転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 3つ同時に首を落とす。簡単に考えて居たのだが、それぞれの首に属性があるとしたら、ちと厄介だな。

 そう言えば最初の首はスパッと切れたのに、再生したら切れなくなっていた。再生するたびに属性が変わるのかな?

 それに黒い物体を吸い込んだのも気になるな。あれは何なんだろう?

 まあ、あまり時間を掛けていてもしょうがない。さっさと蹴りを付けるか。属性の違いがあると判ったならやりようは幾らでもある。あまり見せたくは無いが、魔法剣士の戦い方をするしかないな。

 もう一度ライトニングを3つの首に落とす。今度は左の首が残る。こいつは魔法防御の属性って事だ。確認すると同時に素早く剣で首を切り落とす。思った通り、この首は切れる。

 これで3つの首を同時に沈黙させたはずだが、あれ?倒れませんけど??

 どうなってるんだ?首は再生しないのに生きている?ゾンビ?

 首を失ったヒュドラに攻撃手段は無い。だが、このまま生かして置くのもどうかと思う。魔物なら魔石を取れば死ぬだろう。

 僕は次元斬を使って文字通りヒュドラの巨体を真っ二つにした。

 さて、魔石を抜き取るか、そう思った時にヒュドラの体中から黒い物が滲み出て来て、やがて集まり。宙に浮かび飛んで行った。

 ようやくヒュドラの体をストレージに入れる事が出来た。これはヒュドラが死んだ事を現す。

「あの黒いのなんですかね?」

「解らんな。ギルマスに報告しよう。あ、ちなみにヒュドラの死体は素材にならんぞ、毒だらけで食えないし、ドラゴンみたいな牙や鱗も無い。」

「そうなんですか?厄介なだけで金にならないなんて、とんでもない魔物ですね。」

「いやいや、とんでもないのはお前さんの方だ。なんでアレを一人で倒せるんだ?」

「Sランクだから?」

「なんで、疑問形なんだよ。」

 ビトーは突っ込んだ後、最近の若い者はとか時代は変わったとか独り言をぶつぶつ言っていた。

 10人で帝都を目指す。この時間なら徒歩でもギリギリ閉門までに帰れるだろう。僕一人なら転移で飛ぶのだが。

 基本魔物は他のメンバーに任せる。僕ばかり活躍しても報酬は変わらない。それに南に向かうに従って魔物が弱くなっていく、イービルボアでも出ない限りは僕の出番は無いだろう。

 およそ2時間半かけて、王都に辿り着く。思ったより魔物が少なかったのと、魔物が正常に戻ったのが幸いして、閉門までまだ1時間の余裕があった。

 北門を潜り急ぎギルドに向かう。

 ギルドではビトーが代表して、ギルマスに経緯を報告する。当然ヒュドラの話になり、黒い物体の話も出る。

「おそらくだが、その黒い物体は悪霊だな。」

 悪霊?そう言えば、フローネル嬢の言ってた話と符合するな。あれが悪霊か?

「悪霊が今回の魔物の異変の元凶と言う事で良いのですか?」

「ああ、話を総合するとそうなるな。しかし、悪霊を逃がしたのは痛いな。」

「また、同じような事が起きると?」

「うむ、それもあるのだが、悪霊と言うのは実体化した時が倒すチャンスなんだ。火魔法で簡単に倒せるぞ。」

「あれ?神聖魔法じゃ無くて火魔法なんですか?」

 僕はつい声を上げてしまった。

「もちろん神聖魔法も効くが、弱点は火魔法なんだ。まあ、ある程度の火力は必要だが、今回魔法使いが3人居たわけだから、倒すのは余裕だったはずだ。」

「事前に知識があれば可能だったのですが、正体が判らなかった物ですから。」

「まあ、悪霊なんてめったに現れないから知らないのも仕方ない。しかし、不味いな、悪霊と言うのは時間が経つとどんどん大きく強くなる物なんだ。」

「それは、負のエネルギーを吸収しているって言う認識で間違いないですか?」

「ああ、そう言う事だ。それに、普段は、適当な魔物に取り憑いているからな。探すのも難しい。」

 なるほど、今回ヒュドラを退治した時に現れたのは絶好のチャンスだった訳だ。僕が火魔法で止めを刺せば良かったのかもしれない。

「まあ、とりあえず、魔物が元に戻ったのは吉報だ。早速出入り禁止を解除しよう。調査依頼は成功と言う事で、報酬を出すので受け取ってから帰ってくれ。」

 そう言うとギルマスは皆にサインの入った依頼書を1枚ずつ手渡す。

「今回の依頼報酬は一人金貨120枚だ。エイジには別途ヒュドラの討伐報酬も出るぞ。」

 え?ヒュドラって素材にならない魔物じゃ無いの?アレを倒しても報酬が貰えるんだ?

