182 / 252
第5章 外国編
生物兵器
しおりを挟む
ローグ達がサーラとも協力関係を結んだ直後、サーラの部屋のドアが勢いよく開けられた。何と、一人の兵士が入ってきたのだ。
「サーラ様! サーラ様! どうか起きてください!」
「「「「っ!?」」」」
兵士の顔は何やら緊迫した感じだ。それ以外の者たちはみんな驚いた。みんなとはローグ・ミーラ・リオル・サーラの4人のことである。
((((マズい、面倒なことになった!))))
4人はほぼ同じことを思った。皇女二人と外国人二人が話し込んでいる状況をどう説明すればいいのか。
だが、兵士の口からは4人にとって都合のいい言葉が出てきた。
「サーラ様、一緒にお逃げくだ……あ、あなたはリオル様ではありませんか! 戻ってきてくださったのですね!」
「え? あ、そ、その、それは……」
兵士はリオルの存在に気付くと、驚くと同時に喜んでいた。その様子を見たリオルも驚いた。だが、驚くのこここからだった。
「リオル様! あなた様の冤罪を証明できず申し訳ありません!」
「なっ!?」
兵士は今度はリオルに向かって土下座を始めた。リオルの無実を信じ、それを証明できないことに謝罪を始めたのだ。リオルは反応に困ってしまう。
「ですが、今は城の中でとんでもない事態が起こってしまいました! 都合のいい話なのは承知ですが、どうかご協力ください!」
「「「っ!?」」」
「ど、どういうことだ? 何があったというのだ?」
「リオル様の強さが必要なのです! 実はアゼル様が、大変なことに……」
この後、兵士の話を聞いたリオルは血相を変えて兄・アゼルの元に向かった。ローグ達も一緒に続いた。
大広間。
リオルは、ローグ達は、恐ろしい光景を目にした。それは異様な姿をした一人の男だった。その男は背中から複数の触手を生やし、取り囲む兵士を相手に触手だけで戦っていた。触手は大きくて太いものが2本、細いものが十数本、どれも先端に小さな爪があって殺傷能力が高い。すでに何人かの兵士が倒れていた。
「り、リオル様! リオル様が戻ってきた!」
「そんな、こんな時にお戻りになられるとは!」
「サーラ様もいるぞ!」
多くの兵士がリオルに声を掛けるがリオルには聞こえていなかった。それだけに目の前の光景が衝撃的だったのだ。何しろ、問題の男も見覚えがあったのだ。皇族の着る服、金髪、真っ赤に充血しているが青い瞳の眼、やつれているのは目に見えて分かるその顔はリオルが産まれた時から知っている顔だった。何しろ先に生まれた兄の顔だ。
「そんな、姉さま、あれはまさか……」
「あ、兄上……?」
背中に触手を生やす異様な男の正体は第一皇子にしてリオルとサーラの兄・アゼル・ヒルディアだった。
「あれがリオさんのお兄さん!? あんなのが!?」
「おいおい、マジかよ……!」
ミーラは恐ろしくて青い顔して震えていた。人から触手が生えるなど、彼女の眼には恐ろしくて気味が悪いのだろう。
一方、ローグはまた別の意味でおぞましく感じていた。それと同時に嫌悪感が湧いていた。男の背中に生える触手のほうに見覚えがあったのだ。過去の世界の写真とレポートによる情報しか知らないが、特徴を見ただけで分かってしまった。
(なんてこった、あれはパラサイトオクトパスじゃないか! あんなものまで生き残ってたのかよ、なんて時代だ!)
パラサイトオクトパスはトリニティウルフのような合成生物だ。ただし、こちらは遺伝子操作が盛んに行われた末に作られた生物兵器であり、作った者たちにとっては都合のいい存在だったらしい。
「サーラ様! サーラ様! どうか起きてください!」
「「「「っ!?」」」」
兵士の顔は何やら緊迫した感じだ。それ以外の者たちはみんな驚いた。みんなとはローグ・ミーラ・リオル・サーラの4人のことである。
((((マズい、面倒なことになった!))))
