転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 今日も聖水作りに精を出す。400本を一発で83%に出来た。だいぶ慣れた様だ。少し休憩を挟んで2度目の400本に挑戦。こちらも一発で85%に出来た。ストレージにぶち込んで冒険者ギルドへ向かう。

 冒険者ギルドに800本の聖水を収め、帰りは歩きで気分転換だ。

「なぁ、ブラスマイヤー。悪魔の封印ってのはどうやるんだ?」

「封印魔法と言うのがある。文字通り邪悪な物を封印する魔法だ。ただし、これが効くのは上級悪魔までだな。デーモンロードには効かないと思った方が良い。」

「ん?じゃあ、デーモンロードはどうやって封印するんだ?」

「魔道具を使う。マジックバッグってあるだろ?あれの入れたら出せない物を作るんだ。」

「マジックバッグって空間魔法を付与したバッグだよな?」

「ああ、だが今回の場合、時空魔法を付与する。通常マジックバッグは亜空間を付与するのだが、封印の魔道具の場合、異空間を付与する。」

「亜空間と異空間の違いが分からないんだが?」

「亜空間と言うのはこの世界の空間を歪めた物だ、異空間は別の世界の空間だ。」

「それってさ、悪魔を異世界に飛ばすって事?」

「まあ、理論的にはそうだな。」

「異世界の人が苦労しない?」

「人が住む異世界なんて繋がる可能性は数十億分の1位だぞ。」

「なるほど、人に迷惑が掛からないなら問題無いな。異空間の付与って難しいのか?」

「本来は難しい。しかし、刻印魔法の中にあったぞ。俺もそれを思い出さなければこの方法は思いつかなかっただろう。」

「刻印魔法って事はストレージで量産出来るって事?」

「ああ、そう言う事だ。まあ沢山作っても使える人間は少ないだろうがな。」

「確かにデーモンロードに触れないと駄目だもんな。でもそれ以外の悪魔を封印するのにも使えるんだろう?」

「それはそうだが。」

「だとしたら、冒険者や騎士団でも中級や上級の相手が可能になるかもしれないじゃ無いか?」

「ふむ、理論はそうだが、上級悪魔はそんなに容易い相手では無いぞ。」

「そっか、やっぱ僕かルシルが相手をしないと駄目かな?」

「悪魔は人を操る能力も持つ。下手に人を増やすと人質にされるぞ。」

「それは困るな。」

 そうこうしているうちに屋敷に着く。風呂に入り、食事を取る。部屋で寛いでいるとアリアナがやって来た。

「どうだ、少しは慣れたか?」

「それは、家の話?それともアッチの話?」

「両方だな。」

「この家は居心地よいよ、伯爵家より自由だしピリピリしてないしね。」

「ん?伯爵家は何かあるのか?」

「いや、特に何かがある訳では無いんだけど、お金がね、皆何時もお金の事ばかり考えてるんだ。私には兄と弟がいるんだけど、兄は伯爵家を継ぐため、弟も貴族のしきたりを学ぶために家庭教師を雇っている。うちは幾つかの商会に出資して、その配当金で生活をしているんだけど、父も母も見栄の為にお金を使う。その結果、結構な額の借金があるんだよね。」

「多少の借金なら僕が出しても構わないけど?」

「いや、それは止めた方が良い。エイジさんに依存して、家族が働かなくなってしまう。私が、家を出ただけでもかなり楽になったんじゃないかな?」

「そう言う物なのか?貴族も色々と大変なんだな。」

「いや、エイジさんも貴族だし、家よりも爵位上じゃん。」

「僕は何も知らない内に貴族になってしまったから参考にならんぞ。」

「そうらしいね。セリーに聞いたよ。まあ、貴族に染まってない分、魅力的なのかもね。」

「自分では良く解らんのだがな。」

「正直、侯爵で、強くて、お金持ちで、優しい人なんて、物語の中に出て来る人物位だよ。思えば無謀な要求をしてしまったと今でも思い出すと恥ずかしくなるよ。」

「ほう?自覚はあるんだな。」

「酷いなぁ。あの時は自分は死ぬものだと思って居たから怖い物が無かったんだろうね。王様と対等に話をしている人が普通の人だなんて冷静だったら思わないでしょ?」

「まあね。」

「それがさぁ、こっちの勝手な言い分なのになぜか通ってしまって、こうやって侯爵の婚約者に収まっているのが不思議でたまらない。騙されてるんじゃないかって時々思う事もある。」

「まあ、緊急時だったとしても、君の裸を見たのは事実だしね。王様からもよろしくと言われてるし。アリアナも嫌がっていないのなら良いんじゃない?」

「下品な奴だと思われるかもしれないけど、私はエイジさんの体無しでは生きて行けない体にされてしまいました。責任は取って下さいね。」

「大げさだな。普通に優しくしたつもりなんだけどな。」

「あれは普通なんですか?私、経験が無いので解らないのですが、もっと激しいのがあるんですか?」

「試してみるか?」

 今日は回復魔法使用で2ランド勝利に終わった。アリアナはベッドで熟睡している。

 自分たちの体とベッドにクリーンを掛けてから寝る。

 翌日は稽古の後、サクッと800本の聖水を作り、封印の魔道具の作成に入る。

 素材はトートバッグの様な形をした麻製のバッグだ。大きさは携帯性も考えて40センチ×50センチにしてみた。

 バッグをストレージにぶち込み、アイテムから選択して、改造→付与→刻印と進む。更に刻印の一覧から光属性魔法を選び、封印魔法を選択する。これで少し待てば封印の魔道具が完成だ。

