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三人でお茶会
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「お父様、ニコラ様からご招待いただきました。」
友人のニコラ・ルコントからお茶会の招待状をもらった。
「ふむ、ルコント家への招待か?それなら構わないよ。」
「ありがとうございます、そうお返事いたしますわ。」
数少ない友人で、気を許せる相手とのお茶会にうれしそうに言った。
「お迎えに来てくださるそうです。」
「そうか、では安心だな。私のエスコートは必要なさそうだ」
「ええ。ニコラ様なら私も安心です。」
ふと一緒にテーブルについているシリルの顔を見ると顔をしかめ不機嫌そうにしている。
(ああ、通常運転に戻ったみたい。せっかく、仲直りできるかと思ったんだけどな・・・ちょっと残念。)
ニコラがシャルロットをエスコートして馬車に乗り込む。
馬車の窓にはカーテンが引かれ、外が見えないように配慮されている。
シャルロットはニコラと向かい合わせで座ったが、その隣にしれっとシリルが座っていた。
「ニコラ様、本当にご迷惑ではありませんか?」
「ええ、まったく。逆に喜んでいるのです。シリル様にも来ていただけるなんて。」
そういってニコラは笑った。
ニコラも噂を知っている。そして義弟のシリルがシャルロットを疎ましく思っていることも。それだけにシャルロットを誘ったお茶会にシリルが行きたいと言い出したのが意外だった。
自分もシャルロットのやましい相手だと噂されているのは知っているが、知ったことではない。そんな噂に惑わされているような人間こそ侮蔑に値するとおもっているし、そのような噂くらいで困るような公爵家ではない。
「ニコラ様は姉とはどういう関係で?」
「友人ですよ。」
強引についてきたくせに、不機嫌さ全開のシリルにひやひやする。親しくしていただいているとはいえ、相手は自分たちより身分が高い公爵家の嫡男である。
失礼な物言いをしていい相手ではないのだ。
「シリル、ニコラ様にはいつもお世話になっているの。だからあなたもよろしくお願いね。」
暗に失礼な態度をとるな、不機嫌さを隠せ、問題を起こすなと伝えた。
「お世話になっているのは僕の方ですよ。ねえ、シャルロット様。」
ニコラはシャルロットの手を取り、軽く唇を寄せた。
「まあ、ニコラ様。恐れ多いですわ。」
いつものことと、シャルロットは軽く流すがそれを見ているシリルはますます不機嫌になっていく。
それを見てニコラはなるほどと何かを納得し、悪い笑みを浮かべるのだった。
屋敷についても出迎えが誰もいないことにシリルは不思議に思った。モーリア家ではシャルロットがいるときは使用人たちは出てこないようにしている。
しかし、公爵家ともなると見送り、出迎えは当たり前の事であり、その人数も大変なものだろう。それなのに、誰もいない。案内するものもおらず誰にも会わず、小部屋に案内された。お茶会というのにはふさわしくない簡易な部屋である。
シリルの疑問を感じたようにニコラは言った。
「ああ、今サロンに準備をさせています。すぐにご案内いたしますのでこちらで少しお休みください。」
「そうですか、ありがとうございます。ところで招待客は我々だけですか?」
「ええ。久しぶりにシャルロット嬢とゆっくりお会いしたかったので」
(二人きりで会おうとしてたということか!この男やはり姉上を・・・)
無理についてきてよかったとシリルはほっとした。
サロンに案内されると、茶会の準備が整っていた。すでにカップにお茶が注がれ、誰の姿もなかった。
(ああ、この男は姉上の事よく知っているんだ・・・他人が苦手な姉上と使用人が顔を合わせなくて済むように手配済みってことか)
すごく悔しく思った。
シャルロットが他人が苦手だという事を最近まで知らなかった、使用人を排するのも社交をしないのもただの我儘だと思っていた。
