転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 朝7時に目が覚めた。この世界は夜が暗い上娯楽が無いので、どうしても早寝になる。したがって起きる時間も早くなる。

「今日は魔法の練習か?それとも狩りに行くのか?」

 ブラスマイヤーが聞いて来る。

「金が欲しいから狩りかな。狩りをしながらでも魔法の練習は出来るし。」

「スローライフだったか?それにはそんなに金がかかるのか?」

「そうだな、最初だけだがまとまった金が必要だ。まず地方に土地を買う。あと家だな。それと牛や馬も欲しい。」

「地方ってのはなんだ?」

「この世界で言う村だな。」

「村に家は売って無いぞ。土地は自分で開拓する物だ。家も当然自分で作る。それから馬は知っているが、牛って何だ?」

 ん?ちょっと待て。色々とおかしいぞ。

「って事はだ、家と土地はただか?馬は幾ら位する?牛が居ないって事は肉はどうするんだ?」

「質問が多い奴だな。基本、村では開拓すれば開拓しただけ土地は自分の物になる。家は自分の土地に自分で建てるのが普通だ。近所の人に手伝ってもらう事もあるが、そう言う場合は作物や狩った魔物の肉を分け与える。だから金は必要ないな。また村は物々交換が主流だ。馬は高いぞ。良い馬なら金貨40枚位はするかな。肉は基本魔物を倒して食べる。食べられない魔物も居るが。大抵の魔物は美味いぞ。」

 異世界舐めてました。金があれば何とかなると踏んでいたのに金が通用しない世界だと?

「解ったスローライフは諦めよう。この町で働かずに死ぬまで裕福な暮らしをするとしたら幾ら必要だ?」

「それは難しい質問だな。裕福と言うのがどの程度を指すのか判らんが貴族にでもならないと難しいぞ。」

「じゃあ、貴族になるにはどうしたら良い?」

「平民から貴族になる事は出来ない。」

 詰んだ。僕の計画は全て終わった。このまま冒険者を続けるのが一番儲かるかな?でも年を取ってから冒険者はキツイよな?

「要は働かずに裕福な暮らしがしたいんだな?」

「そう言う事だ。」

「なら、町を作れ。」

「ん?どう言う事だ?」

「この国と言うか大陸なのだが、国はこの国しかない。当然未開拓地も多い。そこに町を開拓すれば領主になれる。領主は貴族と同等の力を持つ。町が発展すれば収入も増える。ある程度発展すれば代官に任せてあとは悠々自適の暮らしが可能だ。成功すればの話だがな。」

「ほう?悪く無い提案だ。で、どの位の金がかかる?」

「金と言うより人脈が大事だな。最低でも冒険者ギルドと商業ギルドのマスターは囲い込まないと無理だな。」

 それって無理ゲーじゃね?

「他に方法は無いのか?」

「Sランクの冒険者なら月に1度働けば、後は遊んで暮らせるぞ。」

「ふむ?冒険者って自由なのか?」

「ギルド招集と言って数年に一度単位で災害級の魔物が出ると強制依頼が来るが、それ以外は自由だな。」

「災害級の魔物って強いのか?」

「人間レベルでは強いな。」

「今の僕の力だと?」

「まあ、苦戦するほどでは無いかな。魔法を使える様になれば瞬殺出来るぞ。」

「ほう?なら悪く無いかもしれないな。まずはSランク冒険者になって、それから考えれば良いか?」

 って、話が長引いた。狩りに行かないと稼げないぞ。
 
 昨日の元Sランクのおっさんが弱かったので強めの魔物をよろしくとブラスマイヤーに頼む。北西の森へと入った。

 なんか鳥の魔物とでかい熊の魔物を適当に20匹位狩った。野生だからかおっさんより威圧感はあるが、それだけだ。

 ギルドに戻りミリムの窓口へ行く。例のおっさんを呼んで貰う為だ。何時もの倉庫に案内されると、おっさんが、今日は何かとワクワクしている。

 鳥と熊を出すと驚かれた。

「これ、どこで狩ったんだ?」

「北西の森だな。」

「んー。普段はそこまで降りて来る魔物じゃ無いんだが、何か異変の前触れじゃなきゃ良いが。」

「珍しい魔物なのか?」

「いや、特別珍しい訳では無いが、この近辺で取れるのがおかしい。」

「珍しく無いのなら安いって事か?」

「いや、素材は文句ない高値で引き取るよ。コカトリスとレッドマーダー合わせて20匹、金貨450枚って所だな。」

 おっさんが書類を書いてくれる。

 ミリムの所へ戻るとまた驚かれた。

「これ、この近くで狩ったんですか?」

「北西の森だ。」

「Aランクの魔物がこんな近くに出るなんて。」

 そう言いながら換金してくれる。

「何か異変が起きているかもしれません。ギルドマスターに報告を上げて置きます。エイジさんも気を付けて。」

 お?何を気を付ければ良いのかな? 

