38 / 314
第1章 復讐の魔女
第36話 魔女仲間
しおりを挟む
お城の中の浴場施設を案内してくれたオルタナさん。
そのまま、私とベレニスと一緒に女性専用浴場に入って来る。
ん? となって慌てふためく私をよそに、黒鎧を脱いで露わになる豊満なお胸よ……
「どうかしたかい? ローゼちゃん」
「何してんのローゼ。服のまま湯船に浸かる気? オルタナ! 先に入ってましょ!」
えぇ……いや、綺麗な顔だとは思ってたけどさあ。
「ちょっとベレニス、オルタナさんが女の人って知ってたの?」
「は? 何言ってるのローゼ。あたりまえでしょ?」
「いや、だって女の子たちがキャーキャーしてたし、ベレニスもキャーキャーしてたし」
「え? だってカッコいいじゃない♪ フフン♪ オルタナ! そのおっぱい私に揉ませてみなさい♪」
そんな湯船での会話。
なんていうか、ベレニスはベレニスだなあ。
私が気づいていなかったことは、オルタナさんには黙っておこう。
一方その頃。
男湯でもリョウがヴィムさんに『オルタナ殿は?』と尋ね、何言ってるんだお前? エルフちゃんが言ってた通りムッツリか? と返されていたとかいないとか。
その後、私たちはディアナさんの牢の前に来た。
視線は焦点が定まらず、語りかけても反応は返ってこない。
牢に入れられてから何も食べず、水も飲んでいないみたい。
「私です。ローゼです。今回の出来事、私は貴女を許す気はないですし、した行いに関しての罰も当然受けるべきだと思っています。……でも貴女が罰を受けた後に幸せに生きて欲しいという願いも私にはあります。……だから生きてください」
私は牢の外からディアナさんへ語りかける。
すると彼女は私の言葉に反応し、ゆっくりと顔を上げた。
その目は虚ろで、生気が感じられない。
「てかさあ、ハインツ伯爵って領主を殺したのもディアナかジーニアなんじゃないの? そこのところもはっきりさせなきゃ。違うならそう言わないと、その罪も着せられちゃうんじゃない? それでディアナはいいの?」
そのベレニスの発言に反応したのはオルタナさんだった。
「それはないね。ジーニアという教会に潜伏していた者に関しては不明だが、領主殺しの時間はディアナさんにアリバイがある。ボルガン山地の邪教の教会で、私と一緒に人骨の整理と調査をしていたからね」
「だが、実行犯がジーニアで、ディアナは知っていた可能性は否定できまい」
リョウが口を挟むが、オルタナさんは首を左右に振る。
「残念ながらそれもない。魔導具により完全なる密室となっていた、領主の寝室で起きた犯行。見張りの衛兵が気づくこともなく……ね。犯行の手口として魔女が疑われるのはそのためだ。だが、ディアナも、それからジーニアという者も、ローゼちゃんも領主の寝室に行ったことがないだろう?」
「……転移魔法は一度行った場所でなければ行けません。そういうこと……ですよね」
「女を連れ込むことはしょっちゅうあったそうだが、警備の者の証言により、その3人の魔女の可能性は消えているのさ。……まあ、領主の性癖や女性関係に関しては別の話だ。これを私は詳しく話したくはないがね」
オルタナさんがそう語った後、次に発言したのは……ディアナさんだった。
「出てってくれるかしら? ここで雑談されても迷惑なの。処刑したいなら、処刑でも構わないわ。……もう、どうでもいいから」
「ディアナさんの罪状からは罰金と領内からの追放が妥当だろう。……貴女の過去は遡れるまで調べるつもりだ。邪教の集団の一味と判明したなら洗いざらい吐いてもらう。だが……どうも、そうではなさそうなのが救いではあるね」
オルタナさんは私をチラリと見て告げる。
「私は貴女の記憶を図らずも覗きました。……その全てをオルタナさんには伝えてあります」
ディアナさんは力なく頷く。
そして私たちは牢の前から立ち去った。
……でもその前に、私は最後に一言だけ彼女に言った。
それは私の本心であり、自分のためだ。
だからこれはただのお節介。
「また、占ってください。私は貴女にまた会いたいです。……今度は、友達として……魔女仲間として」
ディアナさんは私の言葉に少し驚いた後、静かに微笑んだ。
そして牢の扉が閉められる時、彼女は言った。
「……ありがとう、ローゼちゃん」
その言葉が私の胸に深く染みたのだった。
