転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 ここの所ベルクロスとの実践的訓練をしているお陰で、だいぶ、自分の強さが解って来た。ルシルと稽古をしていた時を思い出す。ベルクロスは技も多彩で動きも早い。しかも人間の姿から突然腕だけ竜化したり、尻尾を出したりする。更にブレスまで吐く。最初は戸惑ったが、今では受け流す事が出来るまでになった。

 ベルクロスにしても一人で1万年訓練していたので対戦形式の練習に慣れていなかったのか、最初は全力を出せずにいた。僕を倒そうと試行錯誤しているうちに現在の戦い方になって来た。

 相乗効果で良い訓練になってるんじゃない?そうブラスマイヤーに聞いたら。

「これで、やっとトルネロスと肩を並べた所だ。もう一段上に上がらないとガンドロスとは戦いにならんぞ。」

 そう言われた。邪竜ってどれだけ強いんだ?

 僕とベルクロスの戦いは最早神と神の戦いに近い。某戦闘民族の戦いの様になっている。流石に空間が狭くなって来たので魔法で拡大した。

 所で地面とかあちこちボコボコになってますが、外には影響ないんだよね?

 24時間戦い続けて外へ出る。僕が居ない間もベルクロスは中で自主トレやってるらしい真面目だなぁ。って言うかたまには外に出ないと待ち時間が長すぎない?そう聞いたらドラゴンの時間の流れは人間とは違うと言われた。そう言えば元神竜だもんな魂が元に戻った今数万年単位で生きるんだろうな。

 さて、外へ出た僕は農業に勤しむ。昨日古代の農業改革の本をじっくり読んでみた所、農地はアルカリ性にして置くのがベストらしい。この世界にそう言う科学的な時代が合った事に驚いた。ブラスマイヤーの時代って結構進んでたんだな。

 土をアルカリ性にするのは意外に簡単だ。灰を撒けば良いのだ。今の時代の燃料は基本薪だ。なので各家庭の竈には必ず灰がある。それを捨てずに取って置いて畑に撒くだけで良いのだ、昔の日本もたしかそうだった気がする。焼き畑農業と言うのもあるしね。これは簡単なのですぐに近所の農家の人に教えてあげた。

 それから害虫対策だが、この世界で手に入る物で考えると重曹と酢が簡単に手に入る。特に重曹は害虫だけではなく病気対策にもなるらしい。酢は基本どんな酢でも良いのだが木酢液が特に効果が高いらしい。

 木酢液は炭を焼く時に副産物として出来る物なのでコストが低いのも魅力だ。後で炭焼きをやってる人に交渉して仕入れよう。

 まあ、商店街などで売ってる野菜にも多少の虫食いはあるので、そこまで神経質になる必要はないのだが、病気で作物が全滅して飢饉とか勘弁してほしいからね。

 午後はプレイースに飛び米畑の様子を見て来た。半分は既に穂が垂れて来ている。残りの半分はまだ穂が出ていない。しかし、広さが半端無いな。2ヘクタール位ありそうだ。品種改良が出来れば年にこの町の半分位は賄えそうだ。まあ、輸出も考えているので、週に2食位はライスになれば良いな。同時に小麦畑も拡張したので農家が慢性的に不足気味らしい。

 ルキナとマークに指示し米を優先させて貰っているが、人口が増えれば小麦の収穫高も上がるだろう。

 北に移動して塩田の様子を見る。工事はほぼ終わり塩田の大きさは以前の2倍になって居る。フルに稼働させれば以前の2倍以上の塩が採れるのだが、現在は8割程度を余裕を持って回している。これは労働者の数がまだ少ない事と、労働時間を8時間に設定した為である。これでも以前よりかなり多くの塩が採れる。全部輸出に回せば王都の塩を7割は独占出来そうなくらいだ。

 まあ、そこまでやったら公爵が周りから非難を浴びてしまうのでやらないけどね。

 ここで取れる塩の1部は干物などの加工食品に使われる。前は閑散としていた浜辺も今では干物がずらりと並んでいる。鮮魚に干物と収入源が大幅に増えた漁師たちは今では一般市民と変わらない収入を得られる様になっている。

 新鮮な魚を見ると欲しくなるが、まだストレージに大量の魚が入っているので我慢する。

 一通り町を見て回り、満足して王都へ帰る。ルキナとマークには追加の指示をして置いた。

 王都の屋敷に戻ると皆でお茶をしている最中だった。セリーさん隠しても匂いで解りますよ。ドーナツを食べてましたね。

 って言うか別に怒らないのになぜ隠す?

「別にドーナツを食べても怒らないけど、あまり食べ過ぎると太るから気を付けてね。」

 そう言ったら皆一斉にお腹を見た。

「そう言えばアリアナは少しふっくらしてきたかな?妊娠のせいか?」

「どうでしょう?お腹が空くのは確かですが。これも妊娠のせいですかね?」

「お母さんか産婆さんに一度じっくり話を聞いたらどうだ?」

「そうですね。そうします。」

 セリーがその会話を羨ましそうに聞いていた。

「そう言えばセリーも若干ふっくらとして来たな?」

「そうですか?自分ではあまり意識していませんでしたが。」

「ちょっと鑑定掛けて良いか?」

「はい。」

 鑑定を掛けると状態が『妊娠』になっている。

「セリーも妊娠してるぞ。」

「え?」

 その場には執事のルーメンさんやメイドも数名いたのであっという間に屋敷がオメデタムードになる。

 セリーはアリアナと違って正妻なので男児が生まれれば跡取りになる。使用人達のテンションも上がるらしい。

 翌日稽古の後、公爵家に挨拶に行った。

 セリーの口から妊娠の報告をすると公爵夫妻は大いに喜んでいた。その後、公爵と少し仕事の話をする。

 公爵家が王都の塩の価格を下げてから、公爵家の力を無視できない物と周りの商人や貴族が見る様になったらしい。これにより、大きな仕事の話が舞い込むようになり公爵家は今では商業ギルドが一目置く程の発言力を持つようになったらしい。

「まさにゼルマキア卿の言う通りになったよ。塩を握った途端、世界が変わった様だ。」

「それもこれも公爵と言うブランドがあったからです。それが無ければこの計画はそもそも実現出来ませんでしたよ。」

「ふむ、卿は武にも知にも長けている様だな。私には思いつかない方法だったよ。おかげでコーヒーやお茶も自然と売り上げが上がっている。」

「それは良かった。僕も毎日公爵家のお茶を飲んでますよ。」

「これで公爵家の憂いは無くなった。後はセリーの幸せを祈るばかりだな。」

「今日は良い報告が出来て良かったです。やっぱり王様にも報告しないと駄目ですかね?」

「ああ、兄はセリーを溺愛していたからなぁ。」

 公爵の困った顔が印象的だった。

 公爵家を辞した後その足で王城へ向かった。王城までは5分も掛からない。

 門番に貴族の証を見せるまでもなく奥へと通される。宰相が出て来て用件を聞かれたので、正直に話す。すると例の応接間で待ってるように言われた。

 するとバタバタと慌てた様子で王様が駈け込んで来た。これは家臣には見せられないわな。

「子供が出来たと言うのは本当か?」

「はい、叔父様。」

「でかした!セレスティアの子供ならワシの孫も同然。体を大事にするのだぞ。解っておるな?」

「はい、元気な子供を産みます。」

 王様はうんうんと頷きながら涙ぐんでいる。おいおい大丈夫かこの国?

「ゼルマキア卿。お主も大儀であった。」

「はっ!陛下にこの様な報告が出来私も大変喜んでおります。」

「うむ、セレスティアの事頼んだぞ。」

「御意に。」

 なんで実の父親より緊張しなきゃならないんだと言う理不尽さを胸に帰路につく。

 家に着いたらなんかパーティーの準備がされてるんですけど?まだ生まれてませんよ?

 幾ら貴族でも妊娠記念パーティーとか無いよね?

 これはあれだ、なんでも良いから理由を付けて騒ごうと言う奴だな。

 ついでなので僕も新しい料理を作ってみるか。仕込み中のパン生地を少し貰って丸く丸めてから平らにしていく。トマトソースを塗ってトマトと玉ねぎのスライス、パプリカとピーマンの間の様な野菜を乗せる。腸詰の薄切りを乗せて、上からチーズを細かくした物をパラパラと振りかける。後はオーブンで焦げない様に焼けば完成だ。

 ピザカッターが無いのでエアカッターの威力を最小にして切り分ける。皿に乗せて完成だ。

 どうせなので使用人も今日は無礼講で参加OKにした。冷えたエールを大量に用意した。ワインは樽から好きなだけ飲んでよいぞ!

 あ、妊婦2人はアルコールは駄目ね。

 ピザは好評で、見習い君がパーティーの間ずっと焼いてた。見習い君ごめんね。他の料理人達はパーティーに参加出来たのに見習い君は出来なかった様だ。

 その後甘いものも振舞われ、ますます忙しい見習い君であった。 
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