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第十二話
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「シルヴィア、お疲れ様。あとは私の仕事だ。アルベルトとの婚約を認めたせいで、つらい思いをさせた」
全てが終わり、家に帰ってからお父様は泣いておられます。わたくし、余計な事を言ってお父様も悲しませてしまったのね。
「お父様……悲しませてごめんなさい。わたくしが感情的になって、余計な事を言った為に学園にも迷惑をかけてしまって」
「何を言う! あんなに虐げられていたのに気がつかなかった私が愚かだった。シルヴィア、辛かったな」
「わたくしが誰にも言わなかったから知らなくて当然です。学園内で使用人を連れて行けるのは侯爵家からなんですもの。アンナはアルベルトの仕事をしているのは知っていましたけど、詳細は何も知らなかったのです。わたくしも、心配をかけたくなくて言えなかったんです」
「お嬢様……気がつかなくて申し訳ありません。大変そうになさっているのは分かっていたのですが、お家の為だからと笑っておられたので……まさか、あんな……あんな酷いことをされてるなんて……」
「アンナ! 謝らないで! わたくし学園は地獄だなんて言ったけど、騎士団の鍛錬は楽しかったから、ずっと辛かった訳じゃないの!」
「だから騎士になりたいなどと言ったのか」
「いいえ! 昔から騎士は憧れていましたの! お母様はいつもお父様は素晴らしいお仕事をしているんだと仰っていました」
もう他界してしまいましたが、お母様はお父様が大好きでした。わたくしも、こんな夫婦になりたいと憧れたものです。アルベルトとも、結婚するなら信頼しあう夫婦になりたかったのですが……。いけません、もう無関係ですしアルベルト様でしたわね。ケジメはつけませんと。
「旦那様、お客様です」
「こんな時間にか、誰だ」
「騎士団長様です」
カルロ様?!
「……シルヴィア、どうする?」
「え?! わたくしですか?」
「ああ、おそらく用があるのはシルヴィアだ」
カルロ様がわたくしに用事ですか? 何でしょう? でも、カルロ様にはお礼を言いたかったのでお会いできるなら嬉しいですわ。
「身だしなみを整える時間を少しだけ頂けるならお会いしたいですわ」
色々ありすぎて、化粧も乱れてしまっていますもの。カルロ様にこんなお顔は見せられませんわ。
「そうか、シルヴィアは団長をどう思う? こんな時間に来る男だよ?」
「カルロ様はとってもお優しいですわ。今日も、書類を出して下さったのはカルロ様なんです。おかげでスムーズに破棄できました。それに、感情的になったわたくしにお優しい言葉をかけて下さって嬉しかったですわ。アルベルト様にもあんなに優しくしてもらった事ないですもの」
「私があんなクズと婚約を決めたせいでシルヴィアの男の基準が歪んでいる……明らかに下心がある優しさじゃないか……だが……あんなクズより良いのか……」
お父様、どうされたのかしら?
確かにアルベルト様はクズだったけど、もう無関係ですからどうでも良いのですけど……?
「旦那様、どうされますか?」
「ハァ……応接室にお通ししろ。私が話をする。シルヴィア、思いっきり可愛くしておいで」
「え? そんなにお待たせする訳には……」
「構わない。アンナ、何時間かかっても良いから最高の状態にしなさい。女性の準備をゆっくり待てる男か確認してやる」
「かしこまりました。正式なドレスがよろしいですか?」
「ああ、色は緑と黄色で」
緑と黄色? どうしてかしら?
全てが終わり、家に帰ってからお父様は泣いておられます。わたくし、余計な事を言ってお父様も悲しませてしまったのね。
「お父様……悲しませてごめんなさい。わたくしが感情的になって、余計な事を言った為に学園にも迷惑をかけてしまって」
「何を言う! あんなに虐げられていたのに気がつかなかった私が愚かだった。シルヴィア、辛かったな」
「わたくしが誰にも言わなかったから知らなくて当然です。学園内で使用人を連れて行けるのは侯爵家からなんですもの。アンナはアルベルトの仕事をしているのは知っていましたけど、詳細は何も知らなかったのです。わたくしも、心配をかけたくなくて言えなかったんです」
「お嬢様……気がつかなくて申し訳ありません。大変そうになさっているのは分かっていたのですが、お家の為だからと笑っておられたので……まさか、あんな……あんな酷いことをされてるなんて……」
「アンナ! 謝らないで! わたくし学園は地獄だなんて言ったけど、騎士団の鍛錬は楽しかったから、ずっと辛かった訳じゃないの!」
「だから騎士になりたいなどと言ったのか」
「いいえ! 昔から騎士は憧れていましたの! お母様はいつもお父様は素晴らしいお仕事をしているんだと仰っていました」
もう他界してしまいましたが、お母様はお父様が大好きでした。わたくしも、こんな夫婦になりたいと憧れたものです。アルベルトとも、結婚するなら信頼しあう夫婦になりたかったのですが……。いけません、もう無関係ですしアルベルト様でしたわね。ケジメはつけませんと。
「旦那様、お客様です」
「こんな時間にか、誰だ」
「騎士団長様です」
カルロ様?!
「……シルヴィア、どうする?」
「え?! わたくしですか?」
「ああ、おそらく用があるのはシルヴィアだ」
カルロ様がわたくしに用事ですか? 何でしょう? でも、カルロ様にはお礼を言いたかったのでお会いできるなら嬉しいですわ。
「身だしなみを整える時間を少しだけ頂けるならお会いしたいですわ」
色々ありすぎて、化粧も乱れてしまっていますもの。カルロ様にこんなお顔は見せられませんわ。
「そうか、シルヴィアは団長をどう思う? こんな時間に来る男だよ?」
「カルロ様はとってもお優しいですわ。今日も、書類を出して下さったのはカルロ様なんです。おかげでスムーズに破棄できました。それに、感情的になったわたくしにお優しい言葉をかけて下さって嬉しかったですわ。アルベルト様にもあんなに優しくしてもらった事ないですもの」
「私があんなクズと婚約を決めたせいでシルヴィアの男の基準が歪んでいる……明らかに下心がある優しさじゃないか……だが……あんなクズより良いのか……」
お父様、どうされたのかしら?
確かにアルベルト様はクズだったけど、もう無関係ですからどうでも良いのですけど……?
「旦那様、どうされますか?」
「ハァ……応接室にお通ししろ。私が話をする。シルヴィア、思いっきり可愛くしておいで」
「え? そんなにお待たせする訳には……」
「構わない。アンナ、何時間かかっても良いから最高の状態にしなさい。女性の準備をゆっくり待てる男か確認してやる」
「かしこまりました。正式なドレスがよろしいですか?」
「ああ、色は緑と黄色で」
緑と黄色? どうしてかしら?
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