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魔術試合開始!
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学園の安全対策が強化されたとはいえ、大規模なイベントに不安を抱きながら、俺たちは魔術試合当日を迎えた。
魔術試合は、各学年の代表グループ戦。各学園から選ばれた優秀選手たちが、その魔術の腕を競い合う。ウィル、フィル、ライオネル殿下、ヘドワート、そして俺。5人は、この学園の1年生代表として、試合に挑むことになった。日頃の特訓のおかげもあり実技では5人とも敵なしだ。
試合会場は、学園の敷地内にある巨大なスタジアムだ。観客席は、他の学園の生徒や教師、そして貴族や一般市民で埋め尽くされていた。
「すごい人だね…」
フィルの小さな声が、隣から聞こえてきた。
「ああ。でも、大丈夫だ。俺たちが、この国の未来を背負っていることを、皆に見せてやろうぜ。特訓の成果を見せる時!」
俺がそう言うと、フィルは、少しだけ顔を上げて、力強く頷いた。
「そうだね、僕たち頑張ってるもんね」
試合は、学園長の開会宣言で始まった。
「これより、第10回魔術学園対抗試合、1年生代表グループ戦を開始する!」
学園長の声が、スタジアムに響き渡る。
俺たちの初戦の相手は、隣国の名門学園のチームだった。
「キート様、司令塔は任せるよ!」
ウィルが、俺にそう言って、魔法陣を展開する。
「フィル、俺の動きに合わせて、敵の魔力を無力化してくれ!みんな後に続いてくれ!!」
俺の言葉に、フィルは頷き、俺の背後に回る。
「闇よ、我に力を…シャドウ・バロード!」
フィルが呪文を唱えると、俺の剣に、深い闇の力が宿る。
俺は、その剣で敵の攻撃を弾き、懐に飛び込んだ。
「光よ、我に力を…ライト・アロー!」
ウィルが、無数の光の矢を放ち、敵を牽制する。
「殿下、敵の動きを読み、ヘドワートは魔法で攪乱を!」
俺は、殿下とヘドワートに指示を出す。
相手チームの魔術師が、巨大な火球を放ってきた。
「水よ、我が盾となれ…ウォーター・シールド!」
ライオネル殿下が呪文を唱えると、目の前に水の盾が出現し、火球を受け止めた。その水の盾は、火球の熱で蒸発することなく、強固な防御壁として俺たちを守ってくれる。
「今だ、ヘドワート!」
俺が叫ぶと、ヘドワートが静かに一歩前に出た。
「雷よ、我が手に集え…サンダー・ランス!」
ヘドワートが呪文を唱えると、その手に雷の槍が出現し、相手チームの魔法陣を直撃した。
「なっ…!?」
相手チームは、予期せぬ攻撃に驚愕の表情を浮かべる。
その一撃は、魔術師団長の息子という肩書きが伊達ではないことを物語っていた。
「いけ、ウィル、フィル!」
俺の指示に、ウィルが光の魔力を、フィルが闇の魔力を組み合わせる。
「光と闇の融合…ライト・シャドウ・ボルト!」
二人が叫ぶと、光と闇が渦を巻く一本の矢が放たれ、相手チームの指揮官を打ち破った。
俺たちの連携は、完璧だった。
フィルウィルの光と闇が織りなす魔術の美しさ、俺の剣術の鋭さ、殿下の何事からも護る力、ヘドワートのド派手な魔術に観客は息をのんだ。
試合は、俺たちの圧倒的な勝利で終わった。
その後も、俺たちは順調に勝ち進んだ。
フィルの闇の力は、人々が抱く「不吉な力」という固定観念を打ち破り、観客は、フィルの闇の力に魅了されていった。
試合の合間、俺たちは休憩室で次の試合の作戦を練っていた。
「すごいね、フィル。観客席のあちこちから、フィルへの歓声が聞こえるよ」
ウィルが、嬉しそうに言った。
フィルの顔には、満面の笑みが浮かんでいた。
「僕ほんとうに夢みたい…」
フィルがそう呟いた時、休憩室の扉が開いた。
そこに立っていたのは、真っ黒なローブを纏った、見覚えのない男だった。
その男の顔には、不気味な模様が刻まれており、全身から、ただならぬ魔力が放たれていた。
(…こいつ…!古城にいた奴らとは、レベルが違う…!)
俺は、直感的にそう感じた。
男は、俺たちをじっと見つめ、口を開いた。
「お前たち…闇属性を甘く見ない方がいい。その力は、お前たちの想像を遥かに超えるものだ」
男の言葉に、俺たちは身構えた。
男は、不敵な笑みを浮かべると、ゆっくりと部屋を出ていった。
俺たちは、男が放っていた魔力に、ただただ圧倒されていた。
(…まさか、シャドウ・オーダーの幹部か…?)
