転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

文字の大きさ
209 / 308

209

しおりを挟む
「詳しくって言われても、噂だからな。なんでも、教会の神父でも治せない病気を治した魔法使いが居るらしい。」

「どこの誰が治して貰ったと言う情報は無いと?」

「その通りだ。だから、噂レベルで止まっている。これが事実なら大騒ぎだな。病人が皆、その魔法使いの所に押し寄せるぞ。」

 焼きあがった串焼きを受け取り、齧りながら考える。教会の神父ならハイヒールが使える。その上の魔法が使えるなら、その人物は僕の探している人物の可能性があるな。

 ちなみにハイヒールの上はエクストラヒールで、病気と怪我が同時に治せる。ヒールには病気を治す効果は無いが、ハイヒールであればある程度の病気にも対応する。体力を完全に回復するので、免疫力の低下に寄る病気等はハイヒールで十分だ。だが、命に関わる様な病気ならエクストラヒール以上が必要になる。

 エクストラヒールの上はパーフェクトヒールで、これはエリクサーに匹敵すると言われている。死んでいなければどんな怪我でも病気でも治す。欠損も時間があまり経っていなければ治る。

 また、病気だけを治す魔法としてリカバリーと言う魔法がある。これは状態異常回復の上位魔法で、病気を治すと言うよりは病気になる前の状態に戻す魔法と考えると解り易い。生まれつきでなければ盲目や欠損も治せる。ただし、怪我には効果が低い。

 さて、噂の人物はどの魔法を使ったのだろう?

 聞き込みを続ける。が、目ぼしい情報は無い。やはり、病気を治した魔法使いと言う噂までは辿り着くが、そこから先が出て来ない。

 そもそも、何処から出て来た噂なんだ?それさえも解らないって、おかしくない?

 僕は適当な店に入っては適当な物を買い、噂を聞いて回る。どうせ買い物をするなら、何か目的を持って買い物をした方が良いかもしれないな。

 そう言えば醤油とみりんが手に入ったんだよね。ラーメンは無理だけど、うどんなら行けそうだ。本当は蕎麦の方が好きなんだが、この世界でまだ、蕎麦には出会って居ない。

 うどんなら出汁は昆布と肉で行けるだろう。キノコも合いそうだ。けんちんうどんってのもアリだな。
 
 中力粉を購入して行こう。そう決めて、小麦粉を売ってる店に向かう。

「小麦粉を見せてくれ。」

「用途は何ですか?」

 どうやら小麦粉は用途別に販売しているらしい。うどんって言っても通じないよな?

「どんな種類があるんだ?」

「基本はパン用とお菓子用だな。」

「基本って事はそれ以外の用途もあるのか?」

「ああ、小麦粉は食用だけとは限らない。色々な用途で購入して行く客が居るぞ。」

「へぇ。ちょっと幾つか見せて貰えるか?」

 パン用はおそらく強力粉だ、お菓子用は薄力粉だと思われる。それ以外の用途ってなんだろう?

「ほら、一応全部食用だが、皆種類が違う。」

 そう言って4種類の小麦粉を持って来てくれた。鑑定で調べながら見て行く、中にはミックスされた物もある、一番中力粉に近い物を指さし、これを10キロくれと言った。

「これは、一番人気の無い小麦粉だ。何の用途に使うのか聞いても良いか?」

 ああ、中力粉って確かに用途が限定されるからなぁ。

「麺に使う。パスタより柔らかい麺だ。」

 帝国のレシピのお陰で王国でもパスタは周知されている。

「へぇ、パスタより柔らかい麺なんて物が最近は出来たのか?」

「ああ、流行るかどうかは判らないが、存在はする。流行ればこの小麦粉も売れる様になるだろう。」

 丁度良い、美味く出来たら、うどんを今度の公爵家のパーティーで披露してみよう。

「ところで、病気を治す魔法使いの話って知ってるか?」

「ああ、そんな噂を聞いたな。」

「どこで流れている噂か解るか?」

「詳しくは知らないが、教会の神父に見せたって話だから、金持ちの家だろうな。」

 ああ、なるほど、協会で、神父。更に、ハイヒール、この条件を満たすには金が必要だ。貴族かもしれないな。

「ありがとう、助かったよ。」

 そう言って店を後にした。

 しかし、困ったな。僕は貴族の知り合いってあまり居ないんだよな。町の人と違って貴族に気軽に声を掛ける訳には行かない。

 セリーに聞けば何か判るかな?

