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改稿版
1.婚約破棄されました
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「エルザ・ル・パスカル 魔力なし」
「マリアンヌ・デュ・イダルゴ 魔力2500」
「リンダ・ド・サンベール 魔力150」
「サラ・ド・ビル 魔力250」
淡々と……淡々と続く魔力検査。
わたくしは、ただ呆然とするしかありませんでした。
「シモン・エル・ギルモ 魔力5000」
「アルマン・ディ・ゴデュ 魔力2000」
「ジェラール・アルベルト・モワナール 魔力1000」
魔力検査は、続きます。そして、ご自分の番が済んだシモン様は、わたくしの元へ来てくださいました。
シモン様なら、慰めてくれる……そう思っていました。ですが、それは幻想でした。
「エルザ、君との婚約は破棄だ。解消なんて穏便なものじゃない。魔力無しの役立たずを婚約者にするなんて、王家に反逆の意思でもあるのか。学園も今すぐ辞めろ。命令だ」
一方的でした。返事をすることすら許されず、あっさり婚約破棄が言い渡され、わたくしの周りに居た人達が、さっと姿を消しました。
ああ、これでお友達はみんな居なくなるでしょう。学園も、辞めないといけませんね。
「シモン! なんでそんな事言うんだよ。エルザ嬢は、散々お前に尽くしていただろう。それに、魔力がない人は稀に居る。彼女の責任ではない」
「ジェラール、お前は優しいな。だったらお前がエルザと婚約すれば良いだろ。とにかく、婚約破棄は決定事項だ。公爵家にも正式に抗議する。魔力無しなど、恥でしかない」
「ふざけるな! エルザ嬢に失礼過ぎるだろ。それに、魔力無しの方には特殊な能力が備わってる方も居るんだぞ!」
「それは魔力なしの慰めに過ぎん。魔力が無ければエルザは要らん」
「ふざけるな! 魔力が無いからと婚約破棄なんて王太子のやる事じゃない! そんな考えのヤツが国王になるんなら、うちの国との付き合いは考えさせて貰うぞ! 考え直せ! 破棄を撤回しろ!」
「聞けない。魔力無しの王妃などあり得ない。王太子命令だ。さっさとこの女を退学にしろ」
「おい! シモン!! ちょっとは話を聞け!」
「御命令、しかと承りました」
「エルザ嬢、待ってくれ! 突然の事にシモンは動揺しているだけだ。ちゃんと話せば、貴方の努力は分かって貰える。ナタリーもいつもエルザ嬢を手本にしていたんだ。エルザ嬢が素晴らしい女性である事はみんな分かっている」
隣国の王太子であるジェラール様は、我が国に留学中です。ナタリー様という婚約者がおられましたが、昨年ご病気で他界なさいました。
あまりに元気がなかったので、シモン様のご提案で短期留学をされています。国に居ると、どうしてもナタリー様の面影を追ってしまうそうです。
シモン様とジェラール様は仲が良く、次代の王のおふたりが仲が良いのは素晴らしい事です。わたくしが、おふたりの仲に亀裂を入れるわけには参りません。
「家に帰ればわたくしは勘当されるでしょう。貴族でない者が王太子殿下の婚約者になどなれませんわ。シモン様の対応は正しいのです。でも、ジェラール様のお心遣いは嬉しく思います。お気遣い頂き、ありがとうございます」
全ての貴族がそうではありません。ジェラール様の仰る通り、魔力なしには他の能力が備わっている事が多いです。貴族で魔力無しであっても、才能が分かって重宝され、宰相にまで上り詰めた方もいらっしゃいます。貴族で無くなるのは、家から勘当されるからです。
才能がある可能性があるとはいえ、魔力なしを蔑む人は多いです。シモン様は、わたくしに魔力が無ければ価値がないとご判断されました。悲しいですが、わたくしの価値は、魔力が無いとゼロになる程度という事でしょう。頑張って学んだ王妃教育も無駄でしたわね。幸い、まだ王家の機密は学んでいませんから、殺される事は無いでしょう。