一緒に暮らしているくせに病気のことも含めて何もかも自分はわかっていなかった。
友人のニコラ・ルコントからお茶会の招待状をもらった。
「ふむ、ルコント家への招待か?それなら構わないよ。」
「ありがとうございます、そうお返事いたしますわ。」
数少ない友人で、気を許せる相手とのお茶会にうれしそうに言った。
「お迎えに来てくださるそうです。」
「そうか、では安心だな。私のエスコートは必要なさそうだ」
「ええ。ニコラ様なら私も安心です。」
ふと一緒にテーブルについているシリルの顔を見ると顔をしかめ不機嫌そうにしている。
(ああ、通常運転に戻ったみたい。せっかく、仲直りできるかと思ったんだけどな・・・ちょっと残念。)
ニコラがシャルロットをエスコートして馬車に乗り込む。
馬車の窓にはカーテンが引かれ、外が見えないように配慮されている。
シャルロットはニコラと向かい合わせで座ったが、その隣にしれっとシリルが座っていた。
「ニコラ様、本当にご迷惑ではありませんか?」
「ええ、まったく。逆に喜んでいるのです。シリル様にも来ていただけるなんて。」
そういってニコラは笑った。
ニコラも噂を知っている。そして義弟のシリルがシャルロットを疎ましく思っていることも。それだけにシャルロットを誘ったお茶会にシリルが行きたいと言い出したのが意外だった。
自分もシャルロットのやましい相手だと噂されているのは知っているが、知ったことではない。そんな噂に惑わされているような人間こそ侮蔑に値するとおもっているし、そのような噂くらいで困るような公爵家ではない。
「ニコラ様は姉とはどういう関係で?」
「友人ですよ。」
強引についてきたくせに、不機嫌さ全開のシリルにひやひやする。親しくしていただいているとはいえ、相手は自分たちより身分が高い公爵家の嫡男である。
失礼な物言いをしていい相手ではないのだ。
「シリル、ニコラ様にはいつもお世話になっているの。だからあなたもよろしくお願いね。」
暗に失礼な態度をとるな、不機嫌さを隠せ、問題を起こすなと伝えた。
「お世話になっているのは僕の方ですよ。ねえ、シャルロット様。」
ニコラはシャルロットの手を取り、軽く唇を寄せた。
「まあ、ニコラ様。恐れ多いですわ。」
いつものことと、シャルロットは軽く流すがそれを見ているシリルはますます不機嫌になっていく。
それを見てニコラはなるほどと何かを納得し、悪い笑みを浮かべるのだった。
屋敷についても出迎えが誰もいないことにシリルは不思議に思った。モーリア家ではシャルロットがいるときは使用人たちは出てこないようにしている。
しかし、公爵家ともなると見送り、出迎えは当たり前の事であり、その人数も大変なものだろう。それなのに、誰もいない。案内するものもおらず誰にも会わず、小部屋に案内された。お茶会というのにはふさわしくない簡易な部屋である。
シリルの疑問を感じたようにニコラは言った。
「ああ、今サロンに準備をさせています。すぐにご案内いたしますのでこちらで少しお休みください。」
「そうですか、ありがとうございます。ところで招待客は我々だけですか?」
「ええ。久しぶりにシャルロット嬢とゆっくりお会いしたかったので」
(二人きりで会おうとしてたということか!この男やはり姉上を・・・)
無理についてきてよかったとシリルはほっとした。
サロンに案内されると、茶会の準備が整っていた。すでにカップにお茶が注がれ、誰の姿もなかった。
(ああ、この男は姉上の事よく知っているんだ・・・他人が苦手な姉上と使用人が顔を合わせなくて済むように手配済みってことか)
すごく悔しく思った。
シャルロットが他人が苦手だという事を最近まで知らなかった、使用人を排するのも社交をしないのもただの我儘だと思っていた。
一緒に暮らしているくせに病気のことも含めて何もかも自分はわかっていなかった。
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