 完成したのは何処からどう見てもアイテムバッグだ。だが、手を突っ込む勇気は無い。同じように残り9個も封印の魔道具に仕立てる。

「一度、本物の悪魔で試したいな。」

「近い内にその機会はあるはずだ。」

「ところで、現状僕の戦闘力はどの位なんだ?」

「なんだ?自分で気が付いていないのか?ドラゴンスレイヤーと言われる聖剣を装備すれば、暗黒竜にギリギリ勝てる位には強くなってるぞ。」

「え?ルシルに勝てる気全然しないんだけど?」

「聖剣は装備すると各ステータスが大幅にアップするからな。」

「ほう?では対悪魔にはどの聖剣を使えば良いんだ?」

「聖剣ホーリーグロッサー。これ一択だ。この聖剣はデーモンキラーとして有名だ。」

 何処で有名なんだ?って突っ込みたいが、辞めて置こう。

「ところで、なんでこんなに聖剣が沢山ストレージに入ってるんだ?」

「俺は剣が好きでな。地上に落ちた聖剣は全てコピーしてある。」

 要は剣オタクって奴?

 しかし、これで対悪魔対策はすべて揃った。問題は聖水だけだな。聖水は1日800本しか作れない。王都の人口を考えれば、最低でも10万本は必要だ。どうする?

「なぁ、悪魔は何を仕組んでいるか解らないと言ってたが、現状人がどんどん悪魔に変わって行ってるんだよな?放って置いたら不味く無いか?」

「不味いだろうな。向こうから仕掛けて来ないのは人族が気が付かない間に支配を進める為だと思う。だから、早めにこちらから打って出る必要がある。しかし、準備期間は必要だ。」

「まだ、準備が足りないと?」

「そうは言わん。だが、俺としてはお前の剣の腕が今一歩物足りない。そこで明日、ちょっとした荒療治をしようと思う。」

「荒療治?」

「ああ、上手く行けば一段上に行けるぞ。」

「解ったやってくれ。」

 翌日の剣の稽古の時間。

「今までの仮想敵はお前のレベルに合わせて、ギリギリ勝てるか勝てないかの相手を作り上げて来た。今日は完全にお前より格上の相手を用意した。更に、今日は剣が当たれば痛みを感じる様に設定した。腕を切られれば腕は使えなくなる。限りなく実践に近い仮想敵を作ってみた。勝てないまでも何かを掴め。」

「解った。面白いじゃん。こう言うのあるならもっと早くやってくれよ。」

 ヤバいなぁ、バトルジャンキー化が進んでるな。

 仮想敵と対峙する、バーチャルなのに気がビリビリと伝わって来る。かなり強いぞ。ルシルでさえここまでの闘気は出せない。

 最初から本気で殺しにかからないとこっちがやられる。思い切って瞬動で飛び込むが明らかに読まれている。だが、ここから転移で軌道を変えれば、と、反応した?いや、後出しでこの速度なのか?既に剣の軌道上に捉えられている。転移で逃げる。詰めた間以上の間が空いてしまった。これが本物の達人か?

 どう言う事だ?明らかに相手の隙を突いたはずなのに。まさか、誘われた?わざと隙を作ってそこを攻撃させたのか?そんな事が出来る物なのだろうか?

 よし!ならば、最初から転移で目の前に躍り出る。敵の反応は早いここで技を出しても先に切られる。転移でわざと2歩後ろに下がり、そこから切り込んでみる。

 流石に、同じ場所に攻撃して来るとは思わなかったらしく、一瞬の驚きを見せるが、次の瞬間には何故か先手を奪われている。

 再び大きく逃げて、隙を伺う。どう言う事だ?何故先手を取れない?と言うか取ったはずの先手が後手に回っている。そう言う技なのか?

 技術の差なら違う場所で勝負するしか無いな。今度は相手の剣だけを見る。そして剣に攻撃をする。スピードを捨てた力の勝負だ。だが、ずっと見ているはずの剣が時々消える。いや見失っているだけか。

 あれ?力業で勝負しているのに何で剣が消えるんだ?そうか、型だ。そう言う型がある訳だ。こちらの技に対処しているように見えて、向こうも向こうの技を出しているって事だ。

 なるほど、惑わされて居たわけだ。僕には決まった型が無い。それは相手にとって戦いづらいはずだ。

 ならば、剣が消えた時が勝負の時だ。再び剣に攻撃を集中し、剣が消えるのを待つ。剣が消えた瞬間こちらは転移で相手の死角に回り込む。技が繋がっている最中はキャンセルが難しいはずだ。それでも、相手は強引に剣の軌道を変えて来る。だが強引な分隙がある。思い切って剣を振る。浅いが届いた。そう思った瞬間意識が飛んだ。

「ふむ、悪くは無いが、まだまだだな。」

「ブラスマイヤー。僕はどの位気を失っていた。」

「それほど時間は経って無い、10分程だろう。」

「そうか、剣は極めると凄い力を発揮するんだな。」

「うむ、剣の道は奥が深いぞ。やる気が出たか?」

「出た!」

「それは良かった。」
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