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第86話 我々と協力してくれ!
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「俺らがここにいて良かったよなラゼル」
「もちろん」
エリックがそう言いい放ち、腰に欠けている鞍から剣を抜く。
こんな状況になれば高ランク冒険者であってもどうなるかは分からないだろう。
だが私達はS級冒険者だ。どうすることも出来ない場合もあるかも知れないが、生存の可能性は確かに上がると思う。
その時だった……三匹の竜が旋回するように飛び大地へと激しい音と同時に降り立った。
この竜はおそらくSS級ほどの力がある。
今まで戦った魔物とは訳が違い厄介極まりないだろう……。
ただこの竜を逃す訳には行かない、もしこの竜がリザースを離れれば王都の多くの人々は死んでしまうだろう……。なんとしてもここで食い止めなければ。
私は黒い渦を展開し戦闘準備を整える。
リズ達も集中して剣を握る。すると近衛騎士団の隊長2人が私達に近付いてくる。
「我々近衛騎士団は竜を一体を討伐します、主戦力はリスタ様と一緒に行きましたので……」
「分かりました、では竜2体は冒険者が討伐します。」
私がそう言うと近衛騎士団の隊長が頷く。
これで冒険者は竜の殲滅に当たることができるわけだ……。
あとは竜をいかに効率よく倒すのかだ。
正直私達4人のパーティーだと竜1体に対しギリギリだろう……。
だからこの場にいるA級冒険者やB級冒険者に協力してもらうしかない。
だか周りにいる冒険者を見ても竜に挑もうとする勇気ある者はこの場には見えない。
SS級の竜の恐ろしさはここにいる人が一番分かっているだろう。
挑む勇気があるのは数十人いればいい方だ。
「私はS級冒険者ラゼルだ! 竜を討伐するため協力してもらいたい!」
私が叫ぶと殆どの人が恐怖のためか顔を背ける……。
「か、勝てるわけねぇよ......」
「竜なんかに俺らが勝てる訳がねぇ!」
この王都にいる冒険者は烏合の衆だ、恐れるのは当然だがそれではこの街の人々を助けることは出来ない……。
少し荒療治ではあるが皆に目を覚まさせるためにはこの手しかないな……。
ラゼルは一度深呼吸をすると、声を張り上げて皆に対し言葉を投げかけたのだった――。
「恐れているのはわかる、だがここで竜との戦いに勝利出来なければ、竜はきっと王都に侵入し人々を襲うだろう! そうなれば王都の多くの人々が死んでしまう!!」
周りの人々が静かになった。誰もが竜の恐ろしさを知っているのだろう……。
だからこそ分かるのだ、私達が言っていることも正しい。
すると私の言葉を聞き少しずつ目に色が灯ってくる。
「今この時間も先ほど向かった近衛騎士団は魔物の大群と戦っている! 我々は王国の人々を守らなければならない! 頼む! 我々と協力してくれ!!」
私が最後にそう言い終えた直後、覚悟を決めたのか皆顔を見合わせ同じ方向を向く。
そう先ほどまでの恐怖は無く皆が決死の覚悟で竜に挑むつもりがあるのだろう。
これならばいける。
「お、俺らは冒険者だ! 魔物を狩るのが仕事なんだ!」
「ああ! ラゼルさんの言葉で目が覚めた! やってやろうぜ!」
勇気を出してくれた冒険者達に感謝しながら竜と相対する。
竜の方も私達を見るや否や咆哮を上げ戦いの合図が鳴るのだった。
「もちろん」
エリックがそう言いい放ち、腰に欠けている鞍から剣を抜く。
こんな状況になれば高ランク冒険者であってもどうなるかは分からないだろう。
だが私達はS級冒険者だ。どうすることも出来ない場合もあるかも知れないが、生存の可能性は確かに上がると思う。
その時だった……三匹の竜が旋回するように飛び大地へと激しい音と同時に降り立った。
この竜はおそらくSS級ほどの力がある。
今まで戦った魔物とは訳が違い厄介極まりないだろう……。
ただこの竜を逃す訳には行かない、もしこの竜がリザースを離れれば王都の多くの人々は死んでしまうだろう……。なんとしてもここで食い止めなければ。
私は黒い渦を展開し戦闘準備を整える。
リズ達も集中して剣を握る。すると近衛騎士団の隊長2人が私達に近付いてくる。
「我々近衛騎士団は竜を一体を討伐します、主戦力はリスタ様と一緒に行きましたので……」
「分かりました、では竜2体は冒険者が討伐します。」
私がそう言うと近衛騎士団の隊長が頷く。
これで冒険者は竜の殲滅に当たることができるわけだ……。
あとは竜をいかに効率よく倒すのかだ。
正直私達4人のパーティーだと竜1体に対しギリギリだろう……。
だからこの場にいるA級冒険者やB級冒険者に協力してもらうしかない。
だか周りにいる冒険者を見ても竜に挑もうとする勇気ある者はこの場には見えない。
SS級の竜の恐ろしさはここにいる人が一番分かっているだろう。
挑む勇気があるのは数十人いればいい方だ。
「私はS級冒険者ラゼルだ! 竜を討伐するため協力してもらいたい!」
私が叫ぶと殆どの人が恐怖のためか顔を背ける……。
「か、勝てるわけねぇよ......」
「竜なんかに俺らが勝てる訳がねぇ!」
この王都にいる冒険者は烏合の衆だ、恐れるのは当然だがそれではこの街の人々を助けることは出来ない……。
少し荒療治ではあるが皆に目を覚まさせるためにはこの手しかないな……。
ラゼルは一度深呼吸をすると、声を張り上げて皆に対し言葉を投げかけたのだった――。
「恐れているのはわかる、だがここで竜との戦いに勝利出来なければ、竜はきっと王都に侵入し人々を襲うだろう! そうなれば王都の多くの人々が死んでしまう!!」
周りの人々が静かになった。誰もが竜の恐ろしさを知っているのだろう……。
だからこそ分かるのだ、私達が言っていることも正しい。
すると私の言葉を聞き少しずつ目に色が灯ってくる。
「今この時間も先ほど向かった近衛騎士団は魔物の大群と戦っている! 我々は王国の人々を守らなければならない! 頼む! 我々と協力してくれ!!」
私が最後にそう言い終えた直後、覚悟を決めたのか皆顔を見合わせ同じ方向を向く。
そう先ほどまでの恐怖は無く皆が決死の覚悟で竜に挑むつもりがあるのだろう。
これならばいける。
「お、俺らは冒険者だ! 魔物を狩るのが仕事なんだ!」
「ああ! ラゼルさんの言葉で目が覚めた! やってやろうぜ!」
勇気を出してくれた冒険者達に感謝しながら竜と相対する。
竜の方も私達を見るや否や咆哮を上げ戦いの合図が鳴るのだった。
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