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第6章 一週間編
二日目2
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思わぬアゼルの態度にリオルは慌てだした。
「何を言ってるんだ!? 私が訴えれば助かるかもしれない。自惚れではないが私は周りに信頼されている身だ。少しくらい泥を塗ったって私の信用が落ちることはない!」
「そうだな。この件でお前がどれだけ信頼されているかがよく分かったよ。城を出てからお前を支持する声が嫌でも耳に入ってきたからな」
アゼルは思い返すのは、リオルに冤罪をかけてからの兵士たちの態度だった。「冤罪だ」「無実だ」と、リオルを支持する兵士たちが口にするのをアゼルは何度も聞いた。リオルが城を出てから何度も耳に入ったものだ。アゼル自身に対する冷淡な態度と前よりひどくなった陰口とともに。
――(リオル様は無実だ! 悪いのはアゼルのほうだ!)
――(毒を盛るだと? 馬鹿馬鹿しい! アゼルがやりそうなことじゃないか)
――(アゼルがリオル様に罪を着せようとしているんだ)
――(アゼルこそ悪! 真実を暴いてやる!)
(あの時は精神的に一番つらかったな。あそこまで信頼に差がつけられるなんて思っても見なかったっけ……。いや、当然か)
アゼルにも分かっていた。多くの人々に信頼されているリオルが、どれだけ頑張ってきたのかを。リオルの幼少のころからの努力の成果が、多くの信頼を勝ち取ってきた証なのだ。……アゼルには決してない強さが構築されているのだ。
だからこそ、アゼルを助けるということは彼女にとってマイナスにしかならない。それはリオルにもアゼルにも分かっているのだ。それでも、リオルはアゼルを助けようとしてしまっている。かつてのリオルはそんなことはしないはずだった、アゼルの本心を知るまでは。
(こいつは……何を思っているんだろうな。仮にも兄なのにそんなことも分からないとは。本当に僕はどうしようもない奴だな)
アゼルは己を自嘲した。兄として妹に何もしてやれなかった自分が、今できることは突き放すことでしかないと思ったからだ。
「リオル。お前の助命の訴えは必要ない。別に格好つけようってわけじゃない。そんなのはお前のためにならないし、僕自身のためにもならない。これはケジメだ。僕はしっかりと正当な裁きを受けて当然の罰を与えられなければならない。それをなして初めてケジメと言えると思うんだ」
「兄上……!」
「だから、お前の情けは受け取れない。元より受け取る資格がないんだ。お前なら分かるだろ」
「…………!」
リオルは反論できなかった。だが、それでも食い下がらなかった。
「何を言ってるんだ!? 私が訴えれば助かるかもしれない。自惚れではないが私は周りに信頼されている身だ。少しくらい泥を塗ったって私の信用が落ちることはない!」
「そうだな。この件でお前がどれだけ信頼されているかがよく分かったよ。城を出てからお前を支持する声が嫌でも耳に入ってきたからな」
アゼルは思い返すのは、リオルに冤罪をかけてからの兵士たちの態度だった。「冤罪だ」「無実だ」と、リオルを支持する兵士たちが口にするのをアゼルは何度も聞いた。リオルが城を出てから何度も耳に入ったものだ。アゼル自身に対する冷淡な態度と前よりひどくなった陰口とともに。
――(リオル様は無実だ! 悪いのはアゼルのほうだ!)
――(毒を盛るだと? 馬鹿馬鹿しい! アゼルがやりそうなことじゃないか)
――(アゼルがリオル様に罪を着せようとしているんだ)
――(アゼルこそ悪! 真実を暴いてやる!)
(あの時は精神的に一番つらかったな。あそこまで信頼に差がつけられるなんて思っても見なかったっけ……。いや、当然か)
アゼルにも分かっていた。多くの人々に信頼されているリオルが、どれだけ頑張ってきたのかを。リオルの幼少のころからの努力の成果が、多くの信頼を勝ち取ってきた証なのだ。……アゼルには決してない強さが構築されているのだ。
だからこそ、アゼルを助けるということは彼女にとってマイナスにしかならない。それはリオルにもアゼルにも分かっているのだ。それでも、リオルはアゼルを助けようとしてしまっている。かつてのリオルはそんなことはしないはずだった、アゼルの本心を知るまでは。
(こいつは……何を思っているんだろうな。仮にも兄なのにそんなことも分からないとは。本当に僕はどうしようもない奴だな)
アゼルは己を自嘲した。兄として妹に何もしてやれなかった自分が、今できることは突き放すことでしかないと思ったからだ。
「リオル。お前の助命の訴えは必要ない。別に格好つけようってわけじゃない。そんなのはお前のためにならないし、僕自身のためにもならない。これはケジメだ。僕はしっかりと正当な裁きを受けて当然の罰を与えられなければならない。それをなして初めてケジメと言えると思うんだ」
「兄上……!」
「だから、お前の情けは受け取れない。元より受け取る資格がないんだ。お前なら分かるだろ」
「…………!」
リオルは反論できなかった。だが、それでも食い下がらなかった。
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