「ヒュドラはSランクの魔物だ、それに悪霊が付いていたとなれば、災害級の上、天災級に匹敵するだろう。正直討伐隊を組織しても、どれ位の被害が出るか判らん魔物だ、それを退治した功績は大きいぞ。」

 いや、あれが天災級なら、竜王の爺さんなんか、何級なんだ?

 まあ、くれる物は貰う主義ですので断りませんが。

 結局白金貨6枚になった。かなりの儲けだな。まあ、カードに貯金なので現実感は薄いが、伯爵家を維持するにはそこまでお金は掛からない。フローネル嬢もリアンも浪費家では無いので月に白金貨5枚もあれば足りる。

 正直、僕の帝国での稼ぎは月に白金貨60枚程度、年計算だと白金貨720枚。これに更に国からの支給金が年に白金貨20枚程来る。

 多分、伯爵家の中でもトップレベルに稼いでいるだろう。金を回すのが貴族の義務だ。フローネル嬢にはもう少し贅沢をして貰っても良いかもしれない。

 まあ、通常ハンターはそれほど長く続ける仕事では無い。なので貯蓄をして置こうと言う考えかもしれないが、どうやら僕の寿命は他の人間よりかなり長そうだ。ハンターで居られる期間も長くなるかもしれない。

 それに、ハンターを引退しても商売をするって言う手があるしね。元々僕は商人として帝国に来たって事を忘れて居たよ。

 家に帰ってフローネル嬢に相談をする。リアンはお金の話が向かない。多分白金貨が出て来た時点で頭が混乱するだろう。

「現状で、うちの年収は白金貨で740枚ある。しかしながら、半分も使いきれてない状況だ。別に無駄遣いをしろとは言わないが、有効な使い道は無いだろうか?」

「それでしたら、商売を始めてみませんか?」

「商売?しかし、僕には商売をしている時間が無いぞ?」

「それは、私とリアンで回します。」

 ふむ、考えは悪く無いが、皇女であるフローネル嬢に商売が出来るのであろうか?

 まあ、失敗しても大した金額にはならないだろうから、問題は無いか?

 それよりもフローネル嬢を家に篭らせておく方がストレスが溜まりそうだ。爆発したら怖いしね。

「で、何の商売をするんだ?」

「それは、リアンと相談しますわ。旦那様はスポンサーと言う事でどうでしょう?」

「ん?僕は噛ませて貰えないのか?」

「旦那様はこれ以上稼ぐ必要は無いのではないですか?」

 言われてみればそうなのだが、面白そうな事には一枚噛みたくなるのが人情って物じゃないかい?

「稼ぐ稼がないは別にして、面白そうな事をするのに黙って見ているだけってのは結構辛い物だぞ?」

「そうですか?仕方ありませんねぇ、旦那様も仲間に入れて差し上げましょう。」

 あれ?僕の立場おかしく無いか?

 と言う事で食事の時間に会議をする事になった。

「どうでしょう?そう言う事で何か商売を始める事になったのですが、リアンは何かやりたい商売とかありますか?」

「それでしたら、料理店はどうでしょうか?旦那様は物凄く料理が上手いんですよ。」

「悪く無い提案ですが、出来れば旦那様に頼らずに私とリアンの2人で出来る事をやりたいと思っています。」

「私はこれと言った特技はありません、なのでフローネル様が得意な事を教えて下さい。」

 リアンはフローネル嬢の事をフローネル様と呼ぶ。まあ、リアンは第二夫人なので間違っては居ないのだが、先にこの屋敷に来たリアンがフローネル嬢を様付で呼ぶのは何か違和感がある。

「私もこれと言った特技はありません。ただ、計算は得意です。」

 おいおい、大丈夫か?

「話をするのも良いが食事もちゃんと取れ。冷めるぞ。」

「「はーい。」」
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