60 / 308
060
しおりを挟む
「どうだ、ブラスマイヤー。奴らは何を話している?」
「まあ、待て、話の途中からなので詳しくは解らんが『盟主』と言う単語が出てきている。それと、お主の正体はまだバレていない様だな。」
「なんかじれったいな僕も聞きたい。」
「お主が聞いても意味なかろう。悪魔語が解るのか?」
「悪魔語、そっか。人間に化けていても喋るのは悪魔語か。」
そりゃそうだよね。悪魔の集会で人間の言葉喋る意味なんか無いもんな。自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
「やはり新盟主が生まれるのか?」
「そこがハッキリせん。奴らはこれからの対応を協議している様だ。バレたからには打って出ると言う強硬派と今まで通り隠れて時を待つと言う保守派に分かれているな。」
「ふむ、内部分裂でも起こしてくれると面白いんだがな。」
「それは期待できんな。向こうにはロードが居るからな。」
「どうする?こっちが打って出るか?」
「ロードと上級3体だぞ。同時に相手をしたらお前が負ける。」
「待てよ。この集会に出た下級悪魔は情報を知っているって事だよな?」
「ああ、そうなるな。」
「下級悪魔なら殺さずに捕縛出来るんじゃないか?」
「ふむ、そこから情報を引き出そうと言う事か?悪魔が口を割るかどうかは解らんがやってみる価値はあるかもしれん。」
「よし、じゃあ1体にマークを付けて置こう。」
それから40分程で悪魔たちの集会は終わった。解散して出て来る者たちの中からマークを付けた悪魔を尾行する。
人気のない所に差し掛かった時、転移で後ろに回って相手の意識を刈る。さて、何処へ連れて行こうか?
迷った挙句王城に決めた。あそこなら悪魔を逃がさないで監禁する場所があるだろうと言う選択だ。
宰相に取り次いで貰い、近衛騎士団立会いの下、尋問室を借りられた。
悪魔だと言って連れて来た男は何処にでも居そうな人の好さそうなおじさんだ。近衛騎士団の兵士たちは、本当にこれが悪魔なのか?と言う顔をしている。
「えっと、部屋が狭いので付いて来るのは2人までにして下さい。」
何やら話し合った後、副団長と言う人と、尋問係と言う人が残った。
4人で尋問室へ入り、おじさんを椅子に固定してから回復魔法で起こす。あれ?悪魔に回復魔法って効くのか?効いたのか苦しんだのか解らないが目を覚ました。
「なんだこれは?どう言う事だ?私はなもしてないぞ!」
目を覚ますと同時に騒ぎ出す。
「ああ、あなたが何かしたとは言ってませんが?」
「え?ではなんで尋問室に?」
「ん?おかしいな?何故あなたはここが尋問室だと知ってるんですか?」
「あっ!」
悪魔さんちょっと迂闊過ぎますよ。
「さあ、どうします?知ってる事を素直に話せば悪い事にはならないと思いますよ。」
「私は何も知らない。本当だ。信じてくれ。」
「それは通じませんよ。あなたが悪魔の集会に出ていたのを僕は知っています。だって、そこからずっとあなたの後を付けて来たんですから。」
「違うんだ、あれはたまたまあそこに紛れ込んだだけで、私は悪魔では無い。」
「誰もあなたが悪魔だなんて言ってませんよ。知ってる事を話して下さいと言っただけですが?」
本当に悪魔って知能高いのか?
