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後編
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ウーバはパーティーが破綻した原因と思い込んでいるアリクを探すために冒険者ギルドに突っ込んだ。「アリクはいないかぁ!」と叫んで受付嬢に絡んできたら、たまたま居合わせたギルドマスターのオクナギに組み伏せられてしまった。
「いってえ、放せよ!」
「ウーバ、『強欲の翼』は他のメンバーが出て行って解散したのだろう? ならソロの冒険者としてやり直すことをお勧めする」
「な、何ーっ!?」
ウーバは驚きを隠せなかった。昨日の夜に怒ったことを何故ギルドマスターが知っているのだろう。ギルドマスターによると、朝ギルドのポストを確認すると、『強欲の翼』がウーバだけになったという細かい内容が書かれた手紙が入っていたという。
「ザ、ザカリか! あいつが最後に出て行ったから違いねえ!」
「ザカリかどうかは答えられないな。ギルドはこういうことに個人情報を漏らしたりはしない。もちろん、アリクのこともな」
「く、くっそーーーーーーーーーーー!」
ウーバはザカリに先回りされたことと、ギルドマスターに正論を突き付けられたことにとても悔しがった。更に『強欲の翼』が事実上解散したこともギルドに知れ渡ってしまい、もはやウーバの居場所は無くなってしまった。
少しして落ち着いたウーバは、笑われながらギルドを去った。
◇
最低限の武器と食料を持って、ウーバは凝りもせずにアリクを探し続けて遂に隣町で活動するアリクを見つけ出した。
だが、ただならぬ状況にも出くわしてしまった。アリクが新たな仲間と共に魔族と思われる男と対峙していたのだ。ウーバは状況が分からず、物陰に隠れて様子を見ることにした。
(な、何だ……何が起こってんだ? あの肌が紫の奴って魔族じゃないのか!? どうしてアリクがそんな奴と対峙してるんだよ?)
やがて状況が動く。アリク達が武器を構えて勇ましく叫ぶ。
「イル! 貴様ら魔族のたくらみはこれで終わりだ! 俺達がここで決着をつける!」
「これ以上人類の平和を脅かさせはしない!」
「ここで決着をつけてやるぜ!」
それに対して魔族は生気の少ない無表情を保ち、抑揚の少ない口調で無感情に話しを始める。
「勇者、それにそのお仲間の皆さん。物事は終わりを迎えて初めて完成するのですが、貴方方がそれを理解しないのは残念です」
「……勇者?」
(勇者……今、あの魔族、勇者って言ったよな? そんな、アリクは俺の知らない間に勇者にまで上り詰めていたというのか!? この俺がここまで落ちぶれたというのに!)
実は魔族の言っている勇者とはアリクではなく別の少年のことを言っているのだが、アリクのことばかりが頭の中を占めているウーバには、『勇者』=アリクという解釈になってしまっていた。そんな解釈をしてしまったウーバはより一層アリクへの怒りを募らせてしまう。
「おや、こんなところに都合の良さそうな器がありました。」
突如、魔族はウーバの存在に気付いてアリク達を無視してウーバのもとに迫ってきた。そして、ウーバの喉を掴んで持ち上げた。
「ひっ! な、何だ、何だよお!?」
「おい待て! ……って、ウーバ!? 何でこんなところに!?」
アリクもウーバの存在に気付いたようで、驚きの声を上げる。だが、魔族にとってはアリクとウーバの関係などどうでもよかったらしい。
「おやおや、ここまで心が負の感情で澱み切っている人間は珍しいですね。うまくいけば私が逆転できる切り札になりましょう。人間の負の感情に比例して強大な力を発揮するこの『魔王のメダル』を取り込んでもらいましょう。手段は醜くても結末はきっと美しいですからね」
「おい、まて、よせ……」
そういうと魔族は、ウーバの胸に禍々しいメダルを押し付けた。メダルはウーバの体内に入り込んでいくと、ウーバに変化が起こる。
「く、苦しい……誰か、助けてくれ……」
ウーバの体がどんどん黒ずんで膨れ上がっていく。そして、巨大な怪物の姿に変化した。
「実験は成功です。これなら私の目的も近づきます。世界の終末がね」
そういうと魔族は、この隙とばかりに翼を広げて逃げてしまった。
「ウォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ウーバは巨大な虫のような魔物になったしまった。大きな角と顎と鎌、発達した後ろ脚、硬い外骨格に覆われた虫型の魔物の姿になって暴れだした。
「ウーバが怪物に……くそっ! あともう少し早ければ! オズ、あいつを止めよう。体内のメダルを破壊すれば元の人間に戻せるはずだ!」
「分かった。今までで一番大きな魔物だけど、やってみるよ!」
「オズ、アリク、俺達も援護する!」
「この化け物を町に行かせねえ!」
「私も援護します!」
アリクは、勇者と仲間たちと共に怪物になってしまったウーバに立ち向かうのであった。
◇
「う、うう……ここは?」
ウーバが目を覚ますと、知らない天井だった。どこかの治療院の個室のようだがウーバがよく知る町の治療院とは違う場所なのは明らかだ。
「俺は一体……そうだ! 魔族に出会って、それで……」
ウーバは思い出した。自分が魔族に捕まって妙なメダルの力で怪物にされてしまったことを。その後は、分からないが、自分がここに居るということは助かったのだろう。
おそらく、助けたのは……ウーバが嫌っている男なのだろう。
「く、くそっ! 俺は、俺は! アリクに命を助けられたってのかよ!」
拳を握り深く悔しがるウーバ。魔族に利用されたこともあるが、それ以上にアリクに助けられたという事実が深くプライドを傷つけたのだ。
「こんなとこ出て行って………っ………これは?」
無理して出て行こうとベッドから立ち上がろうとすると、机の上に置いてある袋と手紙が視界に入った。その手紙には『ウーバへ』というアリクの字が記されていた。
アリクの手紙だと判断したウーバは手紙を読んでみることにした。そこには、今のアリクの現状とウーバの身に起こったことが記されていた。
今のアリクは別の町で冒険者をやり直し、新人のオズを先輩として導き、そのオズが勇者として覚醒して、仲間であるアリク達も魔族との戦いに参加することになったこと。その戦いの過程で魔族の大幹部イルがウーバに魔王メダルという人間を魔物に変えるメダルを埋め込んで魔物にしてしまったこと。責任を感じたアリク達が全力でウーバをもとの姿に戻したこと。そして……
「『冒険者としての人生を見つめ直して、この金でやり直してくれ』か。俺の現状を知ったのか。ははは、そりゃあ、一か月も眠っている男も調べれば分かるわな……」
ウーバはアリクの手紙の内容から、クエストの失敗続きや『強欲の翼』の解散のことも知られていると察した。その上で手紙を通じて『人生をやり直してほしい』と伝えられたのだ。アリクの気持ちを知ったウーバは力が抜けて、怒りも悔しさも心の中から消えていった。
「は、ははは……ざまぁ、ねえな。ここまで冒険者として、男として、差をつけられたらな……」
アリクに比べて自分はあまりにも低能極まりない。そんな風に思ってしまったウーバ。この後、ウーバはしっかり治療院で治療してもらってから退院した。退院した後は、元の町のギルドに戻って冒険者を引退し、家を売り払って金を手に入れて故郷に帰っていった。
◇
故郷に戻ったウーバは、実家で畑仕事に取り組んだ。
「アリクの野郎、どうしてるかな?」
ウーバはさわやかな顔でアリクのことを思った。かつての冒険者時代に抱いていた負の感情が嘘のように消えたかのように。
「いってえ、放せよ!」
「ウーバ、『強欲の翼』は他のメンバーが出て行って解散したのだろう? ならソロの冒険者としてやり直すことをお勧めする」
「な、何ーっ!?」
ウーバは驚きを隠せなかった。昨日の夜に怒ったことを何故ギルドマスターが知っているのだろう。ギルドマスターによると、朝ギルドのポストを確認すると、『強欲の翼』がウーバだけになったという細かい内容が書かれた手紙が入っていたという。
「ザ、ザカリか! あいつが最後に出て行ったから違いねえ!」
「ザカリかどうかは答えられないな。ギルドはこういうことに個人情報を漏らしたりはしない。もちろん、アリクのこともな」
「く、くっそーーーーーーーーーーー!」
ウーバはザカリに先回りされたことと、ギルドマスターに正論を突き付けられたことにとても悔しがった。更に『強欲の翼』が事実上解散したこともギルドに知れ渡ってしまい、もはやウーバの居場所は無くなってしまった。
少しして落ち着いたウーバは、笑われながらギルドを去った。
◇
最低限の武器と食料を持って、ウーバは凝りもせずにアリクを探し続けて遂に隣町で活動するアリクを見つけ出した。
だが、ただならぬ状況にも出くわしてしまった。アリクが新たな仲間と共に魔族と思われる男と対峙していたのだ。ウーバは状況が分からず、物陰に隠れて様子を見ることにした。
(な、何だ……何が起こってんだ? あの肌が紫の奴って魔族じゃないのか!? どうしてアリクがそんな奴と対峙してるんだよ?)
やがて状況が動く。アリク達が武器を構えて勇ましく叫ぶ。
「イル! 貴様ら魔族のたくらみはこれで終わりだ! 俺達がここで決着をつける!」
「これ以上人類の平和を脅かさせはしない!」
「ここで決着をつけてやるぜ!」
それに対して魔族は生気の少ない無表情を保ち、抑揚の少ない口調で無感情に話しを始める。
「勇者、それにそのお仲間の皆さん。物事は終わりを迎えて初めて完成するのですが、貴方方がそれを理解しないのは残念です」
「……勇者?」
(勇者……今、あの魔族、勇者って言ったよな? そんな、アリクは俺の知らない間に勇者にまで上り詰めていたというのか!? この俺がここまで落ちぶれたというのに!)
