うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第五章 孫を追いかけ王都を目指す旅で御座います。

5-4 大道芸人はサーカスの宣伝で御座います。

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「探偵さんよぅ。何であんなに人が集まっておるんじゃ?」

「さあ、何でしょう? 私にも分かりませんが、また少しお待ちになっててください。町役場に行って来ます」

 60kmと言う距離に、少しの心配は御座いましたが、日が落ちる前に無事、ペリーヌの町に到着致しました。いつものように探偵さんは、町役場に向かわれましたが、広場の一角の人集ひとだかりに、じぃじが気を取られておいでです。

「じぃじ、何かあったのですか?」

「いや、分からんのじゃ。すごい人が集まっておるから、何かあるとは思うんじゃが」

 あまりの人集りですが、私共の位置からは、何に集まっているかが見えません。

「あのぅ、皆さん何に集まっているのですか?」

 人集りから少し離れた場所で、井戸端会議をしている数人の女性陣に、お声をかけてみました。

「ああ、何でも王都からの大道芸人らしいよ。今日の夜、町の外れで、あれ、何て言ったっけ? サー、何とか言う……」

「もしかしてサーカスで御座いますか?」

「そうそう。そのサーカスの宣伝をしているんだよ。」

「ああ、そうだったんですね」

「1人、20ディナの入場料って、王都から来たかは知らないけど、高過ぎだよ」

 サーカスの入場料が、20ディナと言う事に、女性の一人がボヤいておいでです。確かに5人家族なら100ディナ、金貨1枚です。私共は4人なので、80ディナで御座いますね。……あら? じぃじはどこでしょう? ついさっきまで隣にいたじぃじが、見当たりません。……あら? またベンチですね。人集りを避けたベンチにいらっしゃいました。

「……じぃじ。あの人集りは大道芸人さんらしいです。今日の夜、町外れでサーカスがあるので、その宣伝をされているようです」

「ほぅ、サーカスとな。懐かしいのぅ」

 そうですね。私共が子供の頃は、しょっちゅう町にサーカスがやって来ておりました。そんなサーカスが来るたび、親にねだっていたもので御座います。

「……懐かしいですね。せっかくですから、今日の夜、観に行きましょう」

「ほぅ、そうじゃのぅ。夜は寝るだけだしなぁ。たまには夜遊びもいいもんじゃ」

 それからのじぃじの動きは、大変早よう御座いました。探偵さんが戻るなり、家を建てれる場所へ移動して、家を建てて、夕飯を催促してと。珍しくテキパキ動いておられました。

 じぃじが早く早くと、催促するものですから、今日の夕飯は簡単に作らせていただきました。親子丼に、アサリのお味噌汁。小鉢3種は作り置きを使わせていただきました。

「あら? どうしました? じぃじ。そんな正装で」

「康夫さん、キマッていますね」

 どう言う事でしょう。じぃじが背広に着替えておりました。首元にはエンジ色の蝶ネクタイで御座います。

「何じゃ? 探偵さんも、ばぁばも普段着なのか?」

「はい。このまま行くつもりですが」

「何でじゃ? サーカスと言うのは、キチンとした服でないと入れないじゃろ?」

「いえ、サーカスには、ドレスコードはないかと」

 懐かしいと言ったじぃじです。サーカスは知っていると思うのですが、もしかして、じぃじの家庭では、サーカスは正装で観に行っていたのでしょうか。確かに子供の頃のサーカスは、とても特別な存在で御座いました。

「じぃじ、良く似合っておいでです。私はこのまま参りますが。……そうですね。少しお待ちいただけますか?」

 じぃじに合わせて着替える事は致しませんが、少しお洒落をするのも、悪くはないでしょう。

「お待たせ致しました」

「何じゃ? 変わっとらんがな」

 真珠のネックレスが、じぃじの目には映っていないのでしょうか。

「光江さん。素敵なネックレスですね」

「探偵さん。ありがとう御座います。お気に入りのネックレスなんです」

 探偵さんが気付けたネックレスに、気付けなかったからでしょうか、じぃじが不貞腐れた顔を見せておいでです。

「……これはじぃじが結婚記念日にプレゼントしてくれた物なんです」

「さすが康夫さん。お優しいですね」

 一瞬でじぃじの顔が戻りました。これでもう一安心です。それでは参りましょう。異世界でのサーカスなんて、ワクワクで御座います。
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