「さて、ここに小さな小瓶があります。中身は人には全く無害な、ただの聖水です。あなたが何もやましい事が無いのであれば、これを飲み干せますよね?」
そう言った途端悪魔は震えだし、様子がおかしくなって来た。
「頼む、それは止めてくれ、それを飲んだら私ごときでは耐え切れない。」
「ほう?では素直に話してくれますか?」
「何を聞きたい?」
「あの場で話していた事、特に盟主の話が聞きたいな。」
僕が盟主と言った時の反応があまりにもオーバーリアクションで笑いそうになった。
「新しい盟主が生まれる。世代交代だ。人間には迷惑を掛けない。出来れば放って置いて欲しい。」
「新しい盟主は何時生まれるんだ?」
「早ければ200年後。」
「ふむ、人間には迷惑を掛けないねぇ。あなたのその体はどうやって手に入れたのでしょうか?」
「これは、その・・・」
「喰いましたね?」
後ろで見ている2人が生唾を飲み込む音が聞こえた。
「副団長さんでしたね。あとは任せます。」
そう言って聖水をおじさんにぶちまけた。ひどく耳障りな叫びを背後に聞きながら部屋を出る。
200年も待ってられないよ。
一旦家に転移で帰る、部屋に籠りブラスマイヤーと作戦会議だ。
「概ねブラスマイヤーの予想通りだったな。後は悪魔を減らして行くだけだ。出来れば今日中に上級を1匹仕留めたい。」
「随分と急いでいるな?何かあるのか?」
「放っておくと奴らは数を増やすだろう?それにプレイースが心配なんだ。」
「ふむ、悪魔は他の生物と違って数が減ったからと言ってすぐには増えんぞ。」
「そうなのか?」
「ああ、悪魔と言う種族は数千年に1匹生まれるかどうかの種族だ。だからその分長生きをする。今回新しい盟主が生まれるのにまだ200年以上時間が掛かるのもその為だ。」
「なるほど、ではあまり焦る必要は無いと?」
「そうだ、じっくりと作戦を練って確実に仕留めた方が良いぞ。」
まあ、ブラスマイヤーがそう言うなら、従った方が賢いだろう。
「じゃあ、午後はプレイースを見に行くよ。ずっと心配だったんだ。」
転移でプレイースに向かう。
久しぶりに訪れたプレイースは活気に満ちていた。どうやらルキナとマークは良くやってくれている様だ。
まず、サーチでプレイースの悪魔を探す。現状引っ掛かる反応は無い。良かったと胸をなでおろす。どうやら悪魔は王都に集結している様だ。
次にルキナとマークを探し、転移で飛ぶ。
「久しぶり。悪かったな、王都が忙しくてこっちになかなか来れなくて。」
「いえ、領主様が居ない間に好き勝手やらせて貰ってます。町づくりって言うのは楽しいですね。」
「おいおいルキナ。それは不敬だろう。一通り指示は受けていたので、問題無く動けています。ここの所人も多く流れて来て、住民の数もかなり増えてますので、領主様の計画通り行って居ると思います。」
「2人が居て助かったよ。とこでマーク。結婚は出来そうか?」
「出来そうどころじゃ無いですよ。こいつ既に籍を入れたそうです。代官になって1週間で。」
「ほう?めでたい事は早い方が良いだろう。ルキナはそう言う話は無いのか?」
「こいつは駄目ですよ。俺が知り合いの女の子を紹介してやったんですが、緊張しすぎて自滅しました。」
ほう?意外にルキナの方が女性に免疫が無いのか、人は見かけによらんな。
「まあ、そう言うのは縁だからな。そのうちルキナに合う女性が現れるよ。」
「まあ、その話は置いて置いて、領主様、指示がありましたらお願いします。」
その後細かい指示や今後の展望などを語って、現状を把握してから、元漁村、現町北部へ向かい新鮮な魚を仕入れてから帰る。
家の厨房にマジックバッグに入れた新鮮な魚介を置いて、これで何か作れたら夕食に出してくれと伝えた。無理に作らなくても良いぞとも伝えて置く。
うちの料理人は結構有能なのか、アクアパッツァの様な物が夕食に出た、かなり美味い。セリー達も王都では魚料理は珍しいので大いに喜んでいた。
そう言えば、漁村なら鰹節の様な出汁になる物は無いのかな?昆布でも良いな。今度プレイースに行ったら聞いてみよう。
新鮮な魚介をセリーとアリアナの実家に送っても良いかもしれない。
そう言えばアリアナをプレイースに連れて行ってないな。デート感覚で連れて行ってみるか?なら早い方が良いか、明日にでも行くかな?
