転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 この博士大丈夫かなと思いながらも、ストレージからコピーした魔法陣を取り出す。原本は出せない。もしストレージから出して発動したら大変な事になるかもしれないからだ。

「ちょっと、これを見て下さい。」

 そう言って魔法陣を渡した。

「ほう?これは防御力低下の魔法陣じゃな。」

「あれ?ちょっと待って下さい。防御力低下の魔法って、効果は30%じゃなかったですか?」

「その通り。通常は30%の所を10%に威力を抑えて居る。その代わり持続時間を2時間と長めに設定しておる。この魔法陣を描いた者は天才じゃな。術式を改造した上に、拡大を前提に線の太さを少しずつ変えている。また、線と線の間隔も拡大した時に最適になる様に計算されておるな。」

「もしですよ。ファイヤーボールの魔法陣を拡大したらどうなりますか?」

「どうもならんよ。」

 え?

「ファイヤーボールは単体攻撃魔法じゃ。魔法陣が大きかろうが小さかろうが、普通のファイヤーボールが1発、通常の威力で発動する。」

「それって、魔法陣を大きくする意味がある魔法と無い魔法があると言う事ですか?」

「そうじゃのぉ。魔法陣が大きくて意味があるのは範囲魔法に限られる。攻撃魔法ならファイヤーストームとかブリザード等じゃな。」

「なるほど、広範囲に拡散する魔法なら魔法陣を大きくした方がより広範囲に攻撃出来ると言う事ですか?威力は?」

「威力は変わらんな。あくまでも効果範囲が広がるだけじゃ。それにのぉ、おそらくじゃが、範囲攻撃魔法は中級以上になるので魔法陣を拡大したら起動しないじゃろう。」

「では、聞き方を変えます。拡大魔法陣として使える魔法はなんですか?」

「補助魔法の基礎魔法で範囲魔法となると種類は限られる。中でも効果が期待できるとすれば、スリープやスローじゃな。」

 なるほど、使い方によっては色々な戦略は取れるが、即、相手を倒す魔法としては不向きだな。

「これは、儂の見解じゃが、この魔法陣を作った人間は戦争を想定しているのかもしれんな。」

「戦争ですか?」

「うむ、例えば、直径20メートル位の大きさの魔法陣を敵が攻めて来るであろう道に多数仕掛けて、それを踏んだら発動する様にしたら、かなり有利に戦えると思わんか?」

「そうですね。でも直径1キロと言うのは大きすぎますよね?」

「おそらく、どこまで大きく出来るかの実験では無いかと思われる。」

「例えば、直径20メートル位なら、ある程度、高度な魔法陣も拡大出来ますか?」

「どうじゃろう?その位の大きさなら魔法陣を描くより直接撃った方が効率が良いのではないか?」

「ああ、そうですね。」

「それにじゃ、直径1キロの魔法陣を発動できる程の魔法使いならば、魔法陣に頼らなくても十分に戦えるじゃろうて、おそらく魔法陣はあくまでも研究だと考えるのが良いかもしれんぞ。」

 ん?大きな魔法陣って発動に大きな力が必要なのか?

「この魔法陣を作った魔法使いって強いんですか?」

「魔法使いとしてはかなり優秀じゃな。お主に匹敵するかもしれん。」

 マジで?それなら探し様があるかもしれないな。博士に相談して良かった。

 あれ?今回の事件が研究の成果の実験だとしたら。次は無いかもしれないな。となると、相手はそもそも、敵なのか?

 ブラスマイヤーは厄介と言って居た。だが、敵と言う単語は使って居ない。

 むむ、何が厄介なんだ?これで終わりなら厄介じゃ無いよね?まだ、何か起きるって事か?

 僕に匹敵する魔法使いの出現。これは喜ぶ所なんじゃ無いかな?敵対するなら叩き潰すけど、そうでないなら、是非、友好的な関係を結びたいところだ。

「そうそう、昨日、フローネル嬢が来たのじゃが、アレは妊娠してるのでは無いか?」

「え?」

「お主は気が付かんかったか?体が丸みを帯びて、若干顔つきも変わっておった。儂の経験上、あれは妊娠の兆候だと思うぞ。」

 マジっすか?

