転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 道場が安定して来たので、生活に少しゆとりが出て来た。嫁や子供たちと触れ合う時間も増えたし。2週に一回はアスアスラの所へも行って居る。

 まさに平穏無事と言いたいところだが、1つ懸念がある。ライザだ。ここの所ライザの様子がおかしい。いや、前からおかしかったが、輪をかけて様子が変だ。

 稽古の後に話しかけてみた。

「なぁ、ライザ。何か悩み事でもあるのか?」

「悩み事と言うよりは、知的好奇心でしょうか?」

「意味が解らんが?」

「奥方様3人は妊娠しているんですよね?この世界の生物は皆、ああ言う形で種を増やすのでしょうか?」

「いや、全てでは無いな。まあ、幾つか種を増やす方法はあるが、人間はこの形だな。」

「でも、ルシルさんは人間ではありませんよね?」

「今のルシルは人間を模している。当然繁殖方法も正確に模している。」

「その理論から言うと、今の私も人間の体をコピーしている訳ですから妊娠が出来ると言う事になりますよね?」

「それは僕に聞かれても何とも言えないな。どのレベルでコピーされているのか分からないからな。」

「実は自分の体を分析して、子供が出来る可能性を解析してみたのですが、細胞レベルでコピーしているので、99%可能だと言う結果が出ました。」

 ん?なんだろう嫌な予感しか浮かばない。

「分析、解析をしてデータが出ると、次の段階に移りたくなるのが研究者の宿命でして。」

「お前、まさか?」

「私も妊娠してみたいです。」

「あのなぁ、そんな理由で生まれた子供が可哀そうだとは思わないのか?」

「人間の感情に関する研究はまだ途中でして。」

「で、結局お前は何がしたいんだ?」

「人間の生殖行動を試してみたいと思っています。」

「1人で?」

「やはりここは、貴方の協力が必要だと思います。」

 嫌な予感敵中だよ。

「なんで、僕が?」

「消去法ですね。他に適当な相手が居ません。」

「いやいや、その理論はおかしい。って言うかそれだと僕も除外されるはずだぞ、僕は普通の人間じゃ無いからな。」

「でも、奥方様は皆さん妊娠してますよね?」

「って言うか、お前、見た目は女だが、明確な性別って無いんだろう?」

「ああ、女性の生殖器官を持った時点で雌と言うカテゴリーに入りました。」

 何だ、その都合の良い言い訳は?

「悪いが、僕は好きでもない女と子供を作る気は無い。」

「え?私の事嫌いなんですか?」

「いや、嫌いでは無いが、その好き嫌いとはまた違った感情の好きの話だ。」

「人間とは、難しいですね。解りました。感情について、もう少し研究を進めましょう。」

「ああ、そうしてくれ。」

 何故か、その夜。僕はライザの部屋でライザを抱いていた。

 事が済んで落ち着いて来るが、なぜこうなったかが思い出せない。

「どう言う事だ?」

「あなたの精神にほんの少し干渉しました。」

「ん?精神攻撃には自動防御が働くはずなのだが?」

「精神攻撃ではありませんよ。あなたの心のブレーキをほんの少し緩めただけです。」

「それって、これは僕が望んでいたって事?」

「そうなりますね。」

 僕は自己嫌悪に陥りながら自室へ戻った。よりにもよって得体のしれない異次元生物としてしまった。1回じゃ妊娠しないよね?

 と言うか、こう言う事って1度しちゃうと2度目からの罪悪感のハードルが下がるんだよね。結果、定期的にそう言う関係になって行くのである。

 嫁3人とは出来ないしアスアスラはたまにしか会えない。そうなると身近なライザでってなるよね。

 ああ、妊娠したらどうしよう?こうなったら避妊の魔法を使うか?

 何度か体を重ねるうちに情と言う物が出て来る。これは困ったぞ。そう言えば、帝国に居るリアンの件もある。ハーレムを望んだ事もあったが、これは色々と不味く無いか?

