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1章 運命の出会い
第7話 再会
しおりを挟むいまだ衝撃の事実を飲み込めていない中、再会を果たす事となる。
『私の息子が来ているんでしょう⁉︎』
女性の大きな声が聞こえた。
『まて!リナ、走るんじゃない!危ないだろう!私達の息子は逃げないから!』
『だって、ロナ!何年ぶりだと思っているの!もう、貴方のせいでこんなに息子と離れ離れになっているんだからね!』
『うぅぅ……分かったから。ほら、もう見えるだろう』
騒がしくしながら、ルドにどこか似た2人の男女が走って来た。
男性は艶やかな黒髪にルビーのような輝く瞳
女性はふわふわのシルバーブロンドの髪に金色の瞳
『あぁ、私達の息子、ルインドレッド!会いたかったわ。貴方を手放さなくてはならない時、どんなに苦しかったことか。しまいにはこの人のせいで気軽に会いにも行けないし…』
「母さん?」
『ええ、そうよ』
『父さんもいるぞ』
「父さん?」
『ああ』
ルドは顔を歪めながら言った。
「会いたかったよ。今まで捨てられたんだと思ってたから、憎んでもいた。でも違うみたいだね」
『ええ、そうよ。ごめんなさい。謝って済むことではないけれど。貴方をずっと愛しているわ、私達の宝物。今まで会いに行けなくてごめんなさい…。これからはいつでも会えるわ。貴女のお陰で。ルイン、いい運命を見つけたわね。母様嬉しいわ。綺麗な魂ね。これまでいくつも試練を乗り越えてきたのでしょう?貴女になら私達の息子を託せるわ』
そう言って、私の手を握り締め、涙を流す。
「任せてください。2人で幸せになりますわ」
『手伝うことはあまり出来ないだろうけれど、私達に頼ってくれていいのよ。あなた達の父と母なんだもの。頼ってくれればこの人と一緒に何がなんでも助けるわ』
「ありがとうございます。とても心強いですわ」
『私のことはお義母様と、この人のことはお義父様と呼んでちょうだい?』
そう言って私達が話していると、ルドとお義父様が優しい瞳で私達を見ていた。
「お2人は運命の番なのですか?」
『ええ、そうよ。ロナは精霊とエルフのハーフで、私は竜族なの。出会った時は、ロナはもう既に“精霊王の王”だったのよね。私はたまたま精霊界に行く用事があってここに来ていたのだけど、甘い匂いがしたから匂う方に行ってみたら、ロナがいたの』
『いや~、あの時はビックリしたよ。もう運命の番なんて、出会えると思ってなかったからね。だって、長い間生きていて出会えないんだよ?もう諦めてたよね。だからその分すっごく嬉しくてね』
『凄い溺愛されたわ。もうこの人ったら私達竜族に負けないくらい独占欲が強いのよ。本当に凄かったわ。異性と少し話しただけで、1週間の監禁よ。ああ、物騒な方じゃないわよ?鎖とか首輪とかは付けていないからね?軟禁の方が近いかしら?ただ2人きりで閉じこもってただけだから安心してちょうだい?』
「凄いですわね」
『ええ、でも私も同じような感じだからお互い様ね。だから別に嬉しいだけなのよ』
「竜族って噂に聞いていたよりも独占欲が強いのですわね」
『サフィーちゃん?でいいのかしら?』
「はい」
『貴女はルドにそんなことされたら嫌?嫌いになる?』
ルドに監禁。ルドに監禁される?うーん。
「そうですわね。痛くされるのとか、無理矢理何かされるのとかだったら嫌ですわ。でも、2人きりで過ごすとかならむしろ喜んでしたいくらいですもの。まだ出来ないですけれど、別にルドとエッチなことするのは抵抗ないですわ。むしろしたいくらいですもの。心配なさられなくて大丈夫ですわ。ルドは私が本気で嫌がることはしないですもの」
『あらあら、惚気られちゃったわ。それにしてもルイン、貴方愛されてるのね。安心したわ』
『想い合っていてよかったよ』
「ありがとう、父さん。母さん」
『ふふ、幸せになれそうでよかったわ』
そう言うお義母様とお義父様は、愛おしそうに私達を見つめた。
……というか、ルドの両親ってヤンデレだったのね。だからルドもヤンデレなのかしら。
「えっ、ヤンデレ?」
「え?」
「俺ってヤンデレなの?」
「声に出してたかしら?」
「うん」
