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馬車は3時間ごとに休憩を取りながら進んで行く。どうやら休憩時間も計算の上で着くまで12時間らしい。ただし、戦闘時間は考慮されていないので戦闘が長引くと休憩時間が短くなる。
幸いな事に午後は大した魔物が出なかった。出ても1,2匹なので戦闘前に逃げる魔物も多い。戦闘よりケツの痛さが辛い。
朝6時に出発して9時間、3回目の休憩を取る。流石にこの時間になると皆の口数も少なくなって来た。
御者が下りて来て軽い柔軟をしている。
「そう言えば、皆を送ったあと御者さんはどうするんですか?」
「王都に戻るよ。こう見えてもAランクの冒険者なんだ。馬車も軽くなるし帰りは途中まで迎えの冒険者も来てくれるから大丈夫だ。」
「なるほど、ってあれ?僕らの帰りはどうなるの?」
「何時帰るか解らない冒険者を待つわけには行かないからな。帰りは歩きだな。2日もあれば王都に着くだろう?」
まあ、僕的には馬車より歩きの方が楽だけど。他の4人はどうだろう?
見回すと皆地面に寝転んで休んでいる。
慣れているはずのSランク冒険者でも馬車の旅は疲れる様だ。疲れると甘い物が食べたくなるんだけど、ここで一人で食べる訳には行かないよね?
30分経つと御者さんが出発の合図を出す。
「さあ、休憩はこれが最後ですよ。次は目的地に着きます。明るい内に着けるよう頑張りましょう!」
目的地には夕方6時に着く予定だ。予定通りならまだ若干明るいはずだ。野営の準備をするにも明るい内に着いた方が効率的だ。
しかし、それから1時間程した時、予定を崩す事態が起こる。
「魔物です。ゴブリンですが数が多い。およそ200体。」
「200体?冗談でしょ?」
「いや、待ち伏せされてますね。もしかしたら上位種がいるかもしれません。」
「待ち伏せってどう言う事だ?俺たちの行動が漏れているのか?」
「いや、おそらく集団で狩りをしているんじゃないかと思われます。」
疲れている時に追い打ちとは厄介だとボヤキながらも皆戦闘準備をしている、そう言う所は流石だ。
「しかし200体か、作戦はどうする?」
「相手はゴブリンだ。攻撃力は高くない。基本は魔法で削って、抜けて来た奴を剣で潰して行くしか無いだろう。」
「そうですね、こちらには魔法使いが2人居ますので、それが堅実かと。」
「数が厄介なだけだな。時間さえかければ負ける相手では無いだろう。」
4人が作戦会議をしている。そんなに深刻な状況では無いと思うのだが?
「あの?数を減らせば良いんですよね?」
「そうだな。オークの時みたいに半分くらいにしてくれると助かるよ。」
「でしたら、敵の姿が見えたら大きなのを1発打ちますので、それを合図に皆さん動いて下さい。少しは楽になると思いますよ。」
『爆炎』と言う魔法がある。通常敵1体を爆発で吹き飛ばす魔法なのだが、ゴブリン程度なら2、3匹まとめて倒せる。しかし、この魔法を例の魔導書の最適化を使って効率を良くすると、とてつもない威力の魔法になる。ゴブリンなら30体は一発で倒せるだろう。
実はこの『爆炎』は初級魔法で、中級魔法に『超爆炎』と言うのがある。使った事は無いが多分、ゴブリンなら100体はイケるんじゃないかと思って居る。実践で使う機会を伺って居たんだよね。チャンス到来だ。
やがて、ジェレミーの探知にも敵が引っかかり、徐々にゴブリンの姿が見えて来る。距離およそ600メートルと言った所だ。既に皆は馬車を降りている。
僕は転移でゴブリンの群れの上空ほぼ中央に飛び『超爆炎』を放ち、逃げる様に転移で元の場所に戻った。
一瞬巨大な火柱が上がり遅れて爆発音が聞こえた。地響きの様な轟音だ。
あれ?思ったより威力高いな。って言うか、皆さん唖然として無いで動いて下さい敵が来ますよ。
「大きいって言っても限度があるだろう?あれは環境破壊じゃないか?」
いち早く正気に戻ったミレニアが呟く。
「敵、残ってるのか?」
こっちはクレイトスだ。
「10匹程度生き残ってるぞ。」
ジェレミーが探知を発動した様だ。
煙が霧散した後、ゴブリンの姿が幾つか見えるが、こっちに向かって来ない。
「どうする?」
「どうするって、来ないならこっちから行くしかあるまい。」
ミレニアとクレイトスが敵に向かって駆けて行く。遅れて、僕ら3人も走るが、追いついた頃には戦闘は終わっていた。
街道にクレーター状の穴が空いている。これでは馬車が通れない。土魔法で直して置く。
周りを見るが火事になっている様子は無い。ホッとして馬車のある所まで戻った。
「お前、遺跡の中ででかい魔法は使うなよ。」
「解ってますよ。外だから使ったんです。ちゃんと状況に合わせて魔法は使いますので安心して下さい。」
「さすが、非常識君だね。」
ホリーさん、名前がだんだん変わってますが?
