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7話
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「は……はい。カトレア様の為ならば」
訳も分からず頷くメイドに微笑んで、カトレアは立ち上がった。
「リード様、ミミー様のお体は根深く危険な呪いの毒素に蝕まれているようです。もっと強力な効能を凝縮した……魔法薬を試してみたいのですが?」
「え!? そんな……」
「ああ! やってくれ!」
顔を引きつらせて拒否しようとするミミーに被せてリードが肯定した。
「それで、材料がその……ちょっぴり高額なのですが」
「構わない! ミミーが治るのなら!」
リードはキリッとした表情で宣言する。その勇ましさは、婚約者にケーキ一つを奢るのも惜しんだ彼と同一人物だとは思えない。
「畏まりました。……では」
カトレアが左手を突き出すと、何もない空間から小さな布袋が三つ現れた。収納魔法だ。
「サマンサ、薬の用意を手伝ってくれる? 赤い袋の葉っぱはお茶として淹れて。青い袋の穀類はお粥に、緑の袋の豆は柔らかく煮て」
「仰せのままに、カトレア様」
厨房へ向かったサマンサは、すぐにティーポットを持って帰ってくる。
「これは、頭の毒素を抜くお茶です」
カトレアはティーカップにお茶を注いだ。紫色をしたどろりとした液体は、カップに禍々しい波紋を広げている。
「月光雫茸と海桜をブレンドした最高級の魔法茶です。栄養があって普通に飲んでも健康にいいのですが、毒素の溜まった方には特に効果がありますのよ」
カップを渡され、ミミーはごくりと唾を飲む。
「……お兄ちゃま。あたし、これ飲みたくない」
いつもなら、嫌だといえば従兄は必ず「いいよ」と言ってくれるのだが……。
「飲まなきゃダメだよ、ミミー」
今日のリードは優しく諭してきた!
「メイドの傷が治ったのを見ただろう? カトレアの力は本物だ。そのカトレアが通常の魔法では治せないというのだから、ミミーは大変な病気なんだ! 僕は君の為なら全財産を擲ったって構わない!」
「お兄ちゃま……」
従兄の熱い心には感動するが、はっきりいってありがた迷惑だ。
しかし、わくわく顔で見つめるリードの前で拒否することはできない。普通に飲んでも体にいいというのだから、問題ないだろう。
ミミーは意を決してカップに口をつけ……、
「うおぉぉえぇぇぇぇっ!」
……おおよそお嬢様らしくない声が出た。
「おえ! まず! なにこれ、毒!?」
「良薬は口に苦しです」
「苦いってもんじゃないわよ! 人の口にするもんじゃないわ! お兄ちゃま、このお茶捨てちゃって!」
「わかっ……」
金切り声で叫ぶミミーにティーカップを押し付けられ、リードは受け取ろうとするが……、
「そのお茶、同重量の金と同額で取引されております」
カトレアの言葉に、血相を変えて押し戻した。
「ミミー、我儘を言ってはダメだよ。全部飲まなきゃもったいな……ゲフン。病気が治らないよ」
「お兄ちゃまぁ……っ」
まさかリードが寝返ってくるとは!
彼に気づかれぬよう、ミミーがカトレアをキッ睨むと、従兄の婚約者はにっこり微笑み返した。
「お熱いうちにどうぞ。冷めると更にエグく……コホン。味の個性が強くなりますので」
訳も分からず頷くメイドに微笑んで、カトレアは立ち上がった。
「リード様、ミミー様のお体は根深く危険な呪いの毒素に蝕まれているようです。もっと強力な効能を凝縮した……魔法薬を試してみたいのですが?」
「え!? そんな……」
「ああ! やってくれ!」
顔を引きつらせて拒否しようとするミミーに被せてリードが肯定した。
「それで、材料がその……ちょっぴり高額なのですが」
「構わない! ミミーが治るのなら!」
リードはキリッとした表情で宣言する。その勇ましさは、婚約者にケーキ一つを奢るのも惜しんだ彼と同一人物だとは思えない。
「畏まりました。……では」
カトレアが左手を突き出すと、何もない空間から小さな布袋が三つ現れた。収納魔法だ。
「サマンサ、薬の用意を手伝ってくれる? 赤い袋の葉っぱはお茶として淹れて。青い袋の穀類はお粥に、緑の袋の豆は柔らかく煮て」
「仰せのままに、カトレア様」
厨房へ向かったサマンサは、すぐにティーポットを持って帰ってくる。
「これは、頭の毒素を抜くお茶です」
カトレアはティーカップにお茶を注いだ。紫色をしたどろりとした液体は、カップに禍々しい波紋を広げている。
「月光雫茸と海桜をブレンドした最高級の魔法茶です。栄養があって普通に飲んでも健康にいいのですが、毒素の溜まった方には特に効果がありますのよ」
カップを渡され、ミミーはごくりと唾を飲む。
「……お兄ちゃま。あたし、これ飲みたくない」
いつもなら、嫌だといえば従兄は必ず「いいよ」と言ってくれるのだが……。
「飲まなきゃダメだよ、ミミー」
今日のリードは優しく諭してきた!
「メイドの傷が治ったのを見ただろう? カトレアの力は本物だ。そのカトレアが通常の魔法では治せないというのだから、ミミーは大変な病気なんだ! 僕は君の為なら全財産を擲ったって構わない!」
「お兄ちゃま……」
従兄の熱い心には感動するが、はっきりいってありがた迷惑だ。
しかし、わくわく顔で見つめるリードの前で拒否することはできない。普通に飲んでも体にいいというのだから、問題ないだろう。
ミミーは意を決してカップに口をつけ……、
「うおぉぉえぇぇぇぇっ!」
……おおよそお嬢様らしくない声が出た。
「おえ! まず! なにこれ、毒!?」
「良薬は口に苦しです」
「苦いってもんじゃないわよ! 人の口にするもんじゃないわ! お兄ちゃま、このお茶捨てちゃって!」
「わかっ……」
金切り声で叫ぶミミーにティーカップを押し付けられ、リードは受け取ろうとするが……、
「そのお茶、同重量の金と同額で取引されております」
カトレアの言葉に、血相を変えて押し戻した。
「ミミー、我儘を言ってはダメだよ。全部飲まなきゃもったいな……ゲフン。病気が治らないよ」
「お兄ちゃまぁ……っ」
まさかリードが寝返ってくるとは!
彼に気づかれぬよう、ミミーがカトレアをキッ睨むと、従兄の婚約者はにっこり微笑み返した。
「お熱いうちにどうぞ。冷めると更にエグく……コホン。味の個性が強くなりますので」
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