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巣ごもりオメガと運命の騎妃
26.東へ走る車輪
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ミシュアルの意識が戻ったのは、頭に走った衝撃のせいだった。
痛みと混乱に目は覚めたが、ぬかるみの中にいるように体中が重い。そのうえガタガタとひどく揺れる台の上に寝そべっているせいで、何度も頭を打つのが憂鬱で仕方なかった。
(ここはどこだ……?)
薄暗いが、揺れているので夜半の室内ではない。むしろ視界の端にちらりと映る隙間からは光が漏れていて、どうやら外はまだ明るいようだった。
相変わらず寝台はガタガタと揺れているし、体も重い。それでも背中に温かいものが当たっているので、その心地よさからまた眠りに落ちてしまいそうだ。
もしかしたら夢かなと呑気にふたたび目を閉じかけたミシュアルは、ふと気付いた。両手足が動かない。痺れているのかと思ったが、どうやら手首と膝、足首を拘束されている。手は背後に回されているし、口には布まで噛まされていて、唾液を含んだそれはじっとりと湿って不快だった。
「う、んんっ……」
とたんに意識が覚醒して目を見開いたミシュアルは、寝転がったまま改めて周囲を見渡した。
そうすると、さっきまでの寝ぼけた目では見えていなかった惨状が、薄闇の中に浮かび上がった。
そこは、覆いをつけられた荷馬車の中だった。木箱が布の開閉部分の前に積み上がり、壁のようになっているが、積み込まれた荷物の大半はそれではない。ミシュアルの周囲には、数人の人影が転がっていた。
(なんだ? なにが起きている?)
全員が深く瞼を閉ざし、揺れに体を預けている。剥き出しの木板に頭を打つ音も聞こえるのに、誰も目を覚まさない。死んでいるのかと思ったが、苦しげな息遣いや顔をゆがめる仕草から、とりあえず生きているのだとわかった。
見たところ、若い男女ばかりだ。全員手足を縛られており、しとめられた獲物のように転がされている。狭いせいで全員の体が誰かにかかる形になっており、ミシュアルの胸元にも誰かが転がっている。それを見下ろしたミシュアルは、大きく目を見開いた。
(サリム殿……!)
ちょうど胸のあたりにいたのは、サリムだった。他の男女と同じように手足を拘束され、自らの赤い髪の中に顔を半分うずめている。閉ざされた白い瞼が物言わぬ人形のようで、まさかと胸が嫌な跳ね方をした。
「んんうっ……ん、ぐっ」
声を出そうにも轡が邪魔で、唸り声しか出ない。けれど、大きな音を出せば気付かれる。
四人組に襲われ、何かしらの匂いを嗅ぐなり昏倒したことを思い出したミシュアルは、声を出すのをやめて、顔を上下させた。顎の先がサリムの頭のてっぺんをかする。更に体を縮めてもう一度顔を上下させると、こつんと頭に当たった。
「……う……ぅん……」
閉じた瞼がさらに深くつぶられ、ぐずるようにサリムがうなる。
(生きてる)
思わずほっと息をつくと、その呼気が顔にかかったのか、きつく閉じられていた瞼が重々しく持ちあがった。
「…………んん……?」
ぼんやりとした金色の双眸がミシュアルを見上げ、長いまつげが億劫そうに上下する。サリムは少しの間ミシュアルを見ていたが、やがて目が覚めたのか、ごそごそとあわただしく身じろぎ始めた。
「んっ……」
なにか言いたげだが、こちらも布を噛まされているため、会話ができない。せめて手の拘束が解ければと腰のあたりを見たが、剣はやはり取り上げられていた。
武器もなく、体は拘束されている。助けを呼ぼうにも声も出ず、声が出たとしてもここが砂漠の真ん中では意味がない。
今できることはないかと考え込んでいると、サリムが突然ぐっと体を反らした。必死な様子でぐいぐいと体をのけ反らせる姿は尋常ではない。
しかしやがてのけ反ることをやめたサリムは、噛んだ布の隙間からふうふうと荒い呼吸をしながら静かになった。
(怪我をしているのか? それともなにか……)
不安が募る。そんな中、突然ガタンと荷台が大きく揺れ、前方からちくしょうと声が響いた。
「またはまっちまった。なあ長、東に行くんならいったん北に向けて大回りしたほうが道がいい。荷車が壊れたらどうする」
「だめだ、今回は急ぎなんだ。道は悪いが、クク山脈を越えた方が早い。それに、迂回する道なんざすぐに追手がつくだろ」
無駄口を叩いてないで早くしろ、と急かす声が聞こえて、荷台が前後に揺れる。
(越える……クク山脈を?)