その後轟音に驚いたのか魔物は出なかった。若干遅れたが明るい内に目的地に着いた。
「今日はここで野営をして下さい。明日の朝、遺跡の入り口に案内します。」
御者さんがそう言うと、皆、急いで野営の準備をする。
男2人が馬車から荷物を降ろしている、その間に女性2人がテントを2つ張った。テントと言ってもキャンプ用のテントでは無く運動会等で見る、屋根だけのテントだ。皆手際が良い。ボーっと見てるとホリーさんに呼ばれた。
「夕食の準備をするから薪を拾って来て。なるべく乾いた奴ね。」
「あ、薪ならありますよ」
そう言って僕はストレージから薪を一山取り出した。
燃えやすいように薪を組んで生活魔法で火をつける。更に、土魔法で焚火の両側を盛り上げて上に網を乗せた。
ストレージで解体したワイバーンの肉を、一口大に切り金串に刺して行く、えっと、6人居るから1人2串で12本で良いかな。12本の肉串を網に乗せ、塩コショウを振り、香りづけにガーリックパウダーをまぶす。
「ちょっと、今、胡椒使わなかった?」
「あ、胡椒苦手ですか?」
「いや、そうじゃないって言うか、なんで普通に肉焼いてるの?」
「遺跡に潜ったら火は使えないんでしょ?だったら火が使える内にと思って。」
「いやいや、おかしいでしょう。普通野営と言ったら携帯食か干し肉が定番よ。」
「そうなんですか?」
って言うか匂いに釣られて皆さん集まってますが?
「ホリーさんは食べないんですか?」
「食べるに決まってるでしょ!」
「あ、肉だけじゃなんなので野菜スープもありますよ。」
そう言って地面を盛り上げてテーブルを作る。その上にスープの鍋を乗せ、木の器によそって行く。
「熱い内に食べて下さい。肉もそろそろ焼けますよ。」
「非常識だな。」
「確かに。」
男2人がスープを飲みながら話をしている。いやいや、食べてるくせにそれはないんじゃない?
「しかし、野営でワイバーンが食えるとは、豪勢だな。酒が欲しい所だ。」
ミレニアさんがエールを呑みながら肉串に噛り付いている。え?エールって酒じゃ無いの?
「ところで、見張りの順番はどうする?」
確か見張りって3交代の場合真ん中がキツイんだったっけ?まあ、僕はこの所1日46時間だったから1日位なら寝なくても大丈夫だけど。
「坊主、魔物の気配は?」
「今の所半径5キロ以内に危険な魔物は居ませんね。」
「じゃあ、最初は女性2人にお願いする。その後、俺とクレイトスが、最後は坊主と御者さんに頼もう。」
「良いんじゃない?戦力的に考えてもそれがベストだと思うわ。」
と言う事であっさりと決まった。
3時間交代で一人6時間ずつ寝るらしい。トータルで9時間になるが、まだ7時なので8時に寝たとしても起きるのは朝5時だ。寝るの早くない?
それから、明日の予定を少し話して見張り以外は床に就く。テントが2つなのは常に寝る人数が4人だからだ。まあ、テントと言っても屋根しか無いけどね。
床についてもなかなか寝付けない。まあ、普段なら起きてる時間だしね。馬車の旅は疲れたが、特に何かをしていたわけじゃ無いしね。
横になって考え事をしていたら、見張りの女性2人の会話が聞こえて来た。
「ねぇ、非常識君の魔法、どう思う?」
「どう思うって言われてもね、魔法はそっちが専門でしょ?」
「彼の魔法ね、使ってる魔法自体は普通の魔法なのよ。だけど、威力が普通じゃない。それに転移魔法を使ってたでしょ?あれって、古代魔法の一種で現在では使える人が居ないとされているの。」
「古代魔法か、興味深いな。今回潜るのは古代遺跡だ。彼と何か関係があるのかもしれんな。ギルマスが彼を選んだ理由もその辺にありそうだ。」
あー、なんか思いっきり誤解されてるな。まあ、僕が古代語を読めるって言うのは黙っていた方が良いかな?
