転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 子熊亭を出てハンターギルドに向かう。幼女に鍵を預けるシステムになっている様だ。ギルドまでは歩いて10分と、まあ近い距離だ。この世界の人は良く歩く。まあ、移動手段が無いのだから仕方ないのだが、歩くスピードも速いし、平気で2~3時間は休みなしで歩く。

 僕は、もう慣れたが、フローネル嬢は普段馬車を利用しているので、歩き慣れていない様だ。時々遅れて駆け足になっている。

 ギルドに着くと朝のラッシュ時間は過ぎている様で、思ったよりは人が少ない。

 それでも、窓口にはそれなりの列が出来ている。僕らは一番短そうな列に並んだ。

 やがて、順番が回って来る。

「初めての方ですね?ご用件は何でしょう?」

「ハンター登録をお願いしたいのですが。」

「お2人様一緒で構いませんか?」

「お願いします。」

 そう言うと、何やら水晶の様な物がはめ込まれている機械を持って来た。あれで何を測るのかな?この辺のシステムは帝国とは違う様だ。

「こちらに順番に手をかざして下さい。これは犯罪歴を調べる機械です。犯罪歴がある者はハンターにはなれません。」

 なるほど、帝国の石板はステータスと一緒に犯罪歴も調べられたが、王国では別になっている様だ。これは帝国の方が技術が進んでいると言う事なのかな?

 僕とフローネル嬢は順番に水晶に手をかざした。特に変化は見られないが、どうなんだ?

「お二人とも犯罪歴は無いようですね。では、こちらの書類に必要事項を書き込んで下さい。代筆が必要なら私が書きますので言って下さい。」

 渡された書類は名前と職業、スキルや使える魔法を書く欄がある。もしかして、全部手書き?これって、自己申告なら誤魔化しも可能なんじゃない?

 とりあえず、名前を書いて、職業は剣士にしておいた。スキルは身体強化で、魔法は回復魔法と書く。嘘は書いていない。大幅に省略はしてるけどね。

 フローネル嬢も僕が書いた物を真似て、ざっと大雑把に書く。

「これで、よいですか?」

 そう言って窓口のお姉さんに渡すと受理された。まあGランクだからな。そこまで厳密にする必要は無いのだろう。

 5分位待つと、お姉さんが帰って来て、僕らにカードを渡してくれた。名前とランクが書いてあるだけのシンプルなカードだ。

「こちらがハンターカードになります。身分証にも使えますが、失くすと再発行に金貨1枚掛かりますのでご注意を。」

 あれ?ちょっと待って、それだけ?ステータスとかの説明は無し?

「それから、こちらの小冊子を良く読んで置いて下さい。ギルドでの注意点等がまとめてあります。」

 受け取った小冊子は基本的な事しか書いていない。

「あの、ステータスとかは、何処で確認すれば良いのでしょう?」

「ステータス確認はギルドに入ってすぐ左手にある、ステータスボードで出来ます。利用は無料ですので、こまめに確認する事をお勧めします。」

 なるほど、国が変わればシステムも変わるんだな。とりあえず、アレには近づかない方が良さそうだ。僕らのステータスは他人に見られると不味い。

「GランクはFランクまでの依頼が受けられるんですよね?」

「そうですね。基本、自分のランクの1個上の依頼まで受けられます。Gランクの依頼は全て常時依頼ですので失敗してもペナルティーがありません。どんどん受けてランクを上げて下さい。」

「ちなみにランクアップの方法は?」

「王国のギルドではポイント制を採っています。Gランクで30ポイント獲得すればFランクに昇格します。」

「ポイントってどうすれば獲得出来るのですか?」

「そうですね。例えば、薬草の採取の依頼があるとします。基本が5本なら、最初の5本はポイントにはなりません。10本採取してくると1ポイント、15本なら2ポイントと言った具合ですね。」

「それは魔物でも一緒ですか?」

「はい、そうなりますね。」

「ちなみにGランクでも狩れる魔物って居ますか?」

「南の草原に居る、ホーンラビットならGランクでも狩れますよ。肉と毛皮が素材になるので人気があります。」

 ホーンラビット?角兎だよな、帝国では見た事無いが、王国特有の魔物なのかな?でも、南って言うと帝国に近いよな?

