精霊の加護

Zu-Y

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精霊の加護156 教国へ向けて出発

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精霊の加護
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№156 教国へ向けて出発

 王都を発った俺たちは、数日掛けて東府に入った。
 四公様と宰相様が、殿下の留守中の政務を任されてるから、東府でのホスト役は、東部公爵様の奥方と嫡男のヘルムートだ。ヘルムートもそつなくホスト役をこなしていた。西府でのディエゴと言い、ここ東府でのヘルムートと言い、なかなかのホストぶりであった。

 なお、ヘルムートがお母上である東府公爵様の奥方にアイチャを紹介していた。ディエゴのときとは違い、王都で東部公爵様に話を通して許可を得ているからな。
「母上、紹介します。婚約者候補のアイチャどのです。教国の巫女見習で、将来の聖女候補と言われる逸材です。教国で教皇猊下のお許しを得てから正式に婚約します。」
「アイチャでございます。未熟者ですがよろしくお願い致します。」
「ヘルムートの母です。噂はいろいろ聞いてますよ。マリー三の姫殿下と帝国のエカチェリーナ姫とともに、『天才美少女3人組』と呼ばれているそうですね。」
「いえ、美少女だなんてそのような…。」
「あらあらご謙遜。でも『天才』の方は謙遜しないのね。」
「あ、いえ。すみません。」
「母上、意地悪な姑になってますよ。
 アイチャ、気にしなくていい。母上は戯れが好きなのさ。」
「あらあら、アイチャどの、間に受けないでね。ヘルムートの言う通り、ほんの冗談なのですから。」
 ヘルムートにビシッと釘を刺されて、やや慌てて言い訳する奥方なのであった。笑

 翌日東府を発って3日後にわが故郷ラスプ村。
 ラスプ村では、王太子殿下の様な、貴賓中の貴賓である客を迎えるのが初めてなので、元村長の代官以下、上へ下への大騒ぎであった。もちろん神父さんだけは、泰然自若としており、ふぉっふぉっふぉっ、といつも通りに笑っていたけどな。

 殿下と俺たちは領主公邸に入り、外交使節団のお役人たちや、護衛の騎士団員たちは、村人宅に分宿か、キノコ市の際の商人用の宿泊施設に泊まった。
 キノコ市の時期だったらヤバかったな。苦笑

 ちなみに俺は、隙を見て実家に顔を出し、3ヶ月になる妹のコンスタンツェ~コンツェにデレデレになって来た。ほんとにかわいい。マジかわいい。世界一かわいい。
 なお、弟のアルベルト~アルは精霊たちが来てると言うので、コンツェに会ってデレた俺が領主公邸に帰るときについて来て、そのまま領主公邸に一緒に泊まって行った。
 アルは、俺と同じく精霊たちと会話ができるので、精霊たちも喜んでアルをかわいがる。アルが無邪気に精霊たちのおっぱいを触る仕草が微笑ましい。赤ちゃんのコンツェに母さんを占有されているアルは、母さんに甘えたいところを「お兄ちゃんだからね。」と我慢を強いられているのだろう。精霊たちに思う存分甘えるといい。

 それを見ていた殿下が、
「ほう、精霊たちは人見知りをすると言うのに、ゲオルクの弟を、随分かわいがるではないか。」
「殿下、弟のアルベルトも、精霊と話すことができるのです。」
「そうなのか。では、アルベルトも精霊魔術師になれるのか?」
「いえ、精霊たちによると、魔力が人よりやや多めなだけで、精霊魔術師になるには足りないそうです。」
「父上と同じか。赤子の妹はどうなのだ?」
「妹のコンスタンツェには、精霊が見向きもしません。おそらく、精霊を見る力すらないと思われます。」
「なるほどな。なかなか上手くはいかんものだな。」
「そうですね。」

 俺の正妻になるマリーは、精霊と話せて魔力量も多いのに、魔力の回復量が少なくて精霊魔術師になれない。国王陛下やアルよりはマシであるが、精霊魔術師の条件を満たせていないのだ。
 その点、俺は、精霊と話す能力、桁外れの魔力量に高性能の回復量と三拍子揃っているので「余程幸運だったよなー。」としみじみ思う。
 魔力量と回復量のお陰で、マルチの精霊魔術師にもなれたしな。

 夕餉は、ラスプ村特産のキノコをふんだんに使った料理でおもてなしだ。
「おい、ゲオルク!なんだこのキノコパスタは?」
「え?普通のキノコクリームパスタですが…。」
「何でトリュフダケが、こんなにゴロゴロと入っているのだ?白黒両方だぞ。それにパインダケまでもたっぷりと。」
「キノコは特産品ですからねぇ。でも旨いでしょう、これ?」
「確かに旨い。しかし、この使い方は高級食材への冒涜ではないか。」高級食材?一般的にはそうかもしれないが、ここラスプ村では身近な食材なのだ。
「殿下、高級食材なのは、中部では、の話です。」

