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6話、デザートフィッシュ(1)
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≪ドラーテム王国≫南西部、生き物の住めないような荒野。
故に死の大地と呼ばれるサエウム荒原の中にも、水があふれ出るオアシスに作られた都市≪カルラ・オアシス≫へと向かう二人。
「ラーナ? 結構な距離を歩いたわよね?」
「4日かなっ! もうすぐ着くと思うよ」
「もうすぐって、昨日も聞いたんだけどぉー」
周りを忙しなく飛び回る羽根妖精を気にも留めず、コートで身を包むラーナは軽くスキップしながら言い返す。
「馬車じゃないんだから、4日ぐらいじゃ着かないよー」
「っえぇ!? 日差しは強いし、照り返しもきつい! わたしもうやだぁー」
「やだぁーって、そんな丸出しだからでしょ?」
「その丸出しって言い方止めてもらえる?」
(ラーナの言い方だと、わたしが裸みたいじゃない!)
ラーナはマントで全身を包んでいるが、リリはよほど砂漠には似つかわしくない格好をしている。
転移したままのロングドレスなので、上半身は肩が出ており、スカートは自分の魔法でひらひらと棚引かせている。
「日焼けしちゃうー」
「はいはい」
「返事が雑すぎない!?」
「ボクには関係ないし」
「わたしには重要なことなの!」
「……じゃあ、フードはいる?」
「っえ? あぁー……うん」
フードを広げて提案するラーナ。
リリはおずおずとフードに入り、ラーナの首元に座った
「ところで今向かってる《カルラ・オアシス》ってどんなとこなの?」
「ボクも知らなーい」
明るくそう答えたラーナ。
「ふーん、まっいっか。それよりわたし、そろそろお肉が食べたいわ、お肉!」
「たぶんだけど、いっぱいあるんじゃない? 亜人も暮らせる多種族都市らしいしね」
「亜人ってなに?」
「ざっくり言うと、人族以外の人型種族のこと」
「それって、獣人とか、エルフとか、ヴァンパイアとか?」
(正統派イケメンのエルフ! 可愛らしいケモミミショタ! クールで物憂げなヴァンパイア! きゃー夢が広がるー!)
心の中で飛び跳ねるリリを知ってか知らずか、ラーナは残酷な事実を突きつける。
「ここは辺境だし、獣人はともかくエルフはいないんじゃない?」
「ならヴァンパイアは? イケメンは!?」
「ヴァンパイアは敵性亜人だよ?」
「まじか!」
「マジだねっ! イケメンは……運が良ければいるんじゃない?」
「ならだいじょーぶ!! わたしラッキーガールだから!」
「あーはいはい、そうだねー」
「信じていないわね?」
和気あいあいと喋りながら、二人は歩を進める。
リリは座っているだけだが……
「ご飯まだ? お腹すいたよー、リリー!」
[このかしましい、おっと……訂正、訂正、天真爛漫な少女。
全身をボロボロのマントで身を包み、足場が不安定な砂漠をスキップで難なく進んでいる童女。
実際には童女というほど若くもないのだが、その偽童女の名はスヴェトラーナ・ヴォルコヴァ。
訳あって天涯孤独となったハイ・オークの娘だ]
「残念ながらもうありません!」
「えー!!」
「ラーナったら、あるもの全部食べちゃうじゃない」
「干物は?」
「たくさん作ったのに、干物もラーナが食べきったじゃない」
[ラーナの顔の前で、フィクションの女教師が注意するようなポーズをリアルで決め、恥ずかしげもなく、ぶりっ子を決め込んでいるピクシーの女の子。
家でダラダラと漫画を読んでいたら、これといった意思も決意なく、異世界に転移させられた少女(26)残念ながら主人公である]
(ちょっとー、ラーナとわたしの紹介に差がない? 流石にわたしも26歳にもなってあのポーズはキツイかもなーとは思ってたけど、転生した今は0歳だし、みんな許してくれるわ!)
「あれは美味しかったから、ボクもついつい食べ過ぎちゃった!」
「食べすぎちゃった、じゃないでしょ!」
舌をペロッとだしたラーナに、リリは言い返した。
「でもー、リリも一緒に食べてたじゃんかー」
「わたしはピクシーだから良いの! だってピクシーだもん!」
「それはずるくない?」
「わたしのお腹いっぱいは、ラーナの一口分でしょ」
「まぁ」
「だからわたしは良いんですー。見てよ、この小ささ!」
ラーナの前をからかうかのようにヒラヒラと飛ぶリリ、ラーナはムッとして言い返す。
「そんなに食べて、寝て、グータラしてると太るからね!」
「だいじょうぶ、ですぅー」
「飛べなくなっても、ボク知らないからっ!」
「ピクシーは妖精だから問題ありませんー」
「もぅ、いい!!」
ラーナはプイッっとそっぽを向くと、そのままハァーッと大きなため息を付く。
しかし、一瞬でテンションが戻ったラーナはリリに提案をする。
「っあ! じゃあリリ、食べ物を狩りに行こうっ!」
「食べ物? なにを狩るの?」
「一日で食べきれないぐらい、おーっきいの!」
「そんなの簡単に見つかるの?」
(居たら苦労してないでしょうに)
「ボク、良さそうな所、知ってるんだー」
後ろの腰辺りで手を組んだラーナは、あっけらかんと答えた。
「じゃあ真っすぐカルラ・オアシスに向かわないの?」
リリ達は街に向かっている、理由はもちろんお金だ。
調味料やスパイスも欲しい、無一文に少しのスパイスじゃあ旅を続けるのにも限界がある。
故に死の大地と呼ばれるサエウム荒原の中にも、水があふれ出るオアシスに作られた都市≪カルラ・オアシス≫へと向かう二人。
「ラーナ? 結構な距離を歩いたわよね?」
「4日かなっ! もうすぐ着くと思うよ」
「もうすぐって、昨日も聞いたんだけどぉー」
周りを忙しなく飛び回る羽根妖精を気にも留めず、コートで身を包むラーナは軽くスキップしながら言い返す。
「馬車じゃないんだから、4日ぐらいじゃ着かないよー」
「っえぇ!? 日差しは強いし、照り返しもきつい! わたしもうやだぁー」
「やだぁーって、そんな丸出しだからでしょ?」
「その丸出しって言い方止めてもらえる?」
(ラーナの言い方だと、わたしが裸みたいじゃない!)
