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1.男と勘違いされた北斗、追放される-1-
しおりを挟む私こと水川 北斗(23)は大学卒業後、企業に就職した何処にでもいる社会人だ。
オタクにして腐女子だけど。
父親が『某世紀末救世主のように強くなりますように』と意味を込めて北斗と名付けられた私は、子供の頃から鍛錬の日々を送っていたけど。
学生の頃はミス〇〇に選ばれて優勝したり、年に二回のビッグイベントで漫画やゲームキャラのコスプレをしたり、高身長を買われて代理でモデルをした事がある事を除けば、これといって何の特技を持たない平凡な女よ。
今勤めている会社を辞めようと考えているけど。
そんな私が社員食堂で友人達と共に昼食を摂り終えたから事務所に戻ろうとしたのだけど、何の前触れもなく眩い光を放つ魔方陣のようなものが現れて食堂へと向かう吉田 真白(22)と共に吸い込まれてしまったの。
「私、事務所に戻ろうとしていたのに・・・」
「ここ、紫禁城?」
(・・・・・・もしかして蒼月宮!?)
そんな訳ないでしょ!
紫禁城は中国の宮殿であって日本にあるはずがないじゃない!
何で吉田さんの口から紫禁城という言葉が出て来たのか、説明しないといけないわね。
私と吉田さんは同じ会社に勤めているの。
しかも昼休み中。
という事は建物の内装はオフィスビルでないといけないのに、光を放っていた魔方陣のようなものに吸い込まれたかと思ったら目の前に隋とか唐とか・・・私は海外ドラマや映画を殆ど見ないから分からないけど、世界の宮殿探索のような番組で目にする古代中国っぽい絢爛豪華な内装と調度品で飾られている部屋にいたし、玉座の間(?)謁見の間(?)らしき部屋にいる男性達全員(それぞれタイプが異なる長身のイケメン。黒髪に茶髪、金髪だけではなく赤色系統に水色系統という風に髪の色がカラフルである)が漢服、洋装を中華風にアレンジした服を着ているもの。
もしかして・・・私と吉田さんはあの魔方陣のようなものが原因でタイムスリップでもしたのかしら?
「陛下!我等の願いを聞き入れた王母娘娘が異世界の女・・・聖なる乙女が我等の元に召喚されました!」
「しかも二人です!」
「そうか!」
陛下?
陛下って確か天皇、皇帝、国王とその伴侶である皇后と王后、天皇、皇帝、国王の母親と祖母に対する敬称よね?
異世界の女の召喚?
そういえば陛下って人に仕えている側近らしき男性はそんな事を言っていたわね?
という事は・・・・・・これってどう考えても拉致じゃん!
色々言いたい事はあるけれど、今は自分が置かれている状況を掴む為、私は大人しくする事にしたの。
「異世界の聖なる乙女達よ。我等を夫と迎え女児を成して貰う為に万物の母である王母娘娘が汝達を暁華国へと召喚した次第である!」
「はぁ・・・」
(やっぱり誘拐じゃねぇか!一刻も早くこの場から逃げないと・・・)
「えっ?ここに居る皆があたしの夫になるのですか!?分かりました♡あたしが皆さんを平等に愛して女の子を産みます♡」
吉田さん・・・?
陛下を含むイケメン達は私達を日本から拉致した誘拐犯よ?
何でイケメンという理由だけでエロゲーやエロ同人誌に出てくる、快楽堕ちしたヒロインのように瞳に♡マークを浮かべているの!?
貴女・・・誘拐犯の子供を産む事に対して拒否感が・・・って思うはずがないわよね!
職場での吉田さんがどうだったかを思い出した私は心の中で溜息を漏らしたわ。
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