翌日は朝からアリアナを連れてプレイースに飛んだ。米畑や住宅建設予定地の視察から始める。米畑はだいぶ米が育って緑色の絨毯が広がっている。あと数か月で収穫できるだろう。住宅建設予定地は約3分の1ほど建築が始まっている。良いペースだ。
町の中央部へ行くと屋台群が見えて来る。ここで新鮮な魚介を販売している。何処の屋台も人だかりが出来ていて活気がある。
「随分と活気がある町ですね。」
アリアナが感心したように口にする。
「ここまでにするには結構苦労したんだよ。」
「強い上に領地経営の才能もあるんですね。」
「いやいや、領地経営の才能のある奴を雇ったんだよ。」
「なるほど、人を使うのも貴族の才覚の一つですね。」
「そう言う事だ。さあ次は海へ行ってみよう。」
町の北部へ向かう。この北部との境界に領主邸を建設中だ。もう外観は殆ど完成している。そろそろ執事のルーメンさんに話して置かないとな。
漁村に出ると塩田は拡張工事中だが、作業は行っている様だ。浜辺に沿って歩いて行くと、昆布を干している人が居た。
「済みません。これって昆布ですよね?何に使うんですか?」
「ああ、これは一旦干してから煮物にすると良い味が出るんだよ。」
「へぇ、少し貰えませんか?お金は払いますので。」
「いいよ。どの位欲しいんだい?」
見ると10メートル位の昆布が20枚位干してある。
「じゃあ、これを5枚分位。」
「そんなに?」
「ええ、これは使い方があるんですよ。」
「うちは構わないけど、大銅貨5枚になるよ?」
1枚千円って安いな。価値が解ればもっと値段が上がるかも。
大銅貨5枚払って昆布を受け取りストレージに入れる。
「他に良い味が出る魚の干し物とか知りませんか?」
「干し物は知らないねぇ、新鮮な魚のアラなら良い味が出るけど。」
「そうですか、ありがとうございます。」
どうやら鰹節の様な物は無いらしい。鰹節って何気に作るの難しいんだよね。ただ干せば良いのなら簡単なのに。
その後、屋台で焼き立ての魚介を堪能したり、上がって来た船の魚を丸ごと買ったりした。
アリアナは王都から出た事が無いらしく、プレイースを堪能した様だ。
マジックバッグを2つストレージから取り出し。それぞれに買ったばかりの新鮮な魚介を詰めて行く。
ルキナとマークには昨日指示を出したから会わなくても良いよな。
昼過ぎに家に転移で帰り、セリーとアリアナにマジックバッグを一つずつ渡す。
「新鮮な魚介が50人前位ずつ入っているから実家に持って行ってあげなよ。王都には海が無いから喜ばれると思うよ。」
セリーとアリアナは馬車に乗って実家に向かった。2人共上級貴族の娘なので家は近所だ。まあ、近所と言っても馬車で10分位はかかるんだけどね。公爵家、伯爵家と回っても30分程で帰って来る。魚介はマジックバッグから出さなければ新鮮なままなので、きっと喜ばれるだろう。
さて、僕は昆布で何を作ろうか?
「まあ、待て、話の途中からなので詳しくは解らんが『盟主』と言う単語が出てきている。それと、お主の正体はまだバレていない様だな。」
「なんかじれったいな僕も聞きたい。」
「お主が聞いても意味なかろう。悪魔語が解るのか?」
「悪魔語、そっか。人間に化けていても喋るのは悪魔語か。」
そりゃそうだよね。悪魔の集会で人間の言葉喋る意味なんか無いもんな。自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
「やはり新盟主が生まれるのか?」
「そこがハッキリせん。奴らはこれからの対応を協議している様だ。バレたからには打って出ると言う強硬派と今まで通り隠れて時を待つと言う保守派に分かれているな。」
「ふむ、内部分裂でも起こしてくれると面白いんだがな。」
「それは期待できんな。向こうにはロードが居るからな。」
「どうする?こっちが打って出るか?」
「ロードと上級3体だぞ。同時に相手をしたらお前が負ける。」
「待てよ。この集会に出た下級悪魔は情報を知っているって事だよな?」
「ああ、そうなるな。」
「下級悪魔なら殺さずに捕縛出来るんじゃないか?」
「ふむ、そこから情報を引き出そうと言う事か?悪魔が口を割るかどうかは解らんがやってみる価値はあるかもしれん。」
「よし、じゃあ1体にマークを付けて置こう。」
それから40分程で悪魔たちの集会は終わった。解散して出て来る者たちの中からマークを付けた悪魔を尾行する。
人気のない所に差し掛かった時、転移で後ろに回って相手の意識を刈る。さて、何処へ連れて行こうか?