って言うか、転移魔法見せたの不味かったかな?でも、パーティーであまり隠し事をするのも何だしな。基本僕の戦い方に転移は不可欠だしね。後でバレると色々とややこしくなりそうだし。
まあ、他は小出しにして行こう。
幸いな事に午後は大した魔物が出なかった。出ても1,2匹なので戦闘前に逃げる魔物も多い。戦闘よりケツの痛さが辛い。
朝6時に出発して9時間、3回目の休憩を取る。流石にこの時間になると皆の口数も少なくなって来た。
御者が下りて来て軽い柔軟をしている。
「そう言えば、皆を送ったあと御者さんはどうするんですか?」
「王都に戻るよ。こう見えてもAランクの冒険者なんだ。馬車も軽くなるし帰りは途中まで迎えの冒険者も来てくれるから大丈夫だ。」
「なるほど、ってあれ?僕らの帰りはどうなるの?」
「何時帰るか解らない冒険者を待つわけには行かないからな。帰りは歩きだな。2日もあれば王都に着くだろう?」
まあ、僕的には馬車より歩きの方が楽だけど。他の4人はどうだろう?
見回すと皆地面に寝転んで休んでいる。
慣れているはずのSランク冒険者でも馬車の旅は疲れる様だ。疲れると甘い物が食べたくなるんだけど、ここで一人で食べる訳には行かないよね?
30分経つと御者さんが出発の合図を出す。
「さあ、休憩はこれが最後ですよ。次は目的地に着きます。明るい内に着けるよう頑張りましょう!」
目的地には夕方6時に着く予定だ。予定通りならまだ若干明るいはずだ。野営の準備をするにも明るい内に着いた方が効率的だ。
しかし、それから1時間程した時、予定を崩す事態が起こる。
「魔物です。ゴブリンですが数が多い。およそ200体。」
「200体?冗談でしょ?」
「いや、待ち伏せされてますね。もしかしたら上位種がいるかもしれません。」
「待ち伏せってどう言う事だ?俺たちの行動が漏れているのか?」
「いや、おそらく集団で狩りをしているんじゃないかと思われます。」
疲れている時に追い打ちとは厄介だとボヤキながらも皆戦闘準備をしている、そう言う所は流石だ。
「しかし200体か、作戦はどうする?」
「相手はゴブリンだ。攻撃力は高くない。基本は魔法で削って、抜けて来た奴を剣で潰して行くしか無いだろう。」
「そうですね、こちらには魔法使いが2人居ますので、それが堅実かと。」
「数が厄介なだけだな。時間さえかければ負ける相手では無いだろう。」
4人が作戦会議をしている。そんなに深刻な状況では無いと思うのだが?
「あの?数を減らせば良いんですよね?」
「そうだな。オークの時みたいに半分くらいにしてくれると助かるよ。」
「でしたら、敵の姿が見えたら大きなのを1発打ちますので、それを合図に皆さん動いて下さい。少しは楽になると思いますよ。」
『爆炎』と言う魔法がある。通常敵1体を爆発で吹き飛ばす魔法なのだが、ゴブリン程度なら2、3匹まとめて倒せる。しかし、この魔法を例の魔導書の最適化を使って効率を良くすると、とてつもない威力の魔法になる。ゴブリンなら30体は一発で倒せるだろう。
実はこの『爆炎』は初級魔法で、中級魔法に『超爆炎』と言うのがある。使った事は無いが多分、ゴブリンなら100体はイケるんじゃないかと思って居る。実践で使う機会を伺って居たんだよね。チャンス到来だ。
やがて、ジェレミーの探知にも敵が引っかかり、徐々にゴブリンの姿が見えて来る。距離およそ600メートルと言った所だ。既に皆は馬車を降りている。
僕は転移でゴブリンの群れの上空ほぼ中央に飛び『超爆炎』を放ち、逃げる様に転移で元の場所に戻った。
一瞬巨大な火柱が上がり遅れて爆発音が聞こえた。地響きの様な轟音だ。
あれ?思ったより威力高いな。って言うか、皆さん唖然として無いで動いて下さい敵が来ますよ。
「大きいって言っても限度があるだろう?あれは環境破壊じゃないか?」
いち早く正気に戻ったミレニアが呟く。
「敵、残ってるのか?」
こっちはクレイトスだ。
「10匹程度生き残ってるぞ。」
ジェレミーが探知を発動した様だ。
煙が霧散した後、ゴブリンの姿が幾つか見えるが、こっちに向かって来ない。
「どうする?」
「どうするって、来ないならこっちから行くしかあるまい。」
ミレニアとクレイトスが敵に向かって駆けて行く。遅れて、僕ら3人も走るが、追いついた頃には戦闘は終わっていた。
街道にクレーター状の穴が空いている。これでは馬車が通れない。土魔法で直して置く。
周りを見るが火事になっている様子は無い。ホッとして馬車のある所まで戻った。
「お前、遺跡の中ででかい魔法は使うなよ。」
「解ってますよ。外だから使ったんです。ちゃんと状況に合わせて魔法は使いますので安心して下さい。」
「さすが、非常識君だね。」
ホリーさん、名前がだんだん変わってますが?
