。私は17からぐんと育ったわ。」
「リーゼさん、ありがと。」
「えっと、ルナさん、本当にごめんなさい。」俺は取り敢えず謝った。
「ゲオルクはさっきも謝ったし、もういいわ。別に気にしてないし。バカ兄貴が調子に乗ったから軽く締めただけよ。
で、本題に戻るけど、リーゼさん、ゲオルクをうちのメンバーにってことかしら?」
「そうね。申告は射手だけど、精密狙い、速射、遠矢、動き的、すべてがなかなかの実力だわ。射手の上位の狩人レベルね。」リーゼさんが太鼓判をしてくれた。
「マイク、どう?」
「俺は異存ねぇよ。」
「じゃぁ、伸びてるクソ兄貴が反対しても2:1で成立ね。もっともアホ兄貴は反対しないと思うけどね。」
「ルナ、ちょっと言い過ぎじゃないか?」マイクが釘を刺したのだが…、
「え?ザコ兄貴のこと?ふん、カス兄貴の呼び方なんかどうでもいいわよ。」
「しょうがねぇなぁ。」マイクは伸びてるジョルジュを介抱しに行った。
「パーティリーダーが伸びてるんじゃ仕方ないわね。明朝、パーティへの加入手続きにしましょう。皆さん、いいですか?」
「「はい。」」「おう。」
ジョルジュを担いだマイクとルナはギルドを出て行った。ルナはジョルジュに回復魔法を掛ける気がないようだった。ま、仕方ねぇよな。
リーゼさんが、お勧め店で夕餉を御馳走してくれて、宿屋も紹介してくれると言うので、俺はリーゼさんの勤務時間が終わるまでギルドの片隅で待っていた。
リーゼさんの勤務が終わり、リーゼさんのお勧めの店で一緒に夕餉を摂った。俺はいろいろな話をした。
大魔術師になりたかったことや、その夢が叶わなかったこと。
この辺は魔法学院でのことだから、リーゼさんもうすうす知っている。さらには、
失意のまま帰った村では詐欺師扱いされたこと。
神父さんが庇ってくれたこと。
いじけてた俺を見かねた狩人の父さんが、弓矢を教えてくれ、弓矢の才が開花したこと。
それから、精霊が見えること。
ラスプ村の近くの森の奥に仲のいい精霊がいること。
などなど。
リーゼさんも魔術師を志していたが、魔術師になるには魔力量が少なくて諦めたそうだ。その代わり放出量は人並み以上だと言うから、すぐ魔力切れになって気を失ってたとか。
結局魔術師を諦めて冒険者ギルドの受付になったと言うから、俺とは逆の理由で、同じように魔術師を諦めた訳だ。なんか物凄く親近感を感じた。
今夜はリーゼさんに御馳走になったので、クエストで稼いだら、今度は俺が御馳走するということにした。まぁ、何というか、美人で巨乳のリーゼさんと、次の食事の約束を取り付けた訳だ。俺、グッジョブ♪
リーゼさんお勧めの安価の冒険者向けの宿屋はいっぱいだったので、まぁ野宿でもいいかと思ったのだが、気にしたリーゼさんが自分の部屋に泊めてくれると言う。
「いや、いくら何でもそれはまずいですよ。」
「あら、ゲオルク君はやましいことでも考えているのかしら?」
「いや、そんなことはないですが、正直に言うと、リーゼさんはもろにタイプなので、理性を保つ自信がありません。」
「まぁ、正直ね。ゲオルク君のそういうとこ、好きよ。」夕餉の席で軽く呑んでいたリーゼさんにそのまま濃厚なキスをされ、俺は初めてだったこともあり、体は硬直してマイサンはドラゴン化してしまった。
これで俺の理性のリミッターはぶっち切れ、そのままリーゼさん宅にご厄介になった。一緒にお風呂に入ってあんなことやこんなこと、そのままベッドインであんなことやこんなこと、俺はリーゼさんの大人の魅力に逆らえず、巨乳を散々堪能して男にしてもらった。デビュー戦は夜中まで5回であった。
マイドラゴンがリーゼさんに完全に懐いてしまったのは言うまでもなかろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/541586735
Zu-Y
№6 回想:旅立ちと冒険者登録
村長の家の納屋を潰して3日後、行商人が来たので、運賃を払って東府まで乗せて行ってもらった。行商しながら数日掛けて東府に着いた。
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いや、冒険者ギルドというより受付嬢のリーゼさんだな。俺の初恋の人だ。俺は15歳で冒険者になり、16歳までの1年間を東府の冒険者ギルドで活動した。
東府で最初に加わったパーティのゲオルギウスは本当にいいパーティだった。ゲオルギウスのメンバーとしての東府での活動期間が、俺の冒険者としての基礎になっている。
ゲオルギウスのメンバーは、初めての仲間だったな。いったん別れてから再合流できず、そのまま消息は分からない。ジョルジュ、マイク、ルナ、みんな元気でやっているだろうか?