両親は魔力至上主義です。父も母も、兄も姉も莫大な魔力の持ち主です。恐らく、わたくしは捨てられます。急いで身の振り方を考えませんと……。
「エルザ嬢……しかし……」
「わたくしの事など気にせず、どうか今後もシモン様と仲良くして下さいませ」
「お前はもう私の婚約者ではない。口を出すな」
「失礼致しました。もうお会いする事は無いと思いますが、お元気で」
そう言って王妃教育で叩き込まれた最大限の敬意を払い、その場を後にしました。仲の良かったマリアンヌはわたくしを睨みつけています。もう話す事は無いでしょう。
魔力がいちばん高かった令嬢はマリアンヌだから、次の王妃はマリアンヌかしら。この国に居たら居場所はないし、さっさと出て行きましょう。
幸い、外国語は10ヶ国語は出来ます。魔力を重要視しない国も知っていますから、そこに行けばなんとか迫害されず生きていけるでしょう。
我が国も、魔力無しは多いのです。でも、我が家に魔力が無い者はおりません。使用人すら魔力ありの者だけを雇います。
そんな家で魔力無しとなってしまったら、ほぼ勘当されます。下手すると殺されます。でも……それも仕方ないと思う人が大半です。
シモン様もそのようなお考えとは思いませんでしたが、ご自分の魔力が史上最高値でしたので、わたくしが邪魔と思われたのでしょう。
……仕方ない、分かってます。
でも、わたくしが努力した日々は何だったのか……。とても虚しい気持ちです。わたくしは、シモン様をお慕いしておりました。シモン様も、わたくしを大事にしてくれていると思っておりましたが……。シモン様にとっては、わたくしは魔力がなければ価値がない程度の存在だったのでしょう。
この国に居たら、シモン様を思い出します。
もう、この国には居られません。帰ればすぐ勘当でしょう。でも、勘当されないと自由がありませんし、嫌ですが家に一度帰りましょう。
「マリアンヌ・デュ・イダルゴ 魔力2500」
「リンダ・ド・サンベール 魔力150」
「サラ・ド・ビル 魔力250」
淡々と……淡々と続く魔力検査。
わたくしは、ただ呆然とするしかありませんでした。
「シモン・エル・ギルモ 魔力5000」
「アルマン・ディ・ゴデュ 魔力2000」
「ジェラール・アルベルト・モワナール 魔力1000」
魔力検査は、続きます。そして、ご自分の番が済んだシモン様は、わたくしの元へ来てくださいました。
シモン様なら、慰めてくれる……そう思っていました。ですが、それは幻想でした。
「エルザ、君との婚約は破棄だ。解消なんて穏便なものじゃない。魔力無しの役立たずを婚約者にするなんて、王家に反逆の意思でもあるのか。学園も今すぐ辞めろ。命令だ」
一方的でした。返事をすることすら許されず、あっさり婚約破棄が言い渡され、わたくしの周りに居た人達が、さっと姿を消しました。
ああ、これでお友達はみんな居なくなるでしょう。学園も、辞めないといけませんね。
「シモン! なんでそんな事言うんだよ。エルザ嬢は、散々お前に尽くしていただろう。それに、魔力がない人は稀に居る。彼女の責任ではない」
「ジェラール、お前は優しいな。だったらお前がエルザと婚約すれば良いだろ。とにかく、婚約破棄は決定事項だ。公爵家にも正式に抗議する。魔力無しなど、恥でしかない」
「ふざけるな! エルザ嬢に失礼過ぎるだろ。それに、魔力無しの方には特殊な能力が備わってる方も居るんだぞ!」
「それは魔力なしの慰めに過ぎん。魔力が無ければエルザは要らん」
「ふざけるな! 魔力が無いからと婚約破棄なんて王太子のやる事じゃない! そんな考えのヤツが国王になるんなら、うちの国との付き合いは考えさせて貰うぞ! 考え直せ! 破棄を撤回しろ!」