「なあ、ブラスマイヤー。もっと強い魔物って居ないのか?」

「この近辺には居ないな。強い魔物に会いたいなら遠征する必要がある。」

「遠征か面倒だな。」

「なら魔法を覚える事だな。転移や飛行の魔法を覚えれば遠くへ楽に行ける様になる。」

「ほう?じゃあ、教えてくれ。」

「魔法はイメージだと言ったろう?お前のイメージが明確なら教えなくても使えるようになる。」

「じゃあ、明日は家で練習だな。」

 翌朝から家で魔法の練習をする。転移のイメージは割とわかり易いので見える範囲なら転移が出来る様になった。問題は転移は一度行った場所で無いと転移できない事だ、更に明確なイメージが出来ないと転移が発動しない。なので見える範囲なら転移が可能だがギルドに転移しようとしたら出来なかった。

 どうも転移にイメージを奪われるので転移場所へのイメージが曖昧になるみたいだ。これは転移を繰り返す事で慣れるだろう。

 次に飛行の魔法だが、飛行機をイメージしたら無理だった。次に鳥をイメージするがこれも発動しない。ブラスマイヤーに聞くと大きな手で摘まんで貰うイメージが解り易いと言うが、どうもイマイチ判らない。なので、クレーンに引き上げられるイメージをしたら浮く事は出来る様になった。

 それから1週間魔法の練習に費やした。飛行と転移だけでなく合間に他の魔法も色々と試す。ブラスマイヤーが言うには同じことを繰り返してばかりではイメージが固定してしまって成長の妨げになるそうだ。

 なんとか魔法が形になったので、今日は久しぶりに狩りに出る事にする。

「僕の野望の為になるべく強い魔物をよろしく!」

 ブラスマイヤーに語り掛ける。

「お前の野望は良く解らんが、女が出て来んな。普通人間の欲望と言うのは金と地位と女では?」

 女?忘れてたし。前世でモテな過ぎて女の事が頭から飛んでるとかどんだけ病んでるんだ?

「それを言うなら金と地位と名誉だ。女は欲望には入らない。」

「では女は要らないと?」

「違う。金と地位と名誉が揃えば女は勝手に寄って来るもんだ。」

「そういう物なのか?」

「何でもいいから強い魔物を頼む。」

「ふむ。この方角に強い反応があるな。」

 エイジの頭の中に矢印が出る。そちらの方向を向く。

「こっちか?それでどうすれば良い?」

「これからお前の頭の中にイメージを送る。そこへ飛んでみろ。」

 なるほど、ブラスマイヤーがイメージを鮮明に送ってくれれば行った事が無い場所でも転移が可能って訳か。

 思い切って転移を発動する。イメージがしっかりしているせいか何時もよりすんなりと転移が出来た。

 転移した先は平原である。街道らしき道が中央を走っている。頭の中には矢印と赤い点滅が浮かんでる。赤い点滅が大きい。まるで何かのアラートの様だ。

 街道を下った先に矢印が向いているので走り出す。

「ちなみに勝てる程度の強さなんだよな?」

「油断しなければ問題無い。」

 よし、なら一気に行きますか。

 近づくと争っている音と声が聞こえる。あら?先を越された?

「心配ない奴らには倒せない。無視して良い。」

 そうなの?更に走って近づくと何やら見えて来た。ってドラゴンじゃね?

 緑色のドラゴンとそれに蹴散らされる騎士たちが見えた。

「グリーンドラゴンだ。お望み通り強い魔物を用意したぞ。」

 グリーンドラゴンって見たまんまのネーミングだね。

 短く転移し騎士とドラゴンの中間に出る。

「悪いけど獲物は貰うよ。」

 そう言ってドラゴンと対峙するエイジ。騎士たちは唖然としてみている。

 ドラゴンの攻撃は爪と尻尾。たまにブレスと言った感じだ。流石に今までの魔物より素早いが、避け切れない速度では無い。一通り楽しんでから首を落として終わりだ。ストレージに仕舞う。

 振り向くと何やら騎士たちが茫然としている。帰ろうとすると待てと声が掛かったので、嫌だと答えた。

「頼む、主が挨拶をしたいと言って居る手間は取らせん。」

 しつこいなぁと振り向いたら、豪奢な馬車から女性が出て来た。いや、女の子かな?

「こちらはミーレン公爵のご令嬢、セレスティア様だ。」

「はぁ?」

「セレスティアだ。そちに褒美を与えたい名前を教えては貰えないだろうか?」

「ブレイルの冒険者エイジだ。」

 そう言うと転移で家へ帰る。家はイメージしやすいからね。

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