その後轟音に驚いたのか魔物は出なかった。若干遅れたが明るい内に目的地に着いた。
「今日はここで野営をして下さい。明日の朝、遺跡の入り口に案内します。」
御者さんがそう言うと、皆、急いで野営の準備をする。
男2人が馬車から荷物を降ろしている、その間に女性2人がテントを2つ張った。テントと言ってもキャンプ用のテントでは無く運動会等で見る、屋根だけのテントだ。皆手際が良い。ボーっと見てるとホリーさんに呼ばれた。
「夕食の準備をするから薪を拾って来て。なるべく乾いた奴ね。」
「あ、薪ならありますよ」
そう言って僕はストレージから薪を一山取り出した。
燃えやすいように薪を組んで生活魔法で火をつける。更に、土魔法で焚火の両側を盛り上げて上に網を乗せた。
ストレージで解体したワイバーンの肉を、一口大に切り金串に刺して行く、えっと、6人居るから1人2串で12本で良いかな。12本の肉串を網に乗せ、塩コショウを振り、香りづけにガーリックパウダーをまぶす。
「ちょっと、今、胡椒使わなかった?」
「あ、胡椒苦手ですか?」
「いや、そうじゃないって言うか、なんで普通に肉焼いてるの?」
「遺跡に潜ったら火は使えないんでしょ?だったら火が使える内にと思って。」
「いやいや、おかしいでしょう。普通野営と言ったら携帯食か干し肉が定番よ。」
「そうなんですか?」
って言うか匂いに釣られて皆さん集まってますが?
「ホリーさんは食べないんですか?」
「食べるに決まってるでしょ!」
「あ、肉だけじゃなんなので野菜スープもありますよ。」
そう言って地面を盛り上げてテーブルを作る。その上にスープの鍋を乗せ、木の器によそって行く。
「熱い内に食べて下さい。肉もそろそろ焼けますよ。」
「非常識だな。」
「確かに。」
男2人がスープを飲みながら話をしている。いやいや、食べてるくせにそれはないんじゃない?
「しかし、野営でワイバーンが食えるとは、豪勢だな。酒が欲しい所だ。」
ミレニアさんがエールを呑みながら肉串に噛り付いている。え?エールって酒じゃ無いの?
「ところで、見張りの順番はどうする?」
確か見張りって3交代の場合真ん中がキツイんだったっけ?まあ、僕はこの所1日46時間だったから1日位なら寝なくても大丈夫だけど。
「坊主、魔物の気配は?」
「今の所半径5キロ以内に危険な魔物は居ませんね。」
「じゃあ、最初は女性2人にお願いする。その後、俺とクレイトスが、最後は坊主と御者さんに頼もう。」
「良いんじゃない?戦力的に考えてもそれがベストだと思うわ。」
と言う事であっさりと決まった。
3時間交代で一人6時間ずつ寝るらしい。トータルで9時間になるが、まだ7時なので8時に寝たとしても起きるのは朝5時だ。寝るの早くない?
それから、明日の予定を少し話して見張り以外は床に就く。テントが2つなのは常に寝る人数が4人だからだ。まあ、テントと言っても屋根しか無いけどね。
床についてもなかなか寝付けない。まあ、普段なら起きてる時間だしね。馬車の旅は疲れたが、特に何かをしていたわけじゃ無いしね。
横になって考え事をしていたら、見張りの女性2人の会話が聞こえて来た。
「ねぇ、非常識君の魔法、どう思う?」
「どう思うって言われてもね、魔法はそっちが専門でしょ?」
「彼の魔法ね、使ってる魔法自体は普通の魔法なのよ。だけど、威力が普通じゃない。それに転移魔法を使ってたでしょ?あれって、古代魔法の一種で現在では使える人が居ないとされているの。」
「古代魔法か、興味深いな。今回潜るのは古代遺跡だ。彼と何か関係があるのかもしれんな。ギルマスが彼を選んだ理由もその辺にありそうだ。」
あー、なんか思いっきり誤解されてるな。まあ、僕が古代語を読めるって言うのは黙っていた方が良いかな?
って言うか、転移魔法見せたの不味かったかな?でも、パーティーであまり隠し事をするのも何だしな。基本僕の戦い方に転移は不可欠だしね。後でバレると色々とややこしくなりそうだし。
まあ、他は小出しにして行こう。
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