精霊の加護

Zu-Y

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精霊の加護126 失言

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精霊の加護
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№126 失言

 王帝同盟締結を祝う晩餐会が終わった後、会場では、参加者たちが思うままにグループを作って、談笑に興じていた。いわゆるロビー外交と言うやつである。

 俺は教国大使を、王太子殿下と帝国大使のもとに連れて行き、
「殿下、例の件、教国大使どのに内々に打診しましたところ、殿下と帝国大使どのから、詳しいお話をお聞きしたいとのこと。大層乗り気のようです。」
「おお、ゲオルク、でかした。」
「例の件と言いますと、もしや特赦の件ですかな?」帝国大使が探りを入れて来た。
「その通りです。帝国大使どの。
 殿下、別室がよろしいかと。」
「うむ。ではおふたりをわが執務室にご案内しよう。
 おい、侍従。両国の大使どのにな、わが執務室で茶菓を振舞いたいゆえ、至急準備致せ。」
「では殿下、俺はこれで。」
「うむ。大儀であった。」あとは殿下が表立ってまとめてくれればいい。

 場内を見回すと、ひときわ華やかな集団が、ふたつ。
 ひとつは、国王陛下に戯れる精霊たち。近衛兵たちの困った顔がなかなかの見ものである。笑
 もうひとつは、わが国の三の姫殿下マリー様、教国のアイチャ、帝国のエカチェリーナ姫の天才美少女3人組に、それを取り巻くわが妻たち。獣人トーラをマリー様とアイチャに紹介しているのだな。

 俺は迷わずわが妻たちのもとへ。

 まずマリー様に黙礼して、
「やあ、エカチェリーナ、元気でやってるようだな。」
「あ、使者どの。お久しゅうございます。」いまだに使者どのって変じゃね?笑
「早速、マリー様とアイチャを訪ねたんだって?」
「はい。使者どののお言い付け通りに。」
「おいおい、勧めたけど、命令した覚えはないぞ。で、感想は?」

「マリー様もアイチャも素晴らしいです。私が一番年上なのに、精神年齢は私が一番幼いようで、お恥ずかしい限りです。」
「リーナ様、何を仰いますの。」マリー様が割って入った。
「リーナ様?」
「私の愛称です。エカチェリーナは長いので。」
「先程、リーナ様に『エカチェリーナではなくリーナって呼んで。』って言われましたの。
 ね、アイチャ。」
「はい。私もこれからリーナ様とお呼びします。」
「俺もリーナって呼んでいい?」
「え?」と言って顔を赤くするエカチェリーナ。
「ゲオルク様、帝国では、殿方が愛称で女性を呼ぶと言うことは、おふたりがとても近しい関係と言うことですのよ。」
「あ、それは知らなかった。ごめんな。エカチェリーナ。」危ねー、危ねー。知らず知らず口説くとこだった。苦笑

「そうそう、トーラの紹介はもう済んじゃいました?」俺がマリー様に尋ねると、
「はい。」と言う返事。
「お頭様。トーラは、姫に、紹介して、もらった。」トーラが姫と呼ぶのはエカチェリーナだな。エカチェリーナを見ると、頷いた。
「ゲオルク様、トーラも側室に加えてたんですのね?」マリー様?笑顔ですけど、微妙に怖いっす。
「あ、はい。言ってませんでしたっけ?」と惚けたが、
「はい。『仲間にした。』と仰ってました。」記憶力、いいなー。8歳なのに。

「側室とは言え、トーラを正式な妻のひとりにしてもらって、感謝しています。私は、トーラから詳しい事情を聞くまで、使者どののことを誤解していました。申し訳ありませんでした。」エカチェリーナが深々と頭を下げた。
 あー、そうか。そう言えば、エカチェリーナは、俺がトーラを無理矢理、慰み者にしたと思ってたんだよな。
「そんなことは気にしなくていい。トーラに手を付けたのは、従者に貰い受けたその日だったもんなあ。誤解もするだろうよ。」
「え?あ、はい。」あれ?エカチェリーナの歯切れが悪い?ま、いいか。

「あ、そう言えばさ、全員、出会ったその日だったよな。あはははは。
 はは…は?」
 俺のこのひと言で、場の空気が瞬時に凍て付き、女性陣全員から白い眼が飛んで来た。白い眼×10。
 え?空気が凍った?え?俺なんかやらかした?え?何?何?

 マリー様がプイッと横を向いたので、俺は地雷を踏み抜いたことを悟った。正室になる予定のマリー様を前にして、言うべきじゃなかった。
 でもさ、どっちにしろ8歳の少女を相手に、そう言うことができる訳ないじゃんよ!