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『ツリも、一緒に、行く。』
この頃、ツリは5歳くらいの小さな女の子の人型を安定して取れるようになっていた。だがまだ実体化が不十分で、触れるときもあればすり抜けるときもある。
「よし、じゃぁまた契約できるかやってみよう。」
『うん。』
ツリは寄って来て両手で俺の頬を押さえ、顔を寄せて来た。キスするつもりなのだが、顔をすり抜けてしまう。
『うーん、実体化が、足りない。もう少し、なんだけど。』
「あとどれくらい掛かるの?」
『1年か、2年?』
「そっか、じゃぁ先に行くよ。1年したらツリと契約しに戻って来るね。」
『うん。それまで、実体化の、練習、しとく。』
「分かった。しばらくお別れだから今夜はここに野宿して、ツリと一緒にいるよ。」
『うん。』
野宿用に焚火をして、俺とツリはいろいろ話をした。見た目は小さな女の子だし、話し方もたどたどしいが、話す内容はしっかりしている。
ちなみに精霊だから裸なのだが、さすがに長い付き合いで見慣れているし、見た目が幼女で、しかも緑色にぼうっと光っているので、変な気はまったく起きない。起きる訳もない。笑
そのまま焚火の前で寝入ってしまったが、森の奥のこの場所は、何度も野宿しているお気に入りの場所である。特大精霊のツリの縄張りだから、獣も来ないので、いわゆる安全地帯だ。
翌朝、ツリにしばしの別れを告げると、俺は家に帰った。両親にも出発の挨拶をして、気持ちよく送り出してもらった。
今日は行商の小父さんがラスプ村に来る日だ。
行商の小父さんは週1の割合でラスプ村に来る。行商の小父さんには、10歳のときに俺に桁外れの魔力量があることが分かって、東府まで魔力量をしっかり調べに行ったときにも、乗せて行ってもらったので、今回もお願いした。
10歳のときと同じように、東都までの村々で行商をするのだが、俺はそれを手伝う。飛ぶように売れるのが面白い。
「前もそうだったが、ゲオルクは行商を手伝ってくれるよな。」
「うん、面白いからね。」
「たまに客を乗せるがな、行商を手伝ってくれるのはゲオルクだけだよ。」
「そうなんだ。」
「冒険者にならずに俺に弟子入りするか?行商人もいいぞ。」
「うーん、それも面白そうだけど、やっぱり今は冒険者かな。」
「そう言うと思ったよ。」
数日で東府に付き、俺は行商の小父さんと別れて冒険者ギルドへと向かった。初めて入る冒険者ギルドだ。若干緊張している。入口の前で深呼吸していると、声を掛けられた。
「お前、冒険者になりに来たな?」
「えっ?」
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「はい。」
「俺は剣士のジョルジュ、こいつは重歩兵のマイク、で、こっちが神官のルナ。」
「俺はゲオルクです。」
「なんだ、同じ名前か。ゲオルクってことは東部だな。」
「ジョルジュ、そりゃそうだろ。ここは東部だぜ。」重歩兵が笑った。
「そうね。ゲオルクは中部言葉だとジョルジュだものね。」あ、この人は女…かな?それともオネェ?ちらっと胸を見たが、ローブでよく分からん。
「あんた今、失礼なこと考えたでしょ。私は女よ。」
「あ、いや、ごめんなさい。」
「素直に謝ったら認めたのと同じだぞ。」ジョルジュが笑った。
「ルナは中性的だからな。ゲオルクが迷うのも仕方ねぇだろ。」マイクも笑う。
「こいつ、胸をチラ見して、首を傾げたのよ!そこで迷うってのがムカつくわ。ふん。そのうちナイスバディに育ってやるわよ。」
「まぁまぁ、そのくらいにして。ゲオルク入ろうぜ。冒険者登録が分からなかったら教えてやるよ。」