『ルイン、お前気付いていなかったのか?今までの会話を全部精霊達から聞いていたが、誰がどう聞いてもヤンデレ発言してたぞ?というか俺達がヤンデレなんだからルインもヤンデレになる確率は高いだろう。両親が2人供ヤンデレとかそうそうないがな。諦めろ。一生付き合っていくものだ』
「………」
「ルド?」
「フィアは迷惑じゃない?俺のこと嫌いになる?俺自分がヤンデレだったなんて知らなくて。ごめんね。……もう拒否されても離してあげられないけど」
悲しそうな顔をしながらルドが言った。
「なんで謝るの?私はさっき、ルドになら監禁されても、ルドがずっと一緒にいてくれるなら平気だと言ったわ。聞いてなかったの?ならもう一回言うわね。私はルドがヤンデレでも嫌いにならないわ。というか、私も竜族の血を引いていてヤンデレだから大丈夫よ」
「フィアもヤンデレなの?」
「ええ。嫌?」
「そんなことないよ。むしろ嬉しいかなぁ。だって、俺の事を病んでしまうくらい好きってことでしょう?俺はフィアの愛が感じられるから嬉しいよ」
「ふふ、ありがとう」
『ヤンデレカップルだな』
『ふふ、そうね。私達と一緒よ』
和やかな雰囲気が流れる中、この事は聞いておかなければならないと思い、質問してみた。
「一つ、聞いておきたいことがありますわ。よろしいでしょうか?」
私が真剣な顔をしてルドの両親に聞くと、二人とも真剣な顔をして頷いてくれた。
「何故、ルドはエルフの森で育たなければならなかったのでしょう?今のやりとりを見ていれば、お二人がルドのことをとても愛していることがわかりますわ。それなのに、何故、そんな愛してやまない子どもを手放したのですか?」
『……そうだね。二人には話しておこうか。二人には聞く権利があるからね』
『ロナ…』
心配そうな顔をしながら、リナがロナを見つめる。
それにロナは優しく微笑み、話し始めた…。
『俺たちが番契約をして300年くらいは、二人きりの時間を過ごしたくて、ゆっくり過ごしていた。そのあとに子どもが欲しくなって、今まで避妊していたのを辞めたんだ。
その1年後くらいにリナが妊娠していることがわかって、安定期に入ってから精霊界から出て、リナの祖国に行くことになった。
リナの両親に妊娠したことを報告するのと、久しぶりの里帰りで帰ったんだよ。勿論俺もついていったがな。
そこで、竜族が治めているグランキール国の王であるリナの父親が、歓迎とお祝いの意味を込めて、舞踏会を開いてくださったんだ。そこまでは良かった。そこまではよかったんだが……』
ロナが顔を歪め、その瞳の奥には怒りが浮かんでいる。
まるで、今でも許していないというように……。
強く握り締めているロナの手を、リナが両手で包み込み、宥めるかのように、優しく撫でる。
『その舞踏会に参加していたある男が、リナに恋をした。その時の俺は、ただ恋をしただけなら、俺の姿を見れば諦めるだろうと思っていた。
だが…あろうことか、そいつは…そいつは、リナを、妊娠中のリナを襲ったんだ!
リナが早めに体を休めるために先に舞踏会を退出して、俺はまだリナの父親に付き合って残っていたとき、アイツは眠っているリナの寝室に忍び込んで、媚薬を飲ませ、犯そうとした。
触られた時の不快感でリナが目覚め、俺に知らせたから間に合ったものの、そうでなければどうなっていたことか……。
怒り狂った俺は、アイツを吹き飛ばし、リナを救出した。その後リナが落ち着くまで部屋に篭り、一週間後に部屋から出て、全てを消滅させようかと考えたんだが……止められてな。結局襲ったアイツと協力した者、唆した者を俺が自由に殺すことで収まった』
『本当に大変だったわ。ロナが世界を滅ぼそうとするんだもの。流石に関係ない人達を巻き込む訳にはいかないから、妥協してもらったの』
『だが、リナはそれだけ酷いことをされた。到底許せることじゃない。だから、俺が許すまでは、アイツらには痛い目をみてもらうことにしたんだ』
「もしかして、ソイツらまだ生きてるの?」
『ああ、そんな簡単に殺すわけがないだろう?思う存分痛めつけなければ。心も体もな……』
物騒な言葉ばかりが出てきたが、自分の番がそんな目に遭えば、この世界ではコレが当然のことなのかもしれない。
それだけ番はかけがえのない存在なのだ。
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