そのまま、私とベレニスと一緒に女性専用浴場に入って来る。
ん? となって慌てふためく私をよそに、黒鎧を脱いで露わになる豊満なお胸よ……
「どうかしたかい? ローゼちゃん」
「何してんのローゼ。服のまま湯船に浸かる気? オルタナ! 先に入ってましょ!」
えぇ……いや、綺麗な顔だとは思ってたけどさあ。
「ちょっとベレニス、オルタナさんが女の人って知ってたの?」
「は? 何言ってるのローゼ。あたりまえでしょ?」
「いや、だって女の子たちがキャーキャーしてたし、ベレニスもキャーキャーしてたし」
「え? だってカッコいいじゃない♪ フフン♪ オルタナ! そのおっぱい私に揉ませてみなさい♪」
そんな湯船での会話。
なんていうか、ベレニスはベレニスだなあ。
私が気づいていなかったことは、オルタナさんには黙っておこう。
一方その頃。
男湯でもリョウがヴィムさんに『オルタナ殿は?』と尋ね、何言ってるんだお前? エルフちゃんが言ってた通りムッツリか? と返されていたとかいないとか。
その後、私たちはディアナさんの牢の前に来た。
視線は焦点が定まらず、語りかけても反応は返ってこない。
牢に入れられてから何も食べず、水も飲んでいないみたい。
「私です。ローゼです。今回の出来事、私は貴女を許す気はないですし、した行いに関しての罰も当然受けるべきだと思っています。……でも貴女が罰を受けた後に幸せに生きて欲しいという願いも私にはあります。……だから生きてください」
私は牢の外からディアナさんへ語りかける。
すると彼女は私の言葉に反応し、ゆっくりと顔を上げた。
その目は虚ろで、生気が感じられない。
「てかさあ、ハインツ伯爵って領主を殺したのもディアナかジーニアなんじゃないの? そこのところもはっきりさせなきゃ。違うならそう言わないと、その罪も着せられちゃうんじゃない? それでディアナはいいの?」
そのベレニスの発言に反応したのはオルタナさんだった。
「それはないね。ジーニアという教会に潜伏していた者に関しては不明だが、領主殺しの時間はディアナさんにアリバイがある。ボルガン山地の邪教の教会で、私と一緒に人骨の整理と調査をしていたからね」
「だが、実行犯がジーニアで、ディアナは知っていた可能性は否定できまい」
リョウが口を挟むが、オルタナさんは首を左右に振る。
「残念ながらそれもない。魔導具により完全なる密室となっていた、領主の寝室で起きた犯行。見張りの衛兵が気づくこともなく……ね。犯行の手口として魔女が疑われるのはそのためだ。だが、ディアナも、それからジーニアという者も、ローゼちゃんも領主の寝室に行ったことがないだろう?」
「……転移魔法は一度行った場所でなければ行けません。そういうこと……ですよね」
「女を連れ込むことはしょっちゅうあったそうだが、警備の者の証言により、その3人の魔女の可能性は消えているのさ。……まあ、領主の性癖や女性関係に関しては別の話だ。これを私は詳しく話したくはないがね」
オルタナさんがそう語った後、次に発言したのは……ディアナさんだった。
「出てってくれるかしら? ここで雑談されても迷惑なの。処刑したいなら、処刑でも構わないわ。……もう、どうでもいいから」
「ディアナさんの罪状からは罰金と領内からの追放が妥当だろう。……貴女の過去は遡れるまで調べるつもりだ。邪教の集団の一味と判明したなら洗いざらい吐いてもらう。だが……どうも、そうではなさそうなのが救いではあるね」
オルタナさんは私をチラリと見て告げる。
「私は貴女の記憶を図らずも覗きました。……その全てをオルタナさんには伝えてあります」
ディアナさんは力なく頷く。
そして私たちは牢の前から立ち去った。
……でもその前に、私は最後に一言だけ彼女に言った。
それは私の本心であり、自分のためだ。
だからこれはただのお節介。
「また、占ってください。私は貴女にまた会いたいです。……今度は、友達として……魔女仲間として」
ディアナさんは私の言葉に少し驚いた後、静かに微笑んだ。
そして牢の扉が閉められる時、彼女は言った。
「……ありがとう、ローゼちゃん」
その言葉が私の胸に深く染みたのだった。
21
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる