転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 約束の日、王城へ物資を取りに飛んだ。宰相が待っていたので話は早い。物資は騎士団の屋内訓練場に置いてあるそうだ。案内して貰い、辿り着くと陛下がそこに居た。

「おお、待って居ったぞ。薪は1万人分だが、食料は2万人分確保出来た。全部持てるか?」

 物資は100メートル×80メートルの訓練場に山の様に積まれている。ふむ、この程度ならストレージじゃなくてマジックバッグでもイケるな。

「この量なら問題無いですよ。3倍でもイケます。」

 そう言って片っ端からストレージに詰め込んで行く。

「実際に見るととんでもないな。1人で戦争が起こせそうな勢いだ。」

 まあ、あながち間違いでは無いので笑って誤魔化す。

「物資は誰に渡せば良いのですか?」

「領主に渡してくれ。それから大体で良いので被害の状況も確認して来てくれると助かる。」

「解りました。」

 そう言ってブレイルに転移する。

 転移するとそこは白銀の世界。気温も低く雪が吹雪いている。急いで防寒着を着た。王都が暖かいから忘れてたよ。

 ブレイルの領主とは面識が無い。なので冒険者ギルドへ向かう。久しぶりだが覚えているかな?

 冒険者ギルドへ入ると、人数は少ないが冒険者達が居た。この雪の中で活動するとは感心だな。

 窓口を一通り眺めると見知った顔を見つけた。ミリムさんだ。まだ窓口やってたんだな。

「お久しぶりです、ミリムさん。」

「え?あ、もしかしてエイジ君?」

「覚えててくれましたか?」

「まあ、あれだけ派手にやらかしてくれたからねぇ。そう簡単には忘れないよ。」

「実は国王陛下の使いで来ました。ギルマスに取り次いで貰えますか?」

「陛下の使い?出世したのねぇ。」

 そう言って奥へ向かい、職員に指示をしている。数分で戻って来た。

「少し待ってね。見ての通り雪のせいでギルドも大変なのよ。」

「冒険者達は何をしているんですか?」

「狩りや少し離れた町へ食料の買い出しに行ってもらっているわ。」

「食料不足はかなり深刻なんですか?」

「まだ、そこまで深刻では無いけど、このまま雪が降り続くと深刻化するわね。」

「ちなみに貯蔵庫に空きはありますか?」

「空きはあるけど、もしかして、何か提供してくれるの?」

「アイテムボックスに大量の魔物が眠っているので欲しいだけ出しますよ。」

「助かるけど、そんなにお金は無いわよ。」

「無償で出しますよ。ここにはお世話になりましたからね。」

 そんな話をしていると、2階からギルマスが下りて来た。

「おお、坊主。久しぶりだなぁ。貴族にはなれたか?」

 そう言えばギルマスは元Sランカーだから、男爵位を持ってるんだよな。僕の事も男爵だと思って居るんだろうな。

「お陰様で。今は侯爵をやらせて貰っています。」

「なにぃ!2年前に男爵になるって言って出て行って、なんで、侯爵やってるんだ?出世早すぎないか?」

 ああ、ギルマスの声が大きすぎて、皆に僕の正体がバレてる。ミリムさんも驚いているし。

「その話は後程、実は国王陛下の使いで来ました。領主の所に案内して下さい。」

「ん?陛下の使い?」

「ええ、支援物資を運んできました。」

「それは助かるが、領主邸には物資を置く場所が無いな。困ったぞ。」

「もし、何でしたらマジックバッグを貸しましょうか?」

「おお、その手があったか。しかし、マジックバッグは貴重品だろう?」

「問題無いですよ。自分で作れますので、幾つでも貸せますよ。」

「相変わらず、無茶苦茶な奴だな。おっと、侯爵様に失礼な言葉使いだったか?」

「ははは、構わないですよ。昔と一緒で大丈夫です。ところで、領主様と知り合いなんですか?」

「知り合いと言うか、義理の兄になる。」

 それが一番驚きだよ。って言うか、地方では貴族の数が少ないから、自然とそうなるのかな?

