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第3章 王都防衛編
第84話 急襲4・絶望
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遂に藍色ゾンビが神樹上部に登ってしまった。
「グォォ!」
敵は雄叫びを上げながら王都の方角へ進む。
「クッ、行かせはしない!」
神樹の上に罠はない。鎧兵で防ぐしかない。ありったけのストック兵を走らせた。
壁のようにして敵の動きを止めようと試みるも、剛腕でいともたやすく何十体も吹き飛ばされた。
さらに衝撃で飛散した藍色のヘドロで鎧兵が溶ける。
「ダメだ、どうする!?」
俺が視線を彷徨わせると、とある建物が目に飛び込んできた。
「あそこは……クッ、仕方ない……!」
俺はその場所へ誘導するため藍色ゾンビに鎧兵の大群を横からぶつけた。
体液で鎧兵が溶かされながらも少しずつ押していく。
「これで!」
合図とともに一体の鎧兵が建物に向かって火矢を放った。そこは巨獣加工屋クローザの管理しているスライムボム改が収蔵された“火薬庫”だった。ここを破壊したらSB改のストックがほぼ無くなるが、背に腹はかえられない。
そして火矢が直撃した瞬間、火薬庫は大爆発を起こした。大気を揺らすほどの轟音が響き、暴れる龍のように青い炎が周囲に渦巻いていた。
「これなら……!」
しかし、期待とは裏腹に仕留め切れておらず、煙の中から藍色ゾンビが這い出てきた。ゴキブリ並みにしぶとい野郎だ。
下半身は破壊されていたが、巨木のような太い腕を使って地面を掘るように手を掻きながら前へと移動していた。
体が千切れても動き続けるか。ゴブリンの時と同じだ。頭を破壊するしかない。
鎧兵を五百体ほどけしかけて敵の勢いを殺す。前方の兵が何体か押し潰されて犠牲になるも、藍色ゾンビの動きを一瞬だけ止めることに成功した。
「ここだ!」
俺が叫んだ瞬間、一体の鎧兵がとあるレバーを引いた。瞬間、藍色ゾンビの足元の一部が下へさがった。神樹に備わっている“昇降機”を稼働させたのだ。
ゾンビを乗せたままどんどん下に行く。敵の体が横の壁に当たり削り取られる。
「くたばれ!」
俺は残っているありったけの鎧兵をエレベーターの穴に飛び込ませた。何百体もの鎧兵がゾンビにのし掛かる。
「グガガガガ!」
敵は土砂崩れのように降り注ぐ鎧兵に耐えきれず、素っ頓狂な声を出して苦しんでいる。
「潰れろ潰れろ潰れろ!」
自壊、再召喚、落下を繰り返して延々と攻め続ける。
そしてエレベーターが下に到着した頃、ようやく藍色ゾンビは動かなくなった。
「ハァハァ……やった」
エレベーターの穴の前にいた俺本体は大して動いていないのに息を切らしていた。それぐらいヤバかった。
一度息を大きく吐いて呼吸を整える。そしてウェアラットと交戦していたトマティナとオイチを鎧兵越しに見た。
二人はウェアラットを倒していたが、なぜか絶句してモニターを眺めている。
「シロ、あれ見て……」
トマティナの震えた声に視線をモニターへ移す。
雨が降る中、毒の霧が薄まって視界が少しだけ晴れて見える。
「……あはは、嘘だろ?」
神樹北側の枝から森を望むと、遥か先にある木々の間に“七つの巨獣の頭”が見えた。それは七体のゾンビ巨獣であった。
今のゾンビレベルのがあと七体もいるってことか? どうやって勝つんだよ……。
ふと、目に映った雨に打たれて死んでいる虫を見て、俺もそうなるんじゃないかと予感させた。
「グォォ!」
敵は雄叫びを上げながら王都の方角へ進む。
「クッ、行かせはしない!」
神樹の上に罠はない。鎧兵で防ぐしかない。ありったけのストック兵を走らせた。
壁のようにして敵の動きを止めようと試みるも、剛腕でいともたやすく何十体も吹き飛ばされた。
さらに衝撃で飛散した藍色のヘドロで鎧兵が溶ける。
「ダメだ、どうする!?」
俺が視線を彷徨わせると、とある建物が目に飛び込んできた。
「あそこは……クッ、仕方ない……!」
俺はその場所へ誘導するため藍色ゾンビに鎧兵の大群を横からぶつけた。
体液で鎧兵が溶かされながらも少しずつ押していく。
「これで!」
合図とともに一体の鎧兵が建物に向かって火矢を放った。そこは巨獣加工屋クローザの管理しているスライムボム改が収蔵された“火薬庫”だった。ここを破壊したらSB改のストックがほぼ無くなるが、背に腹はかえられない。
そして火矢が直撃した瞬間、火薬庫は大爆発を起こした。大気を揺らすほどの轟音が響き、暴れる龍のように青い炎が周囲に渦巻いていた。
「これなら……!」
しかし、期待とは裏腹に仕留め切れておらず、煙の中から藍色ゾンビが這い出てきた。ゴキブリ並みにしぶとい野郎だ。
下半身は破壊されていたが、巨木のような太い腕を使って地面を掘るように手を掻きながら前へと移動していた。
体が千切れても動き続けるか。ゴブリンの時と同じだ。頭を破壊するしかない。
鎧兵を五百体ほどけしかけて敵の勢いを殺す。前方の兵が何体か押し潰されて犠牲になるも、藍色ゾンビの動きを一瞬だけ止めることに成功した。
「ここだ!」
俺が叫んだ瞬間、一体の鎧兵がとあるレバーを引いた。瞬間、藍色ゾンビの足元の一部が下へさがった。神樹に備わっている“昇降機”を稼働させたのだ。
ゾンビを乗せたままどんどん下に行く。敵の体が横の壁に当たり削り取られる。
「くたばれ!」
俺は残っているありったけの鎧兵をエレベーターの穴に飛び込ませた。何百体もの鎧兵がゾンビにのし掛かる。
「グガガガガ!」
敵は土砂崩れのように降り注ぐ鎧兵に耐えきれず、素っ頓狂な声を出して苦しんでいる。
「潰れろ潰れろ潰れろ!」
自壊、再召喚、落下を繰り返して延々と攻め続ける。
そしてエレベーターが下に到着した頃、ようやく藍色ゾンビは動かなくなった。
「ハァハァ……やった」
エレベーターの穴の前にいた俺本体は大して動いていないのに息を切らしていた。それぐらいヤバかった。
一度息を大きく吐いて呼吸を整える。そしてウェアラットと交戦していたトマティナとオイチを鎧兵越しに見た。
二人はウェアラットを倒していたが、なぜか絶句してモニターを眺めている。
「シロ、あれ見て……」
トマティナの震えた声に視線をモニターへ移す。
雨が降る中、毒の霧が薄まって視界が少しだけ晴れて見える。
「……あはは、嘘だろ?」
神樹北側の枝から森を望むと、遥か先にある木々の間に“七つの巨獣の頭”が見えた。それは七体のゾンビ巨獣であった。
今のゾンビレベルのがあと七体もいるってことか? どうやって勝つんだよ……。
ふと、目に映った雨に打たれて死んでいる虫を見て、俺もそうなるんじゃないかと予感させた。
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