「ジョルジュさん、ありがとうございます。それからルナさん、ごめんなさい。」
「まぁいいわ。行きましょ。」
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職業:射手、
パーティ:空欄、
とまぁ、こんな感じかな。受付のお姉さんに出しに行ったのだが、やっぱ美人で見惚れてしまう。
「はい。あら私の顔になんかついてるのかしら?」
「あ、ごめんなさい。あまりに美人なのでつい見惚れました。」俯くと巨乳が眼に入ってまた釘付けになってしまった。
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「あんまり凄いんで、つい。ほんとごめんなさい。」
「ふふふ。君は正直ねぇ。私は受付のリーゼロッテよ。よろしくね。リーゼと呼んで。」
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「俺、魔力量だけは8万あるんで、これだと粉砕しちゃいます。」
「え?」愕然とするリーゼさん。
「あ、でも放出する能力がないんで魔術師は無理なんですけどね。」
「え?それって…。ひょっとしてゲオルク君、短い間、東府の魔法学院にいたことない?」
「5年前に1週間だけですけどね。魔力量が凄かったんで大司教様のお計らいで教会から通わせて頂いたんですけど、魔力が放出できないことが分かってすぐに除籍になりました。俺は魔術師になりたかったので、まさに天国から地獄でしたね。」
「やっぱりあのときの子ね。私もそのとき、魔法学院の生徒だったのよ。」
「そうだったんですか。その節はご迷惑をお掛けしました。」
「いえ、それはお気の毒だわ。お姉さん、ゲオルク君のこと気に入ったから、これから力になるわ。困ったことがあったら相談してね。」
「リーゼさん、ありがとうございます。」
それから冒険者カードが発行された。スチールカードで、Gランクからのスタートだ。魔力量は空欄で、教会に過去の測定記録を照会してから記載されるそうだ。
「パーティとかは決めたの?」
「いえ、まだぜんぜん。さっき東府に着いたばかりなんです。あと、今夜の宿もまだなので、お勧めとかあったら教えてください。高いところは無理ですが。」
「分かったわ。では射手の技能テストをしましょう。それから泊まるところは任せてちょうだい。」
「はい。よろしくお願いします。」
それから射手の能力テストがあったのだが、父さんと一緒に森で狩りをしていただけあって、精密狙い、速射、遠矢、動き的、いずれも高得点で、狩人級の実力認定をされた。
リーゼさんが、ちょうど紹介したいパーティがあると言うのでお願いした。何でもL(ロングレンジ)アタッカーを探しているパーティがあるんだそうだ。Lアタッカーは射手か魔術師である。
すぐにそのパーティと面接と言うので緊張して待っていたら、何のことはない、ジョルジュ達がやって来た。
「え?ジョルジュさん?」
「あら、ジョルジュ君とゲオルク君は知り合い?」
「ついさっきギルドの入口でね。こいつ、いきなりルナに喧嘩を売ったんだよ。」
「そんな!違いますよ!」
「ゲオルク、ありゃ喧嘩を売ったのと同じだぜ。お前、ルナが男か女か迷ったろ?」ジョルジュがニマニマしてる。
「だって髪はショートだし、マイクさんもルナさんは中性的だって言ってたじゃないですか。冒険者だから何となく男かと思ったけど、声は女性の優しい響きだし、迷いますよ。」
「で、ルナの胸をチラ見してさらに迷っ…ぐへっ。」横にいたルナのクリーンヒットがジョルジュを襲う。もろに入ってジョルジュは吹っ飛んだ。そのまま動かないので伸びたっぽい。
「今のはジョルジュ君が一方的に悪いわ。ルナちゃん、大丈夫、これからよ。私は17からぐんと育ったわ。」