俺は、胸騒ぎが収まらなかった。
この魔術試合は、やはり裏組織の計画と関係しているのかもしれない。そう思う原因がもう一つあった。
試合の最中、相手チームの何人かが、異常な魔力を放っていたことに気づいたのだ。その魔力は、以前遭遇したシャドウ・オーダーの幹部と似た、不気味な波動を放っているように感じていた。
俺と同じく、ライオネル殿下も難しい顔をしていた。
「どうしたんだ、殿下?」
俺が尋ねると、殿下は静かに首を振った。
「試合中に、会場の結界の一部が弱くなっているのを感じた。それに、魔道具の調子もおかしい。これは、ただの偶然ではない」
殿下の言葉に、俺は確信した。シャドウ・オーダーが、この魔術試合を利用して、何かを企んでいるのだ。
「殿下…もしかして、あの選手たちも…」
俺がそう言うと、殿下は静かに頷いた。
「彼らの魔力は、不自然なほどに強力だった。おそらく、シャドウ・オーダーの人間が、選手として潜り込んでいるのだろう」
その日の夜、緊急の会議が開かれた。
学園長や教師たちが集まり、今回の事態について話し合った。
「試合を中止すべきだ!」
「いや、中止すれば、シャドウ・オーダーの思う壺だ!」
議論は平行線をたどった。
その様子を見ていたライオネル殿下は、静かに立ち上がった。
「魔術試合は続行しよう。これは王族の人間としての言葉として捉えてもらって構わない。もし、何かあった場合は私が責任を取る」
殿下の言葉に、皆が息をのんだ。
「もし、この魔術試合がシャドウ・オーダーの計画の一部ならば、ここで中止すれば、彼らは別の場所で、より大規模なことを企むだろう。この試合を、彼らを捕まえるための罠にする」
殿下の覚悟を持った言葉により試合は続行されることとなった。
俺たちは、一度自室に戻り話し合うこととした。殿下は、そう言って俺たちをじっと見つめた。
「皆、これは危険な任務だ。だが、この国を、そして大切な人々を守るために、私は君たちの力を借りたい」
殿下の言葉に、俺たちは皆、迷うことなく頷いた。
「もちろん、殿下。僕も協力します」
ウィルが力強く言った。
「僕の闇の力は、人を傷つけるためじゃない。みんなを守るためにあるんだ。それを証明したい」
フィルが、少しだけ自信を持った顔で言った。
「僕の雷が、敵を一掃してあげるよ」
ヘドワートものんびりとした口調で言ったが、その瞳は、強い光を放っていた。
「ああ。俺たちなら、どんな敵にも勝てる」
俺は、そう心の中で強く誓った。
俺たちの戦いは、次のステージへと進む。魔術試合という、大舞台で。
魔術試合は、各学年の代表グループ戦。各学園から選ばれた優秀選手たちが、その魔術の腕を競い合う。ウィル、フィル、ライオネル殿下、ヘドワート、そして俺。5人は、この学園の1年生代表として、試合に挑むことになった。日頃の特訓のおかげもあり実技では5人とも敵なしだ。
試合会場は、学園の敷地内にある巨大なスタジアムだ。観客席は、他の学園の生徒や教師、そして貴族や一般市民で埋め尽くされていた。
「すごい人だね…」
フィルの小さな声が、隣から聞こえてきた。
「ああ。でも、大丈夫だ。俺たちが、この国の未来を背負っていることを、皆に見せてやろうぜ。特訓の成果を見せる時!」
俺がそう言うと、フィルは、少しだけ顔を上げて、力強く頷いた。
「そうだね、僕たち頑張ってるもんね」
試合は、学園長の開会宣言で始まった。
「これより、第10回魔術学園対抗試合、1年生代表グループ戦を開始する!」
学園長の声が、スタジアムに響き渡る。
俺たちの初戦の相手は、隣国の名門学園のチームだった。
「キート様、司令塔は任せるよ!」
ウィルが、俺にそう言って、魔法陣を展開する。
「フィル、俺の動きに合わせて、敵の魔力を無力化してくれ!みんな後に続いてくれ!!」
俺の言葉に、フィルは頷き、俺の背後に回る。
「闇よ、我に力を…シャドウ・バロード!」
フィルが呪文を唱えると、俺の剣に、深い闇の力が宿る。
俺は、その剣で敵の攻撃を弾き、懐に飛び込んだ。
「光よ、我に力を…ライト・アロー!」
ウィルが、無数の光の矢を放ち、敵を牽制する。
「殿下、敵の動きを読み、ヘドワートは魔法で攪乱を!」
俺は、殿下とヘドワートに指示を出す。
相手チームの魔術師が、巨大な火球を放ってきた。
「水よ、我が盾となれ…ウォーター・シールド!」
ライオネル殿下が呪文を唱えると、目の前に水の盾が出現し、火球を受け止めた。その水の盾は、火球の熱で蒸発することなく、強固な防御壁として俺たちを守ってくれる。
「今だ、ヘドワート!」
俺が叫ぶと、ヘドワートが静かに一歩前に出た。
「雷よ、我が手に集え…サンダー・ランス!」