 そう考え一旦家に帰る事にした。ついでに、うどんも作ろう。

 家に着くとセリーが昼寝をしていた。メイドに聞いたら寝たばかりだと言う。起こすのも可哀相なので、起きるまで待つ事にした。

 その間にうどんを作るぞ。

 まずは、汁からだ。汁の強さに応じて麺の太さを決めないとバランスが取れない。

 出汁には昆布を使う。そして、今回は肉うどんにしたいので、大量に余っているアースドラゴンの肉を贅沢に使うつもりだ。ドラゴン肉を薄くスライスして置く。

 まずは、昆布出汁に醤油とみりんで味を入れて行く。やはり、昆布だけでは出汁が弱い。そこへアースドラゴンの肉を大量に投入して、肉からも出汁を取る。しかし、今度は肉の出汁が強すぎる。そこで長ネギを加えて、調和を取る。悪く無い味だ。

 思ったよりドラゴン肉が強いので麺は太麺にする。小麦粉を塩水でこねて生地を作る。生地を何度か寝かせていると、セリーが起きた。

「あら、あなた。随分と早いお帰りですね。」

「ああ、セリーにちょっと用事があってね。」

「済みません。子供たちの面倒を見ていたら疲れてしまって。」

「大丈夫だよ。他にやる事もあったしね。」

「また、新しい料理ですか?」

「ああ、夕食までには間に合わせるよ。」

「ところで、聞きたい事って?」

 おっと、肝心な事を忘れていた。

 実はこう言う噂があってねと、セリーに詳しい話を聞かせる。

「なるほど、そう言う事ですか。噂話ならメイドに聞くのが一番早いですよ。」

 そう言ってセリーはメイドを一人呼んだ。

「なんでしょう?奥様。」

「教会の神父にも治せなかった病気を治した魔法使いの話って知ってる?」

「ああ、それなら、ウォード子爵家の次女ソラリス様の事だと思います。魔法使いの名前までは判りませんが、子爵家に行けば何らかの情報が得られると思いますよ。」

「解りました。ありがとう。」

 そう言ってセリーが銀貨を渡していた。しかし凄いなメイドネットワーク、そこまで情報が伝わるんだな。

 これは、うちの内情も外に知られていると考えた方が良いかもしれない。

「ところで、セリーはウォード子爵って知ってるか?」

「いや、聞いた事の無い名前ですね。」

「じゃあ、何処の派閥かも判らないって事だよな?」

「必要なら調べさせますが?どうします?」

「頼めるなら、そうしてくれ。魔法使いの方も調べられたら調べて欲しい。」

「解りました。」

 流石はセリーだ、生粋の貴族はやはり違うな。

 おっと、うどんの生地がそろそろ良い頃合いのはずだ。麺打ちを始めるとするか。 

 そう言えば今日は見習い君が居ないな、何処へ行ったんだろう?なんか、代わりに若いのが3人ばかりメモ帳を持って見学して居るけど、何なんだ?

 ちなみに、うちには箸が常備されている。と言っても使えるのはほんの数人だけどね。菜箸もあり、使いこなしている料理人も数名居る。

 パスタはともかく、うどんにフォークってどうなんだ?まあ、使えない者に無理強いは出来ないが、出来れば和食は箸で食べて貰いたい。

 太麺にしたので、茹で時間が若干長くなる。とりあえず2人前茹でてみる。途中茹で具合を見ながら、15分掛かった。すぐに水で冷やし、引き締める。これをしないとコシが出ない。

 もう一度湯を沸かし。麺を温めてから肉たっぷりの汁を掛ける。肉うどんの完成だ。

 味見をする。美味いが一味足りない。小口切りにした長ネギを乗せてみた。味が引き締まる。欲を言えば七味が欲しい所だな。

 肉うどんは、まあまあ好評だった。ドラゴン肉の出汁は良いのだが、パスタに比べると太麺は食べづらい様だ。要改良だな。僕的には成功なんだけどね。

 うどんが作れるなら焼うどんも可能だ、そして焼うどんが可能なら焼きそばもイケるって事だよね?

 中華麺は作れる。だがラーメンは出汁がまだ作れない。そう思っていたが、ソース焼きそばって言う伏兵が居た。これは近い内に挑戦せねば。
しおりを挟む
感想 299

あなたにおすすめの小説

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

処理中です...