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巣ごもりオメガと運命の騎妃
24.心配
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巡香会場についてすぐ、サリムはふらりと足をもつれさせた。
「サリム殿!?」
あわてたミシュアルが肩を支える。真っ青な顔をしたサリムは深呼吸をして、すみませんと呟いた。
「……少し輿に酔ったようです。大丈夫です、じきに治まります」
そう言うとふらふらと巡香会場の一つに入っていくが、ミシュアルとしては気が気ではない。
サリムが何も言わないのをいいことに護衛よろしくぴったりとくっつき、神官との話し合いにも参加した。
しかし、何かしなければ、サリムに無理をさせないようにしなければと気負い過ぎていたのかもしれない。気付けば、巡香会中止の説明役を買って出てしまった。
「サリム殿のような通る声ではないかもしれませんが、俺がお手伝いできるのはこれだけです。きっ……緊張はしますが、俺に任せてください」
(いっ……言った……)
口に出してから早まったかと焦りが出たが、今更引っ込められるものでもない。どうしようと即座に震えたミシュアルに、サリムは少し考えるように手のひらで口元を覆ったあと、はいと頷いた。
「ありがとうございます、ミシュアル様。本来は私の役目ですが……今日は皆に届くほどの声が出そうにありません。とても助かります」
「はい、あの、……頑張ります」
焦ったミシュアルだが、サリムは快く任せてくれるようだし、神官もそれならばと説明を紙に書き記してくれた。
「これを読み上げてください。今から皆を集めます。質問などがあった場合は、私が後ろにいますので、それを伝えていただけますか?」
「はい……はい!」
早まったと思ったものだったが、サリムの顔は相変わらず白いし、一度引き受けたことなのだ。
(頼ってもらえたことを、嬉しく思わなければ)
ハイダルの前でも頑なだったサリムが、大役を任せてくれるのだ。それほど信頼してくれているのだから、しっかりしなければと自分を鼓舞したミシュアルは、やがて巡香会場の一棟に集まったオメガたちの前で壇上に立つことになった。
「……ですので、今回は中止となります。巡香会の再開は四カ月後を予定しています」
こんなに大勢の前で発言などしたことがないが、これもサリムのためだと思えば、なんということはない。
声がひっくり返らないよう、震えないよう、遠くまで聞こえるようにと深呼吸をして発したミシュアルの大音声から説明会は始まった。その声はオメガたちがひしめきあう巡香会場の隅々まで響いたが、それよりも一拍後に溢れた彼らのため息の方が、高い天井にこだました。
国王の死去に伴うことであるのは皆わかっている。仕方ない、と呟く声がそこかしこから聞こえる。けれど、その中にどうしようという困惑の声も聞こえて、ミシュアルはあわてて紙面をちらりと見た。
「えっと……あっ――と、特例として、各地域への馬車を手配しています。希望される方はこれから抽選をするので、説明会が終わっても残ってください。ただし、落選しても十日は宿泊所を無料開放します」
ミシュアルの言葉に、またざわっと人々の声のトーンが変わる。はい、と細い手があがった。
「十日後はもう泊めてもらえないんですか? 馬車は一度行ったっきり?」
「最大十日としていますが、近隣の地区から戻った馬車を、人数を見て遠方にも回すようにします。なので、十日後には全員送り届けられる予定です。……あっ、も、もし間に合わないようでしたら、その場合はまた検討されるので心配はいりません」
「馬車にお金はかかりますか? あと、食事は……」
「食事は神殿が出します。馬車でも同じです」
「すみません、あの――」
あれはどうだこれはどうだと質問が浴びせかけられるが、ミシュアルの後ろに座ったサリムがあれこれと囁いてくれる。声は小さいながらも口調ははっきりして、ミシュアルの初めての説明役は、自分で思っていたよりもスムーズに終えることができた。
「ああ、緊張した……」
「ミシュアル様、サリム様、どうぞこちらへ。すぐに抽選会が始まります。歓談所にて、ご休憩の席を設けていただきましたので」
ざわめく会場をあとに、護衛兵たちに促されて中庭の向こうにある歓談所へ移動する。
前を歩くサリムは背筋を伸ばして歩いていたが、急遽控え室にしたらしい歓談所のカーテンをくぐるなり、椅子の座面にもたれるように座りこんでしまった。
「だっ……大丈夫ですか、すみません、お水を」
「ただいまお持ちします」
護衛兵の一人が駆けていき、やがて水を持って戻ってくる。その間もくずおれたサリムは椅子を抱きしめており、水をとミシュアルが声をかけてようやく顔をあげた。
「すみません……情けない姿を見せてしまいました。ですが、本当に助かりました、ミシュアル様。おかげで説明会まで延期せずにすんだ。ありがとうございます」
サリムがまず口にしたのは、ミシュアルへの感謝と、説明会を終えたことへの安堵だった。
水を飲んで人心地着いたのか、サリムが椅子に座る。すると立っているミシュアルからは更に小柄に見えて、儚げな風貌の友人への心配が募った。
「あの……どこか、体に悪いところが……?」
聞いたところでミシュアルにできることなどないが、思わず聞くと、サリムはいいえと首を振った。
「そういうわけではないんです。ただ……」
そこまで言ったサリムは、四人いる護衛をちらりと見た。
「……あの、ミシュアル様にもお飲み物となにか、つまめるもの……果物とパンを持ってきてください。それから、一人は迎えの馬車を呼んできてください。あとの二人は、部屋の前で待機を」
「かしこまりました」
護衛たちは一礼すると、部屋から出ていく。扉の代わりのカーテンが閉められると、サリムはどうぞとミシュアルにも椅子をすすめた。
「すみません、……あまり、多くの人に聞かれたい話ではないので」
サリムの言葉に、ミシュアルの喉は自然とごくりと音を立てた。
(多くの人に聞かれたくない話……? それを俺に話してくださるのか?)
