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第三章 孫を追いかけ北を目指す旅で御座います。
3-8 旅籠で宿泊で御座います。
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「探偵さんよぅ。わしゃぁ、一つ思い出した事があってのぅ。今日は家じゃなくて、この旅籠に泊まりたいんじゃが」
じぃじがランバーのグラスを空にして、この旅籠に泊まりたいなんて、言い出したじゃありませんか。どう言う事で御座いましょうか?
「それは構いませんよ。でも、家をお持ちなのに、どうしてでしょう?」
探偵さんも同じ疑問を、抱いたようで御座います。
「……ばぁばは、何も思い出さんのか」
突然、振られまさしたが、さて? 何を思い出せと、じぃじは言うのでしょうか。……ですが、ここで何も思い出さないと、言う訳にはまいりません。こう言う時こそ、じぃじに寄り添わなければ、45年連れ添った妻としては、失格で御座います。
テラスの席に座ったままでは、何も閃くものは御座いませんので、私、立ち上がり、旅籠の建物全体を目に入れたので御座います。すると、どうでしょう、じぃじが言わんとする事が、降りてきたじゃありませんか。ビビビッて言うんですか? 正にビビビと来たので御座います。
「じぃじ、思い出しましたよ。この木骨組のお屋敷は、新婚旅行で泊まったお宿で御座いますね」
さて、あれは何処の国だったでしょうか。新婚旅行でヨーロッパを周遊していた時、余りにも可愛いらしい宿が御座いましたので、じぃじに泊まりたいと、おねだりしたので御座います。後にも先にもたった一回のおねだりで御座いました。それを覚えていたなんて。私は本当に幸せ者で御座います。
「ミーナさん、私、今日こちらの旅籠に泊まりたいのですが、お部屋に空きは御座いますか?」
部屋が無ければ泊まる事も出来ません。ここはいち早く行動を取らなければなりません。
「ああ、今、聞いて来てやるよ。で、何部屋必要なんだい?」
「出来れば3部屋お願いします」
「あいよ」
ミーナさんに探偵さんが答えていらっしゃいます。
「探偵さん達も、今日は旅籠で?」
「ええ。さっき確認しましたら、結界内に家を建てるのも、場所代が必要だったんです。それにレオンとパンにも、ゆっくり休ませてやりたいんで」
探偵さんのお優しい気持ちに、私、少し反省で御座います。
「いいにょか? 俺も旅籠のベッドで寝て、いいんだにゃ」
パンさんが、喜んでいらっしゃいます。
「申し訳ない。私達まで」
レオンさんが、恐縮されていらっしゃいます。
「……3部屋、空きがあったよ。とりあえず押さえておくよう言っておいたから、受付で支払いを済ませてカギを受け取るんだ」
「ミーナさん。ありがとう御座います」
「何て事ないさ。まあ、夕食と朝食はうちで食べてもらう事になるから、あたいも助かるよ」
そうで御座いますね。家が建てられないのでしたら、私が食事の準備をする事は出来ません。
「では、私、支払いに行ってまいりますね」
「ああ、光江さん。私も一緒に」
「いえ、一人で大丈夫です。それに、どうか私に、今日な宿代は出させていただけませんか? お願いします」
「お願いしますだなんて、とんでもない」
「では、行って来ますね」
ミーナさんに連れられて、受付で支払いを済ませます。一部屋30ディナだと申されましたので、金貨1枚をお渡しして、お釣りに銀貨1枚を頂戴致しました。
「ミーナさん。5人分のお食事代で幾らになりますか? 夕食と朝食とで」
「夕食が5ディナで、朝食が3ディナだ。5人なら40ディナだな」
「まぁ、良かった。それなら御座います」
お釣りに頂いた銀貨1枚に、3枚を足してミーナさんに、手渡します。
「夕食は日没からだよ。5人で席を取っておいてやるから、日没過ぎにカフェに来な」
「はい、ありがとう御座います」
テラスへ戻ると、探偵さんとレオンさんが、何やら話し込んていらっしゃいました。じぃじとパンさんはと言うと、あら……夕方なのにお昼寝で御座いましょうか。
「……こちらがカギです。それと夕食は日没過ぎだそうです。ミーナさんがお席を取っておいてくれるそうです」
「何から何まで申し訳ないです」
探偵さんとレオンさんが、頭を下げられましたが、滅相も御座いません。
「私の方こそ、早く気付けば良かったのに、申し訳御座いません」
「何をおっしゃいますか。それより光江さん。さっき聞いたんですが、この旅籠から次のタターニャまでの道中で、今日魔物が出たらしいんです」
「魔物ですか?」
「ええ。なので、暫くこの旅籠に滞在して、様子を見るか、迂回路を取るか、いまレオンと相談していたんです」
「そうなんですね。それでその魔物というのは?」
「はい、ドラゴンなんですが」
「ドラゴンですか。竜の事ですね」
ドラゴンは私には分かります。今までお会いした、ドワーフさんも、コボルドさんも、ゴブリンさんも、ニンフさんも存じておりませんでしたが、ドラゴンさんは存じております。
「様子を見るにしても、迂回路を取るにしても、余計な日数がかかってしまうので、どうしようかと」
「……そうですね。余計な日数はかけたく御座いませんものね。私は少しでも早く雷人に会わなければなりませんし。それに」
「それに……何でしょうか?」
「はい。一度、ドラゴンさんには、お会いしたいと思っております。なので明日出発をして、迂回はせず、タターニャの町を目指しましょう」
探偵さんもレオンさんも、驚かれているご様子ですが、雷人に一日も早く会うためで御座います。何が起こっても、私は驚いたり致しません。
じぃじがランバーのグラスを空にして、この旅籠に泊まりたいなんて、言い出したじゃありませんか。どう言う事で御座いましょうか?