4人はほぼ同じことを思った。皇女二人と外国人二人が話し込んでいる状況をどう説明すればいいのか。
だが、兵士の口からは4人にとって都合のいい言葉が出てきた。
「サーラ様、一緒にお逃げくだ……あ、あなたはリオル様ではありませんか! 戻ってきてくださったのですね!」
「え? あ、そ、その、それは……」
兵士はリオルの存在に気付くと、驚くと同時に喜んでいた。その様子を見たリオルも驚いた。だが、驚くのこここからだった。
「リオル様! あなた様の冤罪を証明できず申し訳ありません!」
「なっ!?」
兵士は今度はリオルに向かって土下座を始めた。リオルの無実を信じ、それを証明できないことに謝罪を始めたのだ。リオルは反応に困ってしまう。
「ですが、今は城の中でとんでもない事態が起こってしまいました! 都合のいい話なのは承知ですが、どうかご協力ください!」
「「「っ!?」」」
「ど、どういうことだ? 何があったというのだ?」
「リオル様の強さが必要なのです! 実はアゼル様が、大変なことに……」
この後、兵士の話を聞いたリオルは血相を変えて兄・アゼルの元に向かった。ローグ達も一緒に続いた。
大広間。
リオルは、ローグ達は、恐ろしい光景を目にした。それは異様な姿をした一人の男だった。その男は背中から複数の触手を生やし、取り囲む兵士を相手に触手だけで戦っていた。触手は大きくて太いものが2本、細いものが十数本、どれも先端に小さな爪があって殺傷能力が高い。すでに何人かの兵士が倒れていた。
「り、リオル様! リオル様が戻ってきた!」
「そんな、こんな時にお戻りになられるとは!」
「サーラ様もいるぞ!」
多くの兵士がリオルに声を掛けるがリオルには聞こえていなかった。それだけに目の前の光景が衝撃的だったのだ。何しろ、問題の男も見覚えがあったのだ。皇族の着る服、金髪、真っ赤に充血しているが青い瞳の眼、やつれているのは目に見えて分かるその顔はリオルが産まれた時から知っている顔だった。何しろ先に生まれた兄の顔だ。
「そんな、姉さま、あれはまさか……」
「あ、兄上……?」
背中に触手を生やす異様な男の正体は第一皇子にしてリオルとサーラの兄・アゼル・ヒルディアだった。
「あれがリオさんのお兄さん!? あんなのが!?」
「おいおい、マジかよ……!」
ミーラは恐ろしくて青い顔して震えていた。人から触手が生えるなど、彼女の眼には恐ろしくて気味が悪いのだろう。
一方、ローグはまた別の意味でおぞましく感じていた。それと同時に嫌悪感が湧いていた。男の背中に生える触手のほうに見覚えがあったのだ。過去の世界の写真とレポートによる情報しか知らないが、特徴を見ただけで分かってしまった。
(なんてこった、あれはパラサイトオクトパスじゃないか! あんなものまで生き残ってたのかよ、なんて時代だ!)
パラサイトオクトパスはトリニティウルフのような合成生物だ。ただし、こちらは遺伝子操作が盛んに行われた末に作られた生物兵器であり、作った者たちにとっては都合のいい存在だったらしい。
0
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!
たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。
途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。
鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒!
素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。
裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!
おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。
お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
どこにでも居るような冴えないおっさん、山田 太郎(独身)は、かつてやり込んでいたファンタジーシミュレーションRPGの世界に転生する運びとなった。しかし、ゲーム序盤で倒される山賊の下っ端キャラだった。女神様から貰ったスキルと、かつてやり込んでいたゲーム知識を使って、生き延びようと決心するおっさん。はたして、モンスター蔓延る異世界で生き延びられるだろうか?ザコキャラ奮闘ファンタジーここに開幕。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
母を訪ねて十万里
サクラ近衛将監
ファンタジー
エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。
この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。
概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる