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第1章 町の名はポリ。パリじゃないです。
1-5 Merchantです。
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マンモルトルに言われた通りに進むと、森を抜ける事が出来た。牧草地の向こうには城壁が見えていたけど、ハル君のLINEを待たないと、動くに動けない。睨み続けたスマホの時計がやっと3時になった。
(店長、何してます?ニンフ達に会いました?)
待ちに待ったハル君からのLINE。そうだった。ここはハル君が書いた世界だ。
(ハル君。俺、羽根の付いた婆さん4人に食べられそうになったんだけど。頼むから小説に変なこと書かないで)
(😅)
いや、スタンプじゃなくて、ちゃんと返してよ。……って、ハル君はまだ上がったばかりか。着替えをして、落ち着くまでもう少し時間がかかるかもしれない。でも、そんなの待ってられない。
(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)
(店長!スタンプ連打やめてください。それよりもうマンモルトルの森は抜けたでしょ?)
(抜けたよ。今は牧草地にいて、少し先に城壁が見えてる。俺はこれから、どうすればいいんだ?)
城壁の向こうがポリの町だってのは、分かっているけど。町に入ったとして、俺は何をすればいいんだろう? はぁ、こんな時に美弥が居てくれたら、きっと俺の尻を叩いてくれるんだろうな。
(とりあえずユウキで商品仕入れてください)
(商品ってどう言う事?)
(店長、そっちのお金持ってないでしょ。商売して、そっちのお金稼いでください。そうしないと野宿ですよ。ちゃんとMerchantで登録しているんで、問題ないです)
野宿は嫌だ! ハル君の言う事を聞くしか、俺に途は残されていない。
(商売は分かったけど、何を売ればいいんだ?)
(店の過剰在庫を思い出してください。店長が無駄に仕入れて、売れ残ってる商品を! 店長にはこれからライフマートユウキが抱える過剰在庫をそっちの世界で売り捌いてもらいます!)
そうだった。売れると思って仕入れたけど、全く売れなかった物が、バックヤードに沢山眠っている。親父とお袋には不満を言われ、パートさん達に頭を下げて、おすすめして貰ったけど、全く売れなかった……過剰在庫。いや、不要在庫が、ユウキには沢山ある。
(これって、ハル君が小説に書いてくれたの?)
(そうですよ。win-winでしょ? 店長は世界中を旅出来て、店の過剰在庫も処分出来る。バックヤードに積み上げられた、商品の在庫を見て、思い付いたんです)
ハル君。ありがとう。もうこれで親父達に不満を言われる事も、パートさんに頭を下げて回る事もなくなるのですね。嗚呼、神様! ハル君をユウキのバイトにしてくれて、ありがとうございます!
(おーい! 店長。生きてますか? 反応してくださーい)
(ごめん、ごめん。生きてます)
(まずは商品を仕入れる。それとアイテムボックスにギルド証が入ってるんで、城壁の中に入る時に門番に見せてください。後は広場かどっかで、好きに売り捌いちゃってください)
ハル君の指示に従う。まずは商品の仕入れだ。過剰在庫でまず思い付くのは。そう、5年前の新学期前に仕入れた半消し鉛筆だ。名前の通り、鉛筆の半分が消しゴムになった優れ物なのに。5年前の俺は、小学生でもシャーペンを使うって事を知らなかった。
売れ残り理由は、シャーペンにその座を奪われたからじゃないって、ハル君は言ったけど。確かほぼ売れ残って、100ダース近く在庫があっはず。
半消し鉛筆1ダース、550円。やっぱり……。
在庫数、99。って、1ダースしか売れなかったって事? 思い出すだけで、5年前の悲しみが甦る。
とりあえず在庫処分だ! 99ダースで、55,450円。あと実演で削るためのナイフは……750円。
ギルド証が何の事かは分からないけど、アイテムボックスに入ってるって、ハル君は言っていた。……よし、これで準備は出来た。
(ハル君。準備は出来たけど、幾らで売ればいいのかな? 円じゃないよね?)
(その国の通貨はグーロです。1000グーロで金貨1枚です。店長、仕入れたのは半消し鉛筆ですよね? 1ダース、1000グーロで飛ぶように売れますよ)
(在庫処分なのに、言いにくいんだけど)
(何ですか?)
(1ダース、550円だったのね。それを1000グーロで売って元は取れるのかなぁって。1000グーロって、どれくらいの価値かな?)
(大丈夫ですって。1000グーロを換算すると、2万円くらいです)
えっ?! 2万円? 鉛筆1ダース、2万円で販売。
(ハル君。鉛筆1ダース、2万円は高くない?)