迷った挙句王城に決めた。あそこなら悪魔を逃がさないで監禁する場所があるだろうと言う選択だ。
宰相に取り次いで貰い、近衛騎士団立会いの下、尋問室を借りられた。
悪魔だと言って連れて来た男は何処にでも居そうな人の好さそうなおじさんだ。近衛騎士団の兵士たちは、本当にこれが悪魔なのか?と言う顔をしている。
「えっと、部屋が狭いので付いて来るのは2人までにして下さい。」
何やら話し合った後、副団長と言う人と、尋問係と言う人が残った。
4人で尋問室へ入り、おじさんを椅子に固定してから回復魔法で起こす。あれ?悪魔に回復魔法って効くのか?効いたのか苦しんだのか解らないが目を覚ました。
「なんだこれは?どう言う事だ?私はなもしてないぞ!」
目を覚ますと同時に騒ぎ出す。
「ああ、あなたが何かしたとは言ってませんが?」
「え?ではなんで尋問室に?」
「ん?おかしいな?何故あなたはここが尋問室だと知ってるんですか?」
「あっ!」
悪魔さんちょっと迂闊過ぎますよ。
「さあ、どうします?知ってる事を素直に話せば悪い事にはならないと思いますよ。」
「私は何も知らない。本当だ。信じてくれ。」
「それは通じませんよ。あなたが悪魔の集会に出ていたのを僕は知っています。だって、そこからずっとあなたの後を付けて来たんですから。」
「違うんだ、あれはたまたまあそこに紛れ込んだだけで、私は悪魔では無い。」
「誰もあなたが悪魔だなんて言ってませんよ。知ってる事を話して下さいと言っただけですが?」
本当に悪魔って知能高いのか?
「さて、ここに小さな小瓶があります。中身は人には全く無害な、ただの聖水です。あなたが何もやましい事が無いのであれば、これを飲み干せますよね?」
そう言った途端悪魔は震えだし、様子がおかしくなって来た。
「頼む、それは止めてくれ、それを飲んだら私ごときでは耐え切れない。」
「ほう?では素直に話してくれますか?」
「何を聞きたい?」
「あの場で話していた事、特に盟主の話が聞きたいな。」
僕が盟主と言った時の反応があまりにもオーバーリアクションで笑いそうになった。
「新しい盟主が生まれる。世代交代だ。人間には迷惑を掛けない。出来れば放って置いて欲しい。」
「新しい盟主は何時生まれるんだ?」
「早ければ200年後。」
「ふむ、人間には迷惑を掛けないねぇ。あなたのその体はどうやって手に入れたのでしょうか?」
「これは、その・・・」
「喰いましたね?」
後ろで見ている2人が生唾を飲み込む音が聞こえた。
「副団長さんでしたね。あとは任せます。」
そう言って聖水をおじさんにぶちまけた。ひどく耳障りな叫びを背後に聞きながら部屋を出る。
200年も待ってられないよ。
一旦家に転移で帰る、部屋に籠りブラスマイヤーと作戦会議だ。
「概ねブラスマイヤーの予想通りだったな。後は悪魔を減らして行くだけだ。出来れば今日中に上級を1匹仕留めたい。」
「随分と急いでいるな?何かあるのか?」
「放っておくと奴らは数を増やすだろう?それにプレイースが心配なんだ。」
「ふむ、悪魔は他の生物と違って数が減ったからと言ってすぐには増えんぞ。」
「そうなのか?」
「ああ、悪魔と言う種族は数千年に1匹生まれるかどうかの種族だ。だからその分長生きをする。今回新しい盟主が生まれるのにまだ200年以上時間が掛かるのもその為だ。」
「なるほど、ではあまり焦る必要は無いと?」
「そうだ、じっくりと作戦を練って確実に仕留めた方が良いぞ。」
まあ、ブラスマイヤーがそう言うなら、従った方が賢いだろう。
「じゃあ、午後はプレイースを見に行くよ。ずっと心配だったんだ。」
転移でプレイースに向かう。
久しぶりに訪れたプレイースは活気に満ちていた。どうやらルキナとマークは良くやってくれている様だ。
まず、サーチでプレイースの悪魔を探す。現状引っ掛かる反応は無い。良かったと胸をなでおろす。どうやら悪魔は王都に集結している様だ。
次にルキナとマークを探し、転移で飛ぶ。
「久しぶり。悪かったな、王都が忙しくてこっちになかなか来れなくて。」
「いえ、領主様が居ない間に好き勝手やらせて貰ってます。町づくりって言うのは楽しいですね。」
「おいおいルキナ。それは不敬だろう。一通り指示は受けていたので、問題無く動けています。ここの所人も多く流れて来て、住民の数もかなり増えてますので、領主様の計画通り行って居ると思います。」
「2人が居て助かったよ。とこでマーク。結婚は出来そうか?」
「出来そうどころじゃ無いですよ。こいつ既に籍を入れたそうです。代官になって1週間で。」
「ほう?めでたい事は早い方が良いだろう。ルキナはそう言う話は無いのか?」
「こいつは駄目ですよ。俺が知り合いの女の子を紹介してやったんですが、緊張しすぎて自滅しました。」
ほう?意外にルキナの方が女性に免疫が無いのか、人は見かけによらんな。
「まあ、そう言うのは縁だからな。そのうちルキナに合う女性が現れるよ。」
「まあ、その話は置いて置いて、領主様、指示がありましたらお願いします。」
その後細かい指示や今後の展望などを語って、現状を把握してから、元漁村、現町北部へ向かい新鮮な魚を仕入れてから帰る。
家の厨房にマジックバッグに入れた新鮮な魚介を置いて、これで何か作れたら夕食に出してくれと伝えた。無理に作らなくても良いぞとも伝えて置く。
うちの料理人は結構有能なのか、アクアパッツァの様な物が夕食に出た、かなり美味い。セリー達も王都では魚料理は珍しいので大いに喜んでいた。
そう言えば、漁村なら鰹節の様な出汁になる物は無いのかな?昆布でも良いな。今度プレイースに行ったら聞いてみよう。
新鮮な魚介をセリーとアリアナの実家に送っても良いかもしれない。
そう言えばアリアナをプレイースに連れて行ってないな。デート感覚で連れて行ってみるか?なら早い方が良いか、明日にでも行くかな?
