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第3章 組織編
幕間・王都の人々(前編)
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王都全土。
暴動が起きる少し前。王都に暮らす全ての人々に思いがけない出来ことが起こる。
『お元気そうで何よりです。魔法協会の幹部ビルグ・トーレンさんと会長のメルガー・メンデスさん、でしたっけ?』
「「「「「っ!?」」」」」
『……!?……』
『……元気に見えるわけないだろう、こんな目に遭わされたのだからな』
「な、何だ? 今の?」
「魔法協会の幹部? 会長?」
「どこから聞こえてるの?」
王都に暮らす人々の耳に、大きな声が…いや、音量だけを大きくした会話が聞こえてきたのだ。どうやら、王都全土に流れている。
『黒焦げにされたことをそこまで根に持つことないでしょう? 今までずっと非道極まりない人体実験をしてきたんだからさあ? 何の罪もないものを相当死なせてきたんだから、その程度で済むなんて贅沢だと思わないのか?』
『っ!? な、何を、言って……!?』
『……まだ気が済まないというつもりか、今度はどうするつもりだ?』
『そうだな、あんたたちのやってきた非人道的な人体実験や、他者から魔法を奪って野に捨てる悪逆非道な行為を騎士団や国に訴えたとしてもな~』
『『…………』』
『国そのものが、分かってて容認しているうえに、騎士団も協力してるとなると、この国で魔法協会を裁けるはずがない。何故なら、国民の間で、魔法協会の悪~い噂が流れていたのに誰も調査しなかったぐらいだしな~』
『…………』
『まったくその通りだよ。だが、そこまでわかっているなら、どうするというのだ? まさか、お前が裁くとでもいうのか?』
『話が早いな、会長さん』
『……ひいっ!?』
「やっぱり、魔法協会の人か? ……ていうか、人体実験?」
「あの噂って……本当だったってこと? しかも……」
「騎士団や国が容認!?」
『まあ、正確には似たようなもんだけどさ、その前に話をしようぜ』
『話だと? 何だそれは? まさか、ミー……』
カチッ
シーン…………
「「「「「あれ? 聞こえなくなった?」」」」」
カチッ
『話ってのは魔法のことさ』
『『……?』』
『何でこの国だけが、他国に比べて、魔法持ちが多いのかって話だ。国の人口の9割も魔法持ちがいるというのはどういうことかな?』
『な、何を言ってるんだ?』
『お前は何を言い出す? 魔法とは神が我が国の民に授けてくださった贈り物なんだぞ? そんなことも知ら……』
『本気でそう思うわけないだろう、魔法の研究をしていれば魔法を持つリスクのことも分かってるはずだろ?』
『き、貴様!? 何を!?』
『お、おい、まさか!?』
「「「「「リスク?」」」」」
『魔法を持つことは、体に負担をかける。特に影響があるのは、生きられる寿命だ。魔法を持つ体になれば、10年くらい寿命が縮む』
『『んなっ!?』』
「「「「「っ!?」」」」」
聞いた人々の中で理解の速い人間は目が大きく見開くほど驚いた。魔法と寿命の関係など聞いたことが無かったからだ。
『正確に言えば、最低で5年、最高は20年。寿命の縮まる基準は魔法の能力で決まる。例えば、強力な魔法や極端な効果を持つ魔法ほど縮まる寿命が長くなる』
『な、なななな、何を言ってるんだ!?』
『おい! 何を言い出すんだ! やめろ!』
「「「「「…………」」」」」
『縮まる寿命は最初に発現した魔法で決まる。魔法を失っても縮んだ寿命は戻らない。逆に二つ目の魔法を何らかの手段で獲得してもそれ以上寿命が減ることは無い。何故なら、魔法を発現した時から肉体が魔法に耐性を持つからだ。それを知っているから、会長さんはいろんな魔法を奪って使ってきた、そうだろ?』
『『…………!』』
『それから、こんなことも知ってるかな? 魔法によっては副作用をもたらすものもある。使う度に肉体に悪影響があったり、周囲を巻き込んでしまったり……かなり稀少なタイプだけどな』
『そ、そこまで……』
『そんなことまで知っていたというのか!?』
「な、なんだよそれ……魔法に副作用……?」
「……その前に、すごい魔法ほど、寿命が縮むだって……?」
「魔法を奪うですって! 魔法協会は、そんなことを!?」
「噂よりヤバいじゃねえか!」
「魔法協会の奴も否定してないし……!」
『それが魔法だ。それなのに、この国の人間の9割が魔法を発現する、特別なこともなしに。……こんなことは自然ではありえない。魔法で人の寿命を左右するなど、神が与えたものにしては残酷なルールだな』
「「「「「っ!?」」」」」
『これはつまり、魔法は神が与えた力ではなく、全く別の何かが、この国の人間が魔法を発現するように仕組んだってことだ』
『まさかっ!? やめろぉ! やめてくれぇ!』
『もうやめろ! それ以上言うな!』
「「「「「動揺してる!?」」」」」
『その先を! その先だけは言うなぁ!』
『自分が何を言ってるのか分かっているのか!? 国家機密どころの話じゃないんだぞ!』
「「「「「国家機密!?」」」」」
『全く別の何か。それはこの国の王族を含む上層部』
『『っ!?』』
「「「「「なっ!?」」」」」
『そして、魔法協会もそれに絡んでいる、違うかな?』
『『…………』』
「「「「「ええ~!?」」」」」
聞いてしまった人々は絶句してしまった。神からもらったと言われていた魔法の出所が、政を担う国の王族を含む上層部だったこと、それに魔法協会も加わっていたことがショックだったのだ。今まで信じてきたことが否定されたのだ。王国の中心に位置する王都全土で。
