私と運命の番との物語

星屑

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1章 運命の出会い

第8話 番契約

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『あ、そうだわ!ルイン、サフィーちゃん。あなた達、つがい契約はどうなっているの?』

「……?まだしてないよ。だってさっき出会ったばかりで、色々な話をしてたからね」

『そう。早くした方がいいわよ。というか、今すぐしなさい』

「理由を聞いてもいい?」

『ええ。発情期のことは知っているでしょう?』

「うん」

「……はい」

『サフィーちゃんの発情期は、通常よりも早く来ると思うわ』

「……何故でしょう?」

『だって私が早く来たんだもの。あ、ちなみに、竜族は運命のつがいしか伴侶にしないわ。運命のつがいが出来ると通常は1か月後に発情期が来るけれど、私は2週間後に来たのわ。通常の半分よ?来た時は、マジかと思ったわ』

「だから私も早いと?」

『ええ。だって、よく考えてみて?"精霊王の王“と竜族の息子よ?最強同士の子供じゃない。何があってもおかしくないわ。もしかしたら私よりも早いかもしれない。私の場合はお互いの独占欲のお陰で出会ってすぐにつがい契約をしたから大丈夫だったけれど。もしこのままつがい契約をしないで通常より早く発情期が来たときのことを考えてみなさい?サフィーちゃん襲われるわよ』



お義母様がドスの効いた声で言った。



「確かに。予期せぬ発情期でフィアがもし襲われたらなんて、考えただけで恐ろしい。

フィア、俺とつがい契約してください。

これを申し込むのは、ただの俺の独占欲だと思って?フィアが誰かに奪われるだなんて、死んでも考えたくない。お願い、フィア。

俺とこれからの人生を共に歩んでください」



ルドが真剣な眼差しで言う。

私の心は既に決まっている。



「はい、私と幸せになってください」

「ありがとう、フィア。愛してる」

「私もよ、ルド。愛してるわ」



お互いに近づき、触れるだけの、幸せなキスをした。



『じゃあ早速つがい契約をしましょうか』

「真名を明かして誓い合えばいいのですか?」

『ええ、そうよ。2人だけの言葉で誓い合うの。正解はないから自由にするといいわ』



「フィア」

「ルド」



辺りは鎮まり、静かな静寂が訪れる。



「真名は、ルインドレッド・フィル・リード・カイルラント」


「真名は、サーフィリア・フィアナ・ルナ・アイラック」



「我、ルインドレッド・フィル・リード・カイルラントは誓う。永遠にサーフィリア・フィアナ・ルナ・アイラックを愛し、己の持つ全ての力を使い、守り抜き、幸せにすることを」

わたくし、サーフィリア・フィアナ・ルナ・アイラックは誓います。私の全てをもって、ルインドレッド・フィル・リード・カイルラントを永遠に愛し抜き、幸せにし、共に歩んでいくことを」



お互いに真名を明かし、誓い合ったところで、眩い光が辺りを包み込んだ。


次第に光は収まり、フィアとルドの胸に吸い込まれていった。

吸い込まれる前に、自分の魔力でできた一本の鎖がお互いの胸から伸びて、混ざり合い、繋がったのが分かった。



『『おめでとう。2人供お幸せに』』

「「ありがとう(ございます)。幸せになる(りますわ)」」



幸せな空気が流れたが、忘れていた。



「あ、私自分の両親に何も言ってないわ」

「そういえばそうだね」

「どうしましょう?」

『取り敢えず挨拶に行きましょうか。私達が行けないのが残念でしょうがないけれど』

『リナはただ嫌味が言いたいだけだろう』

『そうよ。こんないい子を愛さないなんて、どうかしてるわ』

「ふふ、ありがとうございます」

『私達が貴女の新しい両親よ』

「ありがとうございます。嬉しいですわ」

『いっぱい甘えてくれていいのよ?』

「母さん、それは俺の役目だから」

『ふふ、そうね。でも私も娘ができて嬉しいわ。……また子どもが欲しくなってきたわ。ルイン、貴方も兄弟が欲しいわよね?』



若干、リナが圧を掛けながらルインに問う。


「それは父さんに言わないとだよ?」

『ふふふ、ロナ?』

『もう1人つくるか?』

『ええ、そうね』



ルドの兄弟ができることが決まったようだ。



『とは言っても、私達は子どもができにくいから、そんなにすぐできないのよね。魔力の高い者は、総じて子どもができにくいわ。寿命が長いことが関係していると思うのだけど…』