ラーナはマントで全身を包んでいるが、リリはよほど砂漠には似つかわしくない格好をしている。
転移したままのロングドレスなので、上半身は肩が出ており、スカートは自分の魔法でひらひらと棚引かせている。
「日焼けしちゃうー」
「はいはい」
「返事が雑すぎない!?」
「ボクには関係ないし」
「わたしには重要なことなの!」
「……じゃあ、フードはいる?」
「っえ? あぁー……うん」
フードを広げて提案するラーナ。
リリはおずおずとフードに入り、ラーナの首元に座った
「ところで今向かってる《カルラ・オアシス》ってどんなとこなの?」
「ボクも知らなーい」
明るくそう答えたラーナ。
「ふーん、まっいっか。それよりわたし、そろそろお肉が食べたいわ、お肉!」
「たぶんだけど、いっぱいあるんじゃない? 亜人も暮らせる多種族都市らしいしね」
「亜人ってなに?」
「ざっくり言うと、人族以外の人型種族のこと」
「それって、獣人とか、エルフとか、ヴァンパイアとか?」
(正統派イケメンのエルフ! 可愛らしいケモミミショタ! クールで物憂げなヴァンパイア! きゃー夢が広がるー!)
心の中で飛び跳ねるリリを知ってか知らずか、ラーナは残酷な事実を突きつける。
「ここは辺境だし、獣人はともかくエルフはいないんじゃない?」
「ならヴァンパイアは? イケメンは!?」
「ヴァンパイアは敵性亜人だよ?」
「まじか!」
「マジだねっ! イケメンは……運が良ければいるんじゃない?」
「ならだいじょーぶ!! わたしラッキーガールだから!」
「あーはいはい、そうだねー」
「信じていないわね?」
和気あいあいと喋りながら、二人は歩を進める。
リリは座っているだけだが……
「ご飯まだ? お腹すいたよー、リリー!」
[このかしましい、おっと……訂正、訂正、天真爛漫な少女。
全身をボロボロのマントで身を包み、足場が不安定な砂漠をスキップで難なく進んでいる童女。
実際には童女というほど若くもないのだが、その偽童女の名はスヴェトラーナ・ヴォルコヴァ。
訳あって天涯孤独となったハイ・オークの娘だ]
「残念ながらもうありません!」
「えー!!」
「ラーナったら、あるもの全部食べちゃうじゃない」
「干物は?」
「たくさん作ったのに、干物もラーナが食べきったじゃない」
[ラーナの顔の前で、フィクションの女教師が注意するようなポーズをリアルで決め、恥ずかしげもなく、ぶりっ子を決め込んでいるピクシーの女の子。
家でダラダラと漫画を読んでいたら、これといった意思も決意なく、異世界に転移させられた少女(26)残念ながら主人公である]
(ちょっとー、ラーナとわたしの紹介に差がない? 流石にわたしも26歳にもなってあのポーズはキツイかもなーとは思ってたけど、転生した今は0歳だし、みんな許してくれるわ!)
「あれは美味しかったから、ボクもついつい食べ過ぎちゃった!」
「食べすぎちゃった、じゃないでしょ!」
舌をペロッとだしたラーナに、リリは言い返した。
「でもー、リリも一緒に食べてたじゃんかー」
「わたしはピクシーだから良いの! だってピクシーだもん!」
「それはずるくない?」
「わたしのお腹いっぱいは、ラーナの一口分でしょ」
「まぁ」
「だからわたしは良いんですー。見てよ、この小ささ!」
ラーナの前をからかうかのようにヒラヒラと飛ぶリリ、ラーナはムッとして言い返す。
「そんなに食べて、寝て、グータラしてると太るからね!」
「だいじょうぶ、ですぅー」
「飛べなくなっても、ボク知らないからっ!」
「ピクシーは妖精だから問題ありませんー」
「もぅ、いい!!」
ラーナはプイッっとそっぽを向くと、そのままハァーッと大きなため息を付く。
しかし、一瞬でテンションが戻ったラーナはリリに提案をする。
「っあ! じゃあリリ、食べ物を狩りに行こうっ!」
「食べ物? なにを狩るの?」
「一日で食べきれないぐらい、おーっきいの!」
「そんなの簡単に見つかるの?」
(居たら苦労してないでしょうに)
「ボク、良さそうな所、知ってるんだー」
後ろの腰辺りで手を組んだラーナは、あっけらかんと答えた。
「じゃあ真っすぐカルラ・オアシスに向かわないの?」
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