「お前さん、西部でも高級食材だよ。」
「わが君、北部でも高級食材であるぞ。」
「ダーリン、南部でも高級食材だよっ。」
「使徒様、教国でも高級食材です。」「なのじゃ。」
「お使者どの、帝国でも高級食材です。」「トーラも、そう、思う。」
 う、皆から攻められた。助けを求めるようにリーゼを見たが…、
「あなた、東府でも、高級食材よ。中部ほどじゃないにしても。」
「旦那様、こんなにお手頃に料理に使っているのは、ラスプ村だけですわよ。」
「ここではいくらでも取れるものなぁ。」まぁ、ツリの力を借りてだけど。

「なんと。ではゲオルクよ、中部にも大量に流通させよ。」
「兄上様、それはなりません。値崩れさせたら、他の生産地の収入源が断たれるではありませんか。」
「うぬ、マリー、そなたの言う通りだ。失言であった。」
「それにいくらでも取れるのはツリの精霊魔法のお陰なんです。」
『ご褒美、頂戴ー。』と言って、ツリが俺の唇を貪って行った。
「その分ここでは、いくらでもご賞味下さい。それと、王家にはいくらでも献上致しますよ。」

 その他の料理にも、トリュフダケやパインダケがたっぷり使われている。しかも付け合わせとして。
 実はこれにはカラクリがある。俺は、殿下はキノコ類がお好きだと言うことを知っていたからだ。
 特にトリュフダケやパインダケと言った高級キノコがお好きなので、キノコの産地となったラスプ村に来るのを、秘かに楽しみにしていると言う情報を、マリーからゲットしていたのだ。
 やはり何ごとも情報戦が重要だな。戦もおもてなしも。
 殿下は半ば呆れていたが、とても旨そうに食べていた。

 そう言えばラスプ村の領主公邸に泊まるのは、ハイジたちが来訪したとき以来だな。あの晩は、情夫3人と盛り上がるハイジに負けじと、全員を堪能したんだっけ。でも、回復魔法やバフの支援魔法を使ってまで致すのは、体によくないとハイジから忠告を受けたのだった。俺は、ハイジの忠告を受けて、それ片ひと晩に全員と致すのはやめて、3人までにしている。
 そしてハイジから、愛読書「閨中心得」の写本が贈られて来たのだ。それから、わが妻たちとの間で、四十八手がブームのなったのは内緒だ。笑

 この晩は、ローテーションで、ベス、ビーチェ、ドーラだった。明日は国境の町ミュンヒェーに向けて発つから野営でお預け。
 明後日はミュンヒェーの町で、しかもトーラが発情期を迎える。楽しみだ。

 ラスプ村で1泊し、国境の町ミュンヒェーに向けて出発した。
 ミュンヒェーは、俺が侯爵になるとすぐ、一番寄子になりに駆け付けてくれたミュンヒェー辺境伯アーデルハイド、通称ハイジの領地だ。
 ハイジは、俺と同年代の子供が3人いるアラフォーにも拘わらず、美貌と抜群のスタイルを兼ね備えた美魔女だ。しかも、氷の魔法の使い手で「森の大魔女」と言う通り名があった。俺は最初に会ったとき、面白半分に「森の美魔女」改名してはどうかと煽ててみた。
 これでハイジは調子に乗り、俺を篭絡しようとひとり娘の無垢なクララを俺の夜伽に差し出して来て、俺を怒らせた。俺は、領主屋敷を精霊魔法で半壊にしてやったが、その際にハイジを庇ったハイジの情夫3人が大怪我をし、ハイジも軽傷を負ったのだ。
 翌日、ミュンヒェーを発つ際に、ジュヌに回復魔法を掛けてもらって、ハイジと情夫3人を全快させた。
 ちなみに、ハイジは性に奔放なので、常に複数の情夫を侍らせており、情夫もとっかえひっかえなので、3人の子供の父親はすべて違い、誰なのかもはっきりしないそうだ。苦笑

 この一連のやり取りで、ハイジに一目置かれた俺は、それ以来ハイジと懇意にしている。

 野営で1泊し、翌日の夕方には、殿下率いる俺たち一行は、国境の町ミュンヒェーへと到着した。
 ハイジが町の西門まで出迎えに来てくれていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

設定を更新しました。R4/12/18

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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