ぎしぎしと不穏な音を聞きながら、ミシュアルはサマネヤッド同盟の地図を思い浮かべた。
クク山脈は、ドマルサーニ、ロカム、ナハルベルカの三国に連なる険しい山脈だ。同盟領内の真ん中より少し上にあり、ドマルサーニとナハルベルカ以外の国はクク山脈を越えずに平坦な道を選択をする場合、必ずこの二国のどちらかを通らなければならない。そのため二国はこの山脈を迂回する旅人や商人たちが立ち寄ることで栄えた面もあった。
そんなクク山脈を越える場合、国都メラからは東に移動することになる。その先にあるのはドマルサーニの平原だ。そこまで考えて、ミシュアルはとっさにできる限り首を捩って周囲を見渡した。
(くそ……そういうことか)
ミシュアルから見える範囲にいる全員の首に首輪がある。そしてミシュアルとサリム。ここにいるのは、全員がオメガだ。
そして、クク山脈からドマルサーニの平原を渡った先にあるのはロカム公国。
脳裏をよぎるのは、先日参加した同盟会議だ。
あの時、ロカム公国の代表であるタルハ大公は、人身売買についての話をしていた。あの話しぶりからするに、ロカム公国では今でも人身売買を行っている。そのうえ、タルハ大公は規制の緩和さえ求めた。結局イズディハールとハイダルによってその提案は却下され、それどころか人身売買は完全撤廃という決議で会議は閉会した。
しかし、すぐにその効力が発揮されるわけではないことはミシュアルにもわかる。
タルハ大公がロカムに戻り、そこでまた会議が行われ、国としてどう対処していくかが話し合われるだろう。そして撤廃に向けて動き出すまで、ロカム公国はサマネヤッド同盟国の中で唯一、人身売買の禁止されていない国のままだ。
そんなロカムには港がある。そこから隣の大陸へ行ってしまえば、他の領土へ渡ってしまった人間の足取りを追うことが難しいのは明白だった。
(クク山脈を越えていないなら、まだドマルサーニだ。今ならまだ間に合う)
どうにかして逃げだせないかと考えていると、軋みながらも荷車は動き出した。どうやら車輪が窪地から抜けたようだった。
ガラガラと音を立てて、荷車は進んでいく。
さらったオメガたちの中に、まさかナハルベルカ王の婚約者とドマルサーニの皇太子妃まで含まれていることに気付くこともないまま、一行はやがて山脈の険しい上り口へと消えていった。
痛みと混乱に目は覚めたが、ぬかるみの中にいるように体中が重い。そのうえガタガタとひどく揺れる台の上に寝そべっているせいで、何度も頭を打つのが憂鬱で仕方なかった。
(ここはどこだ……?)
薄暗いが、揺れているので夜半の室内ではない。むしろ視界の端にちらりと映る隙間からは光が漏れていて、どうやら外はまだ明るいようだった。
相変わらず寝台はガタガタと揺れているし、体も重い。それでも背中に温かいものが当たっているので、その心地よさからまた眠りに落ちてしまいそうだ。
もしかしたら夢かなと呑気にふたたび目を閉じかけたミシュアルは、ふと気付いた。両手足が動かない。痺れているのかと思ったが、どうやら手首と膝、足首を拘束されている。手は背後に回されているし、口には布まで噛まされていて、唾液を含んだそれはじっとりと湿って不快だった。
「う、んんっ……」
とたんに意識が覚醒して目を見開いたミシュアルは、寝転がったまま改めて周囲を見渡した。
そうすると、さっきまでの寝ぼけた目では見えていなかった惨状が、薄闇の中に浮かび上がった。
そこは、覆いをつけられた荷馬車の中だった。木箱が布の開閉部分の前に積み上がり、壁のようになっているが、積み込まれた荷物の大半はそれではない。ミシュアルの周囲には、数人の人影が転がっていた。
(なんだ? なにが起きている?)
全員が深く瞼を閉ざし、揺れに体を預けている。剥き出しの木板に頭を打つ音も聞こえるのに、誰も目を覚まさない。死んでいるのかと思ったが、苦しげな息遣いや顔をゆがめる仕草から、とりあえず生きているのだとわかった。
見たところ、若い男女ばかりだ。全員手足を縛られており、しとめられた獲物のように転がされている。狭いせいで全員の体が誰かにかかる形になっており、ミシュアルの胸元にも誰かが転がっている。それを見下ろしたミシュアルは、大きく目を見開いた。
(サリム殿……!)