「じゃあ、ギルマスに任せますね。支援物資は薪が1万人分と食料が2万人分です。これはマジックバッグに入れてお渡ししますので、領主様に届けて下さい。」

「解った。確かに預かった。責任を持って届けよう。これだけあれば2か月は凌げるだろう。助かるよ。」

 そう言ってマジックバッグを2つ渡す。

「しかし、でかいマジックバッグだな。これに今言った量が入ってるのか?」

「そうですね。1つが100メートル四方ありますので。」

「100メートル四方って国宝級って言うか、国宝では?」

 ミリムさんが耐え切れずに突っ込みを入れて来た。

「いやいや、この町位入るマジックバッグも作れますよ。」

「流石にそれは話を盛ってるだろう?」

 本気を出せばこの星位イケるのだが黙って置こう。

「さっきミリムさんにも話をしたのですが、陛下の支援物資とは別に、僕個人からも支援物資があります。それはギルドにお渡ししますので、自由に使って下さい。具体的には暖房の魔道具3000個と魔物の素材です。」

「暖房の魔道具?」

 僕は1個見本に取り出し、動かして見せる。

「これが暖房の魔道具です。暖炉の代わりに使えますし、薪を使用しないので、その分薪の節約になります。」

「ほう?これは助かるな。薪の節約になれば、その分、長く耐えられる。正直この雪が何時止むのか判らんからな。」

「魔物の素材は、貯蔵庫に出しますか?それともバッグの方が良いですかね?」

「どの位あるんだ?」

「食べられる魔物と言う限定で行けば、100メートル四方のマジックバッグ2つ分くらいでしょうか。」

「バッグで頼む、うちの貯蔵庫はそんなにでかくない。」

「解りました。じゃあこっちの物資はミリムさんに預けます。領主の分と混じったら困りますからね。」
 
 そう言って3つのバッグをミリムさんに手渡す。

「実際問題どうでしょう?このまま雪が降り続くと何時まで耐え切れますか?」

「それなんだがな、雪が降っているのはこのブレイルを中心におよそ12キロの範囲と解って居る。つまりそこから出れば物資も薪も手に入る。なのでギリギリ春までは耐えきれると考えている。」

「なるほど、調査はしたわけですね。しかし異常気象の原因は解らないと。」

「そう言う事だな。春になれば雪は止むと考えている。いや願っている。」

「解りました。陛下にはそう伝えて置きます。後、僕も少し調査をしてから帰りますので、何か判ったら教えますね。」

「済まんな。ああそう言えば、名前を聞いて置かないとな。領主に報告する時に困る。」

「あ、そうですね。エイジ・フォン・ゼルマキア侯爵です。」

 名乗ってから冒険者ギルドを後にした。その後、フライで上空からブレイルの町を調査する。確かにブレイルの町を中心に円状に白く雪が積もっている。試しに円の外に出てみると急に暖かくなる。なんだこれ?明らかに何者かの意思が介入しているよな?

「ブラスマイヤー。この異常気象の原因が解るか?」

「異常気象なら自然現象だろう。何らかの理由があるはずだ。だが、これは自然現象とは思えんな。恐らくだが、精霊界で何かが起こっているのでは無いかと思うぞ。」

「精霊界?そう言えば前にルシルが精霊界がどうのって言ってたな。」

「実際に行って見ないと解らんが、暗黒竜がそう感じたのなら、それなりの何かがあるはずだ。」

「精霊界って簡単に行ける物なのか?」

「普通は無理だが、今のお前なら行けるだろう。」

 ああ、神と同等の力を持っているんだっけ。最強が周りに何人もいるから忘れてたよ。

 まずは一旦戻って、ルシルに話を聞こう。それから陛下に報告もしないとな。

 時間が4時を回って居たので、王城への報告は明日にした。家に転移する。やはり王都は暖かい。

 まずは子供たちの顔を見てから風呂に入る。ブレイルが寒かったので天国の様な気分だ。その後、ルシルに話を聞いた。

 ルシルによると、ルシルの妊娠が発覚する前あたりから精霊界との交信が途絶えたそうだ。交信と言っても会話をする訳では無く、精霊界の様子を覗くような感じだそうだ。もっと言うとその前から何か違和感の様な物を感じていたらしい。

 そう言えば、ルシルが稽古に参加する時になんか、それっぽい事を言っていた気がする。

「一度、精霊界に行って見ようと思って居るんだが。ルシルも行くか?」

「うむ、私も気になる。連れて行ってくれ。」

「解った。じゃあ、明日の午後に行くから、シルフィーヌの事をちゃんとメイドに頼んで置けよ。」

 確か、人間界と精霊界では時間の流れが違うんじゃ無かったかな?早いんだっけ?遅いんだっけ?
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