 毎朝の稽古は続けているが、もはや邪竜退治など関係なく、皆のストレス発散の場になって居る気がする、素手で戦うので誰が一番強いかは決め辛いが、あえて、それは決めなくても良い気がする。

 稽古後は仮眠を取ってから空間から出て来る。この時点で9時過ぎだ。すぐに帝国へ飛んで道場へ行く。子供たちの相手をしているうちに10時になる。道場の始まりの時間だが、基本師範に任せている。師範が一通り門下生に指示が終わり。11時、ここから師範を鍛える。ベルたち4人が居れば一緒に鍛える。リリが来るのは週に1度だ。それも僕が帰る30分前。僕はリリと模擬戦形式で戦い。リリに自分の課題を自分で見つけさせる。そして帰る。僕が帰った後も門下生や師範たちは稽古を続けている様だ。別に強要はしていない。皆自主的に行っている。

 2時には王国へ帰る。時々公爵と仕事の話をするが、基本は家に帰って家族サービスだ。甘い物を作ったり、一緒にお風呂に入ったりする。

 領地の経営はトラブルが無い限りは文官に任せている。ルキナとマークが有能なので助かっている。

 さて、厨房なのだが、家の厨房に弟子入りしたいと言う者が殺到しているらしい。一応特別枠で2名採ったが、これ以上はキャパ的に無理だ。現在7名体制で厨房が回っている。見習い君が僕の料理や帝国のレシピを新人たちに教えているそうだ。

 我が家は他の侯爵家より人数が多い。通常侯爵家は家族と使用人合わせて40名くらいなのだが、うちは何故か50人も居る。給料は問題無いのだが部屋数が足りない。そこで屋敷の裏手にメイドの寮を増築した。15人程住める寮で、簡単なキッチンと風呂トイレ付きである。今まで2人部屋だった場所も1人部屋に改造して。若いメイドが外、ベテランメイドが中と言う風に分けた。また、庭師は家族で雇ったので一軒家を与えている。

 給料は一律月に金貨1枚を支払っている。執事とメイド長、それから文官は追加報酬が出ている。住み込みで食事付きとしての給料で金貨1枚は破格の給料であるらしい。現にメイドは増える一方で辞める者はまずいない。他の使用人もそうだ。

 更に言えば、家は当主も家族も、使用人も同じ食事が出る。これは珍しいのだそうだ。大抵の貴族は使用人には安い物を食べさせるのだとか。僕は元が平民だからか、そう言う考えはあまり好きじゃない。更に、お菓子なども自由に摘まめるように用意してある。これも普通の貴族では考えられない事だそうだ。

 そう言う待遇面の良さと、執事のルーメンさんの目利きに寄って選ばれたメンバーと言うのが相まって、家はかなり過ごしやすい環境となって居る。メイドネットワークでも評判は高いそうだ。

 まあ、僕の収入が多いと言うのも関係しているのかもしれない。お金を気にしないで動けると言うのは貴族にとってはかなり重要だ。現に、収入の少ない下級貴族等は、日々の食事さえ抑えて生活している。メイドの食事に割ける金額は非常に僅かな物になる。雇える料理人の数も最低限となる。結果、辞めて行く使用人が出て来るといった負のスパイラルに陥る。

 実際、貧乏貴族はかなりの数居る。中には爵位が高くても、お金がなく没落する貴族もあるのだそうだ。国はそう言う貴族を無くすために爵位に応じた金額を毎年予算として計上し、分配しているのだが、それでもお金の使い方の下手な貴族は結構な数居るらしい。

 ちなみに僕が公爵家に力を貸したのはそう言う貴族を救済する為である。まあ、僕にばかりお金が集まると目立つって言う理由もあったのだが、公爵のお陰で貴族になれたので、多少の恩返しと言う意味もあるし、セリーの実家と言うのも大きい。

 アリアナの実家も借金はあると言うが、没落するほど切羽詰まっている訳では無いそうだ。まあ、国王派なので何かあったら陛下が助けてくれるのかもしれないし、僕も多少なら援助するつもりだ。

 ここ1年程で公爵派は大きく力を付けた。公爵家は王家の血筋で、陛下と公爵は仲が良い。と言う事で公爵派が力を付ける事は、実質王家の力が増す事になり、王国は安定する。

 一時は国王派の脅威だった3公爵は僕と言うイレギュラーのせいでだいぶ勢力を削がれ、今では派閥から抜ける者も多いと聞く。結果無派閥が増えた。僕の派閥に入りたいと言う貴族も結構いるが、今は派閥を大きくする気は無い。

 一方僕は帝国でも貴族をやっている。こちらは派閥は無いそうだ。まだ皇帝には会って居ないが、帝国に対して悪い感情は抱いていない。もし、皇帝と国王陛下の会談が実現するのであれば、同盟を結ぶと言うのもありかなと最近では思い始めている。

 そうなれば大森林を取っ払って、王国と帝国の間で交易を始めたら面白いとも考えているのだが。さて絵に描いた餅になるか、実現するかは時代の流れが決める事になるだろう。

 僕が帝国に吹き込んだ風は何かを変えてくれるのだろうか?
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