ちょうど胸のあたりにいたのは、サリムだった。他の男女と同じように手足を拘束され、自らの赤い髪の中に顔を半分うずめている。閉ざされた白い瞼が物言わぬ人形のようで、まさかと胸が嫌な跳ね方をした。
「んんうっ……ん、ぐっ」
声を出そうにも轡が邪魔で、唸り声しか出ない。けれど、大きな音を出せば気付かれる。
四人組に襲われ、何かしらの匂いを嗅ぐなり昏倒したことを思い出したミシュアルは、声を出すのをやめて、顔を上下させた。顎の先がサリムの頭のてっぺんをかする。更に体を縮めてもう一度顔を上下させると、こつんと頭に当たった。
「……う……ぅん……」
閉じた瞼がさらに深くつぶられ、ぐずるようにサリムがうなる。
(生きてる)
思わずほっと息をつくと、その呼気が顔にかかったのか、きつく閉じられていた瞼が重々しく持ちあがった。
「…………んん……?」
ぼんやりとした金色の双眸がミシュアルを見上げ、長いまつげが億劫そうに上下する。サリムは少しの間ミシュアルを見ていたが、やがて目が覚めたのか、ごそごそとあわただしく身じろぎ始めた。
「んっ……」
なにか言いたげだが、こちらも布を噛まされているため、会話ができない。せめて手の拘束が解ければと腰のあたりを見たが、剣はやはり取り上げられていた。
武器もなく、体は拘束されている。助けを呼ぼうにも声も出ず、声が出たとしてもここが砂漠の真ん中では意味がない。
今できることはないかと考え込んでいると、サリムが突然ぐっと体を反らした。必死な様子でぐいぐいと体をのけ反らせる姿は尋常ではない。
しかしやがてのけ反ることをやめたサリムは、噛んだ布の隙間からふうふうと荒い呼吸をしながら静かになった。
(怪我をしているのか? それともなにか……)
不安が募る。そんな中、突然ガタンと荷台が大きく揺れ、前方からちくしょうと声が響いた。
「またはまっちまった。なあ長、東に行くんならいったん北に向けて大回りしたほうが道がいい。荷車が壊れたらどうする」
「だめだ、今回は急ぎなんだ。道は悪いが、クク山脈を越えた方が早い。それに、迂回する道なんざすぐに追手がつくだろ」
無駄口を叩いてないで早くしろ、と急かす声が聞こえて、荷台が前後に揺れる。
(越える……クク山脈を?)
ぎしぎしと不穏な音を聞きながら、ミシュアルはサマネヤッド同盟の地図を思い浮かべた。
クク山脈は、ドマルサーニ、ロカム、ナハルベルカの三国に連なる険しい山脈だ。同盟領内の真ん中より少し上にあり、ドマルサーニとナハルベルカ以外の国はクク山脈を越えずに平坦な道を選択をする場合、必ずこの二国のどちらかを通らなければならない。そのため二国はこの山脈を迂回する旅人や商人たちが立ち寄ることで栄えた面もあった。
そんなクク山脈を越える場合、国都メラからは東に移動することになる。その先にあるのはドマルサーニの平原だ。そこまで考えて、ミシュアルはとっさにできる限り首を捩って周囲を見渡した。
(くそ……そういうことか)
ミシュアルから見える範囲にいる全員の首に首輪がある。そしてミシュアルとサリム。ここにいるのは、全員がオメガだ。
そして、クク山脈からドマルサーニの平原を渡った先にあるのはロカム公国。
脳裏をよぎるのは、先日参加した同盟会議だ。
あの時、ロカム公国の代表であるタルハ大公は、人身売買についての話をしていた。あの話しぶりからするに、ロカム公国では今でも人身売買を行っている。そのうえ、タルハ大公は規制の緩和さえ求めた。結局イズディハールとハイダルによってその提案は却下され、それどころか人身売買は完全撤廃という決議で会議は閉会した。
しかし、すぐにその効力が発揮されるわけではないことはミシュアルにもわかる。
タルハ大公がロカムに戻り、そこでまた会議が行われ、国としてどう対処していくかが話し合われるだろう。そして撤廃に向けて動き出すまで、ロカム公国はサマネヤッド同盟国の中で唯一、人身売買の禁止されていない国のままだ。
そんなロカムには港がある。そこから隣の大陸へ行ってしまえば、他の領土へ渡ってしまった人間の足取りを追うことが難しいのは明白だった。
(クク山脈を越えていないなら、まだドマルサーニだ。今ならまだ間に合う)
どうにかして逃げだせないかと考えていると、軋みながらも荷車は動き出した。どうやら車輪が窪地から抜けたようだった。
ガラガラと音を立てて、荷車は進んでいく。
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