【恋愛】目覚めたら何故か騎士団長の腕の中でした。まさかの異世界トリップのようです?

梅花

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76話

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「ミナミは、招かれたのか?」

壁の花になろうと端に立っていた美南に、ブルーベルがグラスを持って近付いてくる。

「えぇ、昨日泊まらせていただいて。団長が連日休暇を入れてくださったので甘えてしまいました」
「そうか、良く似合っている」

そう言われ美南はポカンとブルーベルを見上げた。

「ありがとうございます……」

差し出されたグラスを受け取り口をつける。
ほんのりと甘い口当たりの良いお酒だった。

「はは、ミナミは褒められることに慣れていませんね?本当に綺麗ですよ……団長が自慢したい訳だ」

クスクス笑いながら、ブルーベルもグラスを傾ける。
言っている意味がわからない。

「シルヴィアが用意してくれたらしくて」
「その趣味は団長のだと思いますよ?シルヴィアはもっと華やかなものを選びますから。だから私は騎士団の制服なんです」
「ブルーベルも、素敵ですよ。女性騎士の中でシルヴィアと双璧でしょう?今日来ているのはシルヴィアのお友達が多いのかな……こっちを見てます」

コスプレの知識があるため、騎士服等には抵抗がない美南だ。
化粧も殆どしていないのに綺麗なブルーベルは男装の麗人と言ってもおかしくない。
ふと、美南はフランス革命を題材にした漫画を思い出してしまう。

「今日は、半分シルヴィアの護衛も兼ねてるんだ……」
「護衛?」
「えぇ」

ブルーベルは曖昧に笑うと、手にしていたグラスを飲み干した。

「大丈夫ですか?口当たりがいいですけれど、強めのお酒ですよ?」
「私のグラスは果実水だよ、護衛に来て酔ってはいられないから」

ははっと笑うと、グラスを下げて貰う仕草はとてもスマートだ。
ブルーベルも貴族なのだろうか。
騎士の事はよくわからない美南だった。

「そろそろ時間か?」

ブルーベルがポケットの中から取り出した懐中時計を開くと、もうすぐ始まるとの事だった。

「ミナミはダンスはできるのですか?」
「出来るように見えますか?やったことありませんし、運動神経も良い方ではなくて……」
「なら、かなり練習をしないといけないな……シルヴィアのパーティーが終わったら団長に話をしておきますから、私たちのダンス練習に混ざって講義を受けた方が良いと思いますよ?」
「え、ダンスが必要な場面なんて考えられないです」
「必ず必要になるし、姿勢の矯正にもいいからやるだけやってみたらどうかな。私たち騎士にもダンスは必須だから時折授業が組まれるんだ」

ブルーベルの理屈はいまいちわからなかったが、誘われたダンスの訓練は後々美南を助けることになるのだった。
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