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西の草原に着く。本来なら昨日は狩りの日だったので今日は体術の練習日になる。
体術の訓練は1時間刻みで行っている。これはクラ―ネルの現在の体力を考えた結果だ。持久力を付けるには体を虐めた方が良いが、体術の訓練では集中力の方が重要になる。
休みの時間を有効活用して、今日は転移魔法の理論を教えている。理論が判ればクラ―ネルなら実現可能だろう。
現状で、クラ―ネルの体術は武器無しでSランカーの戦士と対等に戦える程度にはなっている。
「そろそろ、武器と魔法を解禁して、体術の訓練を行いたいと思う。ある程度慣れて来たらSランクの試験を受けろ。」
「え?もうSランクですか?」
「ああ、魔法で受けるか戦士で受けるかは自分で判断しろ。まあ、どちらでも受かると思うが。」
正直、現在のギルドにクラ―ネルより強いSランカーは僕しかいない。昇級試験が模擬戦である以上、クラ―ネルが落ちる事は無いだろう。
翌日の狩りでは、クラ―ネルに自由に狩らせてみた。基本僕は見ているだけで、時折アドバイスをするだけで手出しは一切していない。
ソロで白金貨25枚を稼いでいた。思ったより成長が早いな。これも神の欠片の大きさに関係があるのだろうか?
帰り道にクラ―ネルが、家を改築する事を報告して来た。
「家を改築する事を決めたのですが、お金は全部僕が出した方が良いのでしょうか?」
「その辺は、子爵と話し合った方が良いとは思うが、現状、クラ―ネルは婚約者と言う立場だ。子爵家の家計は子爵の稼ぎで回すのが良いとは思う。」
「ちなみに家の建て替え作業中は家人はどうするんですか?」
「まず、庭に簡易的な宿屋の様な物を作る。ここで使用人達には生活して貰うって事になるな。でもって、次に母屋の半分を改築。改築が終わったら反対側の半分を改築。完成後に宿屋を解体。簡単に言うとこんな感じだな。正直子爵邸なら家人と使用人合わせても30人位だろう?」
「そうですね。使用人が25人、家人が僕を入れて6人です。」
「ならば、庭に、大きめの簡易宿屋を作って、全員そこで生活しても良いかもしれないな。家の改築はおそらく3か月もあれば出来るだろう。改築が半分終わった所で、そこに住む人間は母屋に戻っても構わないし。少しお金が余分にかかるが、クラ―ネルなら出せる金額だろう?」
「どの位の金額を考えれば良いですか?」
「トータルで白金貨100枚と言った所だな。」
「その位なら今の手持ちの貯金で何とかなりますね。」
「仕事が丁寧で早い業者を教えようか?」
クラ―ネルは、子爵家にも懇意の業者が居るかもしれないと即答は断った。なかなか貴族してるじゃないの。
家に帰ってこの話をセリーにしたら、うちも建て替えませんか?と言われた。うーん。どうなんだ?僕は現状で満足してるんだけどな。
「でも、子供達の事を考えたら、もう少し大きくても良いと思いませんか?」
「じゃあ、少し増築したらどうだ?」
そう言うとセリーが少しだけ考えて答える。
「そうですね。それが良いかもしれません。将来的に子供達の部屋も必要になるでしょうし。」
「解った。じゃあ、アリアナと相談して決めてくれ。金は僕が出すから。好きにやって良いぞ。」
翌日の稽古では、既にクラ―ネルが短距離の転移が出来る様になって居た。まだ、自分の視野の中と言う限定だが、それでも素直に凄いと思う。
「転移をマスターしたか。それは対人戦ではかなりの武器になるぞ。まだ、移動に使うには訓練が必要だが、記憶している場所が鮮明なら飛べるはずだ。」
その後転移の戦闘での使い方や、遠距離転移のコツなどを教えてから、体術の訓練に入った。
訓練中にも何度か転移を使っていたが、おそらく自分なりの転移の使い方を練習していたのだろう。
ここまでくれば、戦い方もだいぶ慣れて来て、竜王の爺さんやルシルの戦い方に似て来る。まあ、似ているだけで規模は小さいのだが、似ていると言うのはある意味、戦い方が様になって来ていると言う事だ、近い将来、あの空間でクラ―ネルが訓練する日が来るかもしれない。
「ところで、アイテムボックスはどこまで大きくしたんだ?」
「100メートル立方で止めてあります。これ以上大きくしても意味は無いかなと。」
まあ、それだけの大きさがあれば困る事は無いかな。
「ドラゴンソードは?」
「斬撃と物理耐性、魔法耐性、それから軽量化の4つを付与しました。」
「ほう?悪く無いな。もはや国宝級だぞ、それ。Sランクになったら使うんだろう?」
「そうですね。僕ごときが使って良い物かとも思いますが、折角作ったので使いたいと思ってます。」
「じゃあ、次はマルチタスクと言うのを教えよう。」
「まるちたすくですか?それはどう言う?」
「簡単に言えば、複数の魔法を同時に使う技術だな。これが出来ないと次のステップに勧めないんだよ。」
「複数の魔法を同時にと言うのは、例えば火魔法と氷魔法を同時に使うと言った感じですか?」
「それでも間違いでは無いのだが、僕が言うマルチタスクは、飛行魔法で空を飛びながら探知魔法を使い。同時に攻撃魔法を使うと言った使い方だ。」
「なるほど、確かに飛行魔法を使いながら攻撃魔法が使えないと空中戦は出来ませんね。」
そうなんだよね。これを理解出来ない者が多くて、飛行魔法を使う者が少ないのも事実だ。
「例えば、中級魔法のファイヤーストームなんかは火魔法と風魔法を同時に使っている。だが、殆どの者が意識していない。これを意識して使うようにするとマルチタスクが理解出来ると思うぞ。」
こうやって理論を教えて置くとクラ―ネルは自分で研究して、自分なりのやり方で何時の間にか魔法を再現してしまう。魔法はイメージだ、再現出来るなら方法は何でも構わない。
マルチタスクを覚えたらフライを教えよう。そして最後は魔法の無効化だ。魔法についてはこれで一通り教えた事になる。時越えの魔法や空間拡張の応用は必要な事態が起きたら教えると言う事で良いだろう。
ある程度体術を覚えたら、僕の戦い方を教えるつもりだ。そうなったら、大森林の定期討伐はクラ―ネルに任せる事にしようと思っている。そうすれば年間の稼ぎも安定するだろう。
帝国についてもいずれは連れて行くつもりだ。そのうち、この世界の事も少し話して置かないとイケないかもしれないな。
帝国に行くようになれば、商売をする事も考えられる。おそらく、クラ―ネルにはカルチャーショックになるだろうが、他の世界を知って置くのは、視野を広げるには十分だ。上手くすれば公爵と僕と一緒に商売をするチャンスになるかもしれない。
まあ、何をするのも構わないが、選択肢だけは色々と用意して置いた方が良いだろう。
それから1週間後、クラ―ネルはSランクの昇級試験を受ける事になる。
とりあえず転移とマルチタスクは初歩だけはマスターした。体術もまあ見れるレベルには持って行った。
フライも空中に逃げるだけなら使えるレベルだ。まあ、負ける事は無いと思うが、試験は勝ち負けでは無く内容なんだよね。
そして、試験当日。僕も時間が取れたので見学に来た。
「そう言えば、剣術と魔法、どっちで受ける事にしたんだ?」
「折角体術を覚えたので剣術で受けてみようかと思っています。駄目なら次回は魔法で受けようかと。」
相変わらずそう言う所はポジティブだな。
そんな会話をしていたら、ギルマスが下りて来た。
「あれ?今日もギルマスは見学ですか?」
「ああ、前回の昇級試験があの体たらくだったからな。今回はSランクだみっともない試合にはしたくない。しかし、Aランクを魔法で通った者が、Sランクを剣術で受けるとは思わなかったよ。」
「まあ、僕の弟子ですからね。」
そう言うとギルマスが苦虫を噛み潰したような顔になった。
「こっちは、あの坊主対策で動ける魔法使いを探しまくったんだぞ。それをいきなり剣術で試験を受けるって、どう言う事だよ。まったく。」
「前回の試験で、魔法使いとしてSランクの資格があると解ったでしょ?だから、今回は戦士としてもSランクの資格があると証明したいらしいですよ。本人はね。」
「で、実際どうなんだ?お前位の実力があるのか?」