(大丈夫です。その世界に鉛筆はないですから、魔道具として、高く売れますよ。あ、俺この後、居酒屋のバイトなんで、また夜にでも)
うちのバイトに、居酒屋のバイトまで。ハル君、本当に働き者だなぁ、って今は感心してる場合じゃない。鉛筆99ダースの完売を目指して、ポリの町に、挑んでみようじゃありませんか。
(店長、何してます?ニンフ達に会いました?)
待ちに待ったハル君からのLINE。そうだった。ここはハル君が書いた世界だ。
(ハル君。俺、羽根の付いた婆さん4人に食べられそうになったんだけど。頼むから小説に変なこと書かないで)
(😅)
いや、スタンプじゃなくて、ちゃんと返してよ。……って、ハル君はまだ上がったばかりか。着替えをして、落ち着くまでもう少し時間がかかるかもしれない。でも、そんなの待ってられない。
(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)(😭)
(店長!スタンプ連打やめてください。それよりもうマンモルトルの森は抜けたでしょ?)
(抜けたよ。今は牧草地にいて、少し先に城壁が見えてる。俺はこれから、どうすればいいんだ?)
城壁の向こうがポリの町だってのは、分かっているけど。町に入ったとして、俺は何をすればいいんだろう? はぁ、こんな時に美弥が居てくれたら、きっと俺の尻を叩いてくれるんだろうな。
(とりあえずユウキで商品仕入れてください)
(商品ってどう言う事?)
(店長、そっちのお金持ってないでしょ。商売して、そっちのお金稼いでください。そうしないと野宿ですよ。ちゃんとMerchantで登録しているんで、問題ないです)
野宿は嫌だ! ハル君の言う事を聞くしか、俺に途は残されていない。
(商売は分かったけど、何を売ればいいんだ?)
(店の過剰在庫を思い出してください。店長が無駄に仕入れて、売れ残ってる商品を! 店長にはこれからライフマートユウキが抱える過剰在庫をそっちの世界で売り捌いてもらいます!)
そうだった。売れると思って仕入れたけど、全く売れなかった物が、バックヤードに沢山眠っている。親父とお袋には不満を言われ、パートさん達に頭を下げて、おすすめして貰ったけど、全く売れなかった……過剰在庫。いや、不要在庫が、ユウキには沢山ある。
(これって、ハル君が小説に書いてくれたの?)
(そうですよ。win-winでしょ? 店長は世界中を旅出来て、店の過剰在庫も処分出来る。バックヤードに積み上げられた、商品の在庫を見て、思い付いたんです)
ハル君。ありがとう。もうこれで親父達に不満を言われる事も、パートさんに頭を下げて回る事もなくなるのですね。嗚呼、神様! ハル君をユウキのバイトにしてくれて、ありがとうございます!
(おーい! 店長。生きてますか? 反応してくださーい)
(ごめん、ごめん。生きてます)
(まずは商品を仕入れる。それとアイテムボックスにギルド証が入ってるんで、城壁の中に入る時に門番に見せてください。後は広場かどっかで、好きに売り捌いちゃってください)
ハル君の指示に従う。まずは商品の仕入れだ。過剰在庫でまず思い付くのは。そう、5年前の新学期前に仕入れた半消し鉛筆だ。名前の通り、鉛筆の半分が消しゴムになった優れ物なのに。5年前の俺は、小学生でもシャーペンを使うって事を知らなかった。
売れ残り理由は、シャーペンにその座を奪われたからじゃないって、ハル君は言ったけど。確かほぼ売れ残って、100ダース近く在庫があっはず。
半消し鉛筆1ダース、550円。やっぱり……。
在庫数、99。って、1ダースしか売れなかったって事? 思い出すだけで、5年前の悲しみが甦る。
とりあえず在庫処分だ! 99ダースで、55,450円。あと実演で削るためのナイフは……750円。
ギルド証が何の事かは分からないけど、アイテムボックスに入ってるって、ハル君は言っていた。……よし、これで準備は出来た。
(ハル君。準備は出来たけど、幾らで売ればいいのかな? 円じゃないよね?)
(その国の通貨はグーロです。1000グーロで金貨1枚です。店長、仕入れたのは半消し鉛筆ですよね? 1ダース、1000グーロで飛ぶように売れますよ)
(在庫処分なのに、言いにくいんだけど)
(何ですか?)
(1ダース、550円だったのね。それを1000グーロで売って元は取れるのかなぁって。1000グーロって、どれくらいの価値かな?)
(大丈夫ですって。1000グーロを換算すると、2万円くらいです)
えっ?! 2万円? 鉛筆1ダース、2万円で販売。
(ハル君。鉛筆1ダース、2万円は高くない?)
(大丈夫です。その世界に鉛筆はないですから、魔道具として、高く売れますよ。あ、俺この後、居酒屋のバイトなんで、また夜にでも)
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