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第三章 リベラティオへの旅路
第150話 ユニコーン確保?
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「カナデ様、大丈夫ですか!」
ユニコーンの角は俺の胴体を貫き、貫通している……様に見えるかもしれないな?
その実、二頭の角は身体を貫いている訳では無く、脇の下に抱え押さえつけている状態だ。
「だ、大丈夫……刺された訳じゃないから……」
一頭目のユニコーンは、恐らく元々刺す気は無かったのだろう。
完全な不意打ちだったが、俺は刺されていない。
しかし、二頭目の左に抱えてるユニコーンは別だ……明らかに俺を串刺しに来ていた。
少し身体をそらし、何とか難を逃れたのだが、今も全力で暴れている。
「カナデさん大丈夫ですか~!」
ユニコーンの後を追ってくるように、三人が心配そうな顔をしながら俺達の元に走ってきた。
「大丈夫、大丈夫だから……!」
大丈夫だから早く助けてほしい! 右のユニコーンは顔を横っ腹にグリグリと押し付けてくるし、左のユニコーンは振りほどこうと暴れているのだ。──これは、離したら殺られる奴だ……。
「カナデ君凄いのね……私達触らせてもくれなかったのに……」
いやいや! もしかしてじゃれてると思ってるの? 違うから、一頭は確実に俺を殺ろうとしてるから!
「な、なんか……女として複雑な気分です~」
「そのお気持ちは分かりますね。カナデ様が、一番清らかな乙女ってことなんでしょうか?」
見るからに落ち込んでいる様子のハーモニーとティア。──どんな勘違いしてるんだよ! まさか、辛抱たまらん! っとでも言ってる思ってるのか?
「ミ、ミコ、説得! 説得を頼むよ!」
しかし何故だろうか? 俺の頼みにミコは露骨に嫌そうな顔をした。
「な、なぁ? 頼むよミコ。このままだと社会的にも肉体的にも……死んでしまう!」
「え~、正直気が進まないシ。世の中には知らないことが幸せだって事もあると思うカナ……」
何でこんなときに世の中を語るよ! ちょっと……手が、手が痺れてきた!
──あぁ~もう! 背に腹は代えられない!
「ミコ、後で腹一杯食わせてやる!」
「──任せるカナ!!」
食いぎみかよ! 目の前の小さな精霊様は大変やる気を出したようだ。──チョロすぎる。何だろう、このやるせない気持ちは……。
ミコは深い深呼吸の後、メンバー皆に聞こえる声で、ユニコーンの台詞を通訳した。
「うんまぁ~いい男! この清らかで芳しい香り。最高だわ!」
台詞を……通訳? したのだ。
「ハニー、こんな馬並みなヤツの何処がいいんだ! くそぉ! 俺の女に手を出しやがって……許せねぇ!」
三度言おう……ミコは台詞に感情を込め、迫真の演技でユニコーンの心の声を、通訳をしてくれた。──聞き間違いでは……ない? まさか本当に辛抱たまらんだったとは。
「カナデさん……到頭人だけではなく、お馬さんにまで手を出したんですね~」
ハーモニーは身体を左右に揺らしながら、虚ろな瞳で俺を見つめる……その姿は日本の鬼を連想させた。──出してないからな! そもそも人にも出して無いだろ!
「カナデ、痴話喧嘩にボクを間に挟むの……やめてほしいカナ……」
おい、待ってくれ。一番巻き込まれてるのは俺なんだぞ?
「流石カナデ様です! まさか新境地を開拓されるとは……」
ティア、このタイミングで病気が出ちゃったか……先程までは比較的まともだったのに。
「皆……ひとまず落ち着け。ツッコミが間に合わないから」
ミコに頼み、まず俺から見て右側のメス? のユニコーンを説得してもらった。
その後、そのユニコーンが左のオス? のユニコーンに「うんまぁ! この人に手を出したら、絶交だからね!」と、話したそうだ……。
その結果、オスのユニコーンを大人しくさせることに成功した。
「とんだ目に遭ったな……結局の所、本命の交渉の件はどうなったんだ?」
え~またカナ? っと言いたげな顔を見せるが、お腹一杯を思い出したのだろう。
またも迫真の演技で「うんまぁ! もちろん、私は貴方に着いていくわ! 」といい返事が帰ってきた。
もう一体のオスのユニコーンを見ると、見るからにご機嫌斜めだ。
前足の蹄で、地面を削っている……。
「ミコ……何て言ってる?」
「え~っと、待つカナ。オホン! うまい事ハニーを騙しやがって……。当然俺様も、監視の為にハニーについていくぜ! って言ってるカナ」
じゃぁ、何とか当初の目的は達成……って事でいいのか?