「この辺の屋台で串焼きとだけ書いてあるのは皆ホーンラビットの肉ですよ。一度食べてみる事をお勧めします。あっさりしていて美味しいですよ。」

 お?アレか?あの鶏肉っぽい奴がホーンラビットか。あれは美味かったが、タレの力が50%は占めている気がする。

 あ、タレと言えば醤油をゲットしないと。みりんもあるなら欲しい所だ。

 って、本来の目的を忘れてるじゃん。悪霊の調査に来たって事を忘れてどうする。

 とりあえず今日は南の草原に向かった。ホーンラビットとやらを見て見たかったしね。ギルドのお姉さんの話では、ホーンラビットの弱点は角だそうだ、角にも神経が通っているらしく、角を折ると失神するらしい、失神した所を捕まえて、首を割き、血抜きをすると肉も高く売れ、毛皮も状態が良いので買い取り額が上がるらしい。

 ちなみに、ホーンラビットは状態が良ければ大銅貨3枚から5枚で買い取って貰えるそうだ。

 ホーンラビットは5匹で討伐依頼が出ている。10匹狩れば、討伐報酬が大銅貨5枚出て、ポイントが1付く。更に素材が銀貨3枚になるので、日本円で3万5千円になる。1日2人で3万5千円は、どうなんだ?

 宿代が2万円だから、実質1万5千円が儲けだ。暮らして行けない訳では無いが、かなりギリギリだな。やはり早めにランクを上げるのが良い様だ。

 まあ、僕らはここに住む訳では無いのでハンターをしながら調査もしないとイケない。ただ、王国の魔物の状況も確認しておきたいところだ。

 他にも町の様子も見て置きたい。帝国との差も知って置きたい。やる事は沢山ある。やはりハンターのランクを気にしている暇は無さそうだ。
 
 とりあえず、今日は初日なので、ホーンラビットをサクッと10匹狩って、ギルドに戻り、早めに宿屋に帰る。

 宿屋の部屋はツインなのだが、ハッキリ言って狭い。フローネル嬢は珍しそうに見まわしているが、何日で音を上げるだろうか?

 更に言えばトイレは共同だし風呂も無い。僕は慣れているが、慣れていないフローネル嬢にはきついだろう。

 6時を回ると夕食が取れる。幼女が呼びに来たので下に降りる。

 宿屋は食堂も兼ねている様で、宿泊客以外も結構訪れる。なので、6時になると同時に客が押し寄せる。まだ、早い時間なのに満席に近い。まあ、席数が少ないと言うのもあるだろうが。

 メニューは無い。その日の食材でメニューは決まる様で、今日は肉のワイン煮込みと野菜炒め、それにスープとパンが付く。結構豪華だ。追加でエールを2杯頼んで氷魔法で冷やしてから飲む。

 食事は美味い。正直、帝国と同じ位のレベルだが、煮込みに醤油が使われているのがポイントが高い。僕的には落ち着く味だ。

 フローネル嬢は変わった味だが、美味いと評価していた。

 食事はOKだ。問題は狭いベッドだが、寝るだけなら大丈夫かな?それ以外は調査に出ないとイケない訳だし。仕事と割り切れば耐えられるだろう。

 食後に部屋に戻る。普段ならここから大人の時間なのだが、この安宿の薄い壁では色々と差しさわりがある。

 少し話をして、早めに寝る事にする。

「旦那様とこうやってお話しするのも悪くはありませんね。」

 フローネル嬢は初めての海外旅行に少し浮かれている様だ。

 翌朝、習慣で5時には目が覚める。フローネル嬢はまだ寝ている。起こすのも可哀相なので、ベッドの中で考え事をしていると、30分程でフローネル嬢が目覚めた。

 朝食は6時から取れるそうだが、まだ30分はある。着替えて、今日の予定を立てる。今日は王都をあちこちと見て回るつもりだ。ついでに王国の珍しい物をゲットしたい。

 朝食はパンケーキの様な物にオムレツとベーコンが付いていた。コーンスープが美味かった。
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