「聞けない。魔力無しの王妃などあり得ない。王太子命令だ。さっさとこの女を退学にしろ」
「おい! シモン!! ちょっとは話を聞け!」
「御命令、しかと承りました」
「エルザ嬢、待ってくれ! 突然の事にシモンは動揺しているだけだ。ちゃんと話せば、貴方の努力は分かって貰える。ナタリーもいつもエルザ嬢を手本にしていたんだ。エルザ嬢が素晴らしい女性である事はみんな分かっている」
隣国の王太子であるジェラール様は、我が国に留学中です。ナタリー様という婚約者がおられましたが、昨年ご病気で他界なさいました。
あまりに元気がなかったので、シモン様のご提案で短期留学をされています。国に居ると、どうしてもナタリー様の面影を追ってしまうそうです。
シモン様とジェラール様は仲が良く、次代の王のおふたりが仲が良いのは素晴らしい事です。わたくしが、おふたりの仲に亀裂を入れるわけには参りません。
「家に帰ればわたくしは勘当されるでしょう。貴族でない者が王太子殿下の婚約者になどなれませんわ。シモン様の対応は正しいのです。でも、ジェラール様のお心遣いは嬉しく思います。お気遣い頂き、ありがとうございます」
全ての貴族がそうではありません。ジェラール様の仰る通り、魔力なしには他の能力が備わっている事が多いです。貴族で魔力無しであっても、才能が分かって重宝され、宰相にまで上り詰めた方もいらっしゃいます。貴族で無くなるのは、家から勘当されるからです。
才能がある可能性があるとはいえ、魔力なしを蔑む人は多いです。シモン様は、わたくしに魔力が無ければ価値がないとご判断されました。悲しいですが、わたくしの価値は、魔力が無いとゼロになる程度という事でしょう。頑張って学んだ王妃教育も無駄でしたわね。幸い、まだ王家の機密は学んでいませんから、殺される事は無いでしょう。
両親は魔力至上主義です。父も母も、兄も姉も莫大な魔力の持ち主です。恐らく、わたくしは捨てられます。急いで身の振り方を考えませんと……。
「エルザ嬢……しかし……」
「わたくしの事など気にせず、どうか今後もシモン様と仲良くして下さいませ」
「お前はもう私の婚約者ではない。口を出すな」
「失礼致しました。もうお会いする事は無いと思いますが、お元気で」
そう言って王妃教育で叩き込まれた最大限の敬意を払い、その場を後にしました。仲の良かったマリアンヌはわたくしを睨みつけています。もう話す事は無いでしょう。
魔力がいちばん高かった令嬢はマリアンヌだから、次の王妃はマリアンヌかしら。この国に居たら居場所はないし、さっさと出て行きましょう。
幸い、外国語は10ヶ国語は出来ます。魔力を重要視しない国も知っていますから、そこに行けばなんとか迫害されず生きていけるでしょう。
我が国も、魔力無しは多いのです。でも、我が家に魔力が無い者はおりません。使用人すら魔力ありの者だけを雇います。
そんな家で魔力無しとなってしまったら、ほぼ勘当されます。下手すると殺されます。でも……それも仕方ないと思う人が大半です。
シモン様もそのようなお考えとは思いませんでしたが、ご自分の魔力が史上最高値でしたので、わたくしが邪魔と思われたのでしょう。
……仕方ない、分かってます。
でも、わたくしが努力した日々は何だったのか……。とても虚しい気持ちです。わたくしは、シモン様をお慕いしておりました。シモン様も、わたくしを大事にしてくれていると思っておりましたが……。シモン様にとっては、わたくしは魔力がなければ価値がない程度の存在だったのでしょう。
この国に居たら、シモン様を思い出します。
もう、この国には居られません。帰ればすぐ勘当でしょう。でも、勘当されないと自由がありませんし、嫌ですが家に一度帰りましょう。
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