そこまで心を寄せてくれているのだという感動と、何を話されるのかという不安が入り混じる。それでもまさか結構ですと引き下がれるわけもなく、むしろ話してくれるならとサリムの向かいに座ると、さっきよりは少しばかり表情が和らいだ佳人は、ことりとテーブルにコップを置いた。
「話というよりは、弱音なのですが……私はこれからどうなるのだろうと……陛下が身罷られたばかりなのに、その心配ばかりしているのです。体調不良も、おそらくその杞憂が祟ったせいです」
「どうなる、というのは……?」
(皇妃になるのが怖いとか? それとも、騎妃のままではいられないということか?)
自覚するほど心配性であるミシュアルの胸の中は、あっという間に疑問で満たされていく。けれど口からそれらの妄想が出るわけではない。
悪い想像に頭をぐるぐると動かしている友人を前に、サリムはそのまま話を続けた。
「今までは、皇帝陛下がいらっしゃいました。だから私も、ハイダル様の隣にいられたのです。ですが、もう陛下はいらっしゃらない……おそらく、ハイダル様の即位後は新しく正妃が立てられます」
「な、なぜですか。サリム殿がいらっしゃるのに?」
サリムはハイダルのつがいで、皇太子妃だ。他に妃がいるという話も聞かないし、シラージュ帝の崩御によってハイダルが皇帝となるのなら、彼もまた皇妃になるのが順当なはずだ。
思わぬ発言に、ミシュアルの声がうわずる。しかしサリムの一言が、呼吸さえも奪った。
「サリム殿!?」
あわてたミシュアルが肩を支える。真っ青な顔をしたサリムは深呼吸をして、すみませんと呟いた。
「……少し輿に酔ったようです。大丈夫です、じきに治まります」
そう言うとふらふらと巡香会場の一つに入っていくが、ミシュアルとしては気が気ではない。
サリムが何も言わないのをいいことに護衛よろしくぴったりとくっつき、神官との話し合いにも参加した。
しかし、何かしなければ、サリムに無理をさせないようにしなければと気負い過ぎていたのかもしれない。気付けば、巡香会中止の説明役を買って出てしまった。
「サリム殿のような通る声ではないかもしれませんが、俺がお手伝いできるのはこれだけです。きっ……緊張はしますが、俺に任せてください」
(いっ……言った……)
口に出してから早まったかと焦りが出たが、今更引っ込められるものでもない。どうしようと即座に震えたミシュアルに、サリムは少し考えるように手のひらで口元を覆ったあと、はいと頷いた。
「ありがとうございます、ミシュアル様。本来は私の役目ですが……今日は皆に届くほどの声が出そうにありません。とても助かります」
「はい、あの、……頑張ります」
焦ったミシュアルだが、サリムは快く任せてくれるようだし、神官もそれならばと説明を紙に書き記してくれた。
「これを読み上げてください。今から皆を集めます。質問などがあった場合は、私が後ろにいますので、それを伝えていただけますか?」
「はい……はい!」
早まったと思ったものだったが、サリムの顔は相変わらず白いし、一度引き受けたことなのだ。
(頼ってもらえたことを、嬉しく思わなければ)
ハイダルの前でも頑なだったサリムが、大役を任せてくれるのだ。それほど信頼してくれているのだから、しっかりしなければと自分を鼓舞したミシュアルは、やがて巡香会場の一棟に集まったオメガたちの前で壇上に立つことになった。
「……ですので、今回は中止となります。巡香会の再開は四カ月後を予定しています」
こんなに大勢の前で発言などしたことがないが、これもサリムのためだと思えば、なんということはない。
声がひっくり返らないよう、震えないよう、遠くまで聞こえるようにと深呼吸をして発したミシュアルの大音声から説明会は始まった。その声はオメガたちがひしめきあう巡香会場の隅々まで響いたが、それよりも一拍後に溢れた彼らのため息の方が、高い天井にこだました。
国王の死去に伴うことであるのは皆わかっている。仕方ない、と呟く声がそこかしこから聞こえる。けれど、その中にどうしようという困惑の声も聞こえて、ミシュアルはあわてて紙面をちらりと見た。
「えっと……あっ――と、特例として、各地域への馬車を手配しています。希望される方はこれから抽選をするので、説明会が終わっても残ってください。ただし、落選しても十日は宿泊所を無料開放します」
ミシュアルの言葉に、またざわっと人々の声のトーンが変わる。はい、と細い手があがった。
「十日後はもう泊めてもらえないんですか? 馬車は一度行ったっきり?」
「最大十日としていますが、近隣の地区から戻った馬車を、人数を見て遠方にも回すようにします。なので、十日後には全員送り届けられる予定です。……あっ、も、もし間に合わないようでしたら、その場合はまた検討されるので心配はいりません」
「馬車にお金はかかりますか? あと、食事は……」
「食事は神殿が出します。馬車でも同じです」
「すみません、あの――」
あれはどうだこれはどうだと質問が浴びせかけられるが、ミシュアルの後ろに座ったサリムがあれこれと囁いてくれる。声は小さいながらも口調ははっきりして、ミシュアルの初めての説明役は、自分で思っていたよりもスムーズに終えることができた。
「ああ、緊張した……」
「ミシュアル様、サリム様、どうぞこちらへ。すぐに抽選会が始まります。歓談所にて、ご休憩の席を設けていただきましたので」
ざわめく会場をあとに、護衛兵たちに促されて中庭の向こうにある歓談所へ移動する。
前を歩くサリムは背筋を伸ばして歩いていたが、急遽控え室にしたらしい歓談所のカーテンをくぐるなり、椅子の座面にもたれるように座りこんでしまった。
「だっ……大丈夫ですか、すみません、お水を」
「ただいまお持ちします」
護衛兵の一人が駆けていき、やがて水を持って戻ってくる。その間もくずおれたサリムは椅子を抱きしめており、水をとミシュアルが声をかけてようやく顔をあげた。
「すみません……情けない姿を見せてしまいました。ですが、本当に助かりました、ミシュアル様。おかげで説明会まで延期せずにすんだ。ありがとうございます」
サリムがまず口にしたのは、ミシュアルへの感謝と、説明会を終えたことへの安堵だった。
水を飲んで人心地着いたのか、サリムが椅子に座る。すると立っているミシュアルからは更に小柄に見えて、儚げな風貌の友人への心配が募った。
「あの……どこか、体に悪いところが……?」
聞いたところでミシュアルにできることなどないが、思わず聞くと、サリムはいいえと首を振った。
「そういうわけではないんです。ただ……」
そこまで言ったサリムは、四人いる護衛をちらりと見た。
「……あの、ミシュアル様にもお飲み物となにか、つまめるもの……果物とパンを持ってきてください。それから、一人は迎えの馬車を呼んできてください。あとの二人は、部屋の前で待機を」
「かしこまりました」
護衛たちは一礼すると、部屋から出ていく。扉の代わりのカーテンが閉められると、サリムはどうぞとミシュアルにも椅子をすすめた。
「すみません、……あまり、多くの人に聞かれたい話ではないので」
サリムの言葉に、ミシュアルの喉は自然とごくりと音を立てた。
(多くの人に聞かれたくない話……? それを俺に話してくださるのか?)
そこまで心を寄せてくれているのだという感動と、何を話されるのかという不安が入り混じる。それでもまさか結構ですと引き下がれるわけもなく、むしろ話してくれるならとサリムの向かいに座ると、さっきよりは少しばかり表情が和らいだ佳人は、ことりとテーブルにコップを置いた。
「話というよりは、弱音なのですが……私はこれからどうなるのだろうと……陛下が身罷られたばかりなのに、その心配ばかりしているのです。体調不良も、おそらくその杞憂が祟ったせいです」
「どうなる、というのは……?」
(皇妃になるのが怖いとか? それとも、騎妃のままではいられないということか?)
自覚するほど心配性であるミシュアルの胸の中は、あっという間に疑問で満たされていく。けれど口からそれらの妄想が出るわけではない。
悪い想像に頭をぐるぐると動かしている友人を前に、サリムはそのまま話を続けた。
「今までは、皇帝陛下がいらっしゃいました。だから私も、ハイダル様の隣にいられたのです。ですが、もう陛下はいらっしゃらない……おそらく、ハイダル様の即位後は新しく正妃が立てられます」
「な、なぜですか。サリム殿がいらっしゃるのに?」
サリムはハイダルのつがいで、皇太子妃だ。他に妃がいるという話も聞かないし、シラージュ帝の崩御によってハイダルが皇帝となるのなら、彼もまた皇妃になるのが順当なはずだ。
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