それにしても、この世界はユニコーンまでこんななのかよ。幻想を抱くことまで許されないとは……。
ユニコーンの角は俺の胴体を貫き、貫通している……様に見えるかもしれないな?
その実、二頭の角は身体を貫いている訳では無く、脇の下に抱え押さえつけている状態だ。
「だ、大丈夫……刺された訳じゃないから……」
一頭目のユニコーンは、恐らく元々刺す気は無かったのだろう。
完全な不意打ちだったが、俺は刺されていない。
しかし、二頭目の左に抱えてるユニコーンは別だ……明らかに俺を串刺しに来ていた。
少し身体をそらし、何とか難を逃れたのだが、今も全力で暴れている。
「カナデさん大丈夫ですか~!」
ユニコーンの後を追ってくるように、三人が心配そうな顔をしながら俺達の元に走ってきた。
「大丈夫、大丈夫だから……!」
大丈夫だから早く助けてほしい! 右のユニコーンは顔を横っ腹にグリグリと押し付けてくるし、左のユニコーンは振りほどこうと暴れているのだ。──これは、離したら殺られる奴だ……。
「カナデ君凄いのね……私達触らせてもくれなかったのに……」
いやいや! もしかしてじゃれてると思ってるの? 違うから、一頭は確実に俺を殺ろうとしてるから!
「な、なんか……女として複雑な気分です~」
「そのお気持ちは分かりますね。カナデ様が、一番清らかな乙女ってことなんでしょうか?」
見るからに落ち込んでいる様子のハーモニーとティア。──どんな勘違いしてるんだよ! まさか、辛抱たまらん! っとでも言ってる思ってるのか?
「ミ、ミコ、説得! 説得を頼むよ!」
しかし何故だろうか? 俺の頼みにミコは露骨に嫌そうな顔をした。
「な、なぁ? 頼むよミコ。このままだと社会的にも肉体的にも……死んでしまう!」
「え~、正直気が進まないシ。世の中には知らないことが幸せだって事もあると思うカナ……」
何でこんなときに世の中を語るよ! ちょっと……手が、手が痺れてきた!
──あぁ~もう! 背に腹は代えられない!
「ミコ、後で腹一杯食わせてやる!」
「──任せるカナ!!」
食いぎみかよ! 目の前の小さな精霊様は大変やる気を出したようだ。──チョロすぎる。何だろう、このやるせない気持ちは……。
ミコは深い深呼吸の後、メンバー皆に聞こえる声で、ユニコーンの台詞を通訳した。
「うんまぁ~いい男! この清らかで芳しい香り。最高だわ!」
台詞を……通訳? したのだ。
「ハニー、こんな馬並みなヤツの何処がいいんだ! くそぉ! 俺の女に手を出しやがって……許せねぇ!」
三度言おう……ミコは台詞に感情を込め、迫真の演技でユニコーンの心の声を、通訳をしてくれた。──聞き間違いでは……ない? まさか本当に辛抱たまらんだったとは。
「カナデさん……到頭人だけではなく、お馬さんにまで手を出したんですね~」
ハーモニーは身体を左右に揺らしながら、虚ろな瞳で俺を見つめる……その姿は日本の鬼を連想させた。──出してないからな! そもそも人にも出して無いだろ!
「カナデ、痴話喧嘩にボクを間に挟むの……やめてほしいカナ……」
おい、待ってくれ。一番巻き込まれてるのは俺なんだぞ?
「流石カナデ様です! まさか新境地を開拓されるとは……」
ティア、このタイミングで病気が出ちゃったか……先程までは比較的まともだったのに。
「皆……ひとまず落ち着け。ツッコミが間に合わないから」
ミコに頼み、まず俺から見て右側のメス? のユニコーンを説得してもらった。
その後、そのユニコーンが左のオス? のユニコーンに「うんまぁ! この人に手を出したら、絶交だからね!」と、話したそうだ……。
その結果、オスのユニコーンを大人しくさせることに成功した。
「とんだ目に遭ったな……結局の所、本命の交渉の件はどうなったんだ?」
え~またカナ? っと言いたげな顔を見せるが、お腹一杯を思い出したのだろう。
またも迫真の演技で「うんまぁ! もちろん、私は貴方に着いていくわ! 」といい返事が帰ってきた。
もう一体のオスのユニコーンを見ると、見るからにご機嫌斜めだ。
前足の蹄で、地面を削っている……。
「ミコ……何て言ってる?」
「え~っと、待つカナ。オホン! うまい事ハニーを騙しやがって……。当然俺様も、監視の為にハニーについていくぜ! って言ってるカナ」
じゃぁ、何とか当初の目的は達成……って事でいいのか?
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