スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの

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第6章 町の名はプラハ。パラフじゃないです。……どう言う事?

6-3 ハル君が書いた俺の行先です。

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 フランツに置いて行かれた部屋で、1人で頭を抱え込む。あーーーーーー、やだ、やだ。本当に俺、どうなってしまうんだろ? ハル君は小説になんて書いているんだろ? パラフの町に、バルタヴォ川。それにツランフ・カフフだなんて。ネーミングセンスは相変わらず。ん? あ、そっか。ハル君が書いた小説の内容を先に教えてもらえばいいんじゃないでしょうか? それでこの世界がどれだけズレているかは分かる。もしかして名前だけがズレているだけかもしれないし。

(ハールーくーん!)

(何ですか?その呼び方。普通に呼んでくれても対応しますよ)

(あのですね。ハル君が書いた小説の内容を教えて!)

(え?ダメですよ。それじゃ、店長の成長にならないでしょ?それに先に話知ったら、面白くないでしょ?)

(成長しなくていいし、面白くなくていいから。だって俺が来てるのパラフじゃなくて、プラハだよ。会ったのもツランフ・カフフじゃなくて、フランツ・カフフだし。何かの力が作用してるって事でしょ?話がどうなるか知っていないと、何か起こった時に対応出来ないじゃん)

(本当にパラフじゃなく、プラハにいるって言うんですね?)

(うん)

(仕方ないですね)

(ありがとう)

(俺の書いた話では)

(うん、教えて)

(いちいち反応しなくていいですよ。ちょっと長くなるんで、まとめて書いて送ります。待っててください)

(はい)

 未読スルーになったけど、今は何分だって待てますよ。このプラハでは……パラフでは何をさせられるんでしょうか。ポリではノポレオンと戦わされ、コイロでは墓掃除だった。ワィーンで悪童ムーツァルトを退治して、ニスカでは地上絵にワイバーンだ。んー、振り返ってみるとちょっと感慨深い。

(一応カフフと出会ってからの話ですけど。カフフの両親が大怪我を負って帰ってきます。広場で襲われたとは言うんですけど、誰に襲われたかは怯えて言わないんです。そこで店長はカフフと一緒に広場に向かいます。すると広場には2mくらいの巨大ゴキブリが大量発生してるんです。そこでゴキブリ退治です。店長、覚えてますか?"大容量ゴキゴキじぇじぇジェット"何本かは売れましたけど、さすがにお得用2リットルサイズじゃ、減らないんでしょうね。その後、パタリと売れなくなりました。なんで売れ残ってます。えーと、店長には売れ残ってる"大容量ゴキゴキじぇじぇジェット"を全部仕入れてもらって、巨大ゴキブリを退治してもらいます。無事、巨大ゴキブリは退治できて、カフフはこの巨大ゴキブリから着想を得て、あの『変身』を執筆するんです。で、店長はと言うとですね。カフフに間違ってかけられたゴキゴキじぇじぇジェットを浴びて気絶するんです。で、カフフの手で巨大ゴキブリと一緒に葬られます。以上)

 以上って何ですか?! はぁ?

(ハル君。俺を葬らないでよ!しかも巨大ゴキブリと一緒にだなんて酷い!俺はこの世でゴキブリが1番嫌いなの!だから大容量のゴキゴキじぇじぇジェットを仕入れたの!)

(店長なら大丈夫です。葬られても、またどこかで目覚めますから)

 軽く言ってのけるハル君に悲しくなった。またどこかでって。……それってまた飛ばされるって事だよね? それは嫌だ! でもやっぱり1番嫌なのはゴキブリだ。

(ハル君。今から書き直せない?)

(もう書き上げたんで、無理です。あ、俺これから居酒屋バイトなんで。それともうすぐカフフが帰って来ますから)

 あ、逃げられた。バイトなら仕方ないけど。こんな形で、俺を放置しないでください。あーーーーーー。まじでゴキブリ退治は嫌だ。しかも巨大って。あの茶色の羽が巨大になって、カサカサ言う姿を想像しただけで、気が狂いそうだ。あーーーーーー。どうしよう? とりあえず仕入れだ。大容量ゴキゴキじぇじぇジェットを誰かに買われる前に、全部買い占めないと。
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