「それは構いませんよ。でも、家をお持ちなのに、どうしてでしょう?」
探偵さんも同じ疑問を、抱いたようで御座います。
「……ばぁばは、何も思い出さんのか」
突然、振られまさしたが、さて? 何を思い出せと、じぃじは言うのでしょうか。……ですが、ここで何も思い出さないと、言う訳にはまいりません。こう言う時こそ、じぃじに寄り添わなければ、45年連れ添った妻としては、失格で御座います。
テラスの席に座ったままでは、何も閃くものは御座いませんので、私、立ち上がり、旅籠の建物全体を目に入れたので御座います。すると、どうでしょう、じぃじが言わんとする事が、降りてきたじゃありませんか。ビビビッて言うんですか? 正にビビビと来たので御座います。
「じぃじ、思い出しましたよ。この木骨組のお屋敷は、新婚旅行で泊まったお宿で御座いますね」
さて、あれは何処の国だったでしょうか。新婚旅行でヨーロッパを周遊していた時、余りにも可愛いらしい宿が御座いましたので、じぃじに泊まりたいと、おねだりしたので御座います。後にも先にもたった一回のおねだりで御座いました。それを覚えていたなんて。私は本当に幸せ者で御座います。
「ミーナさん、私、今日こちらの旅籠に泊まりたいのですが、お部屋に空きは御座いますか?」
部屋が無ければ泊まる事も出来ません。ここはいち早く行動を取らなければなりません。
「ああ、今、聞いて来てやるよ。で、何部屋必要なんだい?」
「出来れば3部屋お願いします」
「あいよ」
ミーナさんに探偵さんが答えていらっしゃいます。
「探偵さん達も、今日は旅籠で?」
「ええ。さっき確認しましたら、結界内に家を建てるのも、場所代が必要だったんです。それにレオンとパンにも、ゆっくり休ませてやりたいんで」
探偵さんのお優しい気持ちに、私、少し反省で御座います。
「いいにょか? 俺も旅籠のベッドで寝て、いいんだにゃ」
パンさんが、喜んでいらっしゃいます。
「申し訳ない。私達まで」
レオンさんが、恐縮されていらっしゃいます。
「……3部屋、空きがあったよ。とりあえず押さえておくよう言っておいたから、受付で支払いを済ませてカギを受け取るんだ」
「ミーナさん。ありがとう御座います」
「何て事ないさ。まあ、夕食と朝食はうちで食べてもらう事になるから、あたいも助かるよ」
そうで御座いますね。家が建てられないのでしたら、私が食事の準備をする事は出来ません。
「では、私、支払いに行ってまいりますね」
「ああ、光江さん。私も一緒に」
「いえ、一人で大丈夫です。それに、どうか私に、今日な宿代は出させていただけませんか? お願いします」
「お願いしますだなんて、とんでもない」
「では、行って来ますね」
ミーナさんに連れられて、受付で支払いを済ませます。一部屋30ディナだと申されましたので、金貨1枚をお渡しして、お釣りに銀貨1枚を頂戴致しました。
「ミーナさん。5人分のお食事代で幾らになりますか? 夕食と朝食とで」
「夕食が5ディナで、朝食が3ディナだ。5人なら40ディナだな」
「まぁ、良かった。それなら御座います」
お釣りに頂いた銀貨1枚に、3枚を足してミーナさんに、手渡します。
「夕食は日没からだよ。5人で席を取っておいてやるから、日没過ぎにカフェに来な」
「はい、ありがとう御座います」
テラスへ戻ると、探偵さんとレオンさんが、何やら話し込んていらっしゃいました。じぃじとパンさんはと言うと、あら……夕方なのにお昼寝で御座いましょうか。
「……こちらがカギです。それと夕食は日没過ぎだそうです。ミーナさんがお席を取っておいてくれるそうです」
「何から何まで申し訳ないです」
探偵さんとレオンさんが、頭を下げられましたが、滅相も御座いません。
「私の方こそ、早く気付けば良かったのに、申し訳御座いません」
「何をおっしゃいますか。それより光江さん。さっき聞いたんですが、この旅籠から次のタターニャまでの道中で、今日魔物が出たらしいんです」
「魔物ですか?」
「ええ。なので、暫くこの旅籠に滞在して、様子を見るか、迂回路を取るか、いまレオンと相談していたんです」
「そうなんですね。それでその魔物というのは?」
「はい、ドラゴンなんですが」
「ドラゴンですか。竜の事ですね」
ドラゴンは私には分かります。今までお会いした、ドワーフさんも、コボルドさんも、ゴブリンさんも、ニンフさんも存じておりませんでしたが、ドラゴンさんは存じております。
「様子を見るにしても、迂回路を取るにしても、余計な日数がかかってしまうので、どうしようかと」
「……そうですね。余計な日数はかけたく御座いませんものね。私は少しでも早く雷人に会わなければなりませんし。それに」
「それに……何でしょうか?」
「はい。一度、ドラゴンさんには、お会いしたいと思っております。なので明日出発をして、迂回はせず、タターニャの町を目指しましょう」
探偵さんもレオンさんも、驚かれているご様子ですが、雷人に一日も早く会うためで御座います。何が起こっても、私は驚いたり致しません。
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