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お約束の悪役令嬢登場 1
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その後も、シャルロットは今まで通りほとんど社交に出ることはなかったが、どうしてもという時にはシリルがエスコートをするようになった。
以前はこっそりと王族たちを見るため無理をして夜会や舞踏会に参加していたが、エリックが知ってしまった以上、隠さなくてよくなった。その王子の配慮により秘密裏に王族や国の重鎮を見ることができるようになり、シャルロットの負担はだいぶん少なくなった。
今日は第二王子、第三王子の暗殺未遂事件を経て王位継承権争いが、やっと落ち着いた王室のお披露目のようなものだ。
第一王子が王太子争いから降りてエリックを支えることを表明、臣下に下った元第三王子ともにエリックをささえていくことで後継者争いを収めた。
シャルロットは不参加でもよいと許可をもらっていたが、シリルが離れず側にいてくれるというのでこれからの王室をこの目で見たく参加した。
これまでは限られた人以外を視界に入れないようにうつむき、楽しむことなどできなかったが、シリルがいれば少しづつ世界を広げることができるかもしれない。今でも怖いことに変わりはないし、周りを見渡すこともできないが、エリックがいつでも避難できるようにと部屋も用意をしてくれている。そういう皆のやさしさ、気遣いにシャルロット自身も変わりたいと強く思った。
「シャルロット、大丈夫ですか?」
婚約者となり、「姉上」から名前で呼んでくるようになったシリルにまだ慣れず顔を赤くしてしまう。それをみて胸を高鳴らせますます甘く溺愛をこじらせるシリルは、シャルロットの可愛い顔がよその男の目に入らないように抱き寄せる。もう一つ、痛みは伴わないと言っても少しでも死を見なくて済むように。
「シリル?」
「可愛い」
そういって、耳元にキスしてくる。
「ちょ・・ちょっと・・」
シリルが構い倒しているところに、3人の令嬢が声をかけてきた。
「シリル様、ご無沙汰しておりますわ。もしかしてお姉さまのエスコートを押し付けられましたの?大変ですわね、おいたわしい。あちらでお話いたしませんこと?」
赤いドレスに、宝石で身を飾り立て自信満々の表情で話しかけてきた令嬢の後ろには取り巻きと思われる二人の令嬢が立っている。
「・・・ああ、アルエ侯爵令嬢。」
「まあ、そんなよそよそしいですわ。ルイーズとお呼びくださいませ。」
シリルに抱き寄せられたまま身を固くしてしまったシャルロットを安心させるようにその背をポンポンとたたく。それを見てルイーズは眉を寄せる。
「あら、ルコント公爵令息の次は弟君にまで媚びを売ってらっしゃるのかしら?お盛んなのは結構ですけど、貴族のご令嬢としてはいかがなものでしょうか。家名に恥じないよう自重された方がよろしくてよ。ねえ、シリル様?」
3人がくすりと笑う。
シリルは、冷たい視線を3人の令嬢に向けると
「ええ、本当に。根も葉もないうわさを流し、一方的に他人を貶め嘲笑するような礼儀も持ち合わせてない令嬢は、家名を相当貶めていますね。」
「な!シリル様?!シャルロット様のことは皆がそう申しておりますわ!シリル様こそどうされたのですか?まさか、この女の甘言に惑わされたのでは・・・弟を誘惑して取り入るなんて、なんてふしだらな!」
「発言を取り消していただこう。噂はすべて間違いですよ。僕も、根も葉もない噂に惑わされた事を恥じております。シャルロットはそんな人間ではない。これからはそんなばかばかしい話をしないでいただきたい。」
「シリル様は騙されているのです。ルコント公爵令息と関係を持ちながら・・・モーリア侯爵とも・・・」
「黙れ!!下手に出ていればどこまで侮辱をするつもりだ。シャルロットは僕の婚約者だ、これ以上貶めることをいうならこちらもそれなりの対応をさせてもらう。」
「婚約者ですって?」
以前はこっそりと王族たちを見るため無理をして夜会や舞踏会に参加していたが、エリックが知ってしまった以上、隠さなくてよくなった。その王子の配慮により秘密裏に王族や国の重鎮を見ることができるようになり、シャルロットの負担はだいぶん少なくなった。
今日は第二王子、第三王子の暗殺未遂事件を経て王位継承権争いが、やっと落ち着いた王室のお披露目のようなものだ。
第一王子が王太子争いから降りてエリックを支えることを表明、臣下に下った元第三王子ともにエリックをささえていくことで後継者争いを収めた。
シャルロットは不参加でもよいと許可をもらっていたが、シリルが離れず側にいてくれるというのでこれからの王室をこの目で見たく参加した。
これまでは限られた人以外を視界に入れないようにうつむき、楽しむことなどできなかったが、シリルがいれば少しづつ世界を広げることができるかもしれない。今でも怖いことに変わりはないし、周りを見渡すこともできないが、エリックがいつでも避難できるようにと部屋も用意をしてくれている。そういう皆のやさしさ、気遣いにシャルロット自身も変わりたいと強く思った。
「シャルロット、大丈夫ですか?」
婚約者となり、「姉上」から名前で呼んでくるようになったシリルにまだ慣れず顔を赤くしてしまう。それをみて胸を高鳴らせますます甘く溺愛をこじらせるシリルは、シャルロットの可愛い顔がよその男の目に入らないように抱き寄せる。もう一つ、痛みは伴わないと言っても少しでも死を見なくて済むように。
「シリル?」
「可愛い」
そういって、耳元にキスしてくる。
「ちょ・・ちょっと・・」
シリルが構い倒しているところに、3人の令嬢が声をかけてきた。
「シリル様、ご無沙汰しておりますわ。もしかしてお姉さまのエスコートを押し付けられましたの?大変ですわね、おいたわしい。あちらでお話いたしませんこと?」
赤いドレスに、宝石で身を飾り立て自信満々の表情で話しかけてきた令嬢の後ろには取り巻きと思われる二人の令嬢が立っている。
「・・・ああ、アルエ侯爵令嬢。」
「まあ、そんなよそよそしいですわ。ルイーズとお呼びくださいませ。」
シリルに抱き寄せられたまま身を固くしてしまったシャルロットを安心させるようにその背をポンポンとたたく。それを見てルイーズは眉を寄せる。
「あら、ルコント公爵令息の次は弟君にまで媚びを売ってらっしゃるのかしら?お盛んなのは結構ですけど、貴族のご令嬢としてはいかがなものでしょうか。家名に恥じないよう自重された方がよろしくてよ。ねえ、シリル様?」
3人がくすりと笑う。
シリルは、冷たい視線を3人の令嬢に向けると
「ええ、本当に。根も葉もないうわさを流し、一方的に他人を貶め嘲笑するような礼儀も持ち合わせてない令嬢は、家名を相当貶めていますね。」
「な!シリル様?!シャルロット様のことは皆がそう申しておりますわ!シリル様こそどうされたのですか?まさか、この女の甘言に惑わされたのでは・・・弟を誘惑して取り入るなんて、なんてふしだらな!」
「発言を取り消していただこう。噂はすべて間違いですよ。僕も、根も葉もない噂に惑わされた事を恥じております。シャルロットはそんな人間ではない。これからはそんなばかばかしい話をしないでいただきたい。」
「シリル様は騙されているのです。ルコント公爵令息と関係を持ちながら・・・モーリア侯爵とも・・・」
「黙れ!!下手に出ていればどこまで侮辱をするつもりだ。シャルロットは僕の婚約者だ、これ以上貶めることをいうならこちらもそれなりの対応をさせてもらう。」
「婚約者ですって?」
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