翌日は朝からアリアナを連れてプレイースに飛んだ。米畑や住宅建設予定地の視察から始める。米畑はだいぶ米が育って緑色の絨毯が広がっている。あと数か月で収穫できるだろう。住宅建設予定地は約3分の1ほど建築が始まっている。良いペースだ。
町の中央部へ行くと屋台群が見えて来る。ここで新鮮な魚介を販売している。何処の屋台も人だかりが出来ていて活気がある。
「随分と活気がある町ですね。」
アリアナが感心したように口にする。
「ここまでにするには結構苦労したんだよ。」
「強い上に領地経営の才能もあるんですね。」
「いやいや、領地経営の才能のある奴を雇ったんだよ。」
「なるほど、人を使うのも貴族の才覚の一つですね。」
「そう言う事だ。さあ次は海へ行ってみよう。」
町の北部へ向かう。この北部との境界に領主邸を建設中だ。もう外観は殆ど完成している。そろそろ執事のルーメンさんに話して置かないとな。
漁村に出ると塩田は拡張工事中だが、作業は行っている様だ。浜辺に沿って歩いて行くと、昆布を干している人が居た。
「済みません。これって昆布ですよね?何に使うんですか?」
「ああ、これは一旦干してから煮物にすると良い味が出るんだよ。」
「へぇ、少し貰えませんか?お金は払いますので。」
「いいよ。どの位欲しいんだい?」
見ると10メートル位の昆布が20枚位干してある。
「じゃあ、これを5枚分位。」
「そんなに?」
「ええ、これは使い方があるんですよ。」
「うちは構わないけど、大銅貨5枚になるよ?」
1枚千円って安いな。価値が解ればもっと値段が上がるかも。
大銅貨5枚払って昆布を受け取りストレージに入れる。
「他に良い味が出る魚の干し物とか知りませんか?」
「干し物は知らないねぇ、新鮮な魚のアラなら良い味が出るけど。」
「そうですか、ありがとうございます。」
どうやら鰹節の様な物は無いらしい。鰹節って何気に作るの難しいんだよね。ただ干せば良いのなら簡単なのに。
その後、屋台で焼き立ての魚介を堪能したり、上がって来た船の魚を丸ごと買ったりした。
アリアナは王都から出た事が無いらしく、プレイースを堪能した様だ。
マジックバッグを2つストレージから取り出し。それぞれに買ったばかりの新鮮な魚介を詰めて行く。
ルキナとマークには昨日指示を出したから会わなくても良いよな。
昼過ぎに家に転移で帰り、セリーとアリアナにマジックバッグを一つずつ渡す。
「新鮮な魚介が50人前位ずつ入っているから実家に持って行ってあげなよ。王都には海が無いから喜ばれると思うよ。」
セリーとアリアナは馬車に乗って実家に向かった。2人共上級貴族の娘なので家は近所だ。まあ、近所と言っても馬車で10分位はかかるんだけどね。公爵家、伯爵家と回っても30分程で帰って来る。魚介はマジックバッグから出さなければ新鮮なままなので、きっと喜ばれるだろう。
さて、僕は昆布で何を作ろうか?
128
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる