転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

文字の大きさ
292 / 308

292

しおりを挟む
 狩りに来ている。珍しくクラ―ネルと一緒だ。そして今回はビアンカを連れて来た。最近冒険者の格好をする機会が多いビアンカにも冒険者カードを作らせた。

 もちろんビアンカは最低ランクのGだが、僕とクラ―ネルが居て怪我をする事は無いだろう。狩りと戦争は違うが、実戦経験の無いビアンカに手っ取り早く戦闘を経験させるには狩りが早いかなと思ったのだが。

 ビビりまくっている上にクラ―ネルを意識しすぎて全然狩りに集中出来ていない。

「おいおい、気持ちは解らんでも無いが、少し落ち着け。」

「いや、あの、済みません。」

「仕方ありませんよ。誰だって初めて魔物に対峙したら安全だと解って居ても怖い物ですよ。」

 クラ―ネルがこうやってフォローするからビアンカが何時まで経っても慣れないんじゃないか?

「安全な上に、Sランク冒険者の戦いが見れるんだから、この機会を逃すのは勿体ないと思うけどな。」

 基本魔物が何匹出ようが、僕とクラ―ネルは一人ずつ交互に戦う。ビアンカを守る役が必要だし、1人でもオーバーキルなのに2人で狩ったら、ビアンカは戦闘を見る暇さえ無いだろう。

「と言うか、私はここに居る意味があるのでしょうか?」

「もし、戦争になれば人と人の戦いを見る事になる。それに比べたら魔物なんて大した事無いだろう?」

「いやいや、魔物は怖いですよ。私剣も魔法も使え無いんですよ?」

「でも、人が死ぬのを見るよりはマシだろう?」

「それはそうですが。」

「だったら、良く見て置け。戦術レベルの戦い方を把握していなければ戦略は立てられないぞ。」

「相変わらずエイジさんは弟子には厳しいですね。」

 クラ―ネルが懐かしそうに言った。

「弟子に死なれるのは嫌だからな。それに出来る事しか要求していないつもりなんだが。」

「まあ、それがエイジさんの優しさなのかもしれませんね。」

「今はクラ―ネルも弟子が居るから理解出来るだろう?」

 確かクラ―ネルはBランク冒険者を鍛えているはずだ。そう言えばその後の話を聞いて無かったな。

「まあ、僕の場合弟子と言うかパーティーメンバーですし、最初からそれなりの力を持っていたのでそれ程苦労はありませんでしたよ。」

「そのパーティーメンバーは使える様になったのか?」

「救済の箱舟との戦いにと言う意味ではまだまだですね。実力的にはSランク相当はあると思いますが。」

 Sランク冒険者か、ある意味こいつが厄介なんだよな。冒険者は皆Sランクを目指す。だが、Sランクになるとそこから先に進もうとしない。いわばそこが限界だと思われているのだ。 

 実際にはSSランクやSSSランクに相当する力を得る事が出来る。だが、この世界にはSランクまでしか評価が無いので、そこが終着点だと考えている者が多い。

 災害級や天災級と言う魔物が居るのに、何故それを倒す力を得ようとしないのだろうか?

 人の身でも訓練次第でドラゴン位は退治が出来る。これは実際に僕が冒険者を鍛えて解った事なので間違いがない。恐らくドラゴンを単独で倒せればSSランクと言って良いだろう。

 なのでSランク相当ではまだまだと言う感じだ。せめてSSランクになってくれれば、救済の箱舟との戦いでもそれなりの働きが出来るのだが。

 そんな事を考えていると魔物が出て来る。クラ―ネルがあっさりと片付けるが、ビアンカはキャーキャー言ってる。いい加減慣れてくれないと訓練にならないぞ。

 サーチを掛けると、この辺の魔物は粗方駆逐した様だ。少し奥へ移動するか?いや、一旦戻って仕切り直した方が良いかな?

「クラ―ネル、一旦戻るぞ。ビアンカがこの調子じゃ狩りの意味が無い。」

「う、済みません。」

 ビアンカは涙目だ。

「戻るのは構いませんが、結構深くまで潜ったので帰り道にも魔物は出ますよ?」

「西門を歩いて潜ったから転移で戻るのは不味いな。遠回りになるがまずは街道に出よう。」

 門を出入りすると記録が残る。出たのに帰らないとなると冒険者ギルドに連絡が行ってしまう。普段は面倒なので適当に転移で魔物が居そうな場所に飛ぶのだが、今日はビアンカが居たので歩いて門を潜った、それが失敗だったかな?