「それは初めて知りましたわ」

『あまり知られてないのよね。寿命が長いから、子孫を残すための能力が劣っているのかしら。でも、性欲がないわけではないのよね。むしろ、子どもができにくい分性欲は強いし、魔力や身体能力は高いわ。逆に、人間は能力が低い者が多いでしょう?その分繁殖能力は高いわよね』

「確かに、人間の血が濃い者ほど子どもはできやすいですわよね」

『そうなのよ。私の兄弟は上に兄がいるだけだもの。兄とは200歳くらい歳が離れているわね。
今は父が隠居して、兄がグランキール国を治めているの。父は早く隠居して母と2人きりで過ごしたかったのですって。そのうち弟か妹が出来るかしら?ふふっ』

「お義母さまは竜族が治めているグランキール国の王女様だったのですか⁉︎」

『ええ、父が王だったわ。今の身分は王妹にあたるわね』

「それでは、ルドはグランキール国の王族の血を引いているのですね…」

「フィア?何か不安なの?」



まさかの、ルドがグランキール国の王族の血を引いているという事実を知って、驚きと共に不安を抱いた。



「だって…この事実をみんなが知ったら、ルドの妻になりたいと言い出す人が絶対にいるわ。それで、もしもルドが他の人を好きになってしまったら……。私は生きて行けないわ…」

「そんなこと考えていたの?さっきつがい契約をしたでしょう?俺達には確かな絆がある。信じて?
俺はフィア以外を好きにならない。一番に愛するのはフィアだけだよ。その次に俺たちの子供。
フィア、愛してるよ」

「ありがとう、ルド。どうしても不安になってしまうの…。前世で愛されてこなかったから、自信を持つことができないのよ」

「いいよ。不安になったらいつでも言って?何度でも俺がフィアを愛してるって伝えるから」

「ありがとう……」



その言葉が本当に嬉しくて、涙を流しながらも笑みを浮かべた。

泣き笑いのようなその顔が儚く、その場にいる者全員を惹きつけた。



「フィア、そんな可愛い顔は俺以外に見せないで?」

『ふふふ、独占欲が強いわね』

「……?分かったわ」



何故ルドがそんなことを言うのか分からないが、とりあえず言っておく。



『コレは分かっていないわよ?ふふふ、大変ね』



分かっていないことはバレているようだ。



「フィアは自分が可愛いってことが分かっていないんだよ。どうしたら自覚してくれるのかな?」



そんなことを言われても、自分が可愛いと自信を持って言うことはできないと思う。



「私はルドが可愛いと思っていてくれればそれでいいわ」

「本当に可愛い。無自覚でコレを言うんだから、俺の理性はいつまでもつかな?」

『ふふふ。ルイン、大人になるまではダメよ?』

「……分かってるよ。フィアと結婚できるのは5年後か」

「そうね。今私は10歳だから。成人が15歳だもの」

「長いな…」

「ごめんなさい?もう少しだけ待っててね?」



可愛いらしく首を傾げて言うと、



「だから、その可愛さは反則だって」

「ふふ、やられてばかりじゃないのよ?」

「いや、やられてるのは俺の方なんだけど」

「いいえ?ルドにはずっとドキドキさせられてるわ」

「じゃあ、お互い様だね」

「そうね」



2人は微笑み合った。


そろそろ戻らなければならない。



『もう、戻るのか』

『寂しいわ』

「また会いに来るから」

「2人でまた来ますわ」

『ああ、楽しみにしてる』

『待ってるわ』

「あ、そういえば、ガーデンパーティーってどうなっていますの?」

『ああそれはな、精霊界と地上では流れている時間が違うのだが、時間を指定すれば、精霊界に来た時間に地上に出る事ができるぞ』

「そうなんですのね。ありがたいですわ」

『それではまた近いうちに会いましょう』

「「うん(はい)」」

『あぁ、サフィー。申し訳なかった』

「何がですの?」

『君の魂が向こうの世界に行ってしまったのは、私が君の魂が攫われるのを防げなかったからだ。予想出来なかったこととはいえ、俺が防げれば、君に辛い思いをさせずに済んだ。本当に申し訳ない』



私の魂は攫われたのか。



「気になさらないで?確かに辛い経験でしたけれど、こうしてまたルドに出会うことができましたもの。私は今世で幸せになれればそれでいいですわ」

『ありがとう…』



誰に攫われたのかはわからない。

それは今考えてもしょうがない。

いつか、その問題にあたることがあるかもしれないが、それを考えるのは今ではない…。


そうして別れを告げ、ガーデンパーティーの会場へ戻る。




***




精霊界から帰ってくると本当に精霊界に行った時の時間に戻っていた。

そして、明日また会う事を約束して2人は別れ、それぞれの家に帰った。

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