実は魔族の言っている勇者とはアリクではなく別の少年のことを言っているのだが、アリクのことばかりが頭の中を占めているウーバには、『勇者』=アリクという解釈になってしまっていた。そんな解釈をしてしまったウーバはより一層アリクへの怒りを募らせてしまう。
「おや、こんなところに都合の良さそうな器がありました。」
突如、魔族はウーバの存在に気付いてアリク達を無視してウーバのもとに迫ってきた。そして、ウーバの喉を掴んで持ち上げた。
「ひっ! な、何だ、何だよお!?」
「おい待て! ……って、ウーバ!? 何でこんなところに!?」
アリクもウーバの存在に気付いたようで、驚きの声を上げる。だが、魔族にとってはアリクとウーバの関係などどうでもよかったらしい。
「おやおや、ここまで心が負の感情で澱み切っている人間は珍しいですね。うまくいけば私が逆転できる切り札になりましょう。人間の負の感情に比例して強大な力を発揮するこの『魔王のメダル』を取り込んでもらいましょう。手段は醜くても結末はきっと美しいですからね」
「おい、まて、よせ……」
そういうと魔族は、ウーバの胸に禍々しいメダルを押し付けた。メダルはウーバの体内に入り込んでいくと、ウーバに変化が起こる。
「く、苦しい……誰か、助けてくれ……」
ウーバの体がどんどん黒ずんで膨れ上がっていく。そして、巨大な怪物の姿に変化した。
「実験は成功です。これなら私の目的も近づきます。世界の終末がね」
そういうと魔族は、この隙とばかりに翼を広げて逃げてしまった。
「ウォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ウーバは巨大な虫のような魔物になったしまった。大きな角と顎と鎌、発達した後ろ脚、硬い外骨格に覆われた虫型の魔物の姿になって暴れだした。
「ウーバが怪物に……くそっ! あともう少し早ければ! オズ、あいつを止めよう。体内のメダルを破壊すれば元の人間に戻せるはずだ!」
「分かった。今までで一番大きな魔物だけど、やってみるよ!」
「オズ、アリク、俺達も援護する!」
「この化け物を町に行かせねえ!」
「私も援護します!」
アリクは、勇者と仲間たちと共に怪物になってしまったウーバに立ち向かうのであった。
◇
「う、うう……ここは?」
ウーバが目を覚ますと、知らない天井だった。どこかの治療院の個室のようだがウーバがよく知る町の治療院とは違う場所なのは明らかだ。
「俺は一体……そうだ! 魔族に出会って、それで……」
ウーバは思い出した。自分が魔族に捕まって妙なメダルの力で怪物にされてしまったことを。その後は、分からないが、自分がここに居るということは助かったのだろう。
おそらく、助けたのは……ウーバが嫌っている男なのだろう。
「く、くそっ! 俺は、俺は! アリクに命を助けられたってのかよ!」
拳を握り深く悔しがるウーバ。魔族に利用されたこともあるが、それ以上にアリクに助けられたという事実が深くプライドを傷つけたのだ。
「こんなとこ出て行って………っ………これは?」
無理して出て行こうとベッドから立ち上がろうとすると、机の上に置いてある袋と手紙が視界に入った。その手紙には『ウーバへ』というアリクの字が記されていた。
アリクの手紙だと判断したウーバは手紙を読んでみることにした。そこには、今のアリクの現状とウーバの身に起こったことが記されていた。
今のアリクは別の町で冒険者をやり直し、新人のオズを先輩として導き、そのオズが勇者として覚醒して、仲間であるアリク達も魔族との戦いに参加することになったこと。その戦いの過程で魔族の大幹部イルがウーバに魔王メダルという人間を魔物に変えるメダルを埋め込んで魔物にしてしまったこと。責任を感じたアリク達が全力でウーバをもとの姿に戻したこと。そして……
「『冒険者としての人生を見つめ直して、この金でやり直してくれ』か。俺の現状を知ったのか。ははは、そりゃあ、一か月も眠っている男も調べれば分かるわな……」
ウーバはアリクの手紙の内容から、クエストの失敗続きや『強欲の翼』の解散のことも知られていると察した。その上で手紙を通じて『人生をやり直してほしい』と伝えられたのだ。アリクの気持ちを知ったウーバは力が抜けて、怒りも悔しさも心の中から消えていった。
「は、ははは……ざまぁ、ねえな。ここまで冒険者として、男として、差をつけられたらな……」
アリクに比べて自分はあまりにも低能極まりない。そんな風に思ってしまったウーバ。この後、ウーバはしっかり治療院で治療してもらってから退院した。退院した後は、元の町のギルドに戻って冒険者を引退し、家を売り払って金を手に入れて故郷に帰っていった。
◇
故郷に戻ったウーバは、実家で畑仕事に取り組んだ。
「アリクの野郎、どうしてるかな?」
ウーバはさわやかな顔でアリクのことを思った。かつての冒険者時代に抱いていた負の感情が嘘のように消えたかのように。
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