「んー。僕の実力に追いつくにはあと1年は欲しいですね。」
「悪いが、手加減する様に言って置いて貰えるか?」
「解りました。」
体術の訓練は1時間刻みで行っている。これはクラ―ネルの現在の体力を考えた結果だ。持久力を付けるには体を虐めた方が良いが、体術の訓練では集中力の方が重要になる。
休みの時間を有効活用して、今日は転移魔法の理論を教えている。理論が判ればクラ―ネルなら実現可能だろう。
現状で、クラ―ネルの体術は武器無しでSランカーの戦士と対等に戦える程度にはなっている。
「そろそろ、武器と魔法を解禁して、体術の訓練を行いたいと思う。ある程度慣れて来たらSランクの試験を受けろ。」
「え?もうSランクですか?」
「ああ、魔法で受けるか戦士で受けるかは自分で判断しろ。まあ、どちらでも受かると思うが。」
正直、現在のギルドにクラ―ネルより強いSランカーは僕しかいない。昇級試験が模擬戦である以上、クラ―ネルが落ちる事は無いだろう。
翌日の狩りでは、クラ―ネルに自由に狩らせてみた。基本僕は見ているだけで、時折アドバイスをするだけで手出しは一切していない。
ソロで白金貨25枚を稼いでいた。思ったより成長が早いな。これも神の欠片の大きさに関係があるのだろうか?
帰り道にクラ―ネルが、家を改築する事を報告して来た。
「家を改築する事を決めたのですが、お金は全部僕が出した方が良いのでしょうか?」
「その辺は、子爵と話し合った方が良いとは思うが、現状、クラ―ネルは婚約者と言う立場だ。子爵家の家計は子爵の稼ぎで回すのが良いとは思う。」
「ちなみに家の建て替え作業中は家人はどうするんですか?」
「まず、庭に簡易的な宿屋の様な物を作る。ここで使用人達には生活して貰うって事になるな。でもって、次に母屋の半分を改築。改築が終わったら反対側の半分を改築。完成後に宿屋を解体。簡単に言うとこんな感じだな。正直子爵邸なら家人と使用人合わせても30人位だろう?」
「そうですね。使用人が25人、家人が僕を入れて6人です。」
「ならば、庭に、大きめの簡易宿屋を作って、全員そこで生活しても良いかもしれないな。家の改築はおそらく3か月もあれば出来るだろう。改築が半分終わった所で、そこに住む人間は母屋に戻っても構わないし。少しお金が余分にかかるが、クラ―ネルなら出せる金額だろう?」
「どの位の金額を考えれば良いですか?」
「トータルで白金貨100枚と言った所だな。」
「その位なら今の手持ちの貯金で何とかなりますね。」
「仕事が丁寧で早い業者を教えようか?」
クラ―ネルは、子爵家にも懇意の業者が居るかもしれないと即答は断った。なかなか貴族してるじゃないの。
家に帰ってこの話をセリーにしたら、うちも建て替えませんか?と言われた。うーん。どうなんだ?僕は現状で満足してるんだけどな。
「でも、子供達の事を考えたら、もう少し大きくても良いと思いませんか?」
「じゃあ、少し増築したらどうだ?」
そう言うとセリーが少しだけ考えて答える。
「そうですね。それが良いかもしれません。将来的に子供達の部屋も必要になるでしょうし。」
「解った。じゃあ、アリアナと相談して決めてくれ。金は僕が出すから。好きにやって良いぞ。」
翌日の稽古では、既にクラ―ネルが短距離の転移が出来る様になって居た。まだ、自分の視野の中と言う限定だが、それでも素直に凄いと思う。
「転移をマスターしたか。それは対人戦ではかなりの武器になるぞ。まだ、移動に使うには訓練が必要だが、記憶している場所が鮮明なら飛べるはずだ。」
その後転移の戦闘での使い方や、遠距離転移のコツなどを教えてから、体術の訓練に入った。
訓練中にも何度か転移を使っていたが、おそらく自分なりの転移の使い方を練習していたのだろう。
ここまでくれば、戦い方もだいぶ慣れて来て、竜王の爺さんやルシルの戦い方に似て来る。まあ、似ているだけで規模は小さいのだが、似ていると言うのはある意味、戦い方が様になって来ていると言う事だ、近い将来、あの空間でクラ―ネルが訓練する日が来るかもしれない。
「ところで、アイテムボックスはどこまで大きくしたんだ?」