「リーゼさん、ありがと。」
「えっと、ルナさん、本当にごめんなさい。」俺は取り敢えず謝った。
「ゲオルクはさっきも謝ったし、もういいわ。別に気にしてないし。バカ兄貴が調子に乗ったから軽く締めただけよ。
で、本題に戻るけど、リーゼさん、ゲオルクをうちのメンバーにってことかしら?」
「そうね。申告は射手だけど、精密狙い、速射、遠矢、動き的、すべてがなかなかの実力だわ。射手の上位の狩人レベルね。」リーゼさんが太鼓判をしてくれた。
「マイク、どう?」
「俺は異存ねぇよ。」
「じゃぁ、伸びてるクソ兄貴が反対しても2:1で成立ね。もっともアホ兄貴は反対しないと思うけどね。」
「ルナ、ちょっと言い過ぎじゃないか?」マイクが釘を刺したのだが…、
「え?ザコ兄貴のこと?ふん、カス兄貴の呼び方なんかどうでもいいわよ。」
「しょうがねぇなぁ。」マイクは伸びてるジョルジュを介抱しに行った。
「パーティリーダーが伸びてるんじゃ仕方ないわね。明朝、パーティへの加入手続きにしましょう。皆さん、いいですか?」
「「はい。」」「おう。」
ジョルジュを担いだマイクとルナはギルドを出て行った。ルナはジョルジュに回復魔法を掛ける気がないようだった。ま、仕方ねぇよな。
リーゼさんが、お勧め店で夕餉を御馳走してくれて、宿屋も紹介してくれると言うので、俺はリーゼさんの勤務時間が終わるまでギルドの片隅で待っていた。
リーゼさんの勤務が終わり、リーゼさんのお勧めの店で一緒に夕餉を摂った。俺はいろいろな話をした。
大魔術師になりたかったことや、その夢が叶わなかったこと。
この辺は魔法学院でのことだから、リーゼさんもうすうす知っている。さらには、
失意のまま帰った村では詐欺師扱いされたこと。
神父さんが庇ってくれたこと。
いじけてた俺を見かねた狩人の父さんが、弓矢を教えてくれ、弓矢の才が開花したこと。
それから、精霊が見えること。
ラスプ村の近くの森の奥に仲のいい精霊がいること。
などなど。
リーゼさんも魔術師を志していたが、魔術師になるには魔力量が少なくて諦めたそうだ。その代わり放出量は人並み以上だと言うから、すぐ魔力切れになって気を失ってたとか。
結局魔術師を諦めて冒険者ギルドの受付になったと言うから、俺とは逆の理由で、同じように魔術師を諦めた訳だ。なんか物凄く親近感を感じた。
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「いや、そんなことはないですが、正直に言うと、リーゼさんはもろにタイプなので、理性を保つ自信がありません。」
「まぁ、正直ね。ゲオルク君のそういうとこ、好きよ。」夕餉の席で軽く呑んでいたリーゼさんにそのまま濃厚なキスをされ、俺は初めてだったこともあり、体は硬直してマイサンはドラゴン化してしまった。
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マイドラゴンがリーゼさんに完全に懐いてしまったのは言うまでもなかろう。
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更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
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バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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