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シャルロットとニコラの出会い 1
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ニコラがシャルロットと知り合ったのは4年前、シャルロットが14歳、ニコラが15歳の時である。
ニコラは王子の側近としてすでに王宮に出入りしており、シャルロットは父親のモーリア侯爵に手を引かれて王宮に来ていた。
デピュタントも済ませていない娘を以前から時々連れてきていたのは知っていた。こうしてパーティーに来ても常にうつむくか、父親に抱き着いて顔を隠している。
そして王族が現れてしばらくするとすぐに帰っていくのだ。何のために来ているのかさっぱりわからないと思いながら特に気にすることはなかった。
この日も王宮でパーティーが開かれており、ニコラはエリック殿下の側に付き添っていたが令嬢たちとのダンスが始まったためニコラは一歩下がり周囲に目を配っていた。すると壁際で周りを数名の令嬢に囲まれてシャルロットがうつむいているのが見えた。
「ちょっとあなた返事くらいしなさいよ」
うつむいたままで視線も合わせず、返事もしないシャルロットに苛立った令嬢たちは攻撃を強めている。
「なんで貴方みたいな子がここにいるのよ。デピュタントも済ませてないくせにいつもいつも何しに来ているの?」
「何よその髪型もドレスも。パーティーにふさわしくないわ。御父上に無理についてきているのではなくて?」
「今日はおひとり?お父様はどうされたのかしら?さすがに足手まといと気が付かれたのよ、さっさと帰りなさいよ。」
ニコラは近寄ると、笑顔で話しかけた。
「ネガー侯爵令嬢、こんばんは。今宵は楽しまれているようで何よりです。」
「まあ、ニコラ様!」
声をかけられたネガー侯爵令嬢は、あきれるほどの早業で取り繕い笑顔で振り返った。しかも許可も得ずニコラの名前呼びだ。
「何かもめ事でしょうか?」
「いいえ、こちらのご令嬢が一人でいらしたので心細いかとお話を聞いて差し上げていたのですわ。」
「そうですか、それはお優しい。後は僕に任せてください。」
「え?ニコラ様が?ニコラ様がそのようなことをしなくてもそのあたりのメイドでもつければよろしいのではなくて?」
「いえ、ご心配なく。さ、ご令嬢こちらへどうぞ」
と、ニコラを手を差し出した。
しかしシャルロットは手を出すことなくうつむいたままだった。
「ちょっと!ニコラ様がせっかくこうおっしゃってるのに何様のつもり?!」
ニコラの前で猫をかぶっていた令嬢は、苛立って思わず猫を逃がした。
(全く・・君たちがいじめるからこうなったんじゃないのか?女の子って面倒くさいなあ。さっさと別室で休ませて侯爵を探しに行こう。)
ニコラがスッと手を取り引っ張ると、抵抗なくついてきた。
それでも意固地なほど床しか見ず顔を上げなかった。微かに手が震えているのが伝わってくる。
「大丈夫だった?口を挟んでごめんね」
「・・・いいえ、お手数をおかけして申し訳ありません。」
返事をしてくれたことにホッとした。
「モーリア侯爵はどこに行ったの?」
「部下の方が呼びに来て・・・すぐに戻るから待っているように言われました。」
「その間に絡まれたわけだね。かわいそうに。この部屋で待つと良いよ、侯爵には伝えておく。」
そういってある部屋の中に入った。
シャルロットは礼を言うために顔を上げた。いつも俯くか父親で隠しているからニコラは初めて近くでシャルロットの顔を見た。なんて愛らしい令嬢なんだと思わずまじまじと見つめてしまった。
シャルロットは顔を上げた瞬間、真っ青になり自分の体を抱くように震えてしゃがんでしまった。
「ご令嬢?!」
呼吸は早く浅く、唇も青く、全身も震えている。
「さ・・・寒い・・・」
「寒い?!」
こんなに暖かいのに?
ニコラはシャルロットを抱えてソファーに座らせ、自分の上着を脱いで着せた。それでも震えは収まらず、呼吸がどんどん浅くなっていく。
「ご令嬢!!」
ニコラは懸命にシャルロットの体をさするがついにシャルロットは気を失ってしまった。
ニコラは王子の側近としてすでに王宮に出入りしており、シャルロットは父親のモーリア侯爵に手を引かれて王宮に来ていた。
デピュタントも済ませていない娘を以前から時々連れてきていたのは知っていた。こうしてパーティーに来ても常にうつむくか、父親に抱き着いて顔を隠している。
そして王族が現れてしばらくするとすぐに帰っていくのだ。何のために来ているのかさっぱりわからないと思いながら特に気にすることはなかった。
この日も王宮でパーティーが開かれており、ニコラはエリック殿下の側に付き添っていたが令嬢たちとのダンスが始まったためニコラは一歩下がり周囲に目を配っていた。すると壁際で周りを数名の令嬢に囲まれてシャルロットがうつむいているのが見えた。
「ちょっとあなた返事くらいしなさいよ」
うつむいたままで視線も合わせず、返事もしないシャルロットに苛立った令嬢たちは攻撃を強めている。
「なんで貴方みたいな子がここにいるのよ。デピュタントも済ませてないくせにいつもいつも何しに来ているの?」
「何よその髪型もドレスも。パーティーにふさわしくないわ。御父上に無理についてきているのではなくて?」
「今日はおひとり?お父様はどうされたのかしら?さすがに足手まといと気が付かれたのよ、さっさと帰りなさいよ。」
ニコラは近寄ると、笑顔で話しかけた。
「ネガー侯爵令嬢、こんばんは。今宵は楽しまれているようで何よりです。」
「まあ、ニコラ様!」
声をかけられたネガー侯爵令嬢は、あきれるほどの早業で取り繕い笑顔で振り返った。しかも許可も得ずニコラの名前呼びだ。
「何かもめ事でしょうか?」
「いいえ、こちらのご令嬢が一人でいらしたので心細いかとお話を聞いて差し上げていたのですわ。」
「そうですか、それはお優しい。後は僕に任せてください。」
「え?ニコラ様が?ニコラ様がそのようなことをしなくてもそのあたりのメイドでもつければよろしいのではなくて?」
「いえ、ご心配なく。さ、ご令嬢こちらへどうぞ」
と、ニコラを手を差し出した。
しかしシャルロットは手を出すことなくうつむいたままだった。
「ちょっと!ニコラ様がせっかくこうおっしゃってるのに何様のつもり?!」
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(全く・・君たちがいじめるからこうなったんじゃないのか?女の子って面倒くさいなあ。さっさと別室で休ませて侯爵を探しに行こう。)
ニコラがスッと手を取り引っ張ると、抵抗なくついてきた。
それでも意固地なほど床しか見ず顔を上げなかった。微かに手が震えているのが伝わってくる。
「大丈夫だった?口を挟んでごめんね」
「・・・いいえ、お手数をおかけして申し訳ありません。」
返事をしてくれたことにホッとした。
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「ご令嬢?!」
呼吸は早く浅く、唇も青く、全身も震えている。
「さ・・・寒い・・・」
「寒い?!」
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ニコラはシャルロットを抱えてソファーに座らせ、自分の上着を脱いで着せた。それでも震えは収まらず、呼吸がどんどん浅くなっていく。
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ニコラは懸命にシャルロットの体をさするがついにシャルロットは気を失ってしまった。
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