「100メートル立方で止めてあります。これ以上大きくしても意味は無いかなと。」
まあ、それだけの大きさがあれば困る事は無いかな。
「ドラゴンソードは?」
「斬撃と物理耐性、魔法耐性、それから軽量化の4つを付与しました。」
「ほう?悪く無いな。もはや国宝級だぞ、それ。Sランクになったら使うんだろう?」
「そうですね。僕ごときが使って良い物かとも思いますが、折角作ったので使いたいと思ってます。」
「じゃあ、次はマルチタスクと言うのを教えよう。」
「まるちたすくですか?それはどう言う?」
「簡単に言えば、複数の魔法を同時に使う技術だな。これが出来ないと次のステップに勧めないんだよ。」
「複数の魔法を同時にと言うのは、例えば火魔法と氷魔法を同時に使うと言った感じですか?」
「それでも間違いでは無いのだが、僕が言うマルチタスクは、飛行魔法で空を飛びながら探知魔法を使い。同時に攻撃魔法を使うと言った使い方だ。」
「なるほど、確かに飛行魔法を使いながら攻撃魔法が使えないと空中戦は出来ませんね。」
そうなんだよね。これを理解出来ない者が多くて、飛行魔法を使う者が少ないのも事実だ。
「例えば、中級魔法のファイヤーストームなんかは火魔法と風魔法を同時に使っている。だが、殆どの者が意識していない。これを意識して使うようにするとマルチタスクが理解出来ると思うぞ。」
こうやって理論を教えて置くとクラ―ネルは自分で研究して、自分なりのやり方で何時の間にか魔法を再現してしまう。魔法はイメージだ、再現出来るなら方法は何でも構わない。
マルチタスクを覚えたらフライを教えよう。そして最後は魔法の無効化だ。魔法についてはこれで一通り教えた事になる。時越えの魔法や空間拡張の応用は必要な事態が起きたら教えると言う事で良いだろう。
ある程度体術を覚えたら、僕の戦い方を教えるつもりだ。そうなったら、大森林の定期討伐はクラ―ネルに任せる事にしようと思っている。そうすれば年間の稼ぎも安定するだろう。
帝国についてもいずれは連れて行くつもりだ。そのうち、この世界の事も少し話して置かないとイケないかもしれないな。
帝国に行くようになれば、商売をする事も考えられる。おそらく、クラ―ネルにはカルチャーショックになるだろうが、他の世界を知って置くのは、視野を広げるには十分だ。上手くすれば公爵と僕と一緒に商売をするチャンスになるかもしれない。
まあ、何をするのも構わないが、選択肢だけは色々と用意して置いた方が良いだろう。
それから1週間後、クラ―ネルはSランクの昇級試験を受ける事になる。
とりあえず転移とマルチタスクは初歩だけはマスターした。体術もまあ見れるレベルには持って行った。
フライも空中に逃げるだけなら使えるレベルだ。まあ、負ける事は無いと思うが、試験は勝ち負けでは無く内容なんだよね。
そして、試験当日。僕も時間が取れたので見学に来た。
「そう言えば、剣術と魔法、どっちで受ける事にしたんだ?」
「折角体術を覚えたので剣術で受けてみようかと思っています。駄目なら次回は魔法で受けようかと。」
相変わらずそう言う所はポジティブだな。
そんな会話をしていたら、ギルマスが下りて来た。
「あれ?今日もギルマスは見学ですか?」
「ああ、前回の昇級試験があの体たらくだったからな。今回はSランクだみっともない試合にはしたくない。しかし、Aランクを魔法で通った者が、Sランクを剣術で受けるとは思わなかったよ。」
「まあ、僕の弟子ですからね。」
そう言うとギルマスが苦虫を噛み潰したような顔になった。
「こっちは、あの坊主対策で動ける魔法使いを探しまくったんだぞ。それをいきなり剣術で試験を受けるって、どう言う事だよ。まったく。」
「前回の試験で、魔法使いとしてSランクの資格があると解ったでしょ?だから、今回は戦士としてもSランクの資格があると証明したいらしいですよ。本人はね。」
「で、実際どうなんだ?お前位の実力があるのか?」
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