「これで、失礼します。」

 僕は急いで伯爵邸に飛んだ。フローネル嬢を探し、鑑定を掛ける。状態が妊娠になって居る。

「どうしたんですか?旦那様がこんな時間に。」

「落ち着いて聞けよ。フローネルは暫く、激しい運動は禁止だ。」

「え?それってもしかして。」

「ああ、妊娠だ。今、鑑定で確認した。」

「良いのですか?男児なら厄介な事になりますよ?」

「構わない。安心して元気な子を産め。」

「解りました。明日にでも父に報告しますね。」

「それは構わないが無茶はするなよ。」

 その日はそのまま伯爵邸でゆっくりと過ごした。本当なら早く王国に戻りたいのだが、今戻ると、昨日の僕と鉢合わせする危険がある。

 何故だろう?こう言う時に限って時間の経つのが遅い気がする。

 翌朝、まだ暗い内に王国へと戻った。

 寝るのもなんなので、起きている。今日の予定を考える。

 相手が敵かどうか解らなくなった。だが、魔法使いなら魔法を使えば反応を捉える事が出来るかもしれない。あまり小さな魔法では難しいが、僕と同等の魔法使いなら、それなりに大きい魔法を使う事もあるだろう。

 まずは、相手と接触して敵か味方かを判断する必要がある。

 冒険者ギルドに関しては、事件は終息したと報告して置こう。既に魔法陣は排除したので影響は消えているはずだ。程無く元通りに戻るだろう。

 それから、今日の朝の稽古では、自分がどの位の強さなのかを把握して置く必要がある。把握して置かないと手加減が出来ないからね。

 このタイミングで戻ったのはありがたい。竜王の爺さんが居るので、思いっきり戦える。

 そうこうしているうちに空が明るくなって来た。昨日、正確には一昨日なのだが、の自分の行動を思い出して自然に入れ替わる。

 朝食後の稽古で、爺さんとルシルの2人を相手に思いっきり戦ってみた。自分で思っていた以上に弱くなっていたようで、力を開放すると、自分でも制御が難しい程のパワーが出た。

 これは慣れないと危険だな。暫くは、フルパワーは出せない。普段は腕輪をして置けと言ったブラスマイヤーの言葉に納得する。まあ、腕輪をしていても大抵の敵には負けないだろうが、切り札があると言うのは何気に余裕に繋がる。

 稽古の後、冒険者ギルドに飛ぶ。ギルマスに経緯を話し、原因は魔法使いの実験の余波として置いた。どうやら、既に冒険者達は皆元に戻っている様で、ロビーが怪我人で溢れていると言う事は無くなったそうだ。

 緊急調査依頼と言う名目で金貨200枚を貰った。100枚を現金で貰い。100枚は貯金に回して貰った。

 さて、ここからが本番だ。僕に匹敵する魔法使いを探す。

 言うのは簡単だが、実際はかなり難しい。まず、相手の素性も背格好も性別さえも解らない。

 王都の上空をフライで旋回しつつ魔法の反応を探る。

 僕もそうだが、普段あまり大きな魔法は使わない。使うのは小さな魔法がメインだ。小さな魔法でいかに効率よく相手を倒すかが、魔法使いの技量になってくる。

 なので、いきなり大きな魔法を使う事は余程の事が無いと起こらない。だが、相手は何やら研究をしている様だ。その過程であれば、大きな魔法を使う可能性もあるのでは無いかと言う淡い期待を抱いている。

 それに、相当の腕を持つ魔法使いならば、何処かで噂になって居る可能性もある。もしかしたら聞き込みで何か情報が掴めるかもしれない。
 
 とりあえず、2~3時間飛んで反応が無ければ降りてみよう。

 やはり、そう簡単に大きな魔法は使ってくれない様だ。作戦を切り替えて、聞き込みを始める。

 まずは商店街へ向かう。噂話と言えば酒場なのだが、時間がまだ早い。ならば、人の多い場所へ向かうのがセオリーだろう。

 聞き込みをする時は、あえて、目的を絞らないのがコツだ。

「おっちゃん。串焼き2本頂戴。」

「あいよ、銅貨4枚になるぞ。」

「時間が掛かっても良いから焼き立てを頂戴。」

 そう言って銅貨4枚を支払う。

 こう言う風に注文すると店主と会話するのが自然になる。

「最近何か面白い噂は無い?僕は魔法使いなので魔法がらみの噂とかあったら聞かせてよ。」

「魔法がらみと言えば、冒険者ギルドで何やら事件があったらしいぞ。あんちゃんは冒険者じゃないのか?」

 今は貴族の平服を来ている。わざわざストレージを使って着替えたのだ。貴族のボンボンを演じている。

「一応冒険者登録はしてるんだけどね、最近はギルドには行ってないな。」

「そうか、他に魔法がらみと言えば、なんか変な魔法使いが居るって話を聞いたな。」

「ん?その話、詳しく聞かせて。」
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