 一旦街道へ出て、歩いて王都へ向かう。ビアンカの速度に合わせているので恐らく1時間以上は掛かるだろう。全然訓練にならない上に時間ばかりが無駄に過ぎて行く。

 西門の少し手前に転移しようかとも考えたのだが、3人で転移したら目立つよね?

 と言う事で仕方なく歩く。まあ、この時間も無駄にならない様に、ビアンカに色々と教えながら西門に向かう。クラ―ネルも協力してくれた。

 やがて、街道に人気が増えて来る。門が近い証拠だ。後20分も歩けば門に着くだろう。と思った時。

 爆発音が聞こえた。遅れて地面が一瞬だけ揺れる。まさか救済の箱舟?

「クラ―ネル!先に行け!!」

「解りました!」

 音が聞こえた方、恐らく門の近くだ。に向かってクラ―ネルが走り出す。身体強化を使っているので、普通の人なら目で追うのがやっとと言うスピードだ。時々消えた様に見えるのは瞬動も駆使している証拠だ。

 僕とビアンカも走り出すが、ビアンカの速度に合わせるので時間が掛かる。

「エイジさんも先に行って下さい。私は大丈夫ですから。」

「そう言う訳には行かない。幾ら門が近いとは言え、魔物が出ないと言う保証は無いからな。」

 10分程走り、もうすぐ門に着くと言う時に、何故かクラ―ネルが戻って来た。

「どうした?何があった?」

「それが、爆発ではありませんでした。」

「ん?どう言う事だ?」

「実はグリーンドラゴンが墜落して西門の脇の外壁に衝突した様です。僕が行った時には既にグリーンドラゴは息絶えていました。」

 なんだ?どう言う状況だ?意味が解らないぞ。たまたま飛んでいたドラゴンが王都の外壁に衝突って、そんな偶然があるか?だいたい、ドラゴンが王都に向かって飛んでいる時点でおかしいだろう?

「なぁ、それって偶然だと思うか?」

「どう言う意味でしょう?ドラゴンが操られて居たと言う事ですか?」

「今までにドラゴンが墜落したって言う話を聞いた事があるか?」

 クラ―ネルもビアンカも首を捻っている。

「確かにそう言った話は聞いた事が無いですね。自分の意思で突っ込んだのではありませんか?」

「もし、ドラゴンが自分の意思で外壁に突っ込んだとすると、ブレスを吐かなかったのはおかしいと思わないか?」

 ブレスを吐けば外壁位は壊せる、自殺するドラゴンなんて聞いた事が無いぞ。

「確かに不自然な気がしますね。では空中で何者かに襲われたとか?」

「ドラゴンが空中で襲われる可能性ってどの位あると思う?って言うか、グリーンドラゴンを襲うって何者だ?」

「レッドドラゴンとか?」

「王都の近くに2匹もドラゴンが現れたら天災級の大事件だぞ。」

 って言うか、こんなに近くにドラゴンの気配がしたら僕やクラ―ネルなら気付くはずだ。なのにそんな気配は感じなかった。

 もしかしたら、ドラゴンは最初から死んでいたのでは無いだろうか?

 ドラゴンの死体を空中から外壁に向かって投げつける。僕やクラ―ネルなら出来るが、他に出来る人間に心当たりは無い。

 だとすると、何をどうしたんだ?

「どうなんでしょう?これもやはり救済の箱舟が関与している事件なのでしょうか?」

「今の時点では何とも言えんな。そもそも、こんな事が出来る能力ってどんな力だ?」

「僕やエイジさんなら可能ですよね?となると僕らと同等の力を持つ存在と言う事になりますね。」

 確かにそうなる。だが、その仮定はどうなんだ?それだけの力を持った者が救済の箱舟に居るのならもっと早く出て来ても良いはずだ。

 それをしなかったと言う事は、別の能力の可能性があると言う事だ。

 それがどんな能力なのかは、まだ解らないが。
しおりを挟む
感想 299

あなたにおすすめの小説

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

処理中です...