暴動が起きる少し前。王都に暮らす全ての人々に思いがけない出来ことが起こる。
『お元気そうで何よりです。魔法協会の幹部ビルグ・トーレンさんと会長のメルガー・メンデスさん、でしたっけ?』
「「「「「っ!?」」」」」
『……!?……』
『……元気に見えるわけないだろう、こんな目に遭わされたのだからな』
「な、何だ? 今の?」
「魔法協会の幹部? 会長?」
「どこから聞こえてるの?」
王都に暮らす人々の耳に、大きな声が…いや、音量だけを大きくした会話が聞こえてきたのだ。どうやら、王都全土に流れている。
『黒焦げにされたことをそこまで根に持つことないでしょう? 今までずっと非道極まりない人体実験をしてきたんだからさあ? 何の罪もないものを相当死なせてきたんだから、その程度で済むなんて贅沢だと思わないのか?』
『っ!? な、何を、言って……!?』
『……まだ気が済まないというつもりか、今度はどうするつもりだ?』
『そうだな、あんたたちのやってきた非人道的な人体実験や、他者から魔法を奪って野に捨てる悪逆非道な行為を騎士団や国に訴えたとしてもな~』
『『…………』』
『国そのものが、分かってて容認しているうえに、騎士団も協力してるとなると、この国で魔法協会を裁けるはずがない。何故なら、国民の間で、魔法協会の悪~い噂が流れていたのに誰も調査しなかったぐらいだしな~』
『…………』
『まったくその通りだよ。だが、そこまでわかっているなら、どうするというのだ? まさか、お前が裁くとでもいうのか?』
『話が早いな、会長さん』
『……ひいっ!?』
「やっぱり、魔法協会の人か? ……ていうか、人体実験?」
「あの噂って……本当だったってこと? しかも……」
「騎士団や国が容認!?」
『まあ、正確には似たようなもんだけどさ、その前に話をしようぜ』
『話だと? 何だそれは? まさか、ミー……』
カチッ
シーン…………
「「「「「あれ? 聞こえなくなった?」」」」」
カチッ
『話ってのは魔法のことさ』
『『……?』』
『何でこの国だけが、他国に比べて、魔法持ちが多いのかって話だ。国の人口の9割も魔法持ちがいるというのはどういうことかな?』
『な、何を言ってるんだ?』
『お前は何を言い出す? 魔法とは神が我が国の民に授けてくださった贈り物なんだぞ? そんなことも知ら……』
『本気でそう思うわけないだろう、魔法の研究をしていれば魔法を持つリスクのことも分かってるはずだろ?』
『き、貴様!? 何を!?』
『お、おい、まさか!?』
「「「「「リスク?」」」」」
『魔法を持つことは、体に負担をかける。特に影響があるのは、生きられる寿命だ。魔法を持つ体になれば、10年くらい寿命が縮む』
『『んなっ!?』』
「「「「「っ!?」」」」」
聞いた人々の中で理解の速い人間は目が大きく見開くほど驚いた。魔法と寿命の関係など聞いたことが無かったからだ。
『正確に言えば、最低で5年、最高は20年。寿命の縮まる基準は魔法の能力で決まる。例えば、強力な魔法や極端な効果を持つ魔法ほど縮まる寿命が長くなる』
『な、なななな、何を言ってるんだ!?』
『おい! 何を言い出すんだ! やめろ!』
「「「「「…………」」」」」
『縮まる寿命は最初に発現した魔法で決まる。魔法を失っても縮んだ寿命は戻らない。逆に二つ目の魔法を何らかの手段で獲得してもそれ以上寿命が減ることは無い。何故なら、魔法を発現した時から肉体が魔法に耐性を持つからだ。それを知っているから、会長さんはいろんな魔法を奪って使ってきた、そうだろ?』
『『…………!』』
『それから、こんなことも知ってるかな? 魔法によっては副作用をもたらすものもある。使う度に肉体に悪影響があったり、周囲を巻き込んでしまったり……かなり稀少なタイプだけどな』
『そ、そこまで……』
『そんなことまで知っていたというのか!?』
「な、なんだよそれ……魔法に副作用……?」
「……その前に、すごい魔法ほど、寿命が縮むだって……?」
「魔法を奪うですって! 魔法協会は、そんなことを!?」
「噂よりヤバいじゃねえか!」
「魔法協会の奴も否定してないし……!」
『それが魔法だ。それなのに、この国の人間の9割が魔法を発現する、特別なこともなしに。……こんなことは自然ではありえない。魔法で人の寿命を左右するなど、神が与えたものにしては残酷なルールだな』
「「「「「っ!?」」」」」
『これはつまり、魔法は神が与えた力ではなく、全く別の何かが、この国の人間が魔法を発現するように仕組んだってことだ』
『まさかっ!? やめろぉ! やめてくれぇ!』
『もうやめろ! それ以上言うな!』
「「「「「動揺してる!?」」」」」
『その先を! その先だけは言うなぁ!』
『自分が何を言ってるのか分かっているのか!? 国家機密どころの話じゃないんだぞ!』
「「「「「国家機密!?」」」」」
『全く別の何か。それはこの国の王族を含む上層部』
『『っ!?』』
「「「「「なっ!?」」」」」
『そして、魔法協会もそれに絡んでいる、違うかな?』
『『…………』』
「「「「「ええ~!?」」」」」
聞いてしまった人々は絶句してしまった。神からもらったと言われていた魔法の出所が、政を担う国の王族を含む上層部だったこと、それに魔法協会も加わっていたことがショックだったのだ。今まで信じてきたことが否定されたのだ。王国の中心に位置する王都全土で。
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