ヘドワートが呪文を唱えると、その手に雷の槍が出現し、相手チームの魔法陣を直撃した。
「なっ…!?」
相手チームは、予期せぬ攻撃に驚愕の表情を浮かべる。
その一撃は、魔術師団長の息子という肩書きが伊達ではないことを物語っていた。
「いけ、ウィル、フィル!」
俺の指示に、ウィルが光の魔力を、フィルが闇の魔力を組み合わせる。
「光と闇の融合…ライト・シャドウ・ボルト!」
二人が叫ぶと、光と闇が渦を巻く一本の矢が放たれ、相手チームの指揮官を打ち破った。
俺たちの連携は、完璧だった。
フィルウィルの光と闇が織りなす魔術の美しさ、俺の剣術の鋭さ、殿下の何事からも護る力、ヘドワートのド派手な魔術に観客は息をのんだ。
試合は、俺たちの圧倒的な勝利で終わった。
その後も、俺たちは順調に勝ち進んだ。
フィルの闇の力は、人々が抱く「不吉な力」という固定観念を打ち破り、観客は、フィルの闇の力に魅了されていった。
試合の合間、俺たちは休憩室で次の試合の作戦を練っていた。
「すごいね、フィル。観客席のあちこちから、フィルへの歓声が聞こえるよ」
ウィルが、嬉しそうに言った。
フィルの顔には、満面の笑みが浮かんでいた。
「僕ほんとうに夢みたい…」
フィルがそう呟いた時、休憩室の扉が開いた。
そこに立っていたのは、真っ黒なローブを纏った、見覚えのない男だった。
その男の顔には、不気味な模様が刻まれており、全身から、ただならぬ魔力が放たれていた。
(…こいつ…!古城にいた奴らとは、レベルが違う…!)
俺は、直感的にそう感じた。
男は、俺たちをじっと見つめ、口を開いた。
「お前たち…闇属性を甘く見ない方がいい。その力は、お前たちの想像を遥かに超えるものだ」
男の言葉に、俺たちは身構えた。
男は、不敵な笑みを浮かべると、ゆっくりと部屋を出ていった。
俺たちは、男が放っていた魔力に、ただただ圧倒されていた。
(…まさか、シャドウ・オーダーの幹部か…?)
俺は、胸騒ぎが収まらなかった。
この魔術試合は、やはり裏組織の計画と関係しているのかもしれない。そう思う原因がもう一つあった。
試合の最中、相手チームの何人かが、異常な魔力を放っていたことに気づいたのだ。その魔力は、以前遭遇したシャドウ・オーダーの幹部と似た、不気味な波動を放っているように感じていた。
俺と同じく、ライオネル殿下も難しい顔をしていた。
「どうしたんだ、殿下?」
俺が尋ねると、殿下は静かに首を振った。
「試合中に、会場の結界の一部が弱くなっているのを感じた。それに、魔道具の調子もおかしい。これは、ただの偶然ではない」
殿下の言葉に、俺は確信した。シャドウ・オーダーが、この魔術試合を利用して、何かを企んでいるのだ。
「殿下…もしかして、あの選手たちも…」
俺がそう言うと、殿下は静かに頷いた。
「彼らの魔力は、不自然なほどに強力だった。おそらく、シャドウ・オーダーの人間が、選手として潜り込んでいるのだろう」
その日の夜、緊急の会議が開かれた。
学園長や教師たちが集まり、今回の事態について話し合った。
「試合を中止すべきだ!」
「いや、中止すれば、シャドウ・オーダーの思う壺だ!」
議論は平行線をたどった。
その様子を見ていたライオネル殿下は、静かに立ち上がった。
「魔術試合は続行しよう。これは王族の人間としての言葉として捉えてもらって構わない。もし、何かあった場合は私が責任を取る」
殿下の言葉に、皆が息をのんだ。
「もし、この魔術試合がシャドウ・オーダーの計画の一部ならば、ここで中止すれば、彼らは別の場所で、より大規模なことを企むだろう。この試合を、彼らを捕まえるための罠にする」
殿下の覚悟を持った言葉により試合は続行されることとなった。
俺たちは、一度自室に戻り話し合うこととした。殿下は、そう言って俺たちをじっと見つめた。
「皆、これは危険な任務だ。だが、この国を、そして大切な人々を守るために、私は君たちの力を借りたい」
殿下の言葉に、俺たちは皆、迷うことなく頷いた。
「もちろん、殿下。僕も協力します」
ウィルが力強く言った。
「僕の闇の力は、人を傷つけるためじゃない。みんなを守るためにあるんだ。それを証明したい」
フィルが、少しだけ自信を持った顔で言った。
「僕の雷が、敵を一掃してあげるよ」
ヘドワートものんびりとした口調で言ったが、その瞳は、強い光を放っていた。
「ああ。俺たちなら、どんな敵にも勝てる」
俺は、そう心の中で強く誓った。
俺たちの戦いは、次のステージへと進む。魔術試合という、大舞台で。
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