「そう言えば、主様が来る前の話の続きじゃがの。姫たちは卒業したら3人でパーティを組むのじゃったな。」おっと、ドーラ、ナイス話題転換。GJ!
「そうです。マリー様が魔術師、リーナ様が剣士、私が神官です。」
「あとは、バッファーと、タンクが、必要。」トーラも話題逸らしにひと役買ってくれた。
「姫様、私でよろしければ、お供させて頂きます。」タンクのベスがすかさずマリー様に提案し、
「あたしも、お供いたしまっ、しょ。痛っ。」バッファーのカルメンも乗ったが、マリー様相手に慣れない敬語で噛んだ。「しますよ。」が、「しまっ、しょ。」になった。笑
「まあ、ありがとう。心強いわ。」マリー様の機嫌が直った。…かな?

『ゲオルクー。』『王様、元気ー。』『王様、面白ーい。』国王陛下にまとわりついていた精霊たちが帰って来た。
『あー、マリー。』『マリー、遊ぼー。』『遊ぼー。』そして今度はマリー様にまとわりついた。
 アイチャとは晩餐会中に同席していたから、アイチャへの反応が薄い。
「精霊様たちー。」うん、マリー様の機嫌が完全に直った。よかった。

 解散して、俺たちは部屋に戻った。
「ふう。疲れた。」正直な感想だ。
「ダーリン、僕たちも疲れたぞー。特に最後のアレで。」最後のアレ?
「まったくよねぇ。マリー様の身にもなりなさいな。」え?
「そうですわ。将来の夫が側室をぞろぞろ連れて、しかも『会ったその日のうちに全員と…。』なんて、聞きたくもないお話を聞かされてしまって。」あ、そのことな。
「いや、あれは確かに俺の失言だったよ。
 それにしてもドーラ、ナイス話題転換。助かったよ。」俺はドーラにサムズアップをして見せたが、
「何を言うておるのじゃ?あれは主様のためではないぞえ。」
「え?」
「マリー姫が可哀想だったからじゃ。」

「まったくだよ。大体マリー様はね、お前さんのために毎日欠かさずミルクを飲んでるんだよ。」
「あなたのために、胸を大きくしようと必死なのよ。私もこうなる前は、よく飲んだもの。」ドーラとトーラ以外のわが妻たちが頷いている。皆、そうなんかい。
「いやいや、そんなの気にすることはないって。まだ8歳なんだからさ。」
「お頭様、そう言う、子供扱いが、ダメ。」
「うむ。その通りだ。わが君は女心と言うものが分かっておらぬ。」
「すみません。」ここは素直に謝っとくに限る。

 この夜はお預けを食らってしまった。わが妻たちは、今宵は別の小部屋で寝るそうだ。ってか、なんで部屋の中にたくさんの小部屋があるの?ひと間でいいんだよ、ひと間で。
『ゲオルク、トホホ。』『トホホー。』部屋の中だから裸でふわふわ浮いている精霊たちが弄って来た。ったくもう。
『慰めてあげるー。』『あげるー。』第四形態の精霊たちが、交互に生乳を押し付けて来た。ぱふぱふのつもりだろうか?しかしこのボリュームでは…。
 しかし、不覚にもマイドラゴンが鎌首をもたげやがった。

 やばっ。と思った瞬間に、ずり下ろされて露出させられたマイドラゴンが、ぱくりとワラに捕食された。
 れろれろちゅばちゅば。うああー、ワラの舌遣いが堪らない。
 抵抗などできるものではない。大量のホワイトブレスを搾り取られるのに、大した時間は掛からなかった。

 ホワイトブレスを口いっぱいに頬張ったワラは、頬をパンパンにしてふわふわと浮遊して行き、そこへ他の精霊たちが集まって行った。いつも通りだ。
 ワラが全員に口移しでホワイトブレスを分け与え、全員揃ってゴクリとやって、緑、橙、赤、藍、青、紫、黄、白、黒の9色に輝いた。

 ああ、またやられた。しかし前回あたりから背徳感を感じなくなって来たな。もういいんじゃね?的な?
 ぶっちゃけ、上手なんだよなー。それに第五形態になったら、俺好みのボン・キュッ・ボンになるだろうから、その先の行きつくところまでにも行くだろうし。

『ゲオルク、エッチー。』『『『『『『『『エッチー。』』』』』』』』あ、心が読まれた